パキスタンでまたも自爆テロによる支那人襲撃

中東ニュース

きな臭いねぇ。

パキスタンでまたも自爆テロによる中国人襲撃、中国大使館とパキスタン閣僚が非難

2021年8月21日(土) 20時10分

パキスタン南西部の港町、グワダル市で20日、中国人を標的にした自爆テロが発生した。中国の駐パキスタン大使館は同日、同事件により中国人1人が軽傷を負い、現地人の未成年者2人が死亡、その他にも多くの負傷者が出たと発表した。パキスタンのCh・ファワド・フセイン情報放送相は21日、ツイッターを通じて、「中国とパキスタンの偉大な指導力による経済ビジョンにまたも抵抗」などと表明した。

「レコードチャイナ」より

パキスタンの話も本日は少し触れておきたい。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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転覆の危険のあるパキスタン政府

パキスタンのターリバーン

先日の記事でこんな事を書いた。

今回のアフガニスタンの騒ぎの裏にはパキスタンの影響が高いのでは無いか?というような内容である。正確にはパキスタンの軍統合情報局(ISI)が怪しいという話なのだけれど。

米軍撤退後の情勢を左右する「パキスタンのタリバン」

7/2(金) 12:18配信

米軍のアフニスタンガン撤退は急速に進行している。既に半数は撤退を完了したという。駐留兵力の規模が既に縮小されていたこともあるが、撤退の過程で犠牲を出すことは政治的にも打撃が大きく、撤退に決まった以上、可及的速やかに撤退を完了する方針のようであり、9月11日を大幅に前倒しして7月中旬には撤退を完了するらしい。

「yahooニュース」より

この記事ではインド出身の元国連事務次長がインタビューを受けた体で記事が書かれていて、シャシ・タルール氏の予想が書かれている。2つのシナリオが紹介されていて、そこを引用しておく。

第1のシナリオ:米軍がアフガニスタンを撤退し、アフガニスタンのタリバンがカブールに権力を確立、平和は回復し、ISIはアフガニスタンをコントロールする。「パキスタンのタリバン」はアフガニスタンに樹立されるタリバン政権の説得に応じ、パキスタン軍の「過去の過ち」を許しパキスタン軍を標的にすることを止め、ISIと共に「本当の敵」であるインド攻撃を強化する。  

第2のシナリオ:アフガニスタンにおける同志の成功に鼓舞されて、「パキスタンのタリバン」は、アフガニスタンでタリバンが達成したことをパキスタンで真似て実現することを目的にテロ攻撃を開始するかも知れない。これはISIにとり悪夢のシナリオと言える。

「yahooニュース」より

第1シナリオではISIが暗躍してグリップするシナリオ、第2シナリオではパキスタンのターリバーンがテロを始めるシナリオである。

しかし……、パキスタンのターリバーンとはまた。

公安の監視対象

実は、パキスタン北西部を拠点に活動する組織がある。その組織を日本の公安調査庁が監視対象としているという。

パキスタン・タリバン運動(TTP) | 国際テロリズム要覧2021 | 公安調査庁
テロ組織「パキスタン・タリバン運動(TTP)」の概要及び最近の動向を紹介します。

パキスタン・タリバン運動(TTP)とあり、何が凄いってパキスタン政府の打倒を目指したテロ組織だということなのである。え?テロリストなのだから当然だって?

いやしかし、パキスタンという国は、パキスタン・イスラム共和国という名前の通り国教をイスラーム教としている国なのである。ターリバーンだってイスラーム教を掲げて活動している組織なのだから、親和性があっても……とは思うのだが。

しかし、そこはイスラームのややこしいところで、前回の記事でも書いたがイスラーム社会は部族社会である。部族の最高指導者が絶対であり、したがってパキスタンの政府を牛耳っている勢力とは、相容れないのである。じゃあISIはどういう関係なのよ?意味がよく分からない。

TTPの初代最高指導者ベトゥラ・メスードは,1990年代後半にアフガニスタン内戦下で「タリバン」と共に戦い,2004年,FATA(現KP州)南ワジリスタン地区の有力指導者ネク・ムハンマドが死亡したことを機に台頭するようになった。その後,ベトゥラ・メスードは,首都イスラマバードでの過激派神学生らによるモスク「ラル・マスジド」(赤のモスク)占拠事件(2007年7月)に際し,パキスタン政府が同モスクを武力制圧したことなどを理由に,同年8月,パキスタン政府との間で合意していた和平協定の破棄を宣言し,治安部隊への攻撃を実行した。

「公安調査庁のサイト」より

これはTTPという組織の沿革の一部なのだけれど、成り立ちからしてパキスタン政府とは軋轢を生じていることが分かる。

TTPは,ナワズ・シャリフ新政権による和平交渉の呼び掛け(2013年9月)に対し,2014年2月に政府との和平交渉を開始したが,同和平交渉への対応をめぐってTTPの内部で意見が対立するなどしたため,進捗しなかった。さらに,同年6月,TTPが同国南部・シンド州カラチのジンナー国際空港を襲撃したことで同和平交渉は頓挫し,パキスタン軍は,TTPなどの主要拠点とされるFATA(現KP州)北ワジリスタン地区における掃討作戦「ザルブ・エ・アズブ」(Zarb-e-Azb)を開始した。これを受け,TTPは,同年12月,掃討作戦への報復であるなどとして,KP州ペシャワールに所在する軍設立の学校を襲撃し,生徒ら141人を殺害するなどした。その後,掃討作戦の進展に伴い,アフガニスタンへの逃避を余儀なくされた。

なお,国連安保理「アルカイダ」制裁委員会は,2011年7月,「アルカイダ」の活動に関与したとして,TTPを制裁対象に指定した。

「公安調査庁のサイト」より

そして最近もあまりパキスタン政府とTTPとの関係は宜しく無い模様。

パキスタン政府の財政危機

んで、IMFのお世話になっていると言う話は前回も触れている。

過度の中国依存是正へ パキスタン IMF支援60億ドル

2019年5月13日 18:42

パキスタンが国際通貨基金(IMF)から約60億ドル(約6600億円)の財政支援を受けることが決まった。同国は中国主導のインフラ事業で国際収支が悪化し、外貨不足の危機に直面する。財政赤字も膨らみ、IMF支援と引き換えに構造改革に乗り出す。ただ改革の副作用が経済を直撃すればカーン政権の求心力が低下しかねず、南アジア情勢が不安定になる懸念もある。

「日本経済新聞」より

実は結構な金額を支那から引っ張ってきていて、これが支那の戦略でもあるが、厄介な事に支那のテロ対策としての資金もここに供出されている可能性がある。つまり、「債務の罠」と言いつつ、パキスタンから金をせびられている構図でもあるというから厄介だ。

赤字の理由が一帯一路構想に基づくインフラ整備だというのもなかなかに笑えない。

外貨急減の主因は、前政権が15年に始めた中国の広域経済圏構想「一帯一路」の関連事業だ。国土を縦断する「中国パキスタン経済回廊」(CPEC)のインフラ整備で総事業費は約600億ドルに上る。これに伴い中国からの輸入が急増し、貿易赤字が拡大した。対外債務も1000億ドルに迫り、6~12%を占めるとされる対中債務が負担となっている。

CPECはインフラ投資を促し、パキスタン経済は5%台の高成長が続いたが、ここに来て息切れしている。18年度(18年7月~19年6月)は3%程度へ減速する見通しだ。11日にはCPECの最南端にあたる港湾都市グワダルの高級ホテルが、反中を掲げる武装組織に襲撃され、5人が死亡した。

「日本経済新聞」より

これで何が起こるかというと、反支那感情の醸成である。

冒頭の記事は、そういった話の延長線上にある話なのである。

これまでの報道によれば、7月14日に中国人技術者が乗るバスを襲撃したのは、パキスタン国内のタリバン支持の集団を統合する目的で結成されたパキスタン・タリバン運動(TTP)とされている。

「日本経済新聞」より

んでもって、冒頭の自爆テロを起こしたのがTTPだというから、もはや意味が分からない。

中国パキスタン経済回廊

そもそもこの一帯一路構想に乗っかったパキスタンのインフラ工事は、なかなかに無理な事をやっていることでも有名である。

パキスタン、税上乗せ公共料金に悲鳴 「一帯一路」赤字のあおり

2019.10.31 05:00

徴税システムの整備が進んでいないパキスタンで、ガスや電気料金の急激な値上げが相次いでいる。対外債務に苦しむ政府が、税収確保策として公共料金への税金上乗せを繰り返すためだ。国際通貨基金(IMF)にも財政再建を迫られ、市民からは悲鳴が上がる。

「SankeiBiz」より

対外債務が膨らんでしまってパキスタン政府は、なんと公共料金の値上げを乱発しているそうな。

結構な距離の工事をやっているらしいのだけれど、この道路が出来たからといって市民のお財布が潤うワケでは無いところが、かなりイヤらしい。工事は支那人が担当しているので、地元にお金が落ちないのも問題視されている。

だが、プロジェクト開始からほぼ7年を経てもなお実現の見通しは立っていない。発表によれば、完成にこぎ着けたのは公表済みプロジェクトの3分の1にも満たない計190億ドルにとどまる。

「SankeiBiz」より

パキスタン政府は、「債務の罠は存在しない」みたいな事を言っているのだが、ちょっとムリがあるだろうよ。

対中債務のわなは「政治的宣伝」 パキスタン外相

2021年5月23日 20:33

パキスタンのクレシ外相は20日、中国の広域経済圏構想「一帯一路」を巡り、中国から融資を受けた国が返済猶予と引き換えに天然資源や港湾など重要施設の権利を奪われる「債務のわな」に陥るとの懸念は「政治的プロパガンダ(宣伝工作)だ」と否定した。ニューヨークの国連本部で日本経済新聞のインタビューに応じた。

まあ、そう信じるのは勝手なんだけどさ。

支那はテロを警戒

で、何が凄いかって、ターリバーンに対して、支那が「テロリストを何とかしろ」と注文を付けているところだ。

タリバンに「テロ勢力と一線画せ」 新疆の不安定化警戒―中国外相

2021年07月15日20時07分

中国外務省は15日、王毅外相とアフガニスタンのアトマル外相がタジキスタンの首都ドゥシャンベで14日に会談したと発表した。王氏はアフガン反政府勢力タリバンに関し「テロ勢力と断固一線を画すべきだ」と訴え、タリバンが関係を持つ新疆ウイグル自治区の独立派、東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)などによる同自治区の不安定化に警戒感を示した。

「時事通信」より

7月の記事ではあるが、転覆前のアフガニスタンの外相に対して「テロ勢力と断固一線を画すべきだ」と訴えたらしい。

いやいや、そのテロリストに資金供与をしている国が何を言っちゃっているの。当然ながら、ターリバーンに対して支那は「パキスタンへの関与も止めて欲しい」というのが本音なのだろうが、テロリストと交渉するヤクザの親分という構図は失笑を禁じ得ない。

どちらが先に裏切るのか?というレベルの信頼関係のように見える。

実は米国の関与を求めていた 中国はアフガン情勢をどうみるのか

2021/8/23 09:00(最終更新 8/23 09:00)

米国が強く関与してきたアフガニスタンのガニ政権の崩壊は、中国にとって機会とリスクの両面がある。そのため、中国政府はタリバン主導の新政権が国内をテロの温床とせず、安定化できるかどうかを注視し、関与の度合いを決めようとしている。

~~略~~

そもそもアフガンの政権崩壊前の中国は内政の混乱を警戒し、米国のアフガンへの関与を継続するよう要求していた。王氏は7月14日にタジキスタンで開かれたSCO外相会議で、アフガンからの米軍撤収に関連し「(アフガンで)米国は自らの責任を縮小してはならない。ただ歩き去って、残された重荷を周辺国に押しつけるべきではない」と主張している。

「毎日新聞」より

中国外相 “アフガニスタンにこれ以上圧力かけるべきでない”

2021年8月20日 14時32分

アフガニスタン情勢をめぐって、G7=主要7か国の外相会合が女性などの人権を守るため、関与を続けるとする中、中国の王毅外相はイギリスのラーブ外相と電話会談を行い「国際社会は、これ以上圧力をかけるべきでない」と述べ、アフガニスタンの安定を優先させるべきだという考えを示しました。

「NHKニュース」より

支那は、アメリカに対して「ちょっと、テロリストを残してアフガニスタンから去るなんて許されないぞ」と注文を付けつつ「国際社会はアフガニスタンに圧力をかけるな」と牽制するという、ダブスタを披露している。

どの国もテロリストに国内を荒らされては困るのだろうけれど、そのテロリストに政権をとらせたのもまた支那なのである。スゲーな。

今後支那は、習近平の名前を叫びながらテロをするターリバーンの誕生を恐れ、ウイグルでのターリバーン誕生を恐れ、何とかこの地域の利権に食い込もうと必死になる事請け合いである。アフガニスタンとパキスタンの両方に手を伸ばしたけれども、仲良くやっていける相手ではないと、個人的には思うんだ。

どう考えてもターリバーンがアフガニスタン国内の制御に成功できるとは考えられないし、パキスタン内でもその活動を活発化させる可能性もあるという。そんな地雷原に支那は手を伸ばしたワケなんだけれども、果たして札束で殴りつけるストロングスタイルがいつまで通用するかは分からない。

実際にあちこちでテロが発生している。支那はパキスタンでも順調にヘイトを稼いでいるというから、なかなか。まあ、パキスタン政府は支那にベッタリなんだけども、それだけではどうにもならないようだよ。

追記

興味深い記事があったので追記しておこう。ただ、このニュースは寧ろ前のアフガニスタン関連記事に追記した方が良かった気はするんだが。

軍閥が反攻、タリバンから一部地区奪還 石像の破壊も

2021年8月22日 17時00分

アフガニスタンで、イスラム主義勢力タリバンの支配に反発する動きが目立ち始めた。北部では軍閥がタリバンを追い出し、一部の地区を奪い返した。支配地域の奪還は、タリバンが権力を掌握して以降、初めてとみられる。各地で市民のデモも起きている。

「朝日新聞」より

反ターリバーン勢力がいて、一部地域を奪還したというニュースだ。

ターリバーンはアメリカと敵対しているので、反ターリバーン勢力にはアメリカからの資金援助があった可能性もある。まあ、憶測だが。

地元メディアによると、北部バグラン州で21日、地元軍閥が一斉攻撃を仕掛け、タリバンから3地区を取り戻したという。SNS上では、軍閥メンバーとみられる男たちが、崩壊した政権が使っていた黒、赤、緑の3色の国旗を屋根の上に飾る動画が拡散した。

東隣にあるパンジシール州の住民によると、同州では第1副大統領として政権を支えていたサーレ氏や、タリバンの猛攻から逃げてきた政府軍兵士ら数千人が地元軍閥に合流し、武装闘争の準備を進めている。

「朝日新聞”

軍閥が反攻、タリバンから一部地区奪還 石像の破壊も

”」より

ガニ氏がさっさと海外逃亡をして指揮をする人材が枯渇しているのかなと思っていたが、案外指導者的な存在は残っていたのかな。

やはり、ターリバーンが政権を握ってもアフガニスタンの国内情勢の安定化は難しそうである。パキスタンも、アフガニスタンが安定化してもしなくてもヤバそうですな。

コメント

  1. ウイグル系の戦闘員も暇できただろうしテロし放題だな。爆殺できるシナ人には事欠かんだろうし。アメリカがそれを見越してアフガン損切りしつつ一帯一路地域でのテロフィーバー狙ってるなんて説もあったなあ。

    • テロし放題って、悪夢ですね。
      しかし、支那がこれだけ釘を差したということは、ウイグルでもターリバーンが実行犯だと思われるテロが行われているってことですかね?

  2. 支那式ビジネススタイルは順当に嫌われている様で。
    アフガニスタン政府軍は大統領の逃亡により雪崩打って崩壊しましたがロクに戦わなかった事により多くの人員が無傷で各地に潜伏したと思われます。
    タリバンが旧政府関係者への苛烈な制裁を行うほどに残党軍の結束を強める事になるので今しばらくは旧政府関係者への寛容な措置が必要ですが多分無理なんでしょうね・・・

    • 支那式ビジネスは南アフリカ方面でもかなり嫌われているようですね。
      そして、温存された兵力が動き出したわけですが、標的が支那になっているというのは、当然の帰結。
      アフガニスタンの平和は遠そうですが、習近平氏も枕を高くして眠れる状況なのやら。

  3. 木霊さん、おはようございます。

    タリバン最大の支援国のパキスタンもアフガニスタン政権転覆を単純には喜べないって事でしょうか。
    パキスタン政府は反政府勢力TPPの台頭を一番恐れているのでしょうけど、テロ組織ですからさらなる過激化を防ぐのは難しいでしょう。
    あとは、支那とどう上手く折り合いを付け、火種を最小限に抑える手段を取るくらいかな。

    テロ組織の代表格IS・アルカイダ他数十の超過激派が、アフガニスタンを温床としてテロ活動を活発化する可能性があります。
    欧米はもちろんターゲットは西側諸国全般に及ぶ恐れがあり、これからもテロとの戦いは続くのは間違いなく本当に憂慮します。

    そんな中で、アメリカの撤退に乗じ一帯一路の受益を優先しタリバンと手を結ぶつもりの支那は、同時に残虐なウィグル民族ジェノサイドという自爆しかねない要因をどう見極めて対処するつもりなのか?
    タリバン最過激派とウィグルの反支那過激派が結び付く可能性もゼロではないでしょうからね。

    今は各国退避作戦が最優先なんですがそれが一段落した時、今後も一瞬たりとも目が離せない世界的なリスクだと思います。

    • こんばんは。
      正直、アメリカが撤退するのは時間の問題でしたから、今回のこの決定に驚きはしませんでしたが、結果的に撤退のやり方はかなり不味かった。バイデン氏のセンスがなかったかなーと。トランプ氏は随分とターリバーンを恫喝していたようですが、そういった直接的なやり方のほうがターリバーン相手にはわかりやすかったのかもしれません。トランプ氏が2期目を務めていたとしても、やっぱり撤退はしていたのでしょうけれど、もっとマシな状況だった気はします。

      しかし、アフガニスタンだって武漢ウイルスに随分とやられているはずですが、それどころじゃない状況なんですかねぇ。
      防疫体制強化しないと、ターリバーンは支持を失いかねないリスクがある。そしてそのためには他国からワクチンを入手する必要がある。支那に抱きつく必要があったのは、その辺りにも関係があるのかもしれません。