アベノマスクを巡る騒動と忘れられている効果

政策

最近、臨時国会でちょっと騒ぎになっているのが、アベノマスクと呼ばれる布マスクの扱いである。実際、「三密を避けよう」というメッセージと共に皆さんの手元にも布マスクが届いた事だと思う。

アベノマスク含む大量在庫、見えぬ解消策 岸田首相「反省点あった」

2021年12月14日 13時00分

新型コロナウイルス対策として政府が調達した「アベノマスク」を含む布マスク約8千万枚が使われずに倉庫に眠っている問題で、岸田文雄首相は14日の国会論戦で「反省すべき点があった」と述べた。在庫の解消策については「予断を持って申し上げるのは控えたい」と具体案を示すことはなかった。

「朝日新聞」より

ここでアベノマスクの効果について岸田氏は述べているわけだが、メディアはほほ無視状態である。が、そこは後に言及するとして、先ずは忘れられている功罪について少し言及していこう。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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金額の大きさで騒ぐマスコミと野党

不織布マスクが消えた日

さて、武漢ウイルス騒ぎが起こった2020年に何が起こったのか?2019年12月に「初めて確認された」とされる武漢ウイルスだが、実際に支那で感染が広がってWHOがパンデミックを認定したのは2020年に入ってからだった。

これ以前に武漢ウイルス感染ではないかという証拠が幾つか見つかっていると報告はされているが、都市封鎖されるレベルでパンデミックを引き起こしたのは武漢市(2020年1月)で、リスクを認識しながら隠蔽していたのは支那共産党であった。

そして日本にも武漢ウイルス感染症が入り込むことになるのだが、それと並行して発生したのがトイレットペーパーの買い占めである。いや、オイルショックかよ、という話なのだが、これ、SNSから出た噂が原因だったようで、その後メディアが散々騒いだことで1月以上騒ぎが長引くことになる。

さて、その様な騒ぎより少し前からマスク騒ぎが起きていた。

トイレットペーパーとは違ってマスクは支那が買い占めをやっていたことと、輸入の部分がショートして、支那で製造されるマスクが入ってこなくなっていたこと、そして、全国民がマスクを日常的に使うという事になり、製造が追いつかなくなったことなど、複合的な要因によってマスクは高騰し、姿を消してしまった。

<新型コロナ>マスク買い占めに 政府、強制措置検討 都道府県 売り渡し要請、収用も

2020年4月28日 02時00分

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う品薄に乗じて利益を得ようとマスクを買い占めたり、高値で販売したりする事業者への対策として、政府は二十七日、新型コロナ特措法五五条に基づき、都道府県による売り渡し要請や強制的な収用を可能にする措置の実施に向けた検討に入った。

 薬局などの店頭でマスクの品切れが長期化している背景の一つに、悪質な事業者による買い占めや売り惜しみがあるとみられる。一方、政府や都道府県は休業要請に応じないパチンコ店の店名公表などを打ち出しており、民間への介入を一段と強めることの是非も議論となりそうだ。

「東京新聞」より

政府も流石にこの騒ぎに危機感を持ち、マスク買い占めに対して対策を講じる。具体的には、「増産のお願いと補助」「転売の禁止」「マスク配布」であった。

マスク転売

さて、このマスクの値段の推移について触れている記事があったので紹介しておきたい。

マスク1箱を4万円で売る「悪質転売屋」が後を絶たない理由

2020/02/18 15:00

新型肺炎の影響でマスクが高額で取引されていることが問題になっている。

産経新聞によると、アマゾンでアイリスオーヤマの「サージカルマスク60枚入り」が最低価格でも4万2000円(1枚当たり700円)で出品されていたという(産経新聞「マスク1箱4万円超え ネット通販で高騰 新型肺炎影響」2020年1月30日)。

このような風潮に世間は黙っているはずもなく「人が困っているときに足元をみやがって!」「火事場泥棒だ!」とネットの声は非難囂々だが、それでも菅官房長官が2月12日の記者会見で「例年以上の毎週1億枚以上を供給できる見通しができた」と発表するまで、高額転売の騒動は収まらなかった。

「PRESIDENT Online」より

マスクの値段はあっという間に高騰し、2020年2月半ばには価格のピークを迎えている。しかし、大量のマスクの在庫を積み上げて転売機会を狙っていたのは3月以降である。

品薄と転売屋

実は2020年1月19日から始まった支那の春節で、日本にも大量の支那人が入ってきていて武漢ウイルスをばらまいたとされているが、この時期にドラッグストアでマスクを大量買いしている姿が目撃されているという話があって、パンデミック前に既に支那人が「マスクが品薄になる」という事実を把握していた可能性はある。

実際、支那は1月末に不織布を国費調達して流通を管理してしまう。この際に日本企業の支那工場で製造されるマスクまで管理下に置かれることに。この騒ぎを利用して荒稼ぎをしようとしたのが転売屋であった。一部は暴力団のシノギになったとも言われているが、支那の工作員も多数いたことだろう。

この騒ぎに終止符を打ったのがアベノマスクであると言われている。

「アベノマスク」配布ほぼ終了

2020年6月15日10:36 午後

厚労省は15日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全世帯に配布する布マスクに関して「おおむね配布を完了した」と明らかにした。実務を担う日本郵便への納入は12日までに終了。通常なら3日程度で配布できるため、15日までに未配布だったほとんどの世帯に届いたとみられるという。

全世帯向けの布マスクは、安倍首相が4月1日に2枚ずつ配ると表明。当初、5月中に約1億2千万枚超の配達完了を目指したが、不良品が見つかったことなどから回収や検品のため延期していた。

「ロイター」より

マスクの全戸配布と、マスクの品薄状態の改善の間に相関関係があるかというと、この他に多数の企業にマスクの製造をお願いしてシャープなどの企業でマスクを作って貰った事実があるので、アベノマスクだけが良かったとは言わない。

ただ、洗って使える布マスクの出現は大きかったと思う。

我が家でもこの時期に布マスクを大量に作って利用しているので、「布マスクを作れば良いんだ」という気づきを国民に与えた意味でも、アベノマスクの存在価値はあったと思うのである。

余ったマスク

さて、こうした流れがあって、大量の布マスクを作った事実はあった。

しかし、多めに発注して漏れなく配る必要があるため、発注数がぴったりというのは無理な話。当然ながら最終的には余剰分は出てくることになる。まあ、発注ミスもあったとは思うが。

布マスクは昨年4月、当時の安倍晋三首相が全世帯に配布すると表明し、アベノマスクと呼ばれた。別に配布した介護施設向けなどと合わせて、国は計約2億9千万枚を調達したが、今年3月末時点で3割近い8272万枚が倉庫に残っていることが、会計検査院の調査で判明した。

「朝日新聞」より

それが冒頭のニュースに関連する話で、朝日新聞が嬉しそうにすっぱ抜いている。

が、この朝日新聞の記載は正確では無く、8272万枚残っているマスクの内訳の全てがアベノマスクではない。正確には「アベノマスクを含む布マスク」が8272万枚であった。全世帯向けのアベノマスク約400万枚と、福祉施設や妊婦向けの約7900万枚の計8272万枚という事になっているようだ。

何れにしても、保管費用に6億円かかっていて、月額約1900万円程度の保管料がかかっていくと言われている。この保管はどの時点で不要になったかについて、後知恵で指摘するのは簡単である。

マスクの価格が安定したのは転売規制の解除をした令和2年(2020年)8月末以降なので、価格が安定してから1年以上経過していることを考えると無駄があったのは事実かも知れない。

そして、現時点でマスクの供給が安定している以上は、コストを支払って保管し続けるメリットはあまりない。マスクの単価を300円として115億円の血税を無駄にしたという声もあるが、流石にその計算はヒドイが、不良在庫を抱え続ける意味はないのである。

岸田氏は多分その事について「反省すべき点はあったかも知れない」という表現を使ったと思われる。

岸田首相は「マスクが逼迫(ひっぱく)し、社会に不安が広がっている中、少しでも国民の不安を和らげ、国民の健康を守りたい思いで緊急的に実施されたものだと認識している」と強調。その上で「会計検査院からも指摘があった。検証すべき、または反省すべき点があったということは、しっかり受け止めなければならない」と語った。

「朝日新聞」より

したがって、今となってはそろそろマスクの保管量を減らしても良いだろうという判断は出来ると思う。何なら、政府小切手と共にマスクも全戸配布したらどうだろうか。

現実的な処分方法は?

ただ、安倍政権、菅政権と続いて国民の不安を取り除くために様々な政策を行って来たことも事実である。

マスク・消毒液・ワクチン等の状況 ~不足を解消するために官民連携して対応中です~ (METI/経済産業省)

成功した政策も失敗した政策もあるので、マスクをいつまでも保管しているなと言う国民の声を真摯に受け止める、そういう決断をしたと考えれば、岸田氏を評価しても良いかも知れない。

やっぱり、政策に求められるのはスピードだぜ。

アベノマスク、自治体・個人に配布 松野官房長官「在庫解消へ努力」

2021年12月15日12時00分

松野博一官房長官は15日の記者会見で、安倍政権時代に新型コロナウイルス対策として配布した布マスク「アベノマスク」が大量に在庫となっている問題に関し、「希望する自治体に配布し、災害備蓄や地域住民への配布に活用していただくこと、希望する個人へ国から配布することなどの取り組みを進める」と明らかにした。従来通り、介護施設への随時配布も行う方針という。

「時事通信」より

配布して数を減らして行く積もりらしいんだけど今この時点で欲しがる人がいなければ、焼却処分するというのも1つの手ではないかな。え?外聞が悪い?そうかも知れないのだけれど、保管費用を延々支払い続けるよりはマシでしょう。

何処かで損切りをすべきなんだから。

追記

廃棄の方針が決まったようだ。

政府調達の布マスク 保管倉庫を公開 在庫は年度内めどに廃棄へ

2021年12月22日 16時34分

新型コロナウイルス対策で政府が調達した布マスクが配布されないままになっている問題で、厚生労働省は22日、今も8000万枚余りが保管されている倉庫を報道陣に公開しました。
年度内に配布先が見つからないマスクはすべて廃棄されることになります。

「NHKニュース」より

大量の不良在庫破棄は、心証的にも宜しくはないだろうと思う。しかし、損切りもまた大切である。数字に誤魔化されず、正しく評価出来るような広報をお願いしたい。説明が大切だと、前総理の菅義偉氏を揶揄して言及していたのだから、しっかりと説明しておいて欲しい。

岸田政権、割と決めたことを実行するまでにタイムラグがある印象なので、速やかに実施をされたし。

コメント

  1. 小さめの布マスクを長年使いつづけていた場所があります。
    「小学校の給食当番」。
    不織布マスクの「子供用」がどこでも売られるようになったのはコロナ以降のことと認識しています。
    その昔、我が子が初めて給食当番になった時、小柄な子供に合う小さめのマスクがなくて、救急箱の底に眠っていた布マスクを引っ張り出して、繰り返し使っていた記憶があります。
    なので、小さいと言われる(実際一度洗うと小さいですね)「アベノマスク」は、
    小学校に配布したらいいんじゃないでしょうか。
    各家庭も用意しなくて済むなら嬉しいと思います。
    もちろん、日本の小学生はそんなに多くいませんが、
    もらえるなら嬉しい小学校は、世界にはたくさんありそうです。

    • 我が家に来たアベノマスクも、子供達が喜んで使っていましたよ。一時期だけではありましたが。
      でも、その一時期助かったのは事実でして。

      いまどうか?というところはちょっと分かりませんが、割と潤沢に不織布マスクがある状況なので、保管するのにも保管費がかかる(除湿や温度管理が必要)ことを考えると、引き取り手は余り多く無いかも知れません。
      欲しい所は手を挙げて!とやった後は早めに処分した方が良いと思います。

    • 横から失礼
      >小学校に配布したらいいんじゃないでしょうか。
       こ
       れは素晴らしいアイデアです。
       焼却などとんでもない。
       全国の小中学に配布してもらえたら
       子供たちが、無尽蔵にマスクを提供してもらえるのだから。
       それに学校への配布ならそれほど手間もお金もかからないし学校なら大量のマスクでも保管場所に困らない。
       なんなら子供を通して大量のマスクを配布するも良し

       小学生の孫がいるのですが、使い捨てのマスクを日に二枚使ってしまって、二度と使わない凄まじいばかりの全然汚れていないマスクの山。
       親は洗えるいつものマスクだけに限定したようです。
       子供にもったいないと言っても通じませんから全国の学校へマスクを配布して貰えたら日本中のお母さんたちは大助かりだと思います。
       

  2. アベノマスクは「非常用」だったと認識しています。
     実際マスク不足の折、アベノマスクには個人的には助けられました。

    ひるがえって今現在、マスク入手には困らす、価格も下がり落ち着いています。
    非常用としての任務は終わったのだから、最も費用のかからない損切り、全て廃却で良いと私も木霊さんに賛成です。

    • アベノマスクが「ある」というだけでも、万が一マスクが切れた時に使えると言う安心感に繋がって、そこが良かったと思っています。
      非常用の任務を終えた、というのは至言ですね。

  3. そういえば、アベノマスクっていくつか種類があったのでしたっけ?
    各種1セットずつ 歴史博物館みたいなところに保管する価値はあるかも

    後は、木霊さんの仰るように廃棄でかまわないかと

    • アベノマスク、製造発注を色々なところにやった関係で、種類はいくつかあったみたいですね。
      小さめのマスクもやっぱりあったようで。

  4. どちらかというと、全戸配布を実行するための物流網の構築テスト。という意義の方が大きかったんでないかと思うんですよね。最悪は、食料その他まで総配給制にしての冬籠もりにも備えとかなきゃいけませんし。

    • 全戸配布のテストという側面はあったかも知れませんね。
      食料その他まで、というのは、マスク配布のシステムでは難しかったでしょうが、政府小切手のようなものであれば配るのは容易だったと思いますよ。

  5. 木霊さん、今晩は。

    現在残る大量在庫処分の問題であり、当時の効果をまったく無視するのはどうかと思いますね。(所詮はいつものマスメディアの誘導報道です)

    >我が家でもこの時期に布マスクを大量に作って利用しているので、「布マスクを作れば良いんだ」という気づきを国民に与えた意味でも、アベノマスクの存在価値はあったと思うのである。

    これって確かに大きいと思いますし、日本人個々の人達のガッツを呼び起こしたと僕は高く評価しています。
    実際我が家でも今でも奥さんが、孫達4人のマスクを楽しんで作っていますからね。

    仕事などオフィシャルでは市販マスクを利用する人がほとんどでしょうけど、3~4枚手作りマスクを洗濯すれば何とかなると危機管理を克服したと考えます。

    また、一時期トイレットペーパー不足(買占め)が話題となりましたが、ほとんど影響なしでここまで来ています。
    消毒液もコンビニ含むほとんどの施設で当たり前ですから、元々清潔好きの日本人はキッチリと馴染んでいます。

    石鹸での手洗い(特に帰宅時)・熱が出て3日以上続いたら、躊躇わずPCR検査に直行...、これは自己責任の範疇ですし大半の国民は理解していると考えます。

    >今この時点で欲しがる人がいなければ、焼却処分するというのも1つの手ではないかな。

    損得だけではなく政策としての選択基準の問題ですね、仰る通りスピード感が一番大切でしょう。

    • 役割を終えれば、その後の身の振り方を考えるべきなんでしょう。
      批判されたアベノマスクですが、正当な評価はされて然るべきですし、その弊害があったことも認めるべきでしょう。

      確かに、布マスクを大量在庫することは無駄であります。
      ではその状態を速やかに解消しましょう、それだけでこの話は終わりでありまして、延々政府を追及する話でもありません。スピード感ですよね、やっぱり。

  6. TVニュースで、女子中学生がマスクを作って50枚も老人施設に寄付したとありました。
     それで『ああ手作りで良いのか』と気付かせてくれた女子中学生は偉い!
    『安倍政権もあの女子中学生のニュースを見て全国民にマスクを配布してくれることを思いたったんだろうね』
    と我が家では、もっぱらでした。
     あのニュースの後、暫くして安倍政権が全国民にマスク配布を宣言してくれて、転売屋が慌て出しマスクが店頭に並びだした。
     アベノマスクのお陰で武漢ウイルス直前に一時だけ三百円と格安だった
    made in Japanのマスクが、今は六百円で買えるようになった。