岸防衛大臣、クイーン・エリザベス号を視察

防衛政策

昨日の記事に追記するつもりだったのだけれど、ちょっと方向性が違うので別の記事にしてみた。まあ、短いけどね。

岸防衛相 英空母「クイーン・エリザベス」視察 防衛協力深化へ

2021年9月6日 19時00分

岸防衛大臣は、在日アメリカ海軍横須賀基地に寄港しているイギリスの最新鋭の空母「クイーン・エリザベス」を視察し「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、両国の防衛協力を一層深化させていく考えを示しました。

「NHKニュース」より

岸氏のなかなか思い切った行動ではあるが、これもあまり大きなニュースにはならないのだろうから、取り上げさせてもらった。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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対支那外交

日英同盟に向けた動き

菅義偉氏のやった仕事の1つとして、オーストラリアとの准同盟の実現というものがあった。

覚えている方も多いとは思うが、これがかなり大きな意味がある。クワッドという枠組みを実現する上でもオーストラリアとの連携は不可欠である。安倍氏はインドのモディ氏との距離が近かったが、菅義偉氏はオーストラリアとの距離を詰めたのである。

そして、オーストラリアとの連携をとった背景にはファイブアイズ(米・英・加・豪・新の5カ国による秘密情報共有同盟)の話があるからだ。

もちろん、ファイブアイズの枠組みの中心にはアメリカとイギリスがあるが、アメリカは比較的前向きで、イギリスも日本が参加することに歓迎の意を示して入る。問題は、日本側の法制度の問題が解決していないことだろうか。

中国に警戒せよ。スパイ防止法を整備しファイブ・アイズに参加すべき日本

2021/05/03 05:00

アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国による機密情報共有の枠組み、いわゆる「ファイブ・アイズ」への日本の参加を巡り、加入国の対応が分かれています。

~~略~~

ただし、日本の場合で最大のネックとなるのが、スパイ防止法がないことでしょう。日本がスパイ天国であることはすでに常識です。機密情報がほんとうに守れるのか、他国にとっても懸念が絶えないでしょう。親中派の国会議員も多くいます。

そのため、当分のあいだは「ファイブ・アイズ・プラス」として参加することになるのではないかと言われています。

「gooニュース」より

実は、スパイ防止法に相当する法律は各国が持っていて、法整備できていないのは日本くらいなのだ。とはいえ、「スパイ防止法」なる法律が「スパイの定義」に関して限定することが難しい構成になっているのも事実だし、それに相当する法律が皆無というわけではない。

スパイ防止法のない日本

枠組み的には広いが、日本で守秘義務に関する法律はウィキペディアによると以下のようなラインナップとなっているようだ。

うーんと、スパイ防止の観点からせていていされた法律は、他にも不正競争防止法や外為法、不正アクセス禁止法などがあげられるけれども、一番問題なのは国会議員からの情報漏えい行為について罰する法律がないことくらいかな。一応、特定秘密保護法で網をかけてはあるようだけれど。

いろいろな法律をまとめて「スパイ防止法」に一本化することでわかり易くするというのが望ましいが、細かい法律で抜けが無いように整備していくという方針で、実のところある程度はスパイ防止法的な運用ができるようになっている。

アメリカ下院での議論

ちなみに、ファイブアイズに関して言うと、こんなニュースがあった。

英米圏情報同盟「ファイブアイズ」に韓国など4カ国追加を議論

登録:2021-09-02 20:14 修正:2021-09-03 07:23

米国が主導する英米圏国家の機密情報共有同盟、いわゆる「ファイブアイズ」(米・英・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)に、韓国など4カ国を追加する方案が米下院で議論されている。

2日、米下院軍事委員会に付属する情報・特殊戦小委員会が公開した35ページの「2022会計年度国防授権法(NDAA)」草案によれば、「情報共有体系」項目にファイブアイズの拡大・強化方案が詳しく言及されている。

~~略~~

小委員会が提出した草案は、軍事委の内部議論を経て、下院全体会議表決▽上・下院合同委員会議論▽上・下院全体会議表決という手順を踏まなければならない。ファイブアイズ拡大の議論は第一歩を踏み出したわけだ。

「ハンギョレ」より

ファイブアイズに日本・インド・ドイツ・韓国を加えようか?という話が出てきている。

韓国はまっさきに自分の国の名前が出てきたとして大喜びであったが、しかし個々に名前が上がったからと言ってファイブアイズに入ることができるというわけでもない。

韓国にとっては、ファイブアイズに加わったからと言って、メリットばかりというわけでもないしね。

イギリスとの連携強化

さておき、こうした枠組みに日本が入るためには、様々な壁を超えていかねばならない。法的な話もそうなのだが、外交的にも精力的に動く必要があるのだ。

日本とイギリスはことし2月に、外務・防衛の閣僚協議いわゆる2プラス2を、7月には防衛相会談をそれぞれ開催し、防衛協力を深化させることなどを確認してきており、今回の空母の寄港で、さらに両国の連携を強めたい考えです。

連携強化を進める背景には、東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国の存在があります。

イギリスのほかにも、インド太平洋地域には、フランスやドイツなどが艦艇を派遣していて、共同で訓練を行うなどしています。

また、日本は、アメリカ、オーストラリア、インドと「クアッド」と呼ばれる4か国の枠組みでも共同訓練も実施しています。

日本としては「クアッド」に加え、ヨーロッパ各国とも防衛協力を深めることで「自由で開かれたインド太平洋」を実現し、地域の安定につなげたい考えです。

「NHKニュース”岸防衛相 英空母「クイーン・エリザベス」視察 防衛協力深化へ”」より

しかし、イギリスとしても日本との連携を深める事は、外交・防衛・経済のいずれの面でも意味がある。

イギリスは、EU=ヨーロッパ連合を離脱後、ヨーロッパだけでなく、世界に広く目を向ける「グローバル・ブリテン」を掲げていて、著しい経済成長を続け、今後も発展が見込まれるインド太平洋地域への関与を強める姿勢を明確に打ち出しています。

「NHKニュース”岸防衛相 英空母「クイーン・エリザベス」視察 防衛協力深化へ”」より

イギリスはなかなか癖のある国ではあるが、日本との連携という意味ではかつても日英同盟を結んでいたこともあって、同盟の相手としては悪くない。ゲンが悪いのはむしろドイツの方だろうな。イギリスとしては香港のこともあって、支那と手を組むという決断をすることはかなり厳しい。多分、国民の理解を得られないだろう。

岸氏は、いや菅義偉政権は、そうしたことを織り込んだ上での防衛大臣のクイーン・エリザベス号視察だったわけなんだけれども、今後の外交を考えると重要な話だったよということだよね。この外交が同結実するかは今後次第なんだろうけれど。

外交と防衛の連携はこれから一層重要になっていくだろう。

追記

面白い記事があったので紹介しておこう。

米国営放送「韓国などの『ファイブ・アイズ』加入は容易でない…秘密漏えい懸念」

記事入力 : 2021/09/07 07:24

「ファイブ・アイズ」と呼ばれる英米圏5カ国の情報同盟に韓国などを入れるのは、秘密漏えいの懸念などから現実的に見て容易ではない、と米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報道した。

~~略~~

米シンクタンク・ランド研究所のブルース・ベネット研究員も「(ファイブ・アイズ加入は)共有された情報に対する秘密保持が重要な基準になるだろう」「数年前、韓米連合軍司令部(CFC)内で連合軍司令部が韓国軍と共有した情報の一部が報道機関に流れた事例があった」「米国はそのような情報が報道機関に公に流出することを望まない」「文化が違い、報道機関への流出にあまり気を使わない国々と共有した情報の秘密が保てるのかがカギだ」と述べた。

「朝鮮日報」より

韓国政府が色々やらかした事例は、根拠に暇がない程ある。外交交渉の内容を勝手に喋ったり、捏造したり。兵器のブラックボックスを突破して叱られたり。

確か潜水艦のスクリュも撮影させて報道してしまったり、断面を見せてしまったりと結構やりたい放題で、ドイツもさぞや頭にきたのではないだろうか。

それ以外にも沢山あった気がするが……。

ともかく、韓国は信用ならん。情報共有などもってのほかなどという話になっているのが、ちょっと笑える。流石にでも情報のお漏らしはシャレにならないから、日本としても気をつけなければならないね。

コメント

  1. 木霊様 おはようございます。
    国益に関する情報防衛が喫緊の課題だと強く感じてます。
    ようやく、国防に関する地点の購入に関する法律は制定されましたが、日本を取巻く国々に比較して、記述されてますように国家機密・企業情報に関する備えが脆弱です。
    この点、メディアや自称知識人の方々が足を引っ張っていて心配です。

    以前(2005~7年頃)、デンソーで中国人エンジニアにサーバーにアクセスする権限を与えた処、部品の設計図のかなりの部分が中国本国に流失した事件がありました。でも、当時はまだ法整備が不十分(今でも??かと)で逮捕したものの国外退去処分のみとの報道がありました。
    極最近では、お隣の南〇鮮に、相当注意していたとのことですが、石川県のブドウ・ルビーロマンの種がもう流失して栽培されているとのこと。
    先ずは、諸外国並みの法整備から頑張っていただきたいと願ってます。

    • 情報戦がすでに行われていますから、日本は2周も3週も遅れているのでは?と疑っています。
      できることも結構あるみたいですけどね。
      とはいえ、予算の少なさがネックで、意識が低いのもなかなか問題ですよね。

      デンソー事件は、フロッピーディスク1枚の損害賠償という異例の裁判をやっていたようですが、のちに根拠ができたようで何よりです。
      ルビーロマン事件も、困った話ですね。種苗法改正だけではだめなのでしょう。

  2. 木霊さん こんにちは
    この報道を見た時感じた違和感は、「視察」ではなく「表敬」と言うべきではないか、ということです。協議までして視察は無いだろう…何か縛りがあるのですかね。

    • あー、そこは僕もちょっと気になりました。
      「視察」って、むしろその場を借りて「協議」した形なのですから、「ちょっと見に行ったよー」的なノリで報道しているのはちょっと。
      拘りなのか縛りなのか。