武蔵野市で住民投票条例案が否決される

報道

取り敢えずは少し安心して良いのだろうか。

東京 武蔵野市 住民投票案 市議会本会議で否決

12月21日 12時15分

東京・武蔵野市が提出した、実質的に外国籍の住民も日本国籍の住民と同じ条件で参加を認める住民投票の条例案が21日、市議会の本会議で採決が行われ反対多数で否決されました。

「NHK NEWS WEB」より

この話、何がダメでどうすれば良かったのかを少し整理しておきたい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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住民投票条例案そのものが問題なのではない

ニューヨーク市でも似た動き

さて、先ずは前回触れた時の記事のリンクを貼っておきたい。

前回も説明したが、この住民投票条例案というのは、外国人を選挙に参加させようという条例案ではない。あくまで、住民投票を実施するための条例案である。

これで何ができるのか?というと、例えば市長を罷免したり、市議に働きかけるなどの政治活動に参加できるようになる。尤も、特別な権利が設定されるわけではなくて、日本国籍を持つ住民達と同じ権利を持てるということなのだが。

サヨクメディアが喜んで取り上げているのは、コレと似た動きのニューヨーク市でのニュースだ。

米ニューヨーク市で移民ら「非市民」にも投票権 画期的な改革は全米最大都市をどう変える?

2021年12月22日 10時41分

米ニューヨーク市で今月、市民権のない住民でも永住権などがあれば市の選挙での投票を認める条例が成立した。現在の登録有権者約560万人に加え、米国民でない80万人以上が新たに投票権を持つ見通しだ。移民など少数派の声が届きやすくなる期待の半面、「市民権を取る動機が薄れる」といった懸念も。画期的な改革は全米最大都市をどう変えるか。

「東京新聞」より

ニューヨーク市では、ニューヨーク市に30日以上居住し、グリーンカードと呼ばれる永住権か労働許可証を持っていれば、市長選や区長選、市議選などに投票可能となる法案を可決してしまった。

ニューヨーク市はサヨクが大手を振って市長になる都市なので、こういった政策も歓迎するのだろうが、流石にヤバい。

ただ、気をつけて欲しいのは永住権を持っているケースと、就労ビザを持っているケースに限定されていて、どちらの権利を得ることもかなるハードルが高いのは事実だ。アメリカではアメリカ人の労働を奪う労働者の流入を懸念していて、永住権や就労ビザを得るのに様々な要件を求めている。単に一地域に3ヶ月居住していれば取得出来る権利よりも余程ハードルは高く設定されているのだ。

一方、野党共和党の市議らは条例成立前から「投票権拡大は違法だ。市民権のない人々は母国で投票できる」と強調。少数派住民の支持が厚い与党民主党が改革を口実に選挙結果を有利に操作しようとしているとして、法廷闘争に持ち込む構えを見せている。

民主党内でも、投票権を持つことで、移民らが市民権を持ち「米国民」になる動機が弱くなると指摘する声がある。

「東京新聞」より

共和党や一部の民主党議員も、この決定に対して危機感を募らせている。

常設型の住民投票のリスク

今回の武蔵野市が用意しようとした住民投票は、常設型と呼ばれるスタイルである。

この常設型の住民投票というのは、少々特殊な立ち位置の住民投票である。どう言うことかというと、日本の地方自治体が採用しているのは「二元代表制」と呼ばれるスタイルで議会の議員と地方自治体の首長を、共に直接選挙で選ぶスタイルである。

二元代表制とは、ともに住民を代表する議会と首長が対等な機関として、首長が地方自治体に係る事業の提案を行い、議会が審査、決定などを行ったうえで、首長がその事業を執行する間接民主主義制度だ。

ところが、住民投票というのは直越民主主義制度と呼ばれるシロモノとなり、これは常設型にすることで常に地方行政に干渉できる可能性を有する。

ちなみに、常設型に対して一般的に設置されるのは個別接地型と呼ばれる方法である。これは議会による個別条例制定により実施されるタイプで、主張や議員の提案、或いは直接請求によって事案によって条例を制定して、住民投票を実施するタイプで、首長のリコールなどがコレにあたるのかな。

この直接民主主義制度というのは、直接民意を政治に反映させることができる点で優れている反面、情報操作などの絡め手に対して極めて脆弱である。ポピュリズム政治に陥りやすく、政策の一貫性を保てないという点で問題があるとされている。

常設型というだけでも嫌らしいのに、ここに外国籍の方の意思を紛れ込ませるとどう言うことになるのか?まあ、説明するまでも無くろくなことにならない。

何故なら、単純に「日本に永久するつもりのある外国人」が政治介入するのではなく、スパイのような立場の外国人が地方行政に関与してくるとしたら、果たしてそれは静観してみるべき話なのだろうか。選挙に直接関わらないとしても、脅威になるのではないだろうか。

スパイが情報操作をしたところで、大多数の人に影響がないのではないか?という疑問をお持ちの方もいるだろうが、トイレットペーパー騒ぎの事を思い出して欲しい。あれはスパイがどうこうという話では無いが、SNSの呟き1つで日本全国であの騒ぎである。ムーブメントさえ起こせば、根拠のない情報1つであそこまで騒ぎを大きく出来るのだ。条件を整える必要はあるが、可能か不可能かで言えば「可能」なのである。

武蔵野市の住民はコレを歓迎しているのか?

とまあ、リスクだけ取り上げてここまで説明したが、メリットだってある。

直接民主主義に近い考えなので、数を集めれば直接行政の政策に干渉することが出来るので、議員が殆ど話を聞いてくれないような政策であっても、押し通す事が可能なのである。

こうした常設型の住民投票に外国籍の方まで参加させることに対して、武蔵野市の市民はどう考えているのだろうか?

赤BBAこと上野氏は、「住民の7割賛成」などといっているが、コレは明らかな嘘だ。

この発言の根拠は週刊金曜日というサヨク紙で紹介されていた話だと思う。

武蔵野市が住民投票条例案を提出 外国人にも要件つけず投票権

11/26(金) 21:22配信

東京都武蔵野市は11月12日、在留期間などの要件を設けずに18歳以上の市内に住む外国人にも投票権を認める住民投票条例案を19日から始まる市議会定例会に提出する、と発表した。可決されれば2022年度中に施行する。同市は今年3月、18歳以上の市民2000人を無作為に選び、アンケートを実施。「要件を設けずに外国籍市民を投票資格者に含める」という市の考え方について聞いたところ、回答者の73・2%が「外国人も市民に変わらない」などの理由を挙げ、賛成を表明した。

「yahooニュース」より

7割ねぇ。

よく見て欲しいのだが、回答者は508人とある。市民2000人にアンケートを実施し、回答があったのが508人だ。もちろんサンプルを選ぶのに、無作為に選んだ回答者から回答を得るやり方は一般的ではあるが、これを「住民の7割賛成」というのは、余りに無理がある。

武蔵野市の人口は14.5万人程度だとされているが、賛成したのは300人ちょっとという結果だったという意味で、無作為に選んだアンケート調査の結果が果たして武蔵野市の住民であったか否かもハッキリしない。

問19:市民への周知が足りないのではないか?

市の回答

令和3年2月に骨子案を公表した際は、市報や市ホームページ、FacebookやTwitter、LINEにより、パブリックコメントによる意見募集を行うことや、市民意見交換会の実施について呼びかけ、さまざまなご意見をいただいたものと認識しております。 また、より多くの市民のかたに知ってもらうとともに、より多くの意見を反映させて条例素案を作成するため、18歳以上の市内在住者を対象として、2,000人を無作為抽出してアンケートを実施したほか、市内4カ所のコミュニティセンターにお願いをして、制度周知や意見交換会の場を設けていただきました。 令和3年8月に条例素案を公表した際は、市報の1ページを使用して周知を図ったほか、骨子案同様、市ホームページやSNSで意見募集や市民意見交換会の実施について呼びかけました。 結果的に周知が足りていないというご意見を真摯に受け止め、そのようなご意見も踏まえて、市議会で審議を尽くしてまいりたいと考えています。

「武蔵野市のサイト」より

武蔵野市は市民にアンケートを実施したとしているけれどもね。

無作為抽出市民アンケート集計結果

とまあ、こんなデータまで出している武蔵野市だが、「結果的に周知が足りていないというご意見を真摯に受け止め、そのようなご意見も踏まえて、市議会で審議を尽くしてまいりたいと考えています。」と、周知不足を認めたコメントも出している。

そもそも、市報や市のホームページ、FacebookやTwitter、Lineなどで周知したとしているけれども、こうした媒体を目にする人々というのは、市内にどの程度の割合いるのだろう。少なくとも僕は自分の住んでいる街のこの手の情報を収集していない。

今回の騒ぎでハッキリと周知されたことになったため、次の機会には「市民に周知された」状態での議決が出来るだろうと思われるが。

再提出へ

ちなみにこの武蔵野市の市長は、諦めずに再提出する積もりらしい。

武蔵野市 外国人“住民投票”認めず…市長再提出へ

2021/12/22 12:55

東京・武蔵野市を二分する争いとなりました。

武蔵野市の松下玲子市長(51)は先月、市内に3カ月以上住む外国人について、日本人と区別せずに住民投票に参加することを認める条例案を提出していました。

しかし、議会では賛否が真っ二つに割れる事態になりました。

~~略~~

武蔵野市・松下玲子市長:「この市議会での結果を重く受け止めております。もっと周知を行ったうえで、住民投票条例を制定すべきだという、議会での声だと受け止めております」

松下市長は、「地域の課題を解決するのに、国籍で分ける必要はない」として、何らかの要件を設けたうえで、条例案を再提出するとしています。

「KSB」より

何を企んでいるのやら。

ちなみに反対した議員は随分な目に遭っているご様子。

FAX攻撃やら何やらで大変なようだ。

それも、どうやらメディアが主導してやっているご様子。もはやメディアではなく活動家の所行である。が、もともと多くのメディアに入り込んでいるのは活動家の皆さんなので、その結果は納得なのだけれど。

そもそも住民投票条例は民意を加味していない

実はこの騒ぎになっている武蔵野市の首長を決める選挙は、令和3年10月3日に行われている。松下氏は首長になってすぐさまこの条例案を議会にかけたと言えるだろう。

そうであるならば、当然、首長選挙で声を大にして訴えたはずである。

いのちを守り育む武蔵野を!松下玲子市政1期目の実績と武蔵野市政次の目標
●いのちを守り育む武蔵野を!2021年政策提案ダウンロード

うーん?

えーと、お題目だけピックアップしてみるか。

  • コロナ禍から命と暮らしを守る街
  • 子供子育て応援宣言の街
  • 一人でも安心して暮らせる街
  • 脱原発、脱炭素、緑溢れる街
  • 災害に備える安心・安全な街
  • 多様性を認め合い、平和と文化を育む街
  • より進んだ市民参加に挑戦する街
  • 個性輝く魅力と活力のある街
  • 健全財政を市民のために活かす街

ああ、強調した2つの項目をまとめると、「外国人も参加できる常設型住民投票制度」というのが出てくるか。

img

そこの説明がこんな感じになっている。

残念ながら、常設型の住民投票に関する説明はほんの1行だな。

あれだ、それこそ住民投票をやって「常設型の住民投票は必要ですか」とかやってみたら良かろう。

すでに40を超す自治体が、常設型の条例で外国籍住民の参加を認めている。一定の資格や在留期間を要件とするところが多いが、神奈川県逗子市や大阪府豊中市は、今回の条例案同様、日本人と同じ条件で投票資格を付与し、00年代後半に制定・施行されて以来、特段の問題は起きていない。

「朝日新聞」より

これまで、他の地方自治体で問題なく条例設置ができたので、武蔵野市でもその条例設置は可能だと判断したのだろう。そう言う意味では「改めて説明するまでも無い」という判断があながち間違いであるとはいえない。

ただ、この条例案を踏み台にして次々と危ない法案を通過させていき、気が付いたら外国人に地方参政権を与え、結果的に国政に影響を与えるといった動きになりかねない事案であることも事実である。そうなると、武蔵野市だけの問題ではなくなる。

世界の趨勢である、という話をする方もいるようだが、コレは日本の国政の安定性を脅かしかねない話なのである。直ちに影響はないが、引き続き要注意の案件だと言えよう。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    まあ否決された結果は良かったですね。
    しかし、市長は一体何を考えているのか、再度住民投票議会議決ににやる気満々てのが気になります。

    沖縄他基地拡充を日本の安全保障の根幹と考えるには、この際地方自治体の権限を厳しく制限すべき段階じゃないでしょうか。

    • はい、取り敢えずは「訳も分からず裁決」なんてアホな展開だけは避けられました。
      必要な法案であれば、リスクも含めしっかり審議して導入すれば良いのですが、武蔵野市のサイトを一読しましたが「超安全です、憲法違反でもありません」とやたらと強調していて、「共生社会を構築するためには、超必要です」と、ヤバい側面を全く解説していないんですよね。
      推進する側が市側で、「市民の声を聞く!」ってかなりヤバい構図なのを、武蔵野市の皆さん分かっているのかな。
      もちろん、市民にしてみたら「良い部部分もある」のは事実なんでしょうけれど。