ここから野党が盛り返すには?立憲民主党の経済政策

報道

このブログでは、自民党のことを取り上げがちなので、偶には立憲民主党など野党の主張もとりあげてみたい。

年収1000万以下、所得税免除 消費税5%に、立民公約

2021年09月27日18時22分

立憲民主党は27日、衆院選公約で打ち出す経済政策を発表した。新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた緊急の経済対策として、年収1000万円程度以下の個人を対象に所得税を1年間実質免除することなどが柱。消費税率を時限的に5%へ引き下げることも明記した。

「時事通信」より

ここ最近で少しメディアに取り上げられたのはこのニュースかな。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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経済政策はとても大切

立憲民主党の支持率は

先ずは、政党支持率などを確認していこう。

先ずはテレ朝の世論調査結果を示していく。テレ朝の政党支持率を見ると立憲民主党の支持率は9%もあるのに驚く。

こちらはNHKの支持率調査で、最新データは2021年9月13日更新のデータである。立憲民主党支持率5.5%で、20人に1人くらいは支持しているのだというデータになっている。

テレ朝系列もNHKも世論調査の傾向が老齢人口からの情報を吸い上げる傾向にある為、実際にはもっと立憲民主党の支持率は低い可能性が高いが、まあ、その他の政党の為体を見ても「まだ支持されている」というレベルなのかもしれない。

所得税の実質免除は可能なのか

支持率を上げるためにはどうしたら良いか?といえば、古典的な手法ではあるがバラマキである。

庶民の懐が潤うことが極めて重要で、それが出来る政党は支持されるということになる。もちろん、様々な他の政策も重要な事だが、絶対に経済政策が支持率向上には必要なのだ。

立民の所得税免除、消費税下げ 財源15兆~20兆円と試算

2021年9月27日 18:50

立憲民主党は27日、次期衆院選で公約にする経済政策を正式に発表した。年収1000万円程度以下の人の所得税の実質免除や、消費税の時限的な5%への引き下げを目指す。免除や減税に必要な財源は年間で計15兆~20兆円ほどになる。

「日本経済新聞」より

そこで立民は、次期衆議院選での公約として「所得税減税」と「時限的な消費税減税」をぶち上げた。どちらも財務省が嫌う手法なので、意欲的な製作として評価しても良いのだが、財源は?

15兆円~20兆円になるって言っているが、これ、経済を潤す一手になるのだろうか。

財務省によると所得税を納める人は2020年度予算ベースで5180万人いる。標準的なケースの場合、給与収入836万円以下が全体の81%を占める。立民案の免除の対象は納税者の少なくとも8割超とみられる。

消費減税に充てる財源について、枝野氏は「10兆~15兆円のあいだ。経済状況にも左右される」と触れた。所得税の免除の分も含め国債の発行で賄う。

「日本経済新聞”立民の所得税免除、消費税下げ 財源15兆~20兆円と試算”」より

財源は国債発行らしいんだけど、毎年の事となると毎年このレベルの赤字国債を発行するつもりだろうか?ちょっと無理じゃないかな。

同一価値労働同一賃金の法制化や労働者派遣法の改正も掲げる。最低賃金は時給1500円を将来の目標にする。

枝野氏は「分配こそが成長に必要だ」と強調した。財源は法人税の累進税率の導入や所得税の最高税率引き上げ、株式の売買などに伴う金融所得課税の強化で捻出する方針だ。

「日本経済新聞”立民の所得税免除、消費税下げ 財源15兆~20兆円と試算”」より

更に、最低賃金を1500円にまで上げる予定のようだ。もちろん、最低賃金が上がることそのものは歓迎すべきことではあるが、これを無理あり引き上げて経済に大きな打撃を受けた国を知っているんだけど、大丈夫かな。

そして、財源は法人税の累進課税率の導入や、所得税の最高税率の引き上げ、そして、金融所得課税の強化だって!

いや、大丈夫かこれ?

雇用が生まれることが最も大切

まず、経済を回すのに「分配」が必要だというのが立民の考え方のようだが、分配するにあたって所得税減税をするということは、所得を得ている人が存在することが前提となっている。

しかし、その辺りの視点は立民には存在しないようだし、民主党政権時代でも散々だった。

まず、経済政策を評価する場合、特にマクロ経済政策では、第1に雇用の確保が重要だ。第2に、その上で所得が上がればいい。要するに、雇用量と給与の2つを見なくてはいけない。

「ZakZak」より

これは高橋洋一氏の主張ではあるが、マクロ経済において雇用の確保の大切さを説いている。

民主党政権時代、就業者数の推移を見ると、まあ残念なものである。

失業率も然り、有効求人倍率も然り、である。

この点についてどんな反省をしたんですか?ということなのだが、立民の経済政策において雇用に関係ありそうな部分はここしかない。

・希望する人が成長分野への新規就労や転職を実現できるよう個人や企業の取り組みを支援するとともに、すべての世代において職業教育・職業訓練・就職支援の拡充をはかります。

・市場との対話を通じて、異次元緩和により財政ファイナンス化した金融政策の正常化をはかりつつ、企業の持続的成長と国民の安定的な資産形成に資する金融環境の構築をめざします。

「立憲民主党のサイト」より

いや、職業教育や職業訓練、就職支援は確かに大切なんだけど、企業が「雇用を増やそう」と、その様に考えるような政策は考えてないのかよ。

寧ろ、財政ファイナンスを否定して「正常化を図る」とあるんだけど、今引き締めやったら寧ろ状況は悪化するんじゃないか。アメリカのFRBでさえ足踏みしているんだけど、立民はそれを積極的にやると。「市場との対話を通じて」と、前置きはしてあるのだけど、立民に経済に強い人材はいるのかよ。

不安しかないな。

最低賃金を1500円にするとか、1年間の期限付きで所得税減税をやるとか、一見良さそうな方策ではあるが、「富裕層や超大企業への課税を強化するため、法人税への累進税率導入や所得税の最高税率引き上げ」って、企業の体力を削ってそれをやったら、寧ろ経済は冷えてしまう。

立民の狙いはそれか?

一時的に所得を上げるのであれば給付金を配った方がマシ

国民にとって、消費税減税や所得税減税は極めて有効な政策ではあるが、1年の期限付きでは景気に与える影響というのはどうなるんだろうね。

一時的に所得を上げることが目的なら、寧ろ給付金でも配れよ。その方がナンボかマシだ。恒久減税できなければ余り意味は無いんだよ。

特別定額給付金は1人10万円で12兆6600億円が使われたとされているので、一人20万円でも25兆円程度となる。マイナンバーカード導入したら10万円配るよーくらいの事をやっても良いんじゃないかな。

枝野氏は「経済を立て直すには国内消費を伸ばすことが本質だ。適正な分配で購買力を高めないと成長しない」と意義を訴えた。

「時事通信”年収1000万以下、所得税免除 消費税5%に、立民公約”」より

経済を立て直すには国内消費を伸ばす必要があるのは事実なんだけどさ、それをやるために企業を締め付けたら給料減っちゃうよね?後から締め付けるにしろ、今締め付けたらそれこそ企業倒産続出だぞ。景気が悪くなったら即倒産というわけではないのだけれど。

正規雇用、非正規雇用

ちなみに「正規雇用を増やす」と息巻いているが、そこもどうかと思う。

民主党時代、正規雇用は50万人程度減少し、非正規雇用は100万人程度増加した。安倍政権では正規で200万人程度、非正規で220万人程度増加しており、この点でも安倍政権の圧勝であり、非正規ばかりが増加したという指摘は完全な的外れだ。

「ZakZak”本文わずか“2ページ”立民の残念なアベノミクス検証 雇用創出の実績を分析できず、支持母体の労働者に響くのか”」より

取り敢えずは就職口が得られる事が一番で、更に正規雇用が増えればそれは良いのだろうが、日本の雇用制度は既に破綻気味であるので、手厚すぎる正規雇用の実態は是正される必要はあるだろう。

その上で、再雇用が容易になってくれる方がマシだと思う。

次に、所得について比較しよう。名目賃金は民主党時代2・3ポイント低下したが、安倍政権では2・9ポイント増加した。実質賃金では民主党時代に1・3ポイント低下し、安倍政権では4・5ポイント低下している。

「ZakZak”本文わずか“2ページ”立民の残念なアベノミクス検証 雇用創出の実績を分析できず、支持母体の労働者に響くのか”」より

ニューカマー効果もあって、雇用者が増えれば平均所得は減ってしまう。

名目賃金は、貨幣額で示された賃金で、実質賃金は、名目賃金の上昇率とその貨幣がリュ写している市場の物価上昇率の差を示す。したがって、実際に使える価値が減ったということに。

ちなみにのの数字はドルベースの換算なので、円安が進むとこの数字が下がる。加えて先述したニューカマー効果、つまり新たに雇用された人が増えたことで、平均賃金が押し下げられることが指標に影響しているので、このグラフを見て単純に批判すると、庶民の実感の得られないおかしな政策に突き進む事になる。

首相指名で投票できない

ちなみに、国民民主党は首相指名選挙で枝野氏への投票は拒否したようだ。

国民、枝野氏への投票拒否 首相指名選挙

2021/9/30 10:04

立憲民主党の枝野幸男代表は30日、国民民主党の玉木雄一郎代表と国会内で会談し、10月4日に召集される臨時国会の首相指名選挙で、自身に投票するよう求めた。玉木氏は拒否した。国民は玉木氏に投票する方向で調整に入っている。

「産経新聞」より

選挙的には立民と国民は戦略が異なるので、首相指名で投票するのはデメリットを感じているのだろう。これは前回も同じ様なことがあったね。

義偉(すが・よしひで)首相が選出された昨年9月の首相指名選挙では、共産、国民、社民、れいわ新選組の各党が枝野氏に投票した。

「産経新聞”国民、枝野氏への投票拒否 首相指名選挙”」より

この首相指名選挙の時に野党の候補に投票する投票行動に意味は無い。

ただ、「選挙協力」をアピールする為には有効だと思っているのだろう。だが、投票する側の政党にしてみたら、立民の政策を支持するという意味になる。

こんなクソみたいな経済政策を打ち出している党首を支持するのは、やはりデメリットだと言えよう。

そんな訳で、バラマキも悪いわけじゃないのだけれど、もう少し長い目で見た経済対策を提示してくれないと、とても支持できないというのが正直なところ。野党が盛り返すためには、真っ当な政策の提案だよ。今のような寝言を積み重ねても余り意味は無い。

一番変えなければいけないのは、立憲民主党自身じゃないか。

……他の党もやろうと思ったんだけれど、これ、かなりシンドイ。だってまだ経済に付いてしか言及していないのに、外交・防衛にも言及しなければならない。更に、日本共産党とか国民民主党とか、突っ込んだ方が良い党もあるとは思うけれど。まあ、期待しないで下さい。

コメント

  1. 法人税という名目で、給与所得者が創り出した付加価値を横取りするペテン。
    最低賃金の引き上げは、スキルのない者の働く機会を奪う。

    どれも、詐欺にしか見えない。

    • 最低賃金は、インフレに引き摺られて徐々に上がっていくのなら未だしも、無理やり上げる基準とはちょっと違いますからね。
      そして、しっかりとした失敗例があるのに、参考にしないのはダメでしょう。

      法人税の方も、日本からその法人が逃げてしまえば、困るのは労働者ですからね。
      その辺りのバランスをとるのが政治家の手腕だと思うんですが。