「石炭を増産しまぁす!」支那は停電回避の方向に舵を切った

支那

そうなるだろうとは思ったが、流石に判断をしたか。

中国各地で大規模停電 「脱石炭」一転 石炭増産へ

2021年10月14日 木曜 午前6:27

大規模な停電を受けて、脱石炭を進めていた中国が一転、石炭増産。

中国では、習近平国家主席が、2030年までに二酸化炭素排出量を減少に転じさせると宣言したことを受けて、「脱石炭」の動きが加速していたが、9月までに各地で大規模な停電が発生し、電力不足が深刻になっていた。

これを受け、中国政府は13日の会見で、国内の炭鉱ですでに2.2億トンの石炭を増産するなどの対策を進めており、市民への電気の供給を保証すると強調した。

「FNN プライムオンライン」より

記事として取り上げる事は余りないのだが、前に書いた記事に関係する話なので、紹介だけしておきたい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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支那は石炭が増産したい

先ずはおさらい

えーと、先ずは記事のリンクを。

内容をザックリ説明しておくと、以下の流れだ。

  • オーストラリアに嫌がらせをするために石炭の輸入を絞る
  • 石炭価格が高騰する
  • 支那の電力が足りなくなって、各地で停電発生
  • 石炭増産方針決定! ← イマココ

でまあ、これの前段として、世界的にカーボンニュートラルの方向に舵を切る国が多くなっていることと、二酸化炭素排出量を減らそうということで自動車の電化が進んでいると言うこと、アメリカが方向転換したので習近平氏が慌てていることは、抑えておく必要があるだろう。

2.2億トン増産

で、冒頭のニュースは、「2.2億トン増産」のアナウンスをした話である。

このニュース自体は、支那のプロパガンダの一種だと思っている。「増産するよ」というメッセージを出すことで、市場を安心させたいという狙いがあるのだろう。

タダでさえ、世界の株価の暴落やらエネルギーの高騰が始まっているからね。不安要因を僧服させたくないという意図はあるのだろうね。

20年の中国石炭生産、38.4億トン 15年以来の高水準=国家統計局

2021年1月18日4:12 午後

中国国家統計局が発表した2020年の石炭生産は38億4000万トンと、2015年以来の高水準となった。

中国政府は環境対策の一環で化石燃料の利用削減を目指しており、主要産地でも数カ月にわたって生産が混乱したものの、生産は高い水準を記録した。

「ロイター」より

支那の年間石炭生産量は38億4000万tであり、これをベースに2.2億tの増産をするということなのだろうと理解出来る。

中国の石炭生産は2013年に39億7000万トンでピークを付けた。政府が過剰生産能力の削減を進め、クリーンエネルギーの導入を促したことが背景だった。

「ロイター”20年の中国石炭生産、38.4億トン 15年以来の高水準=国家統計局”」より

ちなみに2.2億tの増産となると、生産のピークであった2013年の39億7000万tを超えることになる。

12月単月の石炭生産は前年同月比3.2%増の3億5189万トン。11月は3億4727万トンだった。

「ロイター”20年の中国石炭生産、38.4億トン 15年以来の高水準=国家統計局”」より

生産能力の面でいえば、この調子で採掘を続ければやれそうだよね。この数字は2020年のものなので、水害の影響をどこまで受けるのかは不明だが、まあ、支那共産党だから何とかしちゃうでしょう。

炭鉱事故など

そういえば、支那の炭鉱に関しては事故も絶えないという話があったな。

中国:重慶市における炭鉱事故が石炭供給を減少させる可能性

掲載日:2020年10月8日

9月28日の報道によると、中国南西部で16人が死亡した炭鉱事故を受けて、当局が現在進行中の安全検査を強化する可能性があり、冬の暖房需要期を前に供給が逼迫し石炭価格を支える可能性がある。

重慶市にある炭鉱で一酸化炭素が過剰に発生し、昨日16名の作業員が死亡、生存者は1名のみとなった。事故は、中国の国家炭鉱安全管理局が、陝西省の石炭生産の中心地にある2つの炭鉱が現在進行中の検査の間に安全規制に違反していたことを発表したのとほぼ同時に発生した。

「JOGMEC」より

この話のベースにあるのは、内モンゴル地区などの炭鉱において、安全対策がどの程度行われているのか?というところも疑わしいのだが、どうやら盗掘などによって生産された粗悪製品が出回る事にもなっており、汚職に繋がっているという、そういう話。

無論、汚職が存在するのか、習近平氏の政敵の支配下にある所を攻撃したのかは定かでは無いが、「石炭が足りない」という問題が出ているという点は事実なのだと思う。

中国東北部の一部の地域では、今年の冬には3,700万トンもの石炭不足に直面する可能性があると一部の市場関係者は述べている。8月の中国の国内石炭生産は内モンゴルの長引く汚職調査によって妨げられた後、回復の兆しを示したが、回復が今冬の需要シーズンに間に合わないかもしれないという懸念がある。

「JOGMEC」より

増産方針になった時に、こうした安全面への配慮についても不安視される材料はあるのだけれども、やれないことはあるまい。

とはいえ、国際的な石炭価格の上昇を招いてしまっていることを考えると、これで一息つけるのかどうかは微妙だろう。支那国内での石炭の生産量が増えても、国内に回すとは限らないのだ。外国に売る方が高いから海外輸出しようという流れになりそうな気がする。

十分な量が供給されれば良いのだが、果たして足りるのだろうか。支那が一番石炭を使っているんだけどね。

窮地を凌いだ後は?

ちなみに、習近平氏がこの方針転換をしたことで何が起こるのか?というと、支那での石炭火力発電は活性化するだろう。もちろん、二酸化炭素排出量も増えるだろう。

国際的には、「急場を凌ぐためだ」と説明するに違いない。

だが、その後にどうするか?についてはよく分からない。実際に、習近平氏が一時的に二酸化炭素排出量削減の方向に舵を切ったことは事実だし、それは慢性的な電力不足を招いてしまった。それは「指導力不足」という事になりかねない。

更に、多発する水害に対する対処や、武漢ウイルス蔓延の状況を招いたことも、公衆衛生の改善という意味において、積極的になるべきだと思っている。

そうなってくると、支那皇帝への夢を抱く習近平氏にとって、「何がベストか」という決断を迫られるだろう。そして、糾弾される可能性も?

追記

一つ、記事を紹介し忘れていたので追記しておきたい。

排出ゼロ「年450兆円必要」 IEAが見解

2021年10月14日 2:00 

国際エネルギー機関(IEA)は13日公表した世界エネルギー見通しで、脱炭素に向けて年間4兆ドル(約450兆円)の投資が必要との見解を示した。現状の3倍以上にあたる水準だ。再生可能エネルギーや水素などへの投資を加速させる必要性を説くが、世界では石炭利用を増やすなど逆行する動きもある。

「日本経済新聞」より

国際エネルギー機関(IAE)の世界エネルギー見通しでは、石炭利用が増えてきているという報告が出ているというニュースである。

会員限定なので引用部分だけに言及しておくが、IEAの狙いに反して石炭利用を増やすという選択をする国が多いということのようだ。国際的な価格高騰の背景にはこうした動きも関係していたという分析だね。

コメント

  1. 石炭と聞くと燃やすことばかり想像してしまいがちですが、実は工業用エタノールの主原料でもあるので、石炭不足からくるエタノール不足、そこから生成される多種多様な化学品の不足は、これらの供給を身近な中国からの輸入に頼る日本にも影響を与えつつあります。
    例えば生成物のひとつである酢酸エチルアルコールはビニール製品の生産に不可欠ですので、国内の在庫が切れ次第、ビニール製品の新規生産が不可能になると思われます。
    決して対岸の火事ではないことを肝に銘じておくべきです。

    • なるほどー。
      工業用エタノールの原料ですか。
      「メタノールの原料としては、現在工業的には、殆どが天然ガスが用いられており、残りは石炭とナフサである。」
      石炭だけが無くなっても、直ちに影響は無さそうですが、天然ガスも高騰していますから、確実に何らかの影響は出そうですね。勉強になりました。

  2. うちの会社でも中国生産の商品が“納期未定”になっていますし、同じく中国からの鉄関連の材料も(2~3か月単位での)納期遅れが深刻化しています。
    なかなか現地の正確な情報は入ってこないのですが、もしかしたら日本で報道されているより深刻なのかもしれません。

    • あらー。
      以前も任天堂Switchの購入が出来ないとか、トイレや給湯器の部品が手に入らないとか、そんな話がありました。
      建築資材の購入にも影響が出て、建設事業に随分と影響があったらしいというお話も。

      支那の内情ははっきりしませんが、ご指摘の様に結構混乱しているのかも知れませんね。

  3. こんにちは。

    石炭の増産自体はまあしょうがないでしょうし、そうするとCO2は……って問題もおいておくとしても。
    増産に間に合わせるために、品質ごまかして流通される石炭が、特に庶民層に出回るんじゃないですかね(そして一部業者とOK出した役人が太る)。
    その結果として有毒ガスの増加、公害、場合によっては暖房器具の破損もあり得るかと。
    発電や製鉄には、そういう石炭は回さないでしょうけれど、逆にもし回ったら、それはそれで問題が起こるでしょう、表面化はさせないで誰かの首が飛ぶのでしょうけれど。

    今の中国は、何から何まで対策が後手後手な気がしてます。

    • ご指摘の様にPM2.5の問題はまたぞろ深刻になるんでは?と、そんな風に思っています。
      心配されるのは北京五輪がやれるのか?という事でしょうかね。
      電力がないと、雪も作れません。
      その辺りは国家の威信にかけてやるんでしょうけれど、どうなのかなー。

      • こんにちは。

        >北京五輪

        電力不足も心配されるところですが、むしろ異常気象でドカ雪になって、五輪どころじゃない、ってオチを期待してます。
        まあ、その前に(最近まるで報道されない)三峡ダムの貯水量と、その周辺の水害をなんとかしる!って話でもありますが……