東京都の入院基準改定は、事態打開に繋がらない!

政策

これはヒドイ。

【独自】都が感染者の入院基準改定へ…血中酸素濃度「96%未満」厳格化の見通し

2021/08/04 09:39

政府が新型コロナウイルス感染者の療養方針を見直したことを受け、東京都は、感染者の入院の判断基準を改定する方針を固めた。血中酸素濃度の基準値を厳格化して入院患者を抑え、今後、増加が見込まれる中等症の患者用に病床を確保する。4日にも都内の医療機関に新たな基準を示す。

「讀賣新聞」より

どうなっているのやら。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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実情と今後

過去最多の「感染者」を出して大慌ての東京都

オリンピック開催を反対する一派が武漢ウイルス感染症を理由にしていた事は、有名であると思う。きっと、今頃、「俺たちは正しかった」と息巻いているに違いない。

しかし、オリンピックの開催は令和3年(2021年)7月23日からであり、事前に日本に入国して調整していた選手達がいたにせよ、タイミング的には全く無関係に陽性判定者が増え続けている。それに無観客開催なのだから、観戦者が武漢ウイルスを媒介するなんて事も無いわけで。

NHKは相変わらず「感染者」という言葉を使っているが、グラフとしては分かり易いだろう。

東京都 新型コロナ 2195人感染確認 月曜日としては過去最多

2021年8月2日 21時12分

東京都内では2日、月曜日としては初めて2000人を超える2195人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。また、都の基準で集計した2日時点の重症の患者は114人で、ことし2月以来、110人を超えました。

「NHKニュース」より

連日のように、「過去最多」を連呼しているメディアではあるが、重要な指標には余り触れていない。

これは東京都の死者数の推移である。もちろん、「死ななければOK」というような感染症ではないことも分かってきてはいるが、超過死亡などの推移を見てもここが増えているから問題なのだという事ではないと思う。

確かに、重症者が112人と増えている事を考えると、今後死者が増えて行く可能性は否定できないし、軽症者や中等症者が3,239人もいることを考えると、医療現場の逼迫具合は深刻なレベルにあると言える。

更に心配な数字があって、それが自宅療養者の数が14,019人というものだ。

自宅療養者の現実

冒頭の讀賣新聞の記事では、こんな風な記載になっている。

血中酸素濃度は呼吸機能の状態を示し、値が低いほど危険な状態となる。改定後の基準では、入院の目安となる血中酸素濃度の値を、現行の「96%未満」より厳しくする見通しだ。都幹部は「血中酸素濃度が95%でも入院しない患者が出てくる可能性があるが、病床が限られている中で対応が必要な患者を優先させなければならない」としている。

「讀賣新聞”【独自】都が感染者の入院基準改定へ…血中酸素濃度「96%未満」厳格化の見通し”」より

記事中では、入院の目安を血中酸素濃度の数値から判断して、「病床が限られている中で対応が必要な患者を優先させなければならない」ということを言っているのだが、武漢ウイルスの場合でも早期発見、早期治療が有効である事は指摘するまでもない。

特に、血中酸素濃度の数値は急激に悪化する事があるため、悪化し始めた事が分かってから入院先を探すののでは「遅い」可能性がある。

埼玉県 症状悪化で自宅療養からの搬送相次ぐ 病床が満床状態に

2021年8月3日 18時20分

新型コロナウイルスの感染の急拡大で、埼玉県では、確保している病床の使用率が2日時点で「ステージ4」相当とひっ迫しています。 中には、自宅で療養している人たちが症状が悪化して運び込まれるなどして、病床が満床状態になり、新たな入院の要請を断らざるをえない病院も出てきています。

「NHKニュース」より

このニュース1つで判断するのもどうかと思うが、入院基準を厳しくするのであれば、むしろ退院の基準を緩和するべきではないのか。

東京都の健康観察「限界に近い」、対象を30歳未満に縮小 自宅療養1万2000人超<新型コロナ>

2021年8月3日 09時27分

新型コロナウイルス感染者の急増に伴い、東京都では自宅療養者がこの約1カ月で12倍に増え、2日時点で過去最多を4日連続で更新し12161人となった。比較的症状の軽い若い世代が中心だが、容体急変の恐れがあり、救急搬送される療養者もいる。保健所は健康観察に追われ、業務逼迫の要因になっている。

「東京新聞」より

その理由は簡単で、特に一人暮らしをしている人々にとって、自分の健康状態を正確に把握することは意外と難しい。そのサポートのために、自宅療養との連絡をとるシステムを構築しているようだが、これがもう機能しない状況になってきている。

東京都知事は辞めよ?

そして、東京都の現場を混乱させているのは他ならぬ都知事である。

Nスタのキャスター固まらせた、怒りの発言「倉持先生」がトレンド1位

2021年8月3日 20時30分

3日夕に放送されたTBS系報道番組「Nスタ」で、インターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁氏が、菅義偉首相と小池百合子都知事に「2人とも至急お辞めになった方がいい」と怒りの発言をし、「倉持先生」がツイッターのトレンド1位にランクインした。

「livedoor NEWS」より

このニュースは冒頭のニュースに関係していて、武漢ウイルスの入院基準を高めることが本当に都民のためになるのかという趣旨のニュースなのだが、倉持氏のちょっと誤解があって、「コロナ患者の入院対象を重症者らに限定し、重症化リスクが低い中等症患者は自宅療養とするという政府の方針転換」というのは、誤報である。

それに近いことになるのではないか?という懸念があるのは事実だが、中等症者を締め出せという事ではないのである。

ちなみに、twitterなどで拡散をしていた「イメージ」が参考になると重う。

医師の怒りの理由はこのイラストで簡単に説明ができる。

菅義偉氏に物申す

さて、では、今何が必要なのだろうか?

これは政治的には極めて大きな決断になると思うが、やる事自体は単純である。

一部の自民党議員も主張しているのだが2類相当の認定を5類相当に変更するか、それが難しいのであれば別の基準を作るべきだ。

武漢ウイルス感染症は確かに危険な感染症であるし、ワクチン供給の問題や治療薬が無いという問題もあるが、これ以上経済を疲弊させることは別の意味での死者を出す事になる。もはやそういう状況になっているが。

確実な治療薬は今のところ知られていないが、治療方法はある程度確立している。であれば、2類相当で特定の病院しか対応出来ないような対応ではなく、5類相当にして多数の病院を使える対応にすべきなのだと思う。

治療薬に関するニュース

そうそう、治療薬と言えばこんなニュースがあった。

新型コロナ 新治療薬の投与 大阪府内の病院でも

08月03日 17時20分

先月承認されたばかりの新型コロナウイルスの新しい治療薬の投与が、大阪府内の病院でも始まっています。 病院では、「重症化のリスクのある人にできるだけ早く使うことで医療のひっ迫が避けられる」と期待しています。

~~略~~

軽症や中等症の患者に使用できる治療薬で、ウイルスの増殖を抑える目的で、2種類の抗体を点滴で薬剤として同時に投与することから「抗体カクテル療法」と呼ばれています。

「NHKニュース」より

ここに報じられている「抗体カクテル療法」というのは、トランプ氏が感染した際に使用したことでも有名となっている。

また、今の感染状況については、「入院患者の中には20代と若く、基礎疾患もないのに、入院した翌朝に重症化して転院した人や、入院する段階ですでに重症になっている人も出てきている。若い人でも急速に悪化するケースがあり、改めて感染対策を徹底してほしい」と呼びかけていました。

「NHKニュース”新型コロナ 新治療薬の投与 大阪府内の病院でも”」より

そしてここでも急激に重症化するリスクについて言及されている。

もちろん、政府が主張し東京都が選ぼうとしている基準変更に理が無い訳ではないだろう。狙いは「入院する必要のない患者で病床を圧迫するのを止めたい」ということだ。安全サイドに立った考え方ではないが、多くの場合に合理的な振り分けである可能性はある。

だが事態打開するためには、入院患者を制限するのではなくて入院する場所を増やす事が必要なのだ。もちろんそれは感染拡大のリスクを生む可能性はあるが、決断することで状況を変えるしかないのである。僕はそう考えるのだけれど。

そして、菅義偉氏はそうした政治的決断ができないのであれば、やはりお辞めになるべきではないか。有能な政治家である事は否定できないが、有事に向いた人材でないこともまた事実なのだから。

追記

えーと、記事の途中で倉持氏のネタを入れたのだが、これはこちらの記事とも関連している。

玉川徹氏、菅首相のリスクの低い中等症患者は自宅療養方針に怒り「国民をただ見捨てる政策だと思える」

8/3(火) 8:47配信

~~略~~

東京で月曜日としては過去最多の2195人の新規感染者数を記録。自宅療養者も1万2000人を超える医療逼迫(ひっぱく)といえる現状の中、中等症でもリスクが低い人は自宅療養とする今回の方針にコメンテーターで出演の同局・玉川徹氏は「40代、50代が感染リスクが高いと言うのであれば、感染が広がっている地域の40、50代中心にワクチンを傾斜配分するとかいろいろやるべきことはあるのに、ただの現状追認だと思います」と指摘すると、「中等症に苦しむ人がこれからどんどん出てくる可能性が高いのに、そういう風な人たちを、そういう国民を、ただ見捨てる政策だと僕は思えるので、これには本当に怒りを覚えます」と声を荒らげていた。

「yahooニュース」より

ご存じ玉川氏の「中等症を見捨てるのか!」という発言と、倉持氏の指摘は同じロジックになっている。

実はこれ、既に修正されてしまった毎日新聞の誤報が端を発している。

これを解説している動画を紹介しておくが、解説者が嫌いな方は見ない方が良いかも知れない。

この毎日新聞がやったような報道手法は、まずフェイクニュースを出して、それを元に左派が批判をし、その批判をニュースが取り上げるというマッチポンプ報道の典型である。

更にしれっとこんな記事でお茶を濁しているところがまた腹が立つ。

「自宅療養」政府方針、与党も自治体も批判 公明「中等症ケアを」

2021/8/3 20:40(最終更新 8/4 00:01)

新型コロナウイルスの入院対象者を重症者らに絞り込むとした政府方針に対し、与党や自治体から注文が相次いだ。与党は政府方針について「中等症以下の『切り捨て』と受け取られかねない」と警戒。公明党の山口那津男代表は3日、菅義偉首相と首相官邸で会談し「中等症の方々にも丁寧に医療的ケアが受けられる対応をお願いしたい」と要望した。

「毎日新聞」より

丁寧に説明しないから勘違いするヤツが出るだろ!と、その様な指摘をしているわけだ。

どの口が言うのか……。

中等症をわざと特出しして揚げ足をとる毎日 100病院が拒否というTBS 誤報は一度流れるとそう簡単には消えない
いやサッカー惜しかった。見入ってしまいました。本当観客いたら勝ったかも。それにしても本気のスペインとこの試合はいいもの見せてもらいました。今中等症の扱いがメディアのトピックです。その先陣がこのニュース。【見出し、記事を更新しています】新型コロナウイルス感染症へ

いやー、誤報を謝罪して訂正するのが正しい報道機関のあり方だろう。

twitterではこんな形で残っている。

そりゃ、ビックリして脊髄反射批判する人も出るよね。

ただ、僕自身はこれを踏まえてなお、「間口は広げるべき」だと思っている。退院し易い制度を整えることと、病床数を増やすために5類相当に見直すべきだと思うのだ。政府の言う「Withコロナ」はいつから始まるのか。始める覚悟がないならそんな言葉を使うなよ。

これに関しては明確に菅義偉政権の方針に反対する。

追記2

おいー、Newsweekは一体何を言っているんだ。

自宅療養で人々を見殺しにすると決めた菅首相

2021年08月04日(水)13時35分

8月2日、政府は新型コロナウイルスで、「中等症」であっても「症状が軽い」あるいは「重症化リスクの少ない」患者に関しては、「自宅療養」を可とする方針を出した。これまでは原則的にコロナ患者は入院、無症状や軽症の場合は宿泊施設に入るという方針で進めていたが、その方針を転換したかたちだ。

「Newsweek」より

誤報ですらない。

コラム的な扱いとは言え、よくもまあこんな記事を載せるものである。

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