本日、「東京の感染者は初の3000人超え」と大騒ぎになっているが、もっとシャレれにならない事態を迎えている国がある。それがインドネシアだ。
もちろん、国内の陽性判定者数が増えたことは深刻な問題なのではあるが、問題の本質はそこではないよと言うのが、本日の記事の趣旨だ。記事は短めにしておこうかな。
インドネシア脱出の外国人1万人超す 新たに邦人特別便
2021年7月27日 7時27分
新型コロナウイルスの感染が急拡大するインドネシアから、国内に暮らす外国人の退避の動きが加速している。現地メディアは7月に入ってから1万人超が出国したと報道している。邦人を乗せる新たな特別便の運航も発表された。
「朝日新聞」より
記事は、朝日新聞からの引用で、インドネシアから外国人が脱出している!その数1万人という内容である。
インドネシアからSOS
インドネシアで感染爆発が
インドネシアの最近の情勢はこんな感じである。

昨日までのデータで、1日4万5千203人の陽性判定者が出たという風に公式データが出ているが、正直このデータが正しいとは思えない。

1日の死者は2069人となり、過去最悪の速度で増えている。
インドネシア、1日のコロナ死者2069人 過去最多
2021年7月28日 10:03 発信地
インドネシアは28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による過去24時間の死者数が2069人と、過去最多となったと発表した。同国は、新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)開始以来、最も深刻な感染急拡大に直面している。
保健省によると、死者数は前日より600人近く増え、先週記録した過去最多の1566人を上回った。新規感染者数も26日の2万8000人から4万5000人以上に急増した。
「AFP」より
正直、高速鉄道が-!とか言っている場合ではなくなってしまっている。
何が起こったのか?
経済優先の方針に方向転換したから、という風にメディアには批判されている。
インドネシアでは、3週間にわたり新型コロナ対策の活動制限が実施されていたが、今週に入り緩和され、小規模な商店や飲食屋台、一部ショッピングモールの再開が許可された。
医療専門家らは、インドやブラジルを抜いてパンデミックの震源地となっている広大な群島国インドネシアに、感染力の強い変異株「デルタ株」がまん延しており、新たな感染の波を引き起こす可能性があると警告していた。
インドネシア政府はパンデミックへの対応や、公衆衛生よりも東南アジア最大の経済を優先した政策について広く批判されてきた。
「AFP」より
しかし、正直なところ今週に入ってからの規制緩和ということと、死者数の急増は関連性はなかろうと思う。
感染拡大のインドネシア 医療用酸素 無料貸し出しも不足続く
2021年7月19日 20時01分
新型コロナウイルスの感染状況が急速に悪化しているインドネシアでは、医療用の酸素が不足し、市民が窮状を訴えています。
インドネシアでは、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株などの感染拡大が続き、19日は新規感染者が3万4257人、亡くなった人は過去最多となる1338人が確認されました。
「NHKニュース」より
早い話、医療体制が崩壊したのである。自宅療養する人のために酸素ボンベを貸し出しているというニュースをNHKは報じていたが、患者が入院できない状況になったという事を意味する。
行動制限の緩和をこの時点で選択する大統領のジョコ・ウィドド氏の判断は、狂気を孕んだもののようにも思えるが、「感染者数や病床使用率が減少」している背景に何があるのかを考えると、薄ら寒く感じる。
ワクチンは支那製
ちょっと前のニュースだが、インドネシアのワクチン接種に関してこんなニュースがあった。
感染急拡大中のインドネシアで湧き上がる「中国製ワクチン」への不信感
6/30(水) 7:02配信
東南アジアの大国インドネシアでコロナ感染が急速に拡大している。6月24日には1日の感染者数が2万人を超え、ロシアやイラン、フィリピンなどの感染拡大国を抑えて、世界一という不名誉極まりない数字となった。
~~略~~
さらに深刻なのは、ワクチン接種を優先的に受けた医師や看護師などの医療関係者350人以上がコロナに感染し、うち数10人が治療のため入院を余儀なくされていることだ。前述のように、少なくとも10人の医師が既に感染死しているという衝撃的なニュースも流れた。
これはインドネシアに無償提供された中国製ワクチンを多くの医療関係者が2021年初めから優先的に接種した結果といわれており、中国製ワクチンの安全性、信頼度を大きく揺るがせる事態ともなっている。
「yahooニュース」より
インドネシアは支那からワクチンを購入して医療関係者に優先接種を行った。ところがその医療現場で感染者が相次ぎ、死者も多数出してしまっている。

必要なワクチンの接種回数は、人口比で6.3%(7月27日段階)と低く、そのうちの多くを支那から無償提供されたワクチンに頼っている。
言葉は悪いが「ノーガード状態である」という評価も頷ける。
特別便を飛ばす日本
既に17人の在インドネシア日本人の死者がいて、日本は帰国便として飛行機を飛ばしている。
(取材考記)コロナ水際対策、待機用ホテル確保が困難に 在外邦人帰国、「五輪が壁」の不条理 佐藤達弥
2021年7月28日 16時30分
新型コロナウイルスが猛威を振るうインドネシアから日本企業の駐在社員ら52人を乗せた全日空機が14日、成田空港に到着した。この便は「特別便」と呼ばれた。入国者を1日あたり最大2千人としたり、国内航空各社に1社あたり週3400人以内と求めたりする日本政府の入国制限の枠外という扱いを受けていた。
「朝日新聞」より
日本の水際対策は、五輪開催のために随分と圧迫された状況にあって、さらに特別便を飛ばさざるを得なくなった事態を、朝日新聞は批判している。
しかし、五輪に関係なく多数の帰国者に対応することは困難であるし、特に東京都はタイミング的に医療体制が厳しくなりつつある。成田空港ではなく、別の地方の空港に帰ってくるような方法を考えた方が良いんじゃないだろうか?
さておき、インドネシアの惨状に日本政府も対応しなければならない状況を迎えたことだけは確かだ。
東京の感染者
ところで、大騒ぎしている東京だが、どんな状況なのか冷静に数字を見てみよう。

先ずは日本全体の状況で、全体的にも「陽性判定者数」が増えてきている。

東京都も昨日で過去最多の2848人で、本日は3177人であった。

一方で、東京都の死者は1人で、全国でも11人である。(注:本日は東京都で6人であったと報じられている)

東京都の入院患者数は2864人で重症患者数は82人。確かに増加傾向にあるが、現段階で逼迫していると言うことまではいっていない。
功を奏していない緊急事態宣言と人口流出
流石に、「実効性がない」ということで遅ればせながら国会でも議論があるようだ。閉会中審査なんだけどね。
国会 緊急事態宣言の実効性や五輪開催での感染対策などで論戦
2021年7月28日 5時25分
東京都内の新型コロナウイルスの感染者が過去最多となるなか、国会では28日、閉会中審査が行われ、緊急事態宣言の実効性を高めるための方策や、オリンピックの開催に伴う感染対策などについて論戦が交わされる見通しです。
国会では28日、衆議院内閣委員会で閉会中審査が開催され、河野規制改革担当大臣や西村経済再生担当大臣らが出席し、新型コロナウイルス対策などについて与野党の質疑が行われます。
「NHKニュース」より
いや、遅いよその話。1月には分かっていたことじゃないの。当時、緊急事態宣言にも一定の意味はあるとは思っていたけれど、徐々にその効果が薄れていくことは、年明けにも分かっていた話。
そして、緊急事態宣言なんて今や意味は無いんだって。
東京、2カ月連続で人口流出 6月、緊急事態宣言も影響か
2021年7月27日 18時21分
総務省が27日公表した6月の人口移動報告(外国人を含む)によると、東京都からの転出者は転入者を583人上回り、2カ月連続で人口流出を示す「転出超過」となった。東京都には6月20日まで新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されており、同省担当者は「感染拡大の影響で、東京を離れる動きが続いている」との見方を示した。
昨年6月は、東京都への転入者が転出者を1669人上回り、人口流入を示す「転入超過」だった。今年6月は、転入者数が昨年6月より184人増え2万9224人だったのに対し、転出者は2436人と大幅に増え2万9807人だった。
「東京新聞」より
既に人口流出が始まっていると報じられているが、年明けから緊急事態宣言が出ている期間の方が長かったのだから無理もない。
ワクチンの効果は認められるようだ
とはいえ、重症化率が減っていることは好材料ではある。そもそも重症化しやすい高齢者のワクチン接種率は8割を超えている。
若者の感染が増えているけれども、今後の課題はワクチン接種率を増やすことなのだろうか。
こうした中、小池知事は「第3波のピーク時と比べるとワクチン接種が加速した。重症化しやすい60代以上の割合が減っている。今後の重症者数の動向を注視していく必要があるが、第3波の時とは状況が異なると認識している」と述べました。
そのうえで「デルタ株の影響を考えると、若者や中高年の世代にどうやってワクチンを早く行き渡らせるかが重要だ」と強調しました。
「NHKニュース」より
確かに重症化率を減らす意味でワクチン接種は大切なのかもしれない。


イギリスの状況は、一時期増えていたけれども現在はピークを越えて減りつつある。死者数は若干増えてきているが、今のところその増加は緩やかだ。
こうした状況を見ていくと、やはり今やれることはワクチン接種率を高めることくらいしかないのだろうね。
インドネシアにアストラ製ワクチン100万回分…茂木外相、無償供与の方針伝える
2021/06/29 10:23
主要20か国・地域(G20)外相会合に出席するためイタリアを訪問中の茂木外相は28日午後(日本時間29日未明)、インドネシアのルトノ外相と会談し、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン約100万回分を無償で供与する方針を伝えた。両外相はミャンマー情勢を巡り、緊密に連携して対応していくことを確認した。
「讀賣新聞」より
インドネシアでのワクチン接種が進むと良いのだけれど……。賛否はあれど、今のところワクチンくらいしか有効な手段が無いのも事実。
イギリスのデータだけでは不安だという方には、台湾のデータも紹介しておこう。


ワクチンの成果と言えないのかも知れないが、ひとまず落ち着いている。

死者数もこの通り。何か、ワクチン接種で死者多数!みたいな報道が支那で行われていたようだけれど、ガセネタだったようだね。ワクチン接種が良いか悪いかという議論があることはもちろん承知している。
でも、政治的にはこれしか無いんだよね。インドネシアも何とか踏ん張って欲しい。
コメント
大変な事ではあるし、どんな理由があれ「人死に」は避けたいものではありますが。
正直、インドネシアは助ける気にならん、というのも隠しがたい本音であります。
特亜の次くらいに、事情を知るネット識者には嫌われてるじゃないでしょうか……
※とはいえ、助けておかないとめぐり巡ってこっちにも火がつく。
インドネシアとも国交がありますから、可能な限りワクチンを提供した上で、接種に関するサポートをしても良いんじゃないでしょうかね。
その事を恩に感じる国であるかは分かりませんが、その国の人命を救う義務があるのは先ずはその国の政府で、その政府にその能力が無ければ、手を差し伸べるくらいは、ね。
なかなか対応の難しい国ではありますが。
国内研究機関のプレスリリースですが
>https://www.amed.go.jp/news/release_20210525-02.html
>新型コロナウイルスに感染すると、感染を防ぐ中和抗体ばかりでなく、感染を増強させる抗体(感染増強抗体)が産生されることを発見した。
とのことで、
中国製ワクチンは不活性化ワクチンですのでウィルス自体を体内に入れて抗体を造りますが、
このとき感染増強抗体も一緒にできて可能性があるんじゃないですかね?
一方、ファイザー、モデルナはmRNAでスパイクタンパクの情報(の一部?スパイクタンパクは何種類かのタンパク質が組み合わさってできてますので)なので感染増強抗体は生産されず、感染、重症化防止ができてるんじゃないかなと思います。
最初は不活性化が不十分でウィルスばら撒いてるだけじゃないのかと疑ってましたが
自分たちでも制御できないウィルスを作っちまったようですね
ほほう、感染増強抗体ですか。
スーパースプレッダーを作り出すメカニズムが何かあるのかも知れませんね。
支那のワクチンを支那から輸入したときに、それを「使う」という気になる日本人はそれなりに多いのでしょうかね?僕はちょっとお断りですが。