ロシア、オーストラリアの原子力潜水艦導入計画で横槍

ロシアニュース

凄いな。

豪の原潜導入計画、ロシアがIAEAで放棄迫る

2021/11/28 18:23

ロシアのミハイル・ウリヤノフ在ウィーン国際機関代表部常駐代表は26日、国際原子力機関(IAEA)理事会で演説し、オーストラリアが米英との安全保障枠組み「オーカス」を通じ、原子力潜水艦を導入する計画を「放棄」するよう要請した。

「読売新聞」より

どんな理屈で他国の原子力潜水艦の建造を中止するというのだろうか。

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク
スポンサーリンク

核兵器不拡散は強国の理論

核兵器不拡散条約(NPT)に違反?!

ロシア外務省によれば、核不拡散の観点から問題であるようだ。

露外務省が27日に演説内容を発表した。ウリヤノフ氏は、原潜導入計画が核不拡散の観点から問題をはらんでいると主張し、「オーカス参加国が計画を放棄する結論に至ることを期待している」と述べた。原潜導入計画の情報開示に関しても、「透明性が欠如している」と批判した。

「読売新聞」より

謎の条約NPTだが、日本はこの条約から脱退してもいいころではないか?

この条約、持つ者と持たざる者の格差がひど過ぎる。

ア 核不拡散:

 米、露、英、仏、中の5か国を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止。(第1、2、3条)  (参考)第9条3「この条約の適用上、「核兵器国」とは、1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国をいう。」

 原子力の平和的利用が軍事目的に転用されることを防止するため、非核兵器国が国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受諾する義務を規定(第3条)。

イ 核軍縮:

 締約国が誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定(第6条)。

ウ 原子力の平和的利用:

 原子力の平和的利用は締約国の「奪い得ない権利」と規定(第4条1)。

「外務省のサイト」より

確かに、世界中に核兵器が広がっていくよりはマシだという考え方は一理あるが、それは前提として保有を許されたアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、支那の5カ国が理性的に義務を守ってくれることで成り立つ話である。

中国の核弾頭は30年までに1000発に増加、米国防総省が報告書

2021年11月4日9:21 午前

中国の核戦力は今後急速に強化され、核弾頭数が2027年までに700発、30年までに1000発に達する恐れがある――。米国防総省は3日公表した中国の軍事力に関する年次報告書でこう警告した。

「ロイター」より

ところがそれを率先して破っている国があるのだ。そう、支那である。

米政府は、米国とロシアの新たな核軍縮条約の枠組みに中国も参加するよう繰り返し呼び掛けている。一方中国側は、自国の核戦力は米ロ両国と比較にならないほど小さいと主張し、対話する用意はあるが、それは米国が中国並みに核保有を減らした場合に限ると表明している。

「ロイター」より

この支那の都合のいい理屈が通るのであれば、オーストラリアだって核兵器を保有しても良いはずということになる。

減らすことはあっても増やすことはないという約束の下にこの条約の批准が行われたのであるから、保有を許されている国であっても増やすなどありえない。

そもそもあまり効果的ではない

ご存じの方は多いと思うが、NPTに参加していないのは、インド・パキスタン・イスラエル・南スーダンの4カ国。脱退した北朝鮮と合わせて核保有を疑われる国は意外に多い。

NPTに現在加盟していない、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮は核兵器を保有しており、この他にイラン、シリア、ミャンマーが核開発疑惑があるとされている。特にイランは核兵器保有の前段階まで到達している可能性が高いとされている。

つまり、NPTを世界191カ国で批准していようと、核兵器は増えているのである。現実に。上に紹介したように支那で増えている。

保有国も、保有数も増加しているのである。

結局この条約は各国の良心を信頼して成り立っているのだけれど、核兵器を開発成功すれば国際的な発言力は大幅に増す実例がある。一発逆転を狙う国があってもおかしくはないし、実際にそれに成功している国もあるのだから、仕方がない。

オーストラリアの潜水艦開発はNPTに抵触するのか

さて、そんなわけであまり効果があるとは思えないNPTだが、オーストラリアが手に入れようとしている原子力潜水艦がこれに抵触するかというと、一概にいえない部分がある。

まず、原子力潜水艦が核兵器に該当するかだが、該当はしない。だいたい、ロシアは原子力潜水艦を他国に売りつけているではないか。

インド海軍の原潜「チャクラ2」が就役、ロシアからリース

2012年4月6日 11:49

インド海軍は4日、ロシアから借り受けたアクラ2(Akula II)級の原潜、チャクラ2(INS Chakra II、8140トン)を就役させた。

 インド南東部アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州ビシャカパトナム(Visakhapatnam)にある海軍の造船所で、A・K・アントニー(A.K. Antony)国防相らが出席して就役式が行われた。

 チャクラ2は各種魚雷に加え、核弾頭を搭載したグラナト (Granat) 巡航ミサイルを発射できるが、インドは国際条約上の義務に従って原潜に核弾頭を搭載した巡航ミサイルを配備しない方針を示している。チャクラ2はロシアから向こう10年間にわたってリースされる予定で、インドの隣国パキスタンはこの決定に警戒している。

「AFP」より

北朝鮮 原子力潜水艦もすでに保有!?

2016/8/26(金) 10:24

北朝鮮が「北極星―1号」と称する潜水艦弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を初めてテストしたのが昨年5月。150mしか飛行せず、空中爆破し、失敗に終わった。それが、僅か1年数カ月で500km飛び、設定された目標地点に着弾した。

~~略~~

今回SLBMの発射に使用されたのは2000トン級新型潜水艦である。SLBM搭載能力が1発と限定されていることから北朝鮮はロシアから購入した退役のゴルフ級潜水艦(3000トン級)をベースに現在3000トン級以上の潜水艦を秘密裏に開発している。

ゴルフ級はSLBMを3発装着できる。ゴルフ級から発射されるSLBMは「R-21」で最大射程距離は1、420km、弾頭重量は1,180kgである。潜航能力は70日に達する。太平洋に出航すれば、ハワイやグアムなど米国の戦略要衝地を射程圏中に置くことができる。

「Yahoo!ニュース」より

今の処分っているだけでも、インド、支那、北朝鮮に対してロシアは原子力潜水艦を提供している。

この後、支那は自力で原子力潜水艦を建造し、開発中ではあるがインドも同様である。北朝鮮の原子力潜水艦は実用レベルにあるかどうかは定かではないが、いずれ形になるだろう。

つまり、ロシアはどの口が言うのかというレベルのことを過去にやらかしている。そのうえで、オーストラリアに対して文句を言う筋合いはないわけで。

お前が言うなというヤツである。

コメント

  1. こんにちは。

    >ロシア外務省によれば、核不拡散の観点から問題であるようだ。

    この理屈からすると、お隣の国がVLS付きの原潜を建造するニダ!って吹け上がってるのも問題って事ですね。
    彼らは核ミサイル搭載を、表立っては言ってませんが、視野に入れていることは確実ですし。
    ……いや、あんまり隠してもいないか……

    • 実際にところ、オーストラリアが原子力潜水艦を保有したところでロシアが困ることはさほどないように思えるんですよ。
      困るのは支那なんでしょうねぇ。
      南シナ海にオーストラリアの原子力潜水艦がウロウロし始めると、支那としては困りますからね。

  2. 露からすると南支那海は兎も角、原潜であれば北太平洋は行動範囲なります。
    豪州は米国の同盟国であり、尚且つ英連邦の一員です。
    (無いとは思いますが)北氷洋経由で北海で英国と対潜演習などやられたら露にとって悪夢でしょう。
    米国ですら周辺海域に露や支那の原潜がうろつくのを嫌います。
    ましてや対潜能力が劣ると思われる露としては自国周辺に出没する可能性は排除したいでしょう。
    支那が片付いたら次は自分と考えるのは不思議ではありません。
    ならば芽を摘み取れるうちに摘み取ってしまおうとするのは自然だと思います。

    • なるほどー。
      出る杭は打てという発想ですか。
      ロシアが自国周辺に原子力潜水艦がうろつくのを嫌がる……、これは日本もチャンス?!

  3. 確かにNPTでは「核兵器に転用されることを防止するため」とあり、原発で使われる低濃縮ウランはIAEAの管理下にあるわけですが、では原潜の燃料となる高濃縮ウランは、というと、「これは原潜の燃料である」という解釈で通そうとしているのがAUKUSで、「核兵器に転用できるだろう」と文句を付けているのが中露、という図式ですね。

     しかし英米には高濃縮ウランを燃料にする原潜しかなく、一方フランス原潜の燃料は低濃縮ウラン、というのがなんとも皮肉なことです。いっそAUKUSにフランスも入れて、フランス原潜を採用していれば「低濃縮ウランで動く原潜」で文句を付けるのが難しかったでしょうに。