北朝鮮のミサイル発射と、把握できず大慌ての韓国

北朝鮮

そういうこともあるんだろうね。

【社説】北朝鮮のミサイル発射を全く把握できなかった韓国

2021.09.14 07:41

北朝鮮が先週末ミサイルを発射したが、軍と情報当局は全く把握できなかった。北朝鮮国営朝鮮中央通信の昨日の発表を見て真相把握に入った。発表内容によると、北朝鮮の国防科学院は新しく開発した新型長距離巡航ミサイルを11日と12日に試験発射した。このミサイルは北朝鮮地域と海上で「8の字」を描きながら126分間に1500キロ飛行した後、標的に命中したと、通信は主張した。ところが韓国情報当局は北朝鮮がミサイルを発射した場所さえも把握できず右往左往しているという。

「中央日報」より

このニュースは、北朝鮮が「ミサイル発射実験を行った」と報じたことに端を発した話である。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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巡航ミサイルの脅威

巡航ミサイルの発射テスト

北朝鮮は大陸間弾道ミサイルの開発で世間を騒がしていたが、巡航ミサイルも保有しており、発射実験をやったらしい。

北朝鮮ミサイルは「飛行距離1500キロ」、日本全域が射程か…米政権を揺さぶり

2021/09/13 23:02

北朝鮮の朝鮮中央通信は13日、新型の巡航ミサイルの発射実験を11、12日に実施し、成功したと報じた。飛行距離は1500キロと主張しており、事実であれば、日本のほぼ全域が射程に入ることになる。ミサイル戦力の向上を示し、日米韓を揺さぶる狙いがある。

「讀賣新聞」より

新型巡航ミサイルの話はあまり聞かないが、朝鮮中央放送は以下のような報道を行ったようだ。

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形状はアメリカ製のトマホークに似ていると思うが、どうやら支那の「Hongniao(紅鳥)2型」にも似ているそうな。でも、個人的には韓国の玄武-3Cなんじゃないかと疑っている。

 3つの外形を比較しても、ほとんど同じである。米国の技術が中国に盗まれ、さらに、北に渡されたと見てよいだろう。

 北はなぜ、独自で開発が不可能なのか。

 巡航ミサイルには、飛翔する経路の地形の標高データが必要である。この地形のデータとミサイルが感知するデータを比較し、修正しながら飛翔する。

「JBPress」より

1500kmかぁ。玄武-3Cも確か公式には1,500㎞が射程だった気がする。

テストは今年で4回目

ちなみに、巡航ミサイルの発射テストは今年に入って4回目らしい。

1回目から3回目まではさほど騒がれることもなかったが、今回は実際に長距離を飛んだという事で問題視された。飛行ルートから考えても、間違いなくGPSでの誘導がなされていると考えてよく、JBPressの記事の分析通り支那の援助が無ければこの技術開発は不可能である。

北では、各種ミサイルの飛翔誘導のために、中国の衛星を使用した誘導技術やそこから入手した地形データが中国から供与されていると見るべきである。

「JBPress」より

そして誘導がなされているとすれば北斗システムによって、それなりに精密な位置にミサイルをぶち込めるという事になる。射程が1,500㎞であれば、日本をほぼ含むことが可能だ。

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 ミサイルが運べる重量(ペイロード)は、約450キロであり、小型化された核兵器を搭載できるかどうかは、現在のところ評価できない。

 通常弾頭であっても、450キロの爆薬が搭載される。その場合、首相官邸の地下は大丈夫であろうが、議員会館は、爆破、破壊されるだろう。

「JBPress」より

支那製の紅鳥2型であれば、基になったソ連製のKh-55辺りの系列技術を使っているので、どういうルートで技術が渡ったのかは分からないけれどもそれなりの精度もあると懸念される。そして核弾頭の搭載も可能だろう。

とはいえ、北朝鮮は肝心の核弾頭を用意できるのか?という点には懸念がある。この型のミサイルは450㎏程度の弾頭を搭載できるが、北朝鮮はそこまで小型の核弾頭を用意できないというわけだ。

韓国軍は探知できなかった

さて、そのような状況であるとはいえ、これが撃ち込まれるとさすがに韓国としても困る。

巡航ミサイルは弾道ミサイルのように高い高度に上がらず、数十~数百メートルの低高度を航空機のように飛行する。このため巡航ミサイルはレーダーで探知するのが難しいという特性がある。こうした北朝鮮巡航ミサイルの発射の兆候、発射後の飛行も把握できなかったというのだから、対北朝鮮情報網に深刻な穴が生じたと言わざるを得ない。しかも射程距離が1500キロのこのミサイルは韓半島全域はもちろん、在日米軍基地まで打撃できる。北朝鮮がこのミサイルに戦術核を搭載すればさらに深刻になる。北朝鮮が巡航ミサイルを我々のレーダー網を避けて低高度で発射すれば、韓米軍は防御自体が難しい。一種のゲームチェンジャーとして活用されることが懸念される。

「中央日報”【社説】北朝鮮のミサイル発射を全く把握できなかった韓国”」より

何故ならば、韓国軍はこのミサイル発射及び飛行状態にあっても、ミサイルを探知できなかったからだ。

加藤官房長官「懸念を有する 米韓と連携し情報収集」

加藤官房長官は午前の記者会見で「1500キロを航行するミサイルの発射が事実とすれば、日本を取り巻く地域の平和と安全を脅かすものであり、日本としては懸念を有しているところだ」と述べました。

そのうえで「北朝鮮の軍事行動については引き続き、アメリカや韓国とともに緊密に連携をしながら、必要な情報の収集、分析、警戒監視を行っていく。さらに、防衛大綱や中期防=中期防衛力整備計画のもとで、あらゆる空からの脅威に対処し、わが国の国土を防護する能力『総合ミサイル防空能力』の強化を進めていく」と述べました。

一方、加藤官房長官は、日本のEEZ=排他的経済水域などへの飛来は確認されていないと明らかにしました。

「NHKニュース」より

自衛隊も同じく探知できていなかったらしく、報道発表があってからの対処という事のようである。ただ、自衛隊と韓国軍との決定的違いはその距離で、低空を飛行する巡航ミサイルの探知は、距離が離れるほど探知が困難となる。

NHKでは在韓米軍も探知に失敗していたのではないかという見方を紹介しているので、事実とすれば韓国軍が探知できなかったことは無理もないが、しかし、実際に領空にまで侵入した後に巡航ミサイルを迎撃するのでは、ソウルは北朝鮮からの国境に近すぎる。

少なくとも数発を喰らう覚悟をしておく必要があるだろう。

日米韓 高官協議 北朝鮮巡航ミサイル発射受け 連携強化を確認

2021年9月14日 11時46分

北朝鮮問題を担当する日米韓3か国の高官による協議が東京で行われ、北朝鮮が13日に長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表したことを受けて、最新の情報を共有し、引き続き日米韓3か国の連携を強化していく方針を確認したものとみられます。

「NHKニュース」より

今日になって慌てて参加国で協議をしたと報じられているが、どんな相談をしたのやら。

巡航ミサイルの迎撃

さて、そんなわけで日本の国防上、このことがどう影響するかだが……。

正直、脅威というだけであれば今更な話なのだ。すでにロシアも支那も巡航ミサイルも弾道ミサイルも、核弾頭すら保有している。

これを迎撃するにあたって、ミサイルディフェンスの装備を強化してきている。

北朝鮮は既に、日本を射程に収める弾道ミサイルを多数保有する。防衛省幹部は「今回の巡航ミサイルが直ちに日本の防衛を揺るがす脅威になるわけではないが、北朝鮮が攻撃を多様化すれば迎撃はより難しくなる」と指摘する。

「讀賣新聞」より

防衛省の見解は、読売新聞によれば探知や迎撃は困難だが、直ちに今日となるレベルではないということだ。

これは核弾頭の搭載が難しいという判断に基づくものだろうが、「新たな脅威が生じた」というよりは、「これまでもあった課題が一層浮き彫りになった」というべきだろう。

巡航ミサイルの早期発見のためには偵察衛星の充実とともに、データ分析能力の強化が必須。その上で、迎撃手段を手に入れる必要があるため、それなりに時間がかかる。

そして、新たな課題とされる超音速滑空体の迎撃まで可能なようにシステム構築が必要であり、予算も時間も必要だろう。

ではどうすればいいのか?といえば、迎撃体制の強化に研究費を出しつつ、敵基地攻撃能力の獲得が必須だろうと思う。ピンポイントで敵基地を狙うというよりは、むしろ敵の都市に報復するような覚悟を持ち、そのための法改正も視野に入れるべきだろう。

自民党の総裁選挙にも影響しそうなネタですな。

コメント

  1. 巡航ミサイルで東京を狙う。と、なると、山脈越えがどんな感じになるのか興味が湧くところですね。山頂はレーダー施設も多いでしょうし…日本海側の都市を匍匐飛行で狙われると防衛難しそうですが、太平洋側はちょっとだけ余裕ある…んでしょうかね?

    • 詳細な地形データが無ければ巡航ミサイルを低空を飛行させることは難しいでしょうから、飛行距離があるからといって北朝鮮の巡航ミサイルの脅威を心配するのは早計ではあると思います。
      むしろ支那の方がヤバいでしょうな。北斗システムで誘導できますし、支那製のスマホは日本に無数に存在しています。そっちの方を心配すべきでしょう。

  2. こんにちは。
    北は、イスカンデールの列車からの発射にも成功しているので、
    ・ICBMを目くらましに撃つ
    ・そのスキに、本命の巡航ミサイルが日本海沿岸の各種施設に向かう
    なんて高等戦術取られると面倒かもです。
    ICBMは、流石に撃てば発見されるので迎撃されるでしょうが、そのスキに低空で来られると……最終的には発見出来るでしょうが、迎撃のリアクションタイムが取れるかどうか。
    沿岸部の設備、なんなら原発とか狙うなら、陸上はほとんど飛ばないので余裕で危険でしょうね。

    • 日本海側には、世界最大の規模を誇る柏崎刈羽原発がありますから、あそこが狙われるリスクは極めて高いですね。
      ご指摘頂いたように、そう言う意味での巡航ミサイルの危険度は高そうですね。失念しておりました。