グローバル脱炭素方針を掲げた韓国と腰の引けた日本

大韓民国

日本国内ではこれに関してさほど騒がれていないようなのだが、韓国はいち早く手を挙げてみせたという事らしい。

日米も抜けたが「脱石炭」に署名した韓国、海外メディア「驚く」…韓国政府「履行の約束でない」

2021.11.08 08:07

英グラスゴーで開催されている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で韓国政府が4日に「グローバル脱石炭声明」に公式署名した後の説明が論議を呼んでいる。政府が「脱石炭加速化という方向性に同意したのであって、合意事項にすべて従うというわけではない」と説明すると、専門家らは「国際社会に約束しておいて履行できないこともあるというのは理解しがたい」と指摘している。

「中央日報」より

どの国がこんなアホな声明に乗っかったのかは知らないが、これはアレだ。核兵器禁止条約と同じ流れだ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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実行力のない合意

日本国内でも政府に批准するように働きかける動きはあった

調べて見ると、どうやら石炭事業からの脱退を促すこの共同声明は、事前から国際的に随分と根回しがなされていたようだ。政治だから当たり前だよね。

【共同声明】日本政府はOECD交渉で石炭事業への公的支援完全停止に向けた国際的リーダーシップを発揮すべき

2021年9月9日

現在、経済協力開発機構(OECD)の輸出信用部会において、石炭火力発電及び石炭採掘事業への公的支援に関するルール策定交渉が行われている。日本政府が同交渉におけるポジションを検討している中、私たち環境NGO5団体は、日本政府に対して石炭事業への公的支援の完全停止に向けた国際的リーダーシップを発揮するよう要請する。

「気候ネットワークのサイト」より

引用したこの記事には随分な事が書かれていないのだがまあ、紹介だけはしておく。

環境NGOが政府に圧力をかけるの図である。それが悪いとは言わないが、この手の方々が政策を決定するわけではないから、好きなことを言うよね。実現できるわけがない。

COP26で190の国・企業が石炭火力からの脱却に関する共同声明発表

2021年11月05日

英国グラスゴーで開催されている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で11月4日、190の国・企業が石炭火力発電(注)を段階的に廃止し、新しい石炭火力発電への支援を終了する共同声明(Global Coal to Clean Power Transition Statement)が発表された。同声明には、少なくとも23カ国が新たにコミットしている。この中には、世界の石炭火力発電の使用量上位20カ国のうち、韓国(5位)、インドネシア(7位)、ベトナム(9位)、ポーランド(13位)、ウクライナ(19位)の5カ国も含まれている。英国政府の3日付発表によると、公表時点では、46カ国を含む77の国と組織が声明に署名を済ませた。

「JETRO」より

で、ビジネス短信によると、脱石炭へむけて世界が動き出したと言うことになっている。ふーん。

実効力は怪しい

さて、国内のニュースを探したら、東京新聞が触れていたね。

46カ国・地域が「脱石炭」で合意 日米中は不参加 COP26

2021年11月5日 12時07分

英北部グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、議長国・英国は4日、46カ国・地域が石炭火力発電を巡り、先進国などは2030年代、世界全体では40年代の段階的廃止を目指すことで合意したと発表した。既に「脱石炭」を宣言していた国々に韓国やポーランドなどが新たに加わった形だが、日本は参加していない。

46カ国・地域は「世界全体の石炭からクリーンパワーへの移行」と題した声明に賛同した。声明には、石炭火力発電の段階的廃止や石炭火力発電所を新規に建設しないことなどを明記した。対象は「(温室効果ガスの)排出削減対策が取られていない」石炭火力発電に限っている。

「東京新聞」より

日本、アメリカ、支那はこの合意に参加していないようだが、韓国は参加した模様。

えーと、石炭消費量の多い上位20カ国というと、ちょっとランキングが見当たらないのでいつものヤツを貼っておこう。さほど変化はしていないだろう。

img
  1. 支那:28.4%
  2. アメリカ:14.7%(ココまでで43.1%)
  3. インド:6.9%(ココまでで50%)
  4. ロシア:4.7%(ココまでで54.7%)
  5. 日本:3.2%(ココまでで57.9%)
  6. ドイツ:2.1%(ココまでで60%)
  7. 韓国:1.8%(ココまでで61.8%)
  8. カナダ1.7%(ココまでで63.5%)
  9. インドネシア:1.6%(ココまでで65.1%)
  10. メキシコ:1.3%(ココまでで66.4%)

20位まで挙げるのはシンドイので10位までにしておくけれども、脱炭素合意をしたのはトップ10の中では韓国とカナダ、インドネシアの3カ国である。

二酸化炭素排出量のランキングになっているので、石炭火力発電の使用量ランキングとは異なるのでご注意を。

この中には、世界の石炭火力発電の使用量上位20カ国のうち、韓国(5位)、インドネシア(7位)、ベトナム(9位)、ポーランド(13位)、ウクライナ(19位)の5カ国も含まれている。

「JETRO」より

JETROによると石炭火力発電の使用量上位20カ国のうち、トップ10に3カ国である点は変わらない模様。

なお、二酸化炭素排出量は3位までで5割を占めるのだが、そのトップスリーは何れも合意に参加していない。

この時点でこの合意の実効力の怪しさをみんな感じて頂けると思う。

減らない石炭火力発電

実際、世界の情勢としても石炭火力発電は減らないと見られている。

この記事が分かり易いのだが、一部の国で盛り上がりを見せている石炭火力発電の削減だが、二酸化炭素排出量の削減が理由ではないというのである。

実は減らない世界の石炭火力発電、欧米の石炭火力を減らしたのは市場の力

2020年8月18日

経済産業大臣が石炭火力削減を発表して以降、石炭火力に関する様々な意見が出されている。マスコミの中には「二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電所をなくしていく。そんな国際的な動きを、日本もようやく追いかけるように見える。1~3月期OECD諸国では石炭火力の割合が4%ほど減り、ほぼ同じだけ再エネが伸びた。視野を広くし、世界の動向に敏感になるべきだ。自国の都合を言い訳に脱石炭を怠れば、ガラパゴス化してしまう」との社説を掲載する新聞も出てきたが、大きな誤解があるようだ。

石炭火力発電所をなくしているのは、米国と欧州の西側の国だけで進んでいる動きだ。国際的な動きとしている社説は間違いだ。視野を広くし、世界の動向に敏感になれば、石炭火力削減が進んでいるのは一部の地域だけと気が付くはずだ。

「WEDGE Infinity」より

欧米では石炭火力発電の割合が減っているようだが、単に他の発電方法の方がコストが安くなったからに過ぎない。

実際、露天掘りしているオーストラリアや支那のような石炭産出国にとって、これ程安い燃料は他にないわけで。石炭や天然ガスは効率の良いエネルギー資源である。止めるメリットがない。

これからも世界の石炭生産量は伸びると米エネルギー省は予想している。途上国を中心に石炭火力発電所からの発電量が伸びるためだ。世界の石炭火力発電量予測は図‐2の通りであり、2050年まで石炭消費量も年率0.4%の成長が予測されている。

「WEDGE Infinity」より

消費量の落ちているアメリカやイギリスですら脱石炭合意に参加しなかった。

これは、安全保障に関わるのではないかなと考えている。安易に発電に使える石炭を国内で確保できていることは、直ぐに使えなくとも大きな意味がある。よって、簡単に「止めます」とは言えないワケだ。況してや輸出すれば喜んで買ってくれる国があるのだから。

止めるとはい言ったけれど、その時までは指定していない

そんな感じで世界各国は様々な思惑があって、脱炭素合意に加わったり、加わらなかったりしたわけだ。二酸化炭素排出量の削減を表明してはいるが、石炭を使わないと入っていないという事だ。

ちなみに、合意に加わった韓国は、面白いことを言っているらしい。

ソウル大のホン・ジョンホ環境大学院教授は「現在、韓国は新規石炭発電所7基を建設中で、このうち江原道高城(コソン)と忠清南道舒川(ソチョン)の2基は稼働を始めた」とし「新規発電所に関する具体的な代案なしに国際会議で脱石炭時期を大幅に操り上げる宣言に参加したのは一貫性がない」と指摘した。

西江大のイ・ドクファン化学科教授は「『国際声明に参加だけして合意事項は遵守しなくてもよい』という態度は国の格を落とす」とし「脱原発を推進しながら脱石炭時期を操り上げるというのは最初から不可能な約束」と話した。

~~略~~

産業部の関係者は「声明には『主要経済国は2030年代までに、残りの国は2040年代までに脱石炭をする』となっている」とし「我々はすでに2050年までに石炭火力発電を廃止することにしたので(主要経済国でなく)2040年代に脱石炭をすることにしたその他の国に該当するとみている」と話した。

「中央日報」より

なんと、「計画通り石炭利用を減らしていくけれど、脱炭素を加速する気はない」ということらしい。え?なんのための合意なのよ。韓国が国際的な合意を守らないのはデフォルトらしい。

しかし、国際的にはこれくらい図太くややるべきであって、バカ正直に「合意をしたから、明日から石炭火力発電を止めます」というのは下策であると思う。韓国のやり方が「良い」とは言えないが、悪くもないのだ。

トゥンベリさん「COP26は失敗」 開催地で若者大規模デモ

2021年11月6日 5:37 

国連(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>COP26)が開催されている英北部グラスゴーで5日、各国首脳に対し気候問題への迅速な対処を求める若者主導の大規模な抗議デモが行われた。デモで演説したスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(「AFP」より

環境活動家が気勢ををあげていたようだけれど、確かにCOP26は失敗した。いや、アレで成功なんだけどね。各国の思惑の絡む二酸化炭素排出量削減の話は、若者が無邪気に「やめろ」とか「なくせ」とか叫んだところで意味はあまりないのである。

振り上げた拳を何処に下ろすか

しかしムン君、軽率に合意しちゃったのは政治的には拙かったかもね。取り敢えず、フリでも良いから「合意の履行に向けて努力する」と言っておけば良かったのに。

多分、慌てて何か発言を修正するんじゃないかな。

声明で韓国を「2030年代に脱石炭をする国」と明示してはいないという釈明だ。そして「脱石炭の時期を2030年代に繰り上げることも、そのような計画もない」と明らかにした。

「中央日報」より

格好を付けるために合意をしてしまったが、実際にはなにもやらないと。こんな事を報道してしまうと、他国から突っ込みを受ける弱味を作る事になるぜ。

一方の日本の場合はというと、小泉進次郎氏の「おぼろげながら浮かんだ数字」として使った46%削減を掲げ、二酸化炭素排出量の削減を目指すとした。ただし、石炭火力発電自体の廃止は目指していない。その姿勢もどうかとは思うんだけどさ。

こちらの記事でも書いたが、二酸化炭素の削減に巨額の投資をする意味はない。しかし日本の腰が引けているというイメージは宜しく無いので、寧ろ「日本は石炭火力発電施設を輸出することで、世界の二酸化炭素排出量を減らす!」とでも言えば良かったんだ。

ともあれ、韓国としての対応はともかく、ムン君には「また余計な事を言いやがって。何もする気はないだろう」と呆れられた節はある。この人、最後の最後まで実績無しで終わりそうなので、大きいことを言っちゃった感じではないだろうか。

日本、化石賞を受賞

そうそう、最後は少し腹の立つ記事を紹介して終わろう。

火力発電巡り日本に「化石賞」 環境NGOのCAN

2021年11月4日 2:00

英北部グラスゴーで開かれている第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、国際的な環境NGO「CAN」は2日、地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」に日本を選んだ。

「日本経済新聞」より

欧州がどのようなレッテルを貼って日本を貶めようとしているのかがよく分かる。いや、環境NGOなのでバックにいるのは支那なんだろうけどさ。

この手の国際機関に一番金を出しているのが支那で、日本はその生贄に選ばれたというわけだ。そりゃ、自国が化石賞を受け取らないためには、金をばらまくしかない。

結局、こんな調子で世論を気にしたところで仕方が無いのである。化石賞くらい喜んで貰い、世界に石炭火力発電所を輸出すれば良いだろう。

コメント

  1. 9億円を石炭株に投じた元芸人・井村俊哉 含み益は2億5千万円に

    だそうです。

    • 石炭株で火遊びとは、なかなか剛胆ですな。
      石炭価格は未だ上がりそうな気配なので、頑張れば取り返せるかも知れませんね。