公明党のパフォーマンス、現金給付

政策

現金給付の方針に関しては、衆議院選挙で各党の方針は違うものの給付することだけは反対意見がなかった。

週明け8日に政府に申し入れ 調整本格化 公明党「18歳以下に現金10万円」

11/5(金) 11:42配信

自民・公明両党は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた支援策の検討を進めている。 公明党は、週明け8日に政府に対し、18歳以下の子どもへの現金10万円の一律給付などの支援策を申し入れる予定で、政府与党内の調整が今後、本格化する見通し。

「yahooニュース」より

そして、選挙が終わって真っ先に動いたのが公明党である。

このニュースの切り口は、現金給付に反対するという話では無く、情報の出し方に恣意的なものを感じるという話だ。

スポンサーリンク
同カテゴリーの人気記事

この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

<同カテゴリーの人気記事>

スポンサーリンク
スポンサーリンク

現金給付は公明党だけの政策ではない

衆議院選挙の争点にはならなかった

先ずは、情報を振り返っておこう。

政党名政策方針
自由民主党非正規労働者や子育て世帯、学生らへの給付金
公明党0~18歳までのすべての子どもに、一律10万円相当の給付
立憲民主党低所得者に一人10万円の給付、また、年12万円給付
日本共産党年収1,000万円未満程度の中間層を含めて、収入が減った人に基本10万円支給
日本維新の会国民に一律に現金を給付する「ベーシックインカム」の導入
国民民主党一律10万円給付・低所得者には10万円上乗せ
れいわ新選組毎月20万円の現金給付
NHK党使用時間制限追記一律10万円以上の電子マネー給付

概ね10万円程度の給付という点では一致していて、その範囲ややり方が違う幹事となっていた。とはいえ、維新の会のベーシックインカムやれいわの毎月20万円の現金給付というのは凡そあり得ない政策なので、これは除外しておこう。が、何れにしても給付するということに関して反対しているわけではない。

つまり国民に現金窮するという点は争点ではなく、とにかく給付はするという合意は国会内でとれているのである。

現金給付の財源

さて、現金給付政策というのはそれなりのリスクを生む政策ではある。

基本的にはベーシックインカムのデメリットと似ているのだが、大前提として財源が必要な事と、経済効果が怪しいという事。そして、労働に対する対価という側面が薄れてしまうと言うことなどが挙げられる。

尤も、1回限りの給付であれば、財源はさほど難しくない。長期国債で賄えば良いのである。ただ、その給付条件について、「乱発できない」ような条件を付けないと、宜しく無いとは思う。何しろ、現金を乱発するような政策は、政府としての信用を失ってしまうのである。

政府の信頼を失うことは、即ち日本経済の信用失墜を意味する。経済は大混乱だろう。

政府が11月中旬にまとめる大型の経済対策をめぐり、公明党は、衆院選の公約に掲げた18歳以下の子どもおよそ2,000万人を対象に、所得制限を設けず一律で現金10万円を給付するよう求めている。

「yahooニュース」より

しかし、昨今の世界的な政策傾向について、現金給付はあっちこっちでやられている。アメリカでは、日本の10万円が霞んで見えるほどであった。

コロナ対策で支給された3回の給付金、米国人はどう使ったか

2021/06/08 06:30

~~略~~

パンデミック対応として実施された現金給付は3回におよび、総額が8500億ドルを超えた。ピーター・G・ピーターソン財団が実施した新たな調査では、米国民の大半が給付金を何に使い、給付金が経済にどのような影響を与えたのかを明らかにしている。

「Forbes」より

1回目が12万円、2回目が15万円、3回目が15万円相当だったからだ。年収8万ドル以下の制限があったので、全員に給付されたわけではないが、それでも相当のインパクトがあった事は想像に難くない。

日本政府が1回10万円程度ばらまいたところで、世界的に見ても「特別なことをした」という印象は薄いだろう。政府のバランスシート的にも問題無いレベルでの予算を組む形になるので、13兆円程度の財源を国債発行で賄った所で問題にはならない。

月額何万円という形でお金を出すとなると、恒久的な財源が必要となってくるのだけれども。

そして、この国債を財源にするという点も、ほぼ各党の合意がとれている

政府小切手を使う

さて、Forbesの記事には、アメリカの現金給付政策について触れて、アメリカは政府小切手を使って給付したという内容になっていた。

新型コロナウイルスへの経済支援として発行された米国財務省小切手について

新型コロナウイルスへの経済支援として米国財務省が発行した小切手につきましては、みずほ銀行に既に口座をお持ちで、かつ米国歳入庁が定める受給資格を有するお客さまのみ、お取り扱いいたします。 受給資格については、お客さまご自身で米国歳入庁(IRS)のウェブサイト等によりご確認のうえ、ご来店くださいますようお願いいたします。

「みずほ銀行のサイト」より

これはみずほ銀行のサイトの情報なのだが、個人に対して現金を振り込むのではなく、米国財務省小切手を個人に対して郵送した。そして、銀行から現金を引き出すという手法をとった。

これ何が面白いかというと、政府が発行する小切手は郵送で送りつけて、身分確認は銀行にさせるというところである。行政に身分確認と銀行振り込みまでやらせると、膨大な行政コストがかかる。

ところが、郵送であればアベノマスクが個人宅に届いたように、郵便局を通じて送ることが可能なのである。全戸配布という手段である。

布マスクの全戸配布に関するQ&A
布マスクの全戸配布に関するQ&Aについて紹介しています。

マスクに関するトラブルはそれなりにあったようだが、小切手の場合は銀行に行って個人確認がとれないと、有効にはならない。他人の家に届いても意味がないという点でも優れていると言える。

無駄な行政コストを削減できるのであれば、マイナンバー制度を使うのもアリだが、未だにマイナンバーは銀行口座に結びついていないので、今は使う事が難しい。

給付とセットに消費喚起する政策

問題は、この給付は「消費喚起」に繋がるべきであるというところだ。

これはなかなか面白いポイントで、アメリカのケースではこんなデータが。

・1回目の給付金:消費に充てた(74%)、貯蓄した(14%)、ローン返済に充てた(11%)

・2回目の給付金:消費に充てた(22%)、貯蓄した(26%)、ローン返済に充てた(51%)

・3回目の給付金:消費に充てた(19%)、貯蓄した(32%)、ローン返済に充てた(49%)

給付の回数を重ねるほど貯蓄に回る可能性が高くなるというデータである。ネットではどんどん配らないと貯蓄に回るという批判もあったが、現実は逆であったのだから面白い。

もちろん、日本でこの傾向が当てはまるのかは知らないが、しかし貯蓄に回ると言うことは、短期的な消費に繋がらなくとも、将来的な消費には繋がる。そして、いつも貯蓄に回していた分が消費されるという可能性もあって、アンケートでは分からないお金の流れもあると思うので、あくまでも参考にして欲しいという程度のデータではある。

その上で、短期的に消費に回して貰うことを考えるのであれば、観光業とセットにした政策と言うのは面白いだろう。その辺りも公明党が騒いでいるのだが。

一方、感染の収束を前提に実施するとしている「新・Go Toキャンペーン」については、休日に旅行の利用が集中しないよう分散化を図ることや、中小・小規模の事業者にも恩恵が行き渡るよう工夫するなどの見直しを求めています。

「NHKニュース」より

しかしこれはメリットの方が大きいので、出来れば特定の期間、旅行を促進するような政策を打てれば、観光産業はかなり助かると思う。

ただし、飲食業界もかなりダメージを受けたハズなので、飲食業にも補助が出るような手当てがでれば良いと思う。

この経済回復に繋がる政策に関しても公明党のオリジナルというわけではない。

一律給付か特定対象への給付か

さて、面倒なのは条件をつけて「18歳以下に配る」という話に対して、「一律に配れ」という批判がある点だ。

そりゃ、みんな「貰えるなら欲しい」と思うわけで。だって、誕生日を迎えたかどうか1日違いで貰える貰えないが変わってくるとなると、それなりに妬み嫉みを生むわけだ。

にもかかわらず行政コストをかけて年齢条件を課すか?というところには疑問を感じる。財務省は少しでも配る金額を低くしたいということを言うかも知れない。でも、結果的にふるいをかけるのに使う行政コストがかかるので、特定対象への給付というのは余り好ましくはない。

一方、子供だけに限るのであれば、児童手当の仕組みを利用して臨時給付という形にすれば、行政コストはさほどかからない。

何故18歳以下という枠組みにしたのかは理解不能である。

自民党は、こうした話を踏まえて公明党のパフォーマンスにならない様な政策を実現して欲しい。多分選挙協力をちらつかされた結果だと思うが、こんなバカバカしい話はない。金をかけない選挙戦略として極めて高い効果が得られるからだ。

岸田政権は、そこを突っ張れるのか?というところが今後の政策に関する分水領となるだろう。案外、憲法改正とのバーターという可能性もあるにはあるが……、公明党丸儲けという発表の仕方をすべきではない。各社から出てくる報道を眺めていると、そんな意識は極めて強く感じるが。

そもそも、金持ちだろうが貧乏人だろうが、一律配ってしまえ。極論すれば、金持ちからは配っておいて後から税金で巻き上げれば良いのである。

……最近、岸田政権に対して厳しい事ばかり書いている気がするが、多分気のせいだね。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    バラマキと言っては身も蓋もないですがホントに各党似た政策で、公明党だけが手柄を独り占めにしようって魂胆でしょうか。

    いずれにせよ財源はご指摘の通り国債しかないわけですから、慎重に中味を詰めて速やかな実施が肝要でしょうけど。

    公明党の政策は18歳の線引きとかが禍根を残しそうですから、自民党はしっかりした対案を出して好きなようにさせない事ですね。

    • 人の褌で相撲をとる、それが公明党です。
      平気で「俺の手柄だ」と選挙で叫ぶことでしょう。