【五輪外交ボイコット】岸田氏の遅すぎる決断とその中身

外交

この話は、割と単純な話だったのだが、岸田氏はここまで結論を引っ張った。何を待っていたんだろうねぇ。

北京五輪、政府代表団派遣見送りを正式表明

2021/12/24 12:40

松野博一官房長官は24日の記者会見で、来年2月に中国で開かれる北京冬季五輪・パラリンピックについて「政府代表団の派遣は予定していない」と表明した。米国などと足並みをそろえ、事実上の「外交的ボイコット」に踏み切った。

「産経新聞」より

本当に「足並みを揃えた」んですかねぇ?

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弱気で形式的なボイコット

このタイミングになった理由

12月21日に岸田氏はこんなメッセージを出した。第7回日中企業家及び元政府高官対話(日中CEO等サミット)というイベントらしい。

福田康夫元総理、十倉雅和(まさかず)経団連会長、曾培炎(そ・ばいえん)中国国際経済交流センター理事長始め、日中経済界の皆様の御尽力に敬意を表します。

日中国交正常化の立役者の一人である大平元総理は、50年前の国交正常化直後に、日本と中国は、近いようで遠い国であり、大晦日(おおみそか)と元旦の関係に例えました。また、国と国との付き合いには、ルールとフェアプレーの精神が必要であり、それを互いに大切にしなければならない、とも述べました。この言葉は、今も変わらず重要な意味を持っていることを実感しています。

日中関係は、両国のみならず、地域や国際社会全体にとってますます重要になっています。同時に、日中両国への期待も高まっており、共に責任ある大国として共通の諸課題に取り組まなければなりません。

「首相官邸のサイト」より

まー、ビックリ。

日中CEOサミット「GX推進で一致」

2021年12月21日 20:44

経団連は21日、中国国際経済交流センターと両国の企業家らが参加する会合をオンラインで開いた。会合終了後に公開した共同声明では、気候変動に対して日中が責任ある経済大国として協力、連携するとした上で「グリーントランスフォーメーション(GX)を推進することで一致した」と明記した。

会合名は「日中企業家および元政府高官対話(日中CEO等サミット)」。声明では2022年1月に発効する地域的な包括的経済連携(RCEP)を評価し、環太平洋経済連携協定(TPP)などのより高いレベルの協定が、地域経済の繁栄と安定に資すると強調した。

「日本経済新聞」より

声明の内容はマイルドになっていて、もうちょっと皮肉の効いた喧嘩を売るような内容でも良かったように思うんだが、このタイミングで日本と支那との経済協力というのは頭のネジが外れているんじゃないのかな?

当然ながら、この挨拶以前に「ボイコットをする!」と表明すると、「おまえの挨拶はイラン!」という流れになりかねない。

外交ボイコットに意味はあるのか

さて、外交はタイミングが肝要であると思うのだが、岸田氏が「実質的な外交ボイコット」に言及したのは、先週の話であった。

岸田首相、北京五輪「私は参加しない」米など外交ボイコット受け

毎日新聞 2021/12/16 10:57(最終更新 12/16 10:57)

岸田文雄首相は16日午前の参院予算委員会で、来年2月からの北京冬季五輪・パラリンピックについて、「今のところ私自身は参加は予定していない」と述べた。米国などが新疆ウイグル自治区など中国国内の人権問題への懸念から「外交的ボイコット」を表明する中、首相自身の不参加を正式に表明することで人権重視の姿勢を示した形だ。

「毎日新聞」より

アメリカが外交ボイコットを正式に発表したのが12月6日で、その後、ファイブアイズの国が次々とボイコットを口にした事は既に記事にしている。

そして、ファイズアイズに参加することを打診されている日本はというと、12月24日まで判断を引き延ばした。

松野氏は会見で、政府代表団の派遣を見送ったのは、中国当局による香港や新疆(しんきょう)ウイグル自治区などでの人権弾圧を踏まえた対応かを問われ、「国際社会の普遍的な価値である、自由、基本的人権の尊重、法の支配が中国でも保障されることが重要だと考えている」と強調。その上で、日本政府の対応については「総合的に勘案し、自ら判断を行った」と説明した。

「産経新聞”北京五輪、政府代表団派遣見送りを正式表明”」より

アメリカ追従であると見られたくはなかったという側面はあったようだが、同盟国アメリカと共に歩くというメッセージは回避したことになる。

そうそう、中央日報が面白い記事を出しているな。

安倍元首相に会った後、北京五輪「外交的ボイコット」を発表した岸田首相

2021.12.24 15:47

23日に安倍晋三元首相に25分間ほど会った岸田文雄首相が翌日、北京冬季オリンピック(五輪)「外交的ボイコット」を決めた。6日に米国が中国の人権弾圧を理由に外交的ボイコットを公式宣言して以降、岸田首相は「適切な時期に外交上の観点などを勘案し、国益の観点から自ら判断する」という言葉を繰り返してきた。21日の記者会見でも関連の質問に「今しばらく諸般の事情を総合的に勘案して判断していきたい」と慎重な立場を維持した。

「中央日報」より

安倍氏や、自民党の佐藤正久外交部会会長などの圧力に屈した形で、外交ボイコットを選択したとの分析を出しているのだ。更に、就任後のバイデン氏との首脳会談を意識したとの観測もある。

確かに、日米首脳会談は未だに行われていない。

アメリカの日本に対する不信感は募る一方だが、岸田氏本人が「重要な決定」という形で発表するのではなく、官房長官に発表させたというスタイルも、日和ったと分析されている。

12月16日には「私は行かない」と言及しているのだから、この段階でさっさと決めれば良いのに、何故それすら出来なかったのだろう。本当なら、12月10日迄、つまり、アメリカが発表した週のうちに日本も追従する形を採るべきだった。

それを判断を翌週に持ち越し、発表は更にその翌週という。

コレで、「何か仕込んでいました」と言うことであれば未だしも、特に何も無ければ、何のために引き延ばしをやったか分からない。臨時国会の閉会が12月21日だったので、その時期を回避したという考え方も出来るが……、そもそも外交ボイコットに関しては野党も反対していないのである。回避する意味があったのかどうか。

そして、このタイミングの発表に効果があるのかどうか。

参加者は3人?

ところで、北京冬季五輪に参加する人員が3名発表されている。

JOC山下会長、北京冬季五輪へ政府代表団派遣見送りに「コメントする立場にない」 自身は出席へ

2021/12/24 15:56

24日に政府が来年2月に開幕する北京冬季五輪・パラリンピックへの政府代表団派遣見送りを表明したことを受け、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は同日、東京都内で取材に応じ、「政府の立場で国益を総合的に勘案して発表されたと思う。それに対してコメントする立場にはない」と話した。

「産経新聞」より

先ずは、JOC会長の山下氏だが、参加という事になっている。

この他に、日本パラリンピック委員会会長の森和之氏、そして、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の橋本聖子氏だ。

しかし、橋本聖子氏は参議院議員でもある。参加させて本当に良いのかは疑問だ。

北京五輪出席の橋本聖子氏を巡り異論「現職議員だけど…」「政治家として行くのか?」

12/24(金) 12:57配

来年2月の北京五輪を巡り、中国国内の人権問題を理由に各国が〝外交ボイコット〟を表明する中、日本も官僚らの政府関係者を派遣しない意向を示した。一方、東京五輪・パラリンピック組織員会の橋本聖子会長、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長、日本パラリンピック委員会の森和之会長らは出席することが決定。これに関して、一部から「橋本会長は参議院議員だ」「現職議員だけどいいのか」と強い異論が出ている。

「yahooニュース」より

調べたら、東スポが既に記事にしていた。

多分だが、支那はどのような形であるにせよ、今回のこの決定について因縁を付けるに決まっている。であれば、「配慮しましたー」という形ではなく毅然とした態度を示すべきだと思うのである。キス魔の橋本氏がハニトラ(男)に引っかかったらどうするんだ!(違)

そもそも「特定の用語を使わない」と、「人権問題に抗議して外交ボイコットをする」というスタンスを示しはしなかったが、外交ボイコットそのものがアピール以上の意味は無いのだから、それを弱く出してどうするというのか。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    結果的に非常に弱い(マズい)メッセージとしかならなかったのは、岸田総理の外交センスのなさを晒してしまっただけですね。
    外相を長く経験した時点でも弱腰・存在感無し・無能と散々酷評されたのが、的外れじゃなかったと改めて証明したようなもんです。

    アメリカはもちろんファイブアイズからも冷たい目で見られてしまうという、対支那への弱腰だけが残っちゃいましたから岸田総理の評価はガタ落ちじゃないかな。

    僕が五輪外交ボイコット以上に一番問題にするのは、支那人権問題の非難決議を再び潰した事です。

    経済界をバックにした親中派が依然として影響力を持ち、今や党内野党と言える支那大好きな公明党の存在が問題なのが、あらためて明らかになっただけという非常に残念な結果です。

    懇願しているバイデン大統領との首脳会談もこれで予定はまったく不明となったんじゃないかな。

    そのファイブアイズから今のところ内容の是非はともかく、外相クラスはもちろん高官クラスから一言のコメントすら出ていないのが気になります。
    まさかクリスマス休暇を狙って姑息に決断表明した訳じゃないでしょうけどねェ~。

    • 岸田氏の良いところも多分あるんだと思いますが、前2代の総理大臣の姿を見ていると、「この人、仕事を任せて大丈夫?」と不安になります。
      外相を勤めたハズなのに、外国へのメッセージの出し方がイマイチというのは最悪ですわ。

      始まったばかりの内閣なんですが、やっぱり有事対応に不安の残る内閣という最初の印象は払拭できないでいます。