今回の政府方針転換は、実質2類相当から5類相当への変更だったのか

報道

えーと、前回批判した内容を考えるとこの記事を書くのはちょっと恥ずかしいのだが、池田信夫氏の解説通りであれば、そういう事になるだろう。今回の政府方針について、僕の理解が足りていなかった。

大阪の新型コロナ「4月の悲劇」はなぜ起こったのか

2021.8.6(金)

新型コロナの感染が、爆発的に拡大している。8月5日に東京都の検査陽性者数は、5042人と過去最高を記録した。死者は1人と少ないが、重症患者が増えると、病床が逼迫して医療崩壊が起こりかねない。

こういう状況に対応するため、政府は新しい療養方針を発表した。その最大の柱は、これまで原則入院だったコロナ患者への対応を、重症化リスクの高い患者以外は原則自宅療養に転換することだが、これが論議を呼んでいる。

「JB Press」より

池田氏の分析は注意を要することもあるが、こいつは読む価値はありだと思う。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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誤解から始まった菅義偉氏批判

菅氏のtwitterより

ただ、先ずはこれを確認しておかねばならない。

一連のtweetの中で重要なポイントを引用したけれど、今回の方針が「爆発的な感染拡大の地域を対象にしたもの」であることと、「中等症の方で、酸素の投与が必要な方、投与が必要なくても重症化のリスクがある方は、もちろん入院していただきます」とこの2点。とにかくここは押さえておかねばならないだろう。

とはいえ、「必要であればすぐに入院できる体制を整える」というところがネックになるというのもまた事実だろう。

その点では、こちらの記事で主張したように、「事態打開に繋がらない」だろうし、寧ろ退院基準の緩和や病床数そのものを増やすことを考えるべきだとは思うのである。

軽症者と中等症者の見分けができるのか

政府方針でポイントになるのはこの4つの原則であるとされている。

 1.重症患者や重症化リスクの高い患者には病床を確保する
 2.それ以外の患者は自宅での療養を基本とする
 3.在宅の患者は往診やオンライン診療でサポートする
 4.家庭内感染のおそれがある場合はホテルを活用する

池田氏の判断は、以下のポイントが重要だとしている。

このうち重要なのは、第2の原則である。コロナは「新型インフルエンザ等感染症」に指定されており、これは感染症法の2類に準じた扱いで、感染者は入院を原則とし、病院は患者全員を検査して保健所に報告する義務がある。

毎日新聞などがこれを「中等症以下は自宅療養」と誤って報道したため、野党だけでなく公明党や自民党の一部まで「中等症を入院させないのは患者の切り捨てだ」と撤回を求めたが、これは誤解である。首相談話には「中等症」という言葉も出てこない。毎日新聞は記事を削除した。

「JB Press」より

第2原則の内容が、2類相当から5類相当の切り替えに相当するとのことである。なるほど確かに事実だけ見ればそう判断しても良いかもしれない。

問題は中等症ではなく、軽症の患者である。軽症は厚労省の基準でも自宅療養が原則だが、中等症が回復して軽症になっても、退院させるのがむずかしい。

その結果、日本のコロナ療養者のうち入院患者の比率は38%と、先進国では突出して多い。英米では自宅療養が原則で、入院率は0.3~0.5%である。このように入院患者を大量に抱え込む過剰医療が、医療逼迫の原因になっているのだ。

「JB Press」より

軽症となっても退院が難しいというのは、今の日本の医療現場のことを考えれば妥当だろう。これを好意的に解釈すれば、確かに退院基準が軽くなるという風にも理解できる。

ただ、入院基準を上げることは、退院基準が緩和されるという結果に直接は繋がらないと思う。

自宅療養の問題

この記事で取り上げている大阪での失敗というのは、以下のような話である。

自宅療養では酸素飽和度のチェックはできるが、酸素吸入はできないので、容態が急変すると対応できない。感染がどんどん拡大して自宅療養が1万5000人も発生し、自宅で19人が死亡した。

「JB Press」より

軽症者でも呼吸が苦しいと訴えれば、なかなか退院出来ない。そうすると、新たに入院したい「より症状の重い患者」が入院できないことなるという理屈はわかる。

ただ、急激に症状が悪化する人も少なくない事を考えると、軽症者であっても自宅待機はマズイのでは無いか。その点に関する考えは前回の記事と変わらない。

自宅待機よりホテル隔離。そっちの方向に切り替えることはできないのだろうか。予備費もまだ積み上げられたままだ。そう考えるのは、自宅で症状が悪化した時に即応できなかったケースが多く、その点は政府も認識しているようだ。

だからこそ、 「必要であればすぐに入院できる体制を整える」 ということなのだろうけれど、それが難しいのだ。

そこは池田氏も指摘している。

この反省から、大阪府は「転退院サポートセンター」を設置し、軽症になった患者をすみやかに退院させる方針をとっている。今回の政府の入院制限は、それに先手を打って東京で軽症患者の自宅療養を進めるものだ。患者の選別がすばらしい政策だという人はいないが、大阪の悲劇の再現を防ぐには、それ以外に方法はない。

コロナは今や致死率1/1000以下の「普通の風邪」なのだから、新型インフル等感染症の指定を解除し、インフルと同じ5類に格下げして病院の負担を軽減し、コロナと共存する態勢に転換する必要がある。今回の入院制限がその転換の第一歩になれば、日本がコロナを克服する上で大きな前進だろう。

「JB Press」より

池田氏も、5類相当に格下げが必要だという点では、僕の意見と同じ方向性である。問題はその第一歩にするという今回の方策が、果たして適切かどうか?という点だ。が、他に妥当な案がないのも事実。単純に5類相当に引き下げれば解消する話ではないからだ。

コレばっかりは、悩ましいところではある。

範囲拡大すると、隔離が脆弱な施設も使わねばならなくなる。人員も足りない。柔軟に対応すればいいというのは、言ってみれば現場任せの無責任な政策である。

実際に全国の首長の対応を見ていると、殆どの首長が適切な対応を選択できないでいる。で、運が悪いと状況悪化を招くわけだ。

そういう意味ではやはり国が責任を持って方針を決め、各自治体の首長はどの手段を高じるかを選択できるというようなレールを敷いてあげることが望ましいとは思うのである。

もっと的確な広報を

政府方針をしっかり読み込まずに早とちりした点は、この場を借りてお詫びしたい。

が、だったらもっと分かり易いメッセージを打ち出すべきでは無かったのか?という風には思ってしまうな。菅氏の発言は舌足らずだし、官房長官も十分な説明ができているとも思えない。広報の専門家を雇うくらいの知恵はないものか。

ともあれ、既に東京都だけで陽性判定者数が5000人を突破。重症者数も緩やかながら伸びつつある。現状では何らかの方針転換は避けられない。

願わくば、これ以上混乱無くこの状況が収まってくれれば、とは思うのだけれど。

コメント

  1.  五類とか二類とか難しいことは分かりませんが、ブログを読んでいれば誰でも気付くのは、変更すれば
    ① 外国人武漢ウイルス発症者入院激減!
    ② 日本人の自宅待機激減、入院激増!
     [理由]
     変更すれば無料治療廃止、保険適用となる。
     今現在、日本は国民が延々と払い続けてきた社会保険(or税金)で外国人を只で入院させ世界最高の武漢ウイルス治療薬してやっている。
    (その分保険料を払ってきた極めて多くの日本人発症者が治療してもらえない)
     政府は外人武漢ウイルス発症者の数字を隠しているが知事が外国人は7割とか6割と言ったとのこと。

    • これが菅首相の狙い…でしょう!
       と
      書かねばならなかったと、また、送信した後気付く。
       上手は打つ前に気付く、下手は打った後に気付く囲碁と同じだ!

    • 病床占有率のうち、外国籍の方が果たしてどれだけいるのか?という話は、去年頃は熱心に調査されていたような気がします。
      しかし、いつの頃からかそうした観点は失われてしまって、今では一部の政治家が水際対策に奔走する程度ですね。
      佐藤正久氏のブログなど読むと、悲痛な印象すら受けますが、なかなか大切な部分は解消しないようですね。

      先日、自宅待機者の死者数を把握できていないという報道があって激怒している方をお見かけしましたが、その数はさほどは多くないのでしょう。
      https://news.yahoo.co.jp/byline/otsushuichi/20210528-00239905
      こうした話もあって、比較的厳密に調査が行われていることと、超過死亡という概念である程度は概要が把握できるからです。