トンガで海底火山大規模噴火、そして津波警報と気候への影響

オセアニアニュース

週末は火山噴火の影響によって大きな騒ぎになっていた。

トンガで再び大規模噴火

2022年01月17日09時06分

AFP通信は17日、南太平洋のトンガで再び「大規模な噴火」が観測されたと報じた。トンガ沖では15日、海底火山の大規模噴火が発生。日本など多くの国に津波が到達した。

「時事通信」より

日本から遠く離れたトンガで火山噴火があって、日本で津波発生という今まで記録のない気象現象の発生に気象庁も混乱していたようだが、きっちり仕事をしたようだ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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火山と津波

トンガ王国

ポリネシアに位置する立憲君主制国家トンガ、意外と日本との関係の深いこの国は、10万人程度の人口の群島国家である。

様々な国から遠い位置関係にあって、ニュージーランドが比較的近いが1800kmの距離にあって、この国で何かがあったからといって気軽に調査に行くことは難しい。

日本からは直線距離にして8039km離れている。が、この国の気候がカボチャ栽培に適しており、日本でのカボチャの需要が多い冬季に収穫シーズンになることと関連して、1980年後半に日本の商社が持ち込んだカボチャ栽培によって、巨額の対日貿易黒字を叩き出すほどの利益を得た時代があった。今でもカボチャの輸出がトンガ経済の柱になっている程、トンガではカボチャ栽培が盛んなのだとか。

その他、日本はトンガに対する経済援助を積極的に行っていたこともあって、それなりに日本との関わりの深い国で、親日国であるとも言われている。

トンガと連絡が取れない

そんなトンガ王国だが、海底火山噴火は首都から65km離れた位置で起こったようだ。

トンガ大規模噴火 現地の詳しい被害不明 豪政府 哨戒機派遣へ

2022年1月17日 5時30分

15日南太平洋のトンガ付近で発生した大規模な噴火の影響で、トンガとの通信が困難となる中、オーストラリア政府は現地の詳しい被害状況を把握するため、17日にも軍の哨戒機を派遣する方針です。

南太平洋のトンガの首都、ヌクアロファから北に65キロほど離れた場所にある海底火山で15日発生した大規模な噴火では、トンガで最大およそ80センチの津波が観測されたほか、バヌアツなどで1メートルを超える津波が観測されました。

トンガの周辺国や太平洋に面する国々に出されていた津波に対する警戒または注意の呼びかけは16日正午ごろ解除されましたが、トンガのほとんどの地域ではいまだに電話やインターネットなどの通信が困難な状況が続いていて、詳しい被害状況もわかっていません。

「NHKニュース」より

1mを越える津波が発生したとされているが、トンガには高い山がないらしく、津波の影響が心配されている。

火山噴火の規模は、100年に1度の規模だとされ、1991年に発生したフィリピンのルソン島西側にあるピナトゥボ山の爆発より規模が大きかった可能性があるという風にも指摘されている。

火山爆発の直後にはトンガとの連絡が取れていたらしいのだが、その後、連絡が取れなくなって今に至るようで。トンガ国民の安否が心配される。

津波の影響は、火山噴火から時間を置いて発生していると思われるのだが、連絡手段が無いためにどうなっているのかすら把握できない。衛星電話などの通信手段も噴煙によって遮断されているらしく、オーストラリア政府が哨戒機を出して調査することにしているらしいが。

なお、海底火山が噴火した周辺には火山の影響で出来た島があったようだが、今は跡形も無くなっているらしい。

この写真ではちょっと分かりにくいが、噴火前の島はこんな形であった。

これが完全に吹き飛んでしまったようなのだ。島民が住んでいたということはないようだが、噴火の破壊力が如何に凄まじいモノであったかを物語っている。

気象庁「原因は分からないが」

さて、日本ではこの噴火の影響を受けて「津波警報・注意報」が出された。

【詳報】気象庁「本当に津波かどうか分からない」今回の津波警報・注意報の経緯を説明

1/16(日) 2:33配信

気象庁は会見で、今回の津波警報・注意報の経緯について説明しました。津波警報が発表されるのは2016年11月の福島県沖の事例以来です。

~~略~~

Q 記者:今回かつてない現象が起きている? A 気象庁:今まで私たちはこういう現象を知りません。原因はわかりませんが、潮位の変化による被害の恐れがあったので我々が持っている津波警報の仕組みを使って防災対応を呼びかけています。

「yahooニュース」より

海底火山の噴火はそれなりの頻度で発生しているが、ここまで大きな噴火というのはデータが無かったようで。しかし、気象庁は潮位の変化を捉えて「津波が発生する可能性」を予測。

実際に太平洋沿岸に津波警報を出した。

津波警報によって、3.11の恐怖を呼び起こした人々も多かったようだが、今回の警報が功を奏したかはハッキリしないまでも被害は出た。

高知・室戸で係留中の漁船3隻沈没、他の港でも複数の船が転覆…津波の影響で

2022/01/16 12:08

太平洋岸に到達した津波の影響で、高知県の複数の港で、係留していた漁船が転覆するなどの被害が出ている。

「讀賣新聞」より

高知県の漁港では、津波の影響によって海面が揺れ、複数の漁船が転覆する事態に発展した。人的被害が出なくて何よりだが、被害にあった漁師はこの怒りを何処にぶつければ良いのか、と言う状況だろう。

気象への影響は軽微?

今後の気象に影響が

さて、津波の発生は一時的なものだが、気象への影響は過去の事例から考えてもありうる。

先ずはトンガの状況が心配ではあるが、日本にだって今後影響がある可能性は高いのだ。

例えば、ピナトゥボ山の噴火の影響だが、地球規模で発生した。爆発後に地球の気温は約0.5度下がり、オゾン層の破壊も著しく進んだと言われている。1年程度で回復したようだが、影響が出る可能性はある。

火山噴火の爆発規模を示す世界共通指標の火山爆発指数(VEI、0~8の9段階)は、上から3番目の6に相当するとの見方が出ている。VEI6は1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火以来で、噴出物の量は富士山の宝永大噴火の10倍に相当。「100年に1度の規模の噴火だ」と京都大学の大倉敬宏教授(火山物理学)は話す。

「日本経済新聞」より

火山爆発指数という考え方があって、今のところ評価が決定しているワケでは無いようだが、暫定値が出ている。

火山爆発指数5~6の規模か ピナトゥボが6、「破局噴火」は7以上

2022年1月16日 19時26分

南太平洋のトンガ諸島にある海底火山で日本時間15日に発生した爆発的な噴火は、噴煙が成層圏にまで達し、遠く離れた日本にも津波警報が出た。噴火の規模は、昨夏の福徳岡ノ場をはるかに超え、記録的な冷夏の原因にもなった1991年のフィリピン・ピナトゥボ山の噴火にも迫るとの見方もある。世界的な気候への影響も懸念される。

「朝日新聞」より

噴煙の規模は現時点ではピナトゥボ山の噴火時と同等かそれより少し小さかった可能性があったと評価されているが、短期的には軽石などの影響が考えられ、周辺国への漁業への影響があるだろうと思う。これは日本も最近体験している。

ピナトゥボ山と同等の影響があるとすれば、この周辺を飛行する航空機のエンジンに甚大な影響を与える可能性が高く、航空業界には影響が出るだろう。風向きによって影響が出る地域が異なるため、注意が必要である。

冷夏になる?

日本ではカボチャが高騰するくらいの影響しかないとそんな風に考えていたら、冷夏となって米等の作付けに深刻な影響が出る可能性すらある。

平成3年夏の低温、長雨と日照不足 平成3年(1991年) 5月~10月
気象庁が提供するページです

実際に、平成3年(1991年)の夏は、6月に噴火したピナトゥボ山の影響を受けて日照不足となった。尤も、因果関係が証明されたわけではないので、今回もそうなるとは言えないのだが、無関係とも言い切れないところである。トンガとは距離もあるしね。

空気振動が津波増幅か 予想超える到達時刻と高さ―噴火影響は「限定的」

2022年01月16日23時02分

南太平洋のトンガ諸島付近で起きた海底火山噴火による津波について、広島工業大の田中健路教授(気象学・海岸工学)は16日、「噴火の衝撃波による空気の振動が、噴火そのものによる津波を日本海溝付近で増幅し、波が高くなったのではないか」との見方を示した。

「時事通信」より

「空振」と呼ばれる現象は以前から知られていたが、今回、トンガの海底火山の噴火で発生した空振は、津波に似た海面の揺れを生じた。アメリカ本土でも津波を観測したとのことで、思わぬ所で影響を生じる可能性はありそうだ。

一方、噴火の規模について、防災科学技術研究所の中田節也・火山研究推進センター長(火山地質学)は「1991年のフィリピン・ピナトゥボ火山噴火に似ているが、規模は一回り小さい」と指摘。世界的な冷夏につながったピナトゥボと異なり、「気候に影響を及ぼす火山ガスの量ははるかに小さい」として、影響は限定的と分析した。

「時事通信”空気振動が津波増幅か 予想超える到達時刻と高さ―噴火影響は「限定的」”」より

現時点では、ピナトゥボ山の噴火の時ほどの影響は少ないだろうと予想されてはいる事も書き添えておく。とはいえ、「注意した方が良い」と書いたところで、何が起こるか予測がつかないために備えようがないのだけれど。

トンガ沖で再び「大規模噴火」 豪観測機関

1/17(月) 10:11配信

オーストラリア・ダーウィン(Darwin)の航空路火山灰情報センター(VAAC)は17日、南太平洋のトンガ沖で日本時間午前7時10分に再び「大規模な噴火」を観測したと発表した。2日前の噴火では、太平洋沿岸各地で津波が観測された。

「yahooニュース」より

ただ、状況は続いているだけに、今後もこの件には注視していきたいと思う。

追記

あら、再度噴火したというニュースは誤報だったっぽい?

AFP通信、トンガで「再噴火」の記事を削除

2022/01/17 11:36

AFP通信は、15日に海底火山が噴火した南太平洋の 島嶼とうしょ 国トンガで17日、再び大規模な噴火が確認されたと配信したが、AFP通信はその後、この記事を削除した。

「讀賣新聞」より

うーん、報道が混乱しているね。いや、AFPが混乱しているだけかも知れないけれども。

追記2

こちらに書くか、新しい方に書くか迷ったのだけれど。

政府、トンガに無償資金援助 100万ドル、自衛隊活用も

2022年01月19日18時17分

磯崎仁彦官房副長官は19日の記者会見で、海底火山が噴火した南太平洋のトンガ政府に対し、100万ドル(約1億1400万円)以上の緊急無償資金援助を行うと発表した。飲料水や火山灰撤去のための用具など緊急援助物資を供与する方向で調整している。

政府は国際緊急援助隊として自衛隊派遣も検討。磯崎氏は物資の輸送方法に関し「空輸ができるのか。難しい場合には船を使ってということもあり得る」と指摘した。

「時事通信」より

色々いいたい事はあるが、書くべき事は1つ「頑張って欲しい」。

コメント

  1. トンガは日本とは超仲良し国、東日本震災の時にもお世話になった。
    南半球で遠いし、火山灰が酷くて航空機をすぐに飛ばすのは困難だとしても先ずは支援表明ぐらいしてよ>政府

    • 岸田政権は、本当にそういうところ下手くそですよね。
      外務大臣時代、一体何を学んだのかと。

      • 木霊さん、おはようございます。

        総人口10万人となら日本の地方都市くらいでしょうか。
        とはいえ、これまで良好な関係を築いてきた大事な親日国ですけどね。

        食糧・水・医療の問題は時間との戦いでもあり、最大限の支援を岸田政権は打ち出すべきと思います。

        >岸田政権は、本当にそういうところ下手くそですよね。

        他人の不幸に乗じてアピールせよとは決して言いませんが、多くの日本人の感性は困った時にこそ助け合い精神を発揮してきた矜持があると思います。

        利害関係なく無償で心のこもった支援ができる国、これが日本人として世界に誇れる国家像ですから、そういう重要なアイデンティティーを大事にして欲しいもんです。

        >外務大臣時代、一体何を学んだのかと。

        もらったチャンスをことごとく国民の期待を裏切り喰い潰してきた御仁なので、結局何も学んでいないから対支那への弱腰人事(林外相・茂木幹事長登用)にも表れていますね。
        本当にガッカリです。

      • 岸田政権の動きが遅いのは色々国内の調整が遅れていたからだと信じたいのですが、この手の話はスピードとアピール重視でやって欲しいです。
        特に、良い事をやるわけですから、迅速にメッセージを送る。これだけでも大きく違うハズなんですがね。

  2. こんにちは。
    ・衛星画像だと、噴火の直前に島が沈み、噴火後は消滅している→マグマ溜まりの圧力が抜けて地盤沈下、海水流入、からの大規模水蒸気爆発、でしょうか?
    ・コロナ対応でそれどころではない、というのも分かりますが、DDHとLSTのコンビにあめ型でも随伴させてとっとと緊急支援に出したいところです。勿論陸自の機材と精鋭を満載して。
    ・ユカタン半島の巨大隕石、程ではないでしょうが、エアロゾルによる冷夏とそこからの寒冷化で、温暖化をどうにかして欲しいと、正直思わなくもないです。
    ・にしても。本当に岸田は外交の動きがトロいですね……

    • なるほど、そういうプロセスも考えられますね。
      水蒸気爆発か。しかし、それが世界規模の気象現象になるとは、いやはや。
      緊急支援体制は漸く整えられたらしく、派遣の方向で調整中みたいですね。

  3. 木霊様、皆さま、今晩は

    火山灰の影響で空港が使えないとか・・。オスプレイならば着陸できるか。エンジンが火山灰を吸い込むからダメかなぁ。

    我国も支援物資を積んだ船とかを派遣して物資を投下できるようにするくらいは、やるべきではないでしょうか。もう動いている事を期待していますが、さて・・・??

    • オスプレイはエンジンに火山灰を吸い込んでヤバそうです。
      自衛隊機の中には対策済みの機体があるかもしれませんけど。

      船の派遣は決定した様ですよ。……ちがった、現時点で健闘中なんだそうで。追記しました。