ベネズエラでデノミネーション決定、10月から100万分の1

南米ニュース

あっ、はい。

ベネズエラが「デノミ」実施へ 10月から100万分の1に

2021.8.6 08:37

ベネズエラの中央銀行は5日、通貨ボリバルからゼロを六つ取って100万分の1に切り下げるデノミネーション(通貨呼称単位の変更)を10月に実施すると発表した。社会主義的な経済運営の失敗で、激しいインフレに見舞われているためだ。

「SankeiBiz」より

2008年に千分の1に、2018年にも10万分の1に切り下げをやっているが、今度は100万分の1か。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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ベネズエラの国内政治は不安定

ハイパーインフレーションとは

経済学の定義では、「加速インフレーション」のことを差すようだ。つまり、物価が延々と上がり続ける状況だね。有名なのは、ジンバブエかな。

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インフレ率は、公式には2億3100万%にもなったとされているけれども、実際には6.5×10^108%になったのでは無いかと推定されている。もはや意味が分からないね。

なお、ジンバブエ・ドルは2015年に廃止が決定されて、一時期は米ドルが使われていたのだけれども、やはり通貨を持たないのは不都合と言うことで、RTGSドルが2019年6月に導入された。

外国通貨を公式通貨として使うという手法は、国内事情で価値の変動が起きにくいというメリットはあるのだが、自国で通貨発行を行わないことで通貨が枯渇するという別の問題を生じる。

そんな訳で、RTGSドルを導入し外貨を禁止したのだけれど、これがまたちょっとヤバい状態になってしまって、インフレが300%を超えた段階で、「やっぱり米ドル使って良いよ」ということにしたとか。

ジンバブエのインフレ率、840%近くに 政府は危機を否定

2020年8月16日 23:39 

ジンバブエ国家統計庁は15日、7月の物価上昇率(インフレ率)が年率840%近くまで上昇したと発表した。だが政府は、高まる危機感を認めようとせず、経済の苦境が一段と深まっている。

「AFP」より

ジンバブエもヤバい。

ベネズエラのインフレ率2615%

あー、ジンバブエの話をすると、ベネズエラが可愛く思えてしまうのだが、それでも2000%を超える状況というのは社会的混乱を招く。

元野党議員らが運営する経済指標監視団体の推計によると、今年6月のインフレ率は前年から約2615%上昇。ベネズエラ中銀によると、1ドル=約404万ボリバルとなっている。

「SankeiBiz”ベネズエラが「デノミ」実施へ 10月から100万分の1に”」より

自分の所持金が、ある日突然100万分の1になってしまったとしたら大混乱だな。

2019年頃にはクーデターが起こるとかいう話もあったんだけれども、どうなってしまったのやら。

ベネズエラ政府、野党指導者の側近の身柄を拘束

2021年7月13日 7:02

ベネズエラの野党指導者グアイド氏は12日、側近が治安当局に身柄を拘束されたと明らかにした。独裁体制を構築したマドゥロ政権は野党への圧力を強めている。

治安当局が12日、グアイド氏の側近で、国会議員を務めていたフレディ・ゲバラ氏の身柄を拘束した。また治安当局は同日、グアイド氏の自宅があるビルの駐車場に押しかけ、グアイド氏の妻が乗っていた自動車に銃をつきつけた。目撃者が多かったことから、そのまま立ち去ったという。グアイド氏は12日、記者団に対し「嫌がらせや脅迫は我々を止めない」と述べた。

「日本経済新聞」より

2019年の時に支持を集めたグアイド氏だが、最近、側近が逮捕されてしまったとか。

これの話の流れとして、2020年には元米兵が逮捕されて実刑判決が言い渡されるような流れになっていて、何というか凄いなーと。

元米兵2人、禁錮20年 「政権転覆未遂」―ベネズエラ

2020年08月09日09時15

南米ベネズエラのサーブ検事総長は7日、政権転覆を企てたとして5月に逮捕された元米兵2人が、裁判で禁錮20年の実刑判決を言い渡されたことを明らかにした。ベネズエラの司法は、反米左派マドゥロ大統領に牛耳られている。

2人は5月3日、ベネズエラに上陸を試みて逮捕され、陰謀罪や武器密輸罪などで起訴された。サーブ氏は「2人は犯行事実を認めた」と述べた。現地報道によると、上陸時に8人が治安当局に殺害され、その後90人以上が逮捕されている。

「時事通信」より

米兵が工作をやっていた可能性は否定しないが、ベネズエラで公平な裁判が行われたとも思えない。なにしろ、ベネズエラでは未だにマドゥロ政権の独裁が続いているからである。

反米ベネズエラ、バイデン政権に秋波?

5月にはこんな記事が。

反米ベネズエラがバイデン政権に秋波 国内窮状、制裁緩和を模索か

2021.5.7 22:21

米国の制裁下にある南米ベネズエラの反米左翼マドゥロ政権が、バイデン米政権に関係改善へ向けた秋波を送り始めている。バイデン政権は、対ベネズエラで強硬姿勢をとったトランプ前政権の中南米政策の見直しを進めており、経済難が深刻化するマドゥロ政権としてはこの機に制裁緩和への道筋を模索したい考えとみられる。

「産経新聞」より

トランプ政権と激しく対立していたマドゥロ政権だが、バイデン氏が政権を握ってから「与し易し」と判断した可能性はあるだろう。

もう一つは、ベネズエラ国内情勢がそうそう対立している場合でもなくなってきたという事もあるかも知れない。ただ、そのためにこんな話が……。

またマドゥロ政権は4月末、横領容疑などで2017年に逮捕され、収監されていた石油関連企業の米国人幹部ら6人を釈放し、自宅軟禁とした。

「産経新聞」より

流石、独裁者!犯罪を犯した外国人の釈放もお手の物とか、なかなかスゴイネ。

ペドロはどうした?

えーと、そもそもベネズエラの通貨が安定しないとかいう話があって、仮想通貨を導入した世界で最初に国になったのがベネズエラだったはずだが、アレはどうなったのか。

ベネズエラ仮想通貨「ペトロ」低迷 市民利用せず 独裁政権の資金調達不発

2021/1/3 18:59(最終更新 1/3 18:59)

南米ベネズエラのマドゥロ政権が2018年に発行を始めた仮想通貨(暗号資産)「ペトロ」の取引が低迷している。マドゥロ政権は「国家が管理する世界初の仮想通貨」とアピールして資金調達を狙ったが、深刻な経済危機を招いた政権への不信感は根強く、金融界や一般国民からはほとんど利用されていない状況だ。

「毎日新聞」より

残念ながら機能していない模様。

ベネズエラでは13年に発足した反米左派のマドゥロ政権下でインフレが加速。通貨ボリバルは紙くず同然となり、デフォルト(債務不履行)状態に陥っている。独裁色の強いマドゥロ政権の正統性を認めていない米国が17年に金融制裁を科すと、政権は資金を募るため18年2月からペトロを発行。

「毎日新聞」より

まあ、国内で取引できない暗号資産というのは何のジョークなのだろうかとは思う訳だが、仕方が無いよね。ベネズエラという国家そのものが信用されていないのだから。

アングル:ベネズエラ、インフレヘッジで暗号資産に走る市民

2021年6月26日8:40 午前

コロンビアで料理宅配ドライバーとして働くベネズエラ人のパブロ・トロさんは、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン技術に特段興味があるわけではない。しかし、家族に送金するたびに間接的にデジタルトークンを利用している。

「ロイター」より

とはいえ、暗号資産(仮想通貨)そのものが使われていないかというと、そういう話ではないのである。ビットコインなどは使われていて、ベネズエラ市民の取引ツールとなっているらしい。

なお、10月には新しいデジタル通貨を発行する予定にしているらしいんだけど、それはペドロとは違うのかと。

デノミは2008年と18年にも実施。18年のデノミで通貨の正式呼称を「ボリバル・ソベラノ」としたが、中銀は10月1日から「ボリバル・デジタル」を導入し、現金通貨とデジタル通貨が「共存する」としている。

「SankeiBiz」より

そりゃまあ、デジタル通貨であればデノミするのも簡単なんだろうけれども、これ、耐混乱にならないかな。

失敗国家などと言われつつも、まだマドゥロ政権は継続している。ベネズエラ国民にとっては悲劇でしか無いのだが、今後これがどうなるのかは、注意深く見守りたいと思う。

追記

コメントを頂いて思いだしたのはドイツの話である。

事例で見るドイツのハイパーインフレーション
ドイツのハイパーインフレーションハイパーインフレで挙げられる事例の1つとして第一次大戦後のドイツが有名です。インフレとは、そもそも物価がある期間において持続的に上昇する経済現象のことです。つまりは、商品に対して貨幣価値が下がることを言います
「ベネズエラではお金の価値が『ゴミくず同然』になったと言われたけど…この写真を見て実感した」 - ライブドアニュース
国民の平均体重が20kgも減るほど国家的な危機状況にあるベネズエラ。今年に入ってからもインフレ率200万%以上と破綻状態にあります。どれくらいベネズエラ通貨の価値が下がったのか、ひと目でわかる写真が海外掲示

こちらの記事が読み物として面白かったのだが……、インパクトのあった映像をおかりしておきたい。

何というか、刷るだけ金の無駄のようにも思えるけれども、当時はこんな感じで紙幣を積み上げるしか無かったのだろうね。教科書などでも見た絵のような気がする。

ドイツは、第1次世界大戦で負けたことで巨額の賠償金を背負うことになってしまった。その結果招いたののがハイパーインフレである。

やっていられませんな。そりゃ、ナチス政権が誕生して経済の建て直しに向かっていけば、熱狂したくもなるというもの。

第2次世界大戦後にドイツは、全てをヒトラーの責任にしてしまったけれど、本当にそうだったかは今でも僕自身納得がいっていない。ドイツの歴史を知ると、あれ以外の道があったのか?と、思える程悲惨なのである。

だからといって、やったことが許されるわけでは無いのだけれどね。

コメント

  1. 木霊様、皆さま、今晩は

    どこの国か覚えていないけど、
    ゼロの数を増やした紙幣を印刷しても、それが流通する頃には更にゼロを増やした紙幣が必用になる。

    国内での印刷が間にあわなくて紙幣を輸入するようになった。でも、輸入するためのお金、ない。

    それで「高額紙幣」が間にあわなくて、札束・・・1万円札100枚の束とかを思い浮かべてはいけませんよ・・・高額紙幣を何千枚だか何万枚だかを束ねた、トイレットペーパー24ロール入りをいくつかつなげたような紙の束・・・が使われるようになった。日常的な買い物でも、その「札束」が必用になった。もはや誰も数えない。数えるのは「札束」がいくつか、だけ。

    食料品を買うにも「札束」が必用になった。かさばるし重い。そのうち「札束運び屋」なる新業種が登場。

    コレってジンバブエでしたっけ、ボリビアでしたっけ。それとも他の国でしたっけ。それにしても、どんな経済運営をしたら、こんなインフレが起こるんでしょうか。

    以下、おまけ

    30年くらいも前の事。オーストラリアの空港で円をオーストラリアドルに替えようとした時、両替所の列の短い窓口を選んで並びました。直前に並んでいた人が「いろんな色」の紙幣を出して・・・窓口の係員は奥へ行ったきり、なかなか出てこない。え~、こんなに時間がかかるの??? やっと私の番になって「円」を出したら、一瞬でオーストラリアドルが出てきました。それ以来、両替の時は「強い通貨」を持っていそうな人が多い列に並ぶようにしています。

    • 確実なことは言えませんが、ベネズエラでの話のように思われます。
      ただ、かつてはドイツでも似たような事になって、手押し車一杯の紙幣で食品を買いに行くとか笑えない事態になっているようでありました。この辺りは追記しておきましょうかね。
      経済混乱は、政府方針が大きく影響するわけですが……、国家の信用というのはとても大切だと言うことなのでしょう。

      オーストラリアの事例はとても参考になりました。
      今でも、「円」がハードカレンシーであることは、国民にとっては幸せなことであります。パスポートも最強ですしね。