記事は短くなるが、割と韓国にとっては深刻な問題だと思う。
韓国軍、監視カメラに5回映っても越北を見逃す…警戒に問題
2022.01.05 15:52
脱北者が1日、江原道(カンウォンド)東部戦線軍事境界線(MDL)の鉄柵を越えて北朝鮮側に向かう場面が軍のGOP(一般前哨)の監視カメラに5回も映っていた。しかし監視警戒兵力がこれをすべて見逃したことが明らかになり、軍は最前方部隊の警戒態勢に問題があったことについて「国民に申し訳ない」と伝えた。
「中央日報」より
この記事、読んでも直ぐに意味が分からなかったが、その原因は記事の書き方にある。
スパイ事件ではないのか
38度線を超える
さて、記事にある軍事境界線(MDL)は、北朝鮮と韓国とを分ける境界線のことである。
DMZ(Demilitarized Zone)とも言われてるのだが、北朝鮮側からも韓国側からも厳重に監視しているこの境界線は、幅約2km程度の非武装中立帯が設置されていて、ここを挟んで「別々の国」(建前は朝鮮半島の正当な政府は韓国政府だけとなっているが、誰も信じてはいないだろう)という事になっている。

で、ここを誰かが越えていくニュースは時々見かける程度には珍しくはない。朝鮮半島では恒例行事なのだ。
韓国合同参謀本部「江原道東部戦線で1人越北…生死確認できず」
2022.01.02 11:01
新年初日の1日、江原道(カンウォンド)の東部戦線の軍事境界線(MDL)の鉄柵を通じ韓国国民と推定される1人が北に行く状況が発生したと合同参謀本部が2日に明らかにした。
「中央日報」より
元旦にも越境した人間がいたようで、2日の報道に載っていたが、このニュースでは韓国人がDMZを超えて北朝鮮側に侵入したことを報じている。
北朝鮮側から北朝鮮人が韓国に逃げてくる「脱北者」と呼ばれる人々も、年間千人程度はいる様だが、逆もまた然り。それなりの人数はいるようだ。
このように双方から厳重に警戒されていても、行き来があるのが現実なのだ。
脱北者が越境
ところが、冒頭のニュースはそういったDMZ越えのニュースとはちょっと毛色が違うと思う。
韓国軍合同参謀本部によると、1日に陸軍第22師団GOPが管轄する地域鉄柵を越え、陸路を通って北朝鮮に向かった脱北者A氏(2020年に脱北)が柵を越える場面はGOP内の監視カメラ3台に計5回も映っていた。
「中央日報”韓国軍、監視カメラに5回映っても越北を見逃す…警戒に問題”」より
この話、脱北者、つまり北朝鮮から韓国に来た人が、再び北朝鮮に行ったというニュースなのだ。
報道では、警報で警備兵が出勤したけれども異常を確認出来ず、映像でも認知できず、録画映像でも認知できなかったらしい。更に、同期化作業が遅れ、上級部隊に報告を怠り、謝罪も遅れたようだ。
ゆるゆるだな!
だが、こうした警備体制の緩みも問題ではあると思うのだが、問題は脱北者が北朝鮮に入ったというところである。記事では指摘されていない問題だが。
これ、どう考えてもスパイ案件だよね?
合同参謀本部は記者団に配布した説明資料で「軍は今回の状況を重く認識している」とし「切歯腐心の姿勢で現場作戦部隊の将兵が対応態勢を確実にし、任務遂行能力と体系を早期に確立する」と伝えた。
「中央日報”韓国軍、監視カメラに5回映っても越北を見逃す…警戒に問題”」より
韓国軍側は、単なるミスだと言うような発表をしたが脱北者がどのような情報を北朝鮮に持ち帰ったかが問題ではないのだろうか?
確かに、北朝鮮から逃げ出してきたが、思ったよりも韓国の内情が酷くて北朝鮮に逃げ帰ったという理解も出来る。
脱北するも人身売買で性労働に、女性2人が助け出されるまで
2019年1月30日
北朝鮮からの亡命を求めて逃げ出したものの、人身売買で何年も性労働を強要されていた若い女性2人が、ようやく逃げるチャンスをつかんだ。
中国の北朝鮮国境に近い吉林省延吉市の団地の3階から、2人はシーツを破いて作ったひもを下した。
ひもを再び引き上げると、そこには頑丈なひもが結び付けられていた。そのひもを使って、今度は2人がビルの壁を下りてくる。
~~略~~
南側の韓国には安全な避難施設があるが、国境地帯は厳重な軍備が敷かれ、あちこちに地雷が埋まっている。韓国へ直接逃げるのはほぼ不可能だ。
そのため、多くの脱北者は中国国境を目指して北へ向かう。
しかし中国では脱北者は「違法移民」と見なされ、当局に見つかれば送還される。ひとたび送還されれば、脱北者は「祖国への反逆」の罪で拷問され、投獄される。
「BBC」より
過去にはこんな話もあって、韓国国内で同胞である北朝鮮人に対する扱いは、以前から問題視されることがあった。尤もこの記事では支那吉林省での出来事だと言う事になっているから、実際には北朝鮮から支那に逃げたら悲惨な目に遭ったという事例である。
脱北者にとって辛い韓国での実情
しかし、この事例は韓国でも当てはまるのだ。
憧れの韓国で待っていたのは「ダサくて醜い脱北者」という現実
2018.10.22
脱北に成功し、韓国で自由を手に入れたはずのソウォンだったが、化粧をしても髪形を変えてもあか抜けない自分に失望する。
憧れの韓国社会は期待通りに自分を受け入れてはくれない──そんな焦燥感に苛まれるのだった。
「COURRiER」より
脱北者を待ち受ける韓国での新たな抑圧と偏見の壁
2018年4月26日 19:30
北朝鮮のエリート士官だったチュ・スンヒョン(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>DMZ)を渡って韓国に亡命したときは、これから希望に満ちた新生活が始まるのだと信じて疑わなかった。だが現実は、予想以上に複雑なものだった。
チュさんはこれまで、単純労働の仕事を得るため数え切れないほどの面接に臨んだが、強いなまりが出た途端に断られてきた。ようやく仕事に就いたレストランでは、給与を韓国人の半分しかもらえなかったこともある。韓国人は「北の同胞」を「貧しく、文明を知らない野蛮人」と見なし、社会から排斥しているとチュさんは話す。
「AFP」より
「韓国は天国でも別世界でもなかった」 脱北者10人のうち1人は自殺!
2020/10/8(木) 10:23
韓国では2年前に失踪していた北朝鮮のチョ・ソンギル駐イタリア大使代理(当時)夫妻が昨年7月に韓国に亡命していた事実が明るみに出て大騒ぎとなっている。
~~略~~
韓国への脱北者は累計で3万3千人に及ぶが、その中には国会議員や大学教授になった人もいれば、事業を起こして成功した人もかなりいる。人一倍努力すれば報われるのが韓国社会だが、韓国に亡命したものの北朝鮮に戻った脱北者もいる。北朝鮮にUターン亡命した脱北者は今年7月に古都・開城に帰郷し、コロナ騒動を起こした韓国人男性を含め過去10年間で29人に達する。全体のパーセンテージとしては少ないが、それでも年に3人近くが北朝鮮に帰郷している。
それぞれ理由は異なるが、生活苦や政治的迫害など様々な理由で北朝鮮から逃れてきた脱北者にとって韓国は決して「別世界」でも「楽園」でもないようだ。
「yahooニュース」より
幾つか記事を紹介したが、この話は少し考えれば至極真っ当な話だ。何しろ、韓国の現状は経済的にもかなりヤバい状況になりつつある。
韓国人にも脱北者にも成功者はいると思うのだが、その成功を掴める人はかなり希であると言って良いだろう。夢敗れて北朝鮮に戻る。そういった事例も確認されていると報道にも言及されている。
従って、多くの脱北者にとって、命がけで越境したのに、「思っていたのと違う」という結果になってもおかしくはない。だから、さほど騒ぐことでもないとも言える。
スパイ行為をする蓋然性
ただ、北朝鮮に戻れば、脱北者は「祖国への反逆」の罪で拷問され、投獄される運命にあるという。そうならないためにはどうしたら良いのか?といえば、簡単に想像がつく。反逆ではないことを証明するためにはスパイになれば良いのである。
脱北者が北朝鮮にとって非常に重要な情報を持ち帰るか、お金を持ち帰るか。とにかく北朝鮮の利益になる行動をすれば、投獄は避けられる可能性はあるだろう。
つまり、脱北者がスパイ行為を行う蓋然性はあるという訳だ。
そうすると、座視すべきでない話のはずなんたが、どうもそんな雰囲気ではない模様。それは、さほど珍しい話ではないからか、別の理由からなのか。とても戦争中(建前は内戦)の国とは思えないが、他国の事情である。詳しい内情は伺い知れない。
或いは、ムン君が北との融和政策をとっていることと、何か関係があるのかもしれない。まあ、憶測に過ぎない話なんだけどね。
追記
ちょっと記事の方向性が定まっていない感じの内容になってしまったので、追記して補足しておきたい。
「韓米終戦宣言文案合意したか」に米国務省の言及なしに「対北外交専念中」
2022.01.04 10:06修正 2022.01.04 10:07
米国政府が北朝鮮に対話復帰を繰り返し促し、正義用外交部長官が言及した終戦宣言文案合意には即答を避けた。
国務省のスポークスマン関係者は3日(現地時間)、韓国政府が推進中の「終戦宣言」に対する立場を明らかにしてほしいというVOAの質問に、「米国は北朝鮮との対話と外交を通じて朝鮮半島の恒久的平和を成し遂げることに専念している」と答えた。
~~略~~
先立ってチョン長官は昨年12月29日、ソウル外交部庁舎で開かれた記者懇談会で「米国と終戦宣言文案について事実上合意した状態」と明らかにした。
鄭長官は今月11~12日(現地時間)、英国リバプールで開かれたG7外交開発長官拡大会議で、トニー・ブリンカーン米国国務長官と会ってもこの事実を再確認したと説明した。
韓米はこれまで終戦宣言文案に対して協議を大幅に進展させてきたということが分かったが、事実上合意がなされたと政府高位当局者が明らかにしたのは初めてだ。
「LIBERTY KOREA POST」より
韓国政府あるあるだが、外交で「相手がこういったニダ!」と宣伝して、相手から「そんな事言っていない」と否定されるパターンに近く、本件についても「終戦宣言文案に合意した」と発表したが、アメリカ側はそれに言及することを避けたようだ。
そもそも、終戦宣言を出すかどうかすら決まっていないのに、何故文案を練る必要があるのか意味不明だが、これ、韓国が勝手に宣言を出すフラグである。
韓国の政治の中枢である青瓦台では、もはや「終戦宣言」は出す事が決定された事項であり、アメリカの合意ナシにも宣言だけ出す積もりなのだろう。それに何の意味があるかと言えば、国際的には無意味だが、韓国国内では有効となるという摩訶不思議な効果が得られる。
アメリカとしては困った話になるのだが、余程しつこく韓国側が迫ったのだろう。こうしたことが関係して、脱北者がスパイ行為を働くような疑いのある動きをしても問題にしないのではないかと僕は邪推している。
そして、この手の宣言を勝手に出すワケには行かないので、多分、支那にも北朝鮮にも文案を見せて了解をとる必要があるのだが、本当にその手順を踏むのかなぁ?そこもまたよく分からない。
あ、支那は支持(指示)していましたね!
ただ……、これ、日本に置き換えて考えると、日本政府の対応も大概だなと、そんな風に思える。未だスパイ天国の状態を維持していて、スパイが大手を振って活動出来る環境を放置しているのは完全に政治家の怠慢である。
コメント
https://japanese.joins.com/JArticle/286429
いつもの嘘でしたと
韓国の方が「嘘」と決まったわけでもないのですが、韓国、常習犯ですからねぇ。