終戦宣言を出したい韓国と、スルーしたアメリカ

大韓民国

うん、アナタは当事者じゃないんだよ。

ジレンマ相変わらずも…米国に「終戦宣言」要求する韓国

2021.10.07 09:28

韓国政府が4日の南北通信線復元後に生じた関係改善の動力を失わないために終戦宣言の推進に拍車を加えている。終戦宣言の当事国の米国を説得しているが、終戦宣言をめぐる根本的な問題は解消できないまま現実性が低い要求ばかりを繰り返しているという懸念の声が出てくる。

「中央日報」より

今さら説明するまでも無いが、朝鮮半島は未だ戦争中なのである。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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ムン君の咽から手が出るほど欲しい南北融和

朝鮮戦争が終わるとき

朝鮮戦争(1950年6月25日~)は、1953年7月27日に休戦協定が結ばれたっきり、その後の進展がない。

朝鮮戦争の停戦協定締結時の当事者は、アメリカ陸軍のウイリアム・ハリソン・Jr中小、国連軍総司令官のマーク・W・クラーク大将、北朝鮮及び支那軍を代表して南日大将、支那人民志願軍司令員彭徳懐、北朝鮮人民軍最高司令官金日成であった。

アメリカ、支那、北朝鮮のそれぞれの責任者が立ち会った上で、停戦協定を結んだのだが、韓国側の代表はそこに立ち会う事は無かった。

もちろん、アメリカとソ連の代理戦争的な側面があったとはいえ、当事者は朝鮮半島に国家を構える韓国と北朝鮮であることは間違いがない。だが、構図上、アメリカ抜きに終戦宣言を出すことに意味は無いのである。それは、韓国軍自身に有事作戦統制権がないという事にも起因していると思われる。

勝手に終戦宣言を出しても、アメリカ軍が「いや、俺は知らないよ」と言ったら、終戦宣言を出した意味が無い。

韓国外交部によると、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は5日(現地時間)、仏パリでブリンケン米国務長官と略式会談を行い、終戦宣言の必要性を説得した。米国務省はこの日の会談について特に報道資料を出さず、ブリンケン長官のツイッターも鄭長官に会ったと短く言及しただけで、終戦宣言関連の内容はなかった。これに先立ち鄭長官は先月30日(現地時間)、米ワシントンポスト(WP)のインタビューでも、米国が北朝鮮との交渉に備えて提案する「具体的措置」を準備すべきだとし、その例として終戦宣言を挙げた。

「中央日報”ジレンマ相変わらずも…米国に「終戦宣言」要求する韓国”」より

韓国の外交部は、しつこくアメリカに対して「終戦宣言を出してくれ」と絡んでいるようだが、アメリカ側は余り乗り気ではないようだ。

確かに、アメリカにとっても韓国駐留の負担は重いから、撤退したいという願望はあると思う。しかし、アメリカとしては先の撤退作戦、アフガニスタンでの手痛い失態を苦々しく思うところがあるようで、失敗のリスクは極力減らしておきたいというのが本音だろう。

終戦宣言は在韓米軍撤退がセットに

さて、現実問題として考えた場合、朝鮮半島の終戦は、在韓米軍の撤退とセットになってくる。そしてそれは米韓同盟の終了を意味する。

え?話が飛躍しているんじゃないか?と、お考えの方。その認識は多分甘い。

韓国では定期的に反米デモが発生する。反日政策は政権支持率に大きく影響する為に定期的にやられるのだが、反米デモも韓国政府にとって似たような効果が得られる。

現実的に考えれば、在韓米軍の駐留は韓国にとってメリットがあるために止める理由は無いのだけれど、北朝鮮は終戦の条件として提示してくるハズだ。実際に、北朝鮮が目指す朝鮮半島の非核化というフレーズには、米軍撤退の意味が含まれる。

北朝鮮 韓国大統領の朝鮮戦争終戦宣言提案に「時期尚早だ」

2021年9月24日 9時33分

韓国のムン・ジェイン大統領が朝鮮半島の平和のためには朝鮮戦争の終戦宣言を行うべきだと提案したのに対して、北朝鮮外務省は「時期尚早だ。アメリカの敵視政策が変わらなければ、何も変わらない」として、終戦宣言には応じないとする立場を強調しました。

「NHKニュース」より

北朝鮮は「時期尚早」という言葉を用いて終戦宣言に反対しているのだが、その理由として挙げているのが「アメリカの敵視政策」の継続である。

これ、「経済制裁は止めてくれ」という事と、「在韓米軍駐留を止めてくれ」という事だろうと理解される。確かに、在韓米軍が駐留して韓国軍と合同軍事演習をやる状況で、仮想敵国が北朝鮮であるという位置づけであれば、終戦宣言を出すことに意味は無い。

これに対して、北朝鮮外務省のリ・テソン次官が24日、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表し「われわれの国防力強化を挑発だと罵倒し、アメリカとその追従勢力の軍備増強は抑止力だと美化されている」として、アメリカと韓国への不信感をあらわにしました。

そのうえで「終戦宣言は時期尚早だ。一触即発の状況では紙にすぎない。われわれに対するアメリカの敵視政策が変わらないかぎり、宣言を行っても何も変わらない」として、終戦宣言には応じないとする立場を強調しました。

北朝鮮としては、アメリカが北朝鮮に対する制裁を維持するとともに、朝鮮半島の有事を想定した合同軍事演習を毎年、韓国軍と行っていることから、こうした行動を先に撤回するよう求めた形です。

「NHKニュース”北朝鮮 韓国大統領の朝鮮戦争終戦宣言提案に「時期尚早だ」”」より

当事者としては、アメリカは反対、北朝鮮も反対、支那は特にコメントを出していないが、賛成する理由もないという状況である。

つまり、韓国が終戦宣言を出すことは、現時点では自己満足にしかならない。

アメリカは「検討可能」?

なお、韓国メディアではアメリカの態度は、終戦宣言を出すことを検討する事ができると、その様なものであったという報道をしている。

米国防総省「終戦宣言に関する議論に開かれた立場」

Posted September. 24, 2021 08:48, Updated September. 24, 2021 11:13

米国防総省のカービー報道官が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会での演説で提案した韓国戦争終戦宣言の議論に対して、開かれた立場であることを明らかにした。在韓米軍の撤収および国連司令部解体要求の口実になりかねないと指摘されてきた終戦宣言をめぐって、米国防総省が検討可能という返答をしたことで、背景に関心が集まっている。

カービー氏は22日(現地時間)、記者会見で終戦宣言に対する立場を問われ、「米国は北朝鮮との対話と外交を通じて、韓半島の恒久的な平和を達成するために努力している」とし、「私たちは北朝鮮との関与を模索しており、終戦宣言の可能性に関する議論に開かれている」と答えた。

「東亜日報」より

ただ、アメリカとしては「北朝鮮の非核化が先だ」という姿勢を崩してはおらず、条件が折り合わない可能性が高い。

実際、米国務省は22日(現地時間)、ニューヨークで開かれた日米韓外相会議の関連報道資料に、終戦宣言には触れず、「韓半島の完全な非核化に向けて、韓国、日本と協力していくという米国の立場を再確認した」という原則的な内容を盛り込んだ。

「東亜日報”米国防総省「終戦宣言に関する議論に開かれた立場」”」より

実際に、日米韓外相会議では、その話題に触れることはなかった。本気で考えているのであれば、ここにも話題が出たはずなのだけれど。

まあ、全く話題に出なかったとも思えないが、少なくとも報道資料に載せることはしなかったとなると、まあ、「スルー」する方針だということなのだろうね。

幾度となく釘を刺されている模様

ただ、この話、韓国は何度も持ちだしているけれども、アメリカとしてはその都度クギを指しているようだ。思い出すのは国連演説の報道である。

文大統領の終戦宣言に「米国の立場とこれほど大きく外れた演説見たことない」

2020.09.24 15:15

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が22日、国連総会の基調演説で終戦宣言を提案したことをめぐり、米国国務省が「北朝鮮に対する統一された対応」を求めた。同日演説したドナルド・トランプ大統領は北朝鮮問題について言及さえせず、明らかに対照的だったため、遠回し批判したのだ。マイケル・グリーン元ホワイトハウス補佐官は「韓国大統領が国連でこれほど米国政府の立場から大きく外れた演説をするのを見たことがない」と批判した。

「中央日報」より

まあ、「勝手なことをいうなよ」ということなのだが、韓国政府には響いていないらしい。

国務省報道官は代わりに「米韓は北朝鮮に対する努力については緊密に調整しており、我々は北朝鮮に対する統一された対応のため緊密に共助することに専念している」と言うに留めた。

北朝鮮に対する統一された対応とは、米国務総省が韓国政府が開城(ケソン)工業団地の再開や金剛山(クムガンサン)個人観光など南北経済協力事業を推進しようとするたびに、非核化の速度と歩調を合わせろと(lock step)速度調節を求める表現と共に意見の相違がある時に使う常連句だ。今回、文大統領の国連での終戦宣言の提案について十分に事前調整をしていないことについて遠回しに不満を示したものと解釈される。

「中央日報」より

中央日報の記事だというのに、アメリカ側の苛立ちが伝わるようで面白い。

何というか、韓国の立場ばかり主張して状況を把握しないやり方は、日本に対してだけではないのだろいうことが分かるが、まー、アメリカも疲れるよね、こんな相手と外交をしなければならないのは。

韓国大統領選挙

さて、少々話が脱線するのだが、最近、韓国の大統領選挙に関する動きが活発になってきた。

韓国大統領選挙 与党の公認候補にイ・ジェミョン知事

2021年10月10日 20時48分

来年の韓国大統領選挙に向けて、与党「共に民主党」は10日、キョンギ道のイ・ジェミョン知事を公認候補に選出し、イ氏は「国民が求める変化と改革を必ず実現します」と述べて支持を訴えました。

韓国のムン・ジェイン(文在寅)政権を支える革新系の与党「共に民主党」は、来年3月の大統領選挙に向けて公認候補を決めるため、全国11か所で党内選挙を実施し、10日夜、首都ソウルで最終結果を発表しました。

「NHKニュース」より

韓国与党の大統領候補はどうやら一本化出来たようなのだけれど、その候補が李在明氏。反日最強硬派の元ソウル市長京畿道城南市の第19、20代市長で、京畿道の第35代知事を勤める人物で、色々問題もあるようだ。(情報が間違っていました)

不動産疑惑でイ・ジェミョン(李在明)選挙事務所の政策本部長が辞任

2021/09/24 06:12配信

韓国キョンギド(京畿道)のイ・ジェミョン(李在明)知事の大統領選挙公約の要である「基本所得」や「青年配当」などの開発に携わったイ・ハンジュ京畿研究院長は、不動産疑惑が炎上するや否や大統領選挙事務所の政策本部長職を辞職した。

~~略~~

これに先立ち、同日の文化日報によると、イ院長は現在、ソウルと京畿道ブンダン(盆唐)にアパートを2軒、カンウォンド(江原道)やチュンチョンナムド(忠清南道)などに田畑や商店街、土地など、10軒程度の不動産を所有している。

「WowKorea」より

ちょっと、不動産に絡む不祥事の噂が聞こえてきて、本人は関与を否定はしているけれども、随分ときな臭い感じだ。これで幕引きとはならないだろうね。

とまあ、心配な話が出つつ、しかし与党側の候補は一本化されて、かなりこの候補が有力だという話にはなってきている。

不安定な要素はあるものの、勢いはある。ここで、ムン君としても援護射撃的に「終戦宣言」を出しておきたいところだろう。本人の実績もかなりションボリという感じなので、何としても胸を張って誇れる実績が欲しいに違いない。南北融和はムン君の悲願だからね。

今後どう動くかは注目しておきたいところだが、在韓米軍撤退と韓国の反日強硬化は避けられない情勢になってきたようだ。岸田政権がその辺りを敏感に捉えてくれるかというと、どうにも怪しそうだが。

コメント

  1. 李在明氏の記述について

    >>反日最強硬派の元ソウル市長で、色々問題もあるようだ

    元ソウル市長ではなく
    元城南市長で、現京畿道知事ではないかと。

    元ソウル市長は、セクハラを告発され自死した『朴元淳氏』が
    大統領候補とされていたかと思います。

    • 大変失礼しました。
      訂正させて頂きました。

  2. こんにちは。

    >韓国側の代表はそこに立ち会う事は無かった。

    この件、日本ではほとんど知られてないようですが(まあ当たり前ですよね、戦争当事国が停戦協定にサインしてないなんて、常識ではあり得ない)、当の韓国でも認知度は相当低いんじゃないでしょうかね?
    日韓基本条約で「賠償金は北の分も含めて代表受取人である韓国政府に払い込み済み、個人補償は韓国政府が行う事で合意」という内容を、韓国では国民に教えていないことと同様に。
    ※個人的には、上記は日本国内でももっと周知徹底させるべきであると思います。

    米軍は、全てのカードは検討の余地があると言う立場で、でもそのカードは間違いなくババだから引く奴いねーよ、という事でしょうけれど、韓国さんは手札からチラチラ見せて誘導してるつもり、なんでしょうね。
    在韓米軍が居なくなったら、北の戦車隊が国境越えて進軍してきて、青瓦台の主要メンバーが諸手を挙げて歓迎する様が目に浮かぶようです。
    つか、実際にやられると、その後がエラいことになるのでノーサンキューではありますが……本音で言うと、見てみたい。

    • 休戦協定に立ち会わなかった件は、なかなか衝撃ですよね。
      当時の韓国大統領・李承晩は、頑固な北進統一論者で、休戦協定に賛同する気が無かったという話でしたが、実務的な面でいえば連合軍側に所属している立場として、休戦協定自体は有効になのですよね。
      ただ、残念な事に、休戦状態から終戦宣言をするにしても、「当事者扱い」されないだけで。

      アメリカにとってこの問題は必要以上に触れたくない問題なのでしょうが、どうやって解決していくんでしょうねぇ。