ほぇー。
英海軍の空母「クイーン・エリザベス」、釜山寄らず横須賀に入港
登録:2021-09-06 06:19 修正:2021-09-06 07:53
英海軍の最新鋭航空母艦「クイーン・エリザベス」が4日、横須賀港に入港した。先月末に予定されていた釜山(プサン)への入港を取り消した直後に行われたことから、関心が集まっている。
「ハンギョレ」より
日本ではさほど話題になっていないイギリスのクイーンエリザベス号入港だが、韓国ではちょっとした騒ぎになったようだ。
え?冒頭のアイキャッチの船は違う?イヤまあそうなんだけど。
南シナ海での共同軍事演習
NHKが報じるクイーンエリザベス号入港
さて、まずは、韓国の報道が引用しているNHKのニュースをあたってみよう。
英海軍の最新鋭空母が日本到着 自衛隊と共同訓練実施へ
2021年9月4日 19時00分
インド太平洋地域に展開中のイギリスの最新鋭の空母「クイーン・エリザベス」は4日、日本に到着しました。 今後、数週間にわたり自衛隊との共同訓練を行うことにしています。
「NHKニュース」より
ほほぅ。

確かに、特徴的な2つに分かれた環境構造物が見えるね。航海・作戦用と航空管制用の2つに分割されているんだそうな。
イギリスの空母打撃軍が日本に来て何をやるかと言えばもちろん共同訓練なのだが、実は初めてのことである。
「クイーン・エリザベス」にはF-35B「ライトニングII」戦闘機が18機搭載されており、空母打撃群(CSG21)全体では水上艦9隻、潜水艦1隻、ヘリコプターを含む各種航空機32機、要員3700名の陣容となっています。なおイギリス軍所属のF-35B戦闘機が来日するのは初めてのことです。
「乗り物ニュース」より
横須賀に来たということは、当然米軍も一枚噛んでいるはず。まあ、日米英での共同軍事演習をやるんだろうな、とは直ぐに気が付くのだとは思うのだけれど、どうやらオランダ海軍とカナダ海軍も、ということらしいぞ。
令和3年9月2日 海上幕僚監 部
(お知らせ)
日英米蘭加共同訓練(PACIFIC CROWN 21-3)について
海上自衛隊は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携を強化すべく、次の とおり英海軍、米海軍、オランダ海軍及びカナダ海軍と共同訓練を実施します。
https://www.mod.go.jp/msdf/release/202109/20210902.pdf
ほうほう。
オランダ海軍とカナダ海軍
ニュースを探してみると確かに。
オランダ海軍「エファーツェン」が横須賀へ来航 空母「クイーン・エリザベス」のお供
2021.09.06
オランダ海軍のフリゲート「エファーツェン」(エヴァーツェン)が2021年9月5日(日)、神奈川県横須賀市にある海上自衛隊横須賀基地に寄港しました。
フリゲート「エファーツェン」は、イギリス空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群「CSG21」を構成する1艦です。2020年11月、オランダ政府が発表した「インド太平洋ガイドライン」に基づき、極東へと派遣されてきました。
「乗り物ニュース」より
艦艇は、海自からヘリコプター搭載護衛艦「いせ(DDH-182)」をはじめ6隻と潜水艦1隻が参加。空母「クイーン・エリザベス(R08)」を旗艦とするイギリス空母打撃軍(CSG21)から45型駆逐艦「ディフェンダー(D36)」、アメリカ海軍「ザ・サリヴァンズ(DDG-68)」、オランダ海軍「エバーツェン(F805)」が参加。これにカナダ海軍のフリゲート艦「ウィニペグ(FFH-338)」が加わります。
「Fly Team」より
カナダ海軍のニュースは見当たらないが、探したらどうも結構前から日本近海で活動中だったようだ。
「瀬取り」を含む違法な海上活動に対するカナダによる警戒監視活動
令和2年10月13日
1 国連安保理決議により禁止されている北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対して、カナダ海軍フリゲート「ウィニペグ」が、10月上旬に、東シナ海を含む我が国周辺海域において、カナダ海軍艦艇として2018年以降4度目の警戒監視活動を開始しました。また、カナダは、11月上旬から12月上旬の間、国連軍地位協定に基づき、在日米軍嘉手納飛行場を使用して、2018年以降5度目となる航空機による警戒監視活動を行う予定です。
2 今回のカナダによる警戒監視活動は、昨年4月の日加首脳会談において、トルドー首相から、「瀬取り」警戒監視のためのカナダによる航空機及び艦船の派遣を2年延長するとの表明があったことを受けて行われるものです。我が国としては、北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄の実現に向け、国際社会が一致団結して、国連安保理決議の実効性確保に取り組んでいく観点から、こうした取組を歓迎します。
「外務省」より
そりゃ、「カナダ海軍の艦船が到着した」というニュースが無いわけだ。
ともあれ、4か国の合同訓練をやるという事になっているらしいね。訓練海域は「東シナ海から四国南方を経て関東南方に至る海空域」という事になっていて、しっかりと支那に圧力をかける目的がある事がわかる。
アメリカとの共同軍事訓練
ちなみに、8月末から日米で共同訓練をやっている。
海保 海自 米沿岸警備隊が共同訓練 “中国”念頭に連携強化
2021年8月26日 19時25分
海上保安庁は25日にかけて、海上自衛隊とアメリカ沿岸警備隊と、それぞれ、九州の沖合で不審船への対処を想定した共同訓練を行いました。 沖縄県の尖閣諸島周辺で、中国が活動を活発化させていることを念頭に、連携強化を図るねらいがあるとみられます。
「NHKニュース」より
ただ、共同訓練をやっているのはアメリカ海軍では無く、アメリカ沿岸警備隊であった。

コーストガードかよ!
海上保安庁は25日、海上自衛隊と不審船への対処を想定した共同訓練を九州の沖合で実施し、無線通信の確認のほか、それぞれのヘリコプターが、巡視船と護衛艦に入れ代わる形で離着陸する訓練が行われました。
また、アメリカ沿岸警備隊とも、25日にかけて、九州の沖合で同様の訓練を行い、領海内で不審な動きをする船を発見したという想定で、共同で追跡し、停船させる手順などを確認しました。
海上自衛隊との訓練は、ことしに入って3回目ですが、年に3回行われたのは初めてで、アメリカ沿岸警備隊と不審船を想定した共同訓練を行うのも初めてだということです。
「NHKニュース”海保 海自 米沿岸警備隊が共同訓練 “中国”念頭に連携強化”」より
何故、アメリカのコーストガードが?と思ったら、どうやら海上保安庁とコーストガードとで訓練をやっていて、海上自衛隊もそこに参加している模様。
実は、このコーストガード投入の構想を練っていたのは、トランプ政権であった。
トランプ政権が2期目に思い描いていた「沿岸警備隊投入」という南シナ海戦略
2020.11.15
トランプ政権が2017年の誕生直後から一貫して主張し続けてきた「偉大なアメリカの再興」のための海洋戦力強化策は、今回の大統領選でトランプ氏の劣勢が伝えられていた中でも推し進められていた。
ロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)は選挙終盤に、トランプ政権2期目に備えた国防政策を打ち出した。その一つが、中国の軍事的優勢が顕著になりつつある南シナ海へのアメリカ沿岸警備隊巡視船の配備(一時的な派遣ではなく永続的な展開)である。
~~略~~
オブライエン補佐官によると、沿岸警備隊の即応警備艦を南シナ海へ派遣するというのは、今回オリバー・ベリーが実施したような単発的遠洋パトロールではなく、即応警備艦が南シナ海を常時パトロールすることにより、海軍艦艇のFONOPによる対中牽制をより一層強化しようというものである。
「Globe+」より
なるほど、アメリカがコーストガードを投入した背景には、常駐する狙いがあるということらしい。アメリカ沿岸警備隊という名前が示す通り、比較的小型な船舶でアメリカ周辺海域を警備するのが仕事である。その海域を広げてしまったというのはトランプ氏の驚きの一手で、バイデン氏もこれを認めたらしい。
ドイツも来る模様
ちなみにこんなニュースも。
ドイツ軍艦、11月に東京入港 中国視野、自衛隊と訓練へ
2021年8月11日 21時09分 (共同通信)
ドイツのクランプカレンバウアー国防相は11日までに共同通信の単独インタビューに応じ、中国が海洋進出を図るインド太平洋に派遣した海軍フリゲート艦「バイエルン」が、オーストラリアや米領グアムを経て東京に入港する見通しだと明らかにした。入港は11月をめどとし、東・南シナ海で中国の覇権的な動きが目立つ中、海上自衛隊との共同訓練を通して対日連携を強化する。
「東京新聞」より
11月にはここにドイツ海軍も参加する予定のようだ。
西側諸国が次々と集まって南シナ海で共同軍事演習をやる。なる程、対北朝鮮程度ではたいして動かなかった各国だが、流石に支那の状況を放置できなくなったということが本音だろう。
参加しない韓国
あれ?韓国さん?
ところで、ここに韓国軍の名前を見ない。
イヤー不思議ですなー。
インド太平洋地域の主要国であり、米国の核心同盟国である韓国と日本がクイーン・エリザベスの入港に示した異なる態度は、欧州主要国に参加範囲が拡大している「インド太平洋構想」に対する両国の「戦略的判断」の相違を反映しているといえる。英国など欧州主要国と力を合わせ、事実上「中国牽制」が目的のインド太平洋構想を深めようとする日本と異なり、韓国は米国と中国の間で「微妙なバランス」の維持に努めている。
「ハンギョレ”英海軍の空母「クイーン・エリザベス」、釜山寄らず横須賀に入港”」より
どうやら、未だに韓国はアメリカと支那との間で「微妙なバランス」を狙っているらしい。
いや、どうなのよ、それ。
だが、今回のイギリスの空母打撃群の入港を認めなかった背景にある「武漢ウイルス云々」というのは、このニュースと関連があるようだ。
英空母打撃群でコロナ感染者約100人か 日本にも寄港予定
2021年7月15日 12時23分
インド太平洋に向けて航行中で日本にも寄港する予定のイギリス海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群の中で、新型コロナウイルスの感染者が相次いでいることがわかりました。感染者は100人ほどにのぼるとみられますが、イギリス海軍は対策を講じており今後の航行に影響はないとしています。
「NHKニュース」より
空母打撃群としては大失態ではあるのだけれど、しかし感染が広がってしまうと逃げる場所が無いのが海上に在る艦船の状況である。特に食事などを作る方が感染する、或いはトイレなどを起点として感染拡大という事は、致命的なことになってしまう。
幸いにして大きな問題にはならなかったようだが、しかし韓国としては入港を断ったらしい。すげーな、一応縮小した交流活動はやったらしいのだけれど、それだけで終わった模様。
なお、横須賀に停泊中のイギリス空母打撃群だが、そこから下船する方は居ない模様。
怒りを露わにする支那
しかし、支那の怒りを買いたくは無いというのが本音なんだろうねぇ。
日米英オランダ共同訓練に中国反発
2021/08/25 19:22
自衛隊が沖縄の南方でイギリス海軍の空母などと共同訓練したことに、中国外務省は「国家間の軍事協力は第3国の利益を損なってはならない」と釘を刺しました。
防衛省は25日、自衛隊が沖縄の南方でイギリス海軍の最新鋭空母「クイーンエリザベス」を含む打撃群と共同訓練を行ったと発表しました。
訓練にはアメリカ軍とオランダ軍も参加したということです。
これを受け、中国外務省は25日の会見で「国家間の軍事協力は地域の平和と安定を損なってはならず、第3国の利益を損なってはならない」と釘を刺しました。
「ANN NEWS」より
何を言っていらっしゃるのやら。
支那が第三国の利益を損なうのはいつもの事だが、その辺りは棚の上にあげっぱなしのようで、いいな、支那は棚が沢山あって。でも、地震が落ちたら色々上から落ちてきそうだけどね。
韓国の立場がどうかは知らないけれど、国際連携を考えれば日本が中心となって南シナ海の情勢に対応していくしか無い。
もはや、日本は他人事では済まされないんだよね。シーレーンの防衛を真剣に考える、それは日本にとって放置できない問題だ。同様に台湾問題ももはや放置してはいけない。
……うーん、韓国も実は同じ問題を抱えているハズなんだけど、まあいいか。
コメント
こんにちは。
>韓国も実は同じ問題を抱えているハズなんだけど
シンシアリーさんの所の情報ですが、韓国さんは、
『韓国があまりにも大きくなった。米国は日本より韓国を必要とするしかない』
だそうですから。
大中国さまに対する抑止力として大変重要で、日本なんか屁でも無いくらいの存在感だから大丈夫、って事なんでしょう。
https://sincereleeblog.com/2021/09/07/konnanobakaridauwaaaa/
この記事は読みましたが、理解不能な内容でした。
これが次期大統領候補というのですから、なかなか韓国の未来も大変ですよね。
木霊さん、おはようございます。
日本・横須賀には9日まで6日間まで滞在するようですが、南朝鮮には1日も寄らずになんで露骨な区別ですよね。
主要メディアではハンギョレくらいしか報道してないのも、負け惜しみとしかならないのが身に染みているんじゃないかな。
カナダ海軍フリゲートも長期哨戒活動をしてたのは初めて知りました。
日米豪加に英ですから西側諸国&ニュージーランドを除くファイブアイズが集結で、いよいよ日本もスパイ防止法案を早急にまとめなければならないと思います。
その意味でも自民党総裁選の結果で総選挙の趨勢がどうなるか? 大事な局面を迎えていると考えます。
僕はオーソドックスな保守の国家観を持ち(超タカ派とかのレッテルはどうでもいい)、それでいて現実目の前にある危機にしっかりしたアイディアで対処しようという考え持つ、高市氏推しなんですがマスメディアにとってはトンデモなく不都合なんでしょう。
未だに完全な泡沫候補扱いですからね。
まあ、これについては木霊さんが関連記事をUPされた折に、ゆっくりとコメントしたいと思っています。
負け惜しみというか、韓国側が「断った」というところが象徴的に感じました。
いや、事実上断ったという事なのでしょうけれど、やっぱりレッドチームに入っていることを気にしているのでしょうねぇ。
自民党総裁選は、誰がなるにせよ、国家観を掲げて戦っていただきたいですね。
日本がどこを向いて走っていくべきなのか?そこを明示していただかないと、話になりません。