国際感覚のない「ユニクロ」、ウイグル問題に問題なしと突っ張る

経済

ユニクロはどこまで突っぱねられるんだろう?

ユニクロ縫製工場は「人権に問題なし」…ウイグル問題巡り

2021/07/16 00:50

カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの岡崎健取締役は15日の決算記者会見で、新疆ウイグル自治区の人権侵害問題について、「縫製工場は第三者の監査機関に入ってもらい、人権に問題がないことを確認している」と説明した。

「讀賣新聞」より

常識的な感覚があれば、ここで頑張るべきではないという判断ができるんだろうけれど、ユニクロは既に撤退できない状況になっているのだろうね。損切りは早い段階で行うべきだと思うんだが。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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国際社会の方針

今、ウイグル問題の位置づけはどうなっているのか

さて、ちょっと人権的にはアレな思考ではあるが、ウイグル問題は既にステージが「政治」+「経済」というステージにあって、「人権」がコアな問題ではなくなっている。

どう言うことかというと、アメリカ民主党の方針が「人権尊重」であり、バイデン氏としても緩和政策をとることは出来ないところに来ている。

そして、G7でアメリカ大統領のバイデン氏がヨーロッパの首脳陣の賛同を取り付ける構図となり、「じゃあ、国際的にやっていきましょう」という方針になった。つまり、支那の「人権問題」は完全に世界に目を付けられたワケだ。その急先鋒が「ウイグル問題」なのである。

経済的な利益を考えれば、アメリカもイギリスもフランスもドイツもイタリアやカナダだって支那と取引をしたいのである。まだ、貿易相手国として旨味があるのだから。

その理由は、支那から安い製品が輸入でき、支那の巨大な市場相手に輸出できるからだ。だから後ろ髪引かれつつも、しかし、見て見ぬ振りをしている場合でも無いというのが各国の共同認識になってきている。そこで、「人権を軸に結束しよう」というのがG7の成果なのだ。あ、もう1つの軸は「環境」だけどその話は取り敢えず脇に置いておこう。

G7、人権・香港・台湾などで中国に懸念表明 コロナ調査も求める

2021年6月13日10:55 午後

主要7カ国首脳会議(G7サミット)は共同声明を発表し、中国に対して新彊ウイグル自治区での人権尊重、香港の高度の自治を求めたほか、東・南シナ海での一方的措置に反対する姿勢を示した。新型コロナウイルスの発生源についても徹底的な調査を求めた。

~~略~~

また、農業、太陽光、衣料製品など世界的なサプライチェーンでの強制労働問題を指摘。国が後ろ盾となった少数民族などへの強制労働に懸念を表明した。

「ロイター」より

一応、根拠らしい記事も引用しておく。

アメリカや欧州がこういった態度に出たのには、民主主義的な理由があるのだと思われる。かなり露骨に選挙などに介入し、各国の市場を荒らしているのもまた支那で、単純に商売をやっていればいいという相手ではなくなった。いや、本性が顕になっただけで、元々そういう性質だったのだが。

アメリカの基本方針は

さてと、アメリカの基本方針に関しては、先日触れている。

ブリンケン氏がポンペイオ氏の方針を承継する方針を示すと共に、自国の懐はできるだけ痛まないような方向に舵を切っている。

トランプ氏がビジネスを中心に国家経営を考えていたのに対して、バイデン氏(或いはその取り巻き)は、外交中心に国家経営を考えていくことにしたワケだ。

つまり、「アメリカ一人で支那と闘うわけじゃないよ」と言うことを鮮明に打ち出したのである。それに、欧州もG7にて合意した。もちろん日本も合意している。

各国の思惑それぞれに、それでも合意できるところがそこだった、ということなんだが。

ユニクロはフランスで訴えられる

で、ユニクロがフランスで市民団体に提訴される話が出てきた。当然、G7の後の話だったことは偶然ではない。

ユニクロ捜査 告発が発端 仏司法当局

2021/07/03 05:00

AFP通信など複数のフランスメディアは1日、仏司法当局が、中国の新疆ウイグル自治区での人権問題を巡り、「人道に対する罪」の隠匿の疑いで、カジュアル衣料品店「ユニクロ」の仏法人など衣料・靴4社に対する捜査を開始したと報じた。

「讀賣新聞」より

そして、発端は民間活動団体(NGO)の提訴が切っ掛けだったのだけれども、捜査の手が及んできたという話になってきている。

これがどう言うことを意味するのか?というと、ユニクロのイメージに関わってくるという事になると思う。

捜査を担当するのが検察の対テロ部門であり、流石に何を調べたらユニクロの違法性が問えるのかという事も含めて捜査が簡単に進むとは思えない。しかし、ウイグル問題では明らかに支那がクロで状況証拠としてはかなり状況が悪い。

ユニクロだけが責められているわけでは無いのだが、「ウイグル問題を追及しよう」という方向性を持っている以上、今後もこういった話は増えて行く可能性が高い。

民間活動団体(NGO)などが4月、ユニクロ仏法人のほか、カジュアル衣料「ZARA」を運営するスペインのインディテックス、米靴メーカーのスケッチャーズ、仏アパレルSMCPの4社について、少数民族ウイグル族らの強制労働によって利益を受けているなどとして、仏当局に告発していた。これを受け、検察の対テロ部門が6月末に捜査を開始したという。

「讀賣新聞」より

複数のアパレル業者が槍玉にあがっているが、ユニクロはアメリカでも問題視されているために厳しい立ち位置にいると思う。そもそも新疆綿を使わないということは、大幅なコストアップに繋がるのでユニクロとしても死活問題となるだろう。

だが、ここで突っ張ったところで世界の流れを変えることはできない。

声明はG7の価値を促進するとし、「人権や基本的自由の尊重を中国に求める」と指摘。中国に対し、新彊ウイグル自治区における人権と基本的な自由の尊重を求めた。

「ロイター」より

ウイグル問題は、既に「強制労働云々」という次元の問題ではなくなっている。

立証責任はユニクロに

問題なのは、ユニクロに対して立証責任が求められていることだ。

ユニクロを運営するファーストリテイリングは2日、「報道は認識しているが、フランス当局から捜査についての連絡はない。当局からの要請があれば、捜査には全面的に協力する」とのコメントを発表した。同社は、委託先に新疆ウイグル自治区に立地している工場はなく、人権や労働環境が適正に守られていると確認された素材だけを使っていると説明している。

「讀賣新聞」より

それを「捜査には協力しますよ」ってアホの子なのか?

ウイグル取引 米警告…綿製品など調達 「違法リスク」

2021/07/15 05:00

米国のバイデン政権は13日、中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害問題を巡り、自治区で事業を展開する企業に取引の見直しを迫る強い警告を発した。自治区は綿製品や太陽光パネル部材などの世界的な産地で、仕入れ先を抱える日本企業は対応を迫られそうだ。

「讀賣新聞」より

アメリカからも強い警告が出ている。もはや逃げ場は無さそうである。僕自身もUNIQLO製品は敬遠させて頂きたい。

苦しい言い訳

ちなみに、ユニクロは何を言っているかというと……。

同社は強制労働を巡る輸入禁止措置に違反したとして、米国で輸入を差し止められたことが判明した。岡崎氏は「シャツは米国、オーストラリア、ブラジル産のコットンを使い、中国の工場で縫製した。(米当局の)質問にも 真摯しんし に答えたが、最後の最後まで受け入れていただけなかった」と説明した。

「讀賣新聞」より

質問に答えるのではなく、証拠を出せといわれているのである。

取引をやっているのであれば、その履歴がしっかり残っているハズで、それを出せないからユニクロは苦労しているのである。

中国、ウイグル族を遠方で働かせ「同化」進める 大がかりな施策が判明

2021年3月13日

中国政府は西部・新疆で暮らすウイグル族など数十万人の少数民族を、自宅から遠く離れた場所で新たな仕事に就かせており、それが少数民族の分散につながっている――。そんな状況が、BBCが確認した、中国政府上層部に報告された研究で浮かび上がった。

中国政府は、新疆の人口構成を変えようとはしていないとしている。また、別の土地での仕事をあっせんしていることについては、人々の収入を増やし、地方の慢性的な失業と貧困を改善するためだと説明している。

「BBC」より

支那はウイグル人達を遠方で働かせるようにして、「分からなくしている」のだが、アメリカはこうした点も問題視し始めている。

もはや、アメリカは支那との取引そのものに懸念を示し始めたと言える。

こうした立場に立たされているのはユニクロだけではないから、日本企業としても他人事として笑ってはいられないだろう。

コメント

  1. >「縫製工場は第三者の監査機関に入ってもらい、人権に問題がないことを確認している」
    中国国内で共産党の監視・監督下にない第三者の監査機関が調査可能と信じているとかお話にならないですよね。
    ウイグル自治区で共産党の監視を受けずに自由にウイグル人と接触して調査したならともかくそんなことができるわけがないのは常識レベルなのにそれを無視するユニクロの経営陣には呆れますね。

    ユニクロのトップが以前日本は人権意識が遅れてるとかも言ってたけど結局人権より自社の利益が優先なんですかね?もっとも今回の行動が本当に利益になるかは木霊さんも書いてる通り怪しいですけど。

    • なかなか支那と商売をやるのが難しくなってきているというのが実情のように思います。
      産業界はジワジワと緩和を求めたいようですが、実情を考えると難しそうですよ。

      ユニクロは何処かで手仕舞いするか、停滞しっぺ返しを食らうまで粘るか。
      トヨタも日産も日本の産業は支那との関係から簡単に手が切れない状況になっているのが、かなり不安を感じますね。