ある意味羨ましいな。
7月から「社会的距離」緩和、防疫体制の急激な緩みがあってはならない
Posted June. 21, 2021 08:16, Updated June. 21, 2021 08:16
「新型コロナ」で失われた日常を取り戻すための「社会的な距離」確保の見直しが7月から施行される。政府が昨日発表した「新しい距離確保の緩和指針」によると、首都圏では来月1日から14日まで私的な集まりが6人まで認められ、15日以降は8人まで可能になる。
「東亜日報」より
日本政府は非常事態宣言を乱発する余り、一番割を食った飲食業界は瀕死で、観光業界も青息吐息である。果たして、現段階で日常に戻ってもどれだけの所が戻ってこられるのか。焼け野原になるのでは?という不安がある。
そういう意味では、韓国政府の決定は羨ましい。
1回接種で制限緩和
8人までの集会OK
どうやら、ワクチン接種の効果を期待してのオペレーションのようだ。
非首都圏は1日から直ちに8人まで集会が許容される。接種完了を巡る防疫規則も大幅に緩和され、2回目の接種から14日が過ぎた場合は、集い人数の制限を受けず、1回目の接種を受けただけでも、屋外マスクの着用義務は免除される。
「東亜日報”7月から「社会的距離」緩和、防疫体制の急激な緩みがあってはならない”」より
ん?「非首都圏」だと?
つまり、ソウルはダメって事か。
韓国の場合、首都ソウルに韓国の人口の半数が住んでいる。
首都圏の人口、史上初めて韓国全体人口の50%を突破
登録:2020-01-07 06:18 修正:2020-01-07 07:32
歴史上初めて首都圏の人口が韓国全体人口の50%を突破した。開発時代以降続いてきた首都圏への集中現象がピークに達したという指摘もある。市民団体は、政府がバランスの取れた発展を推進する強力な機構と方案を出すべきだと主張した。
~~略~~
韓国全体人口における首都圏人口の割合は、1970年に28.7%の水準だったが、1980年に35.5%、1990年に42.8%、2000年に46.3%、2010年に49.2%、2019年には50.0%で、50年間で21.3%ポイントも増えた。
「ハンギョレ」より
あ、ここでの「韓国全体人口」というのは、北朝鮮を含まない数字である。本来は、朝鮮半島全土が韓国の統治地域であって、北朝鮮は未承認の政府ということになっているのだが……、それを信じている人は余りいない。
まあ、そういう特殊事情はさておき、それでも人口が集中しすぎである。
そのため、この政策も国民の半数は対象では無いということになる。その点を踏まえた上でこのニュースを読まねばならない。
韓国の接種率は29.2%
ちなみに、韓国では予防接種が進んでいて、国民の29.2%が予防接種を受けている。
1年以上続いた距離確保に疲れた国民が息抜きできるニュースに違いない。昨日0時基準の韓国内のワクチンの1次接種者は1501万2455人、接種完了者は404万6611人。韓国国民の積極的な接種参加のおかげで、接種率は29.2%と早いテンポで上昇している。
「東亜日報”7月から「社会的距離」緩和、防疫体制の急激な緩みがあってはならない”」より
ん?
先日こんな不安を煽る記事を書いたのだが、その時の話と随分印象が違うぞ?
さて、どういう話なのかというと、こういうカラクリである。

韓国でワクチン接種を1回でも受けた方をカウントしたと言うことのようだ。2回目接種した方の数の増え方に比べて1回接種のかたの増え方が急激に変わっている様子が分かる。
文大統領、ワクチン接種目標の超過達成に「1400万人!!!」歓呼
2021.06.18 07:22
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日、新型コロナワクチンの1回目の接種者数が1400万人を超えたことを受け、「1400万人!!!」としながら喜びを表わした。
「中央日報」より
ムン君が1400万人を達成したとして大喜びしたニュースが流れていたが、これはあくまで1回接種の数字である。
未だに登校制限していた?!
さて、そんな中で驚くべき内容が。
新しい体制は、人数の制限なしに私的な集まりができるステップ1、8人まで集まることのできるステップ2、ステップ3(4人まで)、ステップ4(午後6時以降は2人まで)の4ステップに分けられる。ステップ1、2までは幼稚園と小中高校の児童生徒が全面登校し、ステップ3になっても幼稚園児と小1、2児は毎日登校が可能だ。ずさんな遠隔授業がもたらした学習欠損を意識した措置と見られる。
「東亜日報”7月から「社会的距離」緩和、防疫体制の急激な緩みがあってはならない”」より
韓国でも登校制限をやっていた時期があったのは知っていた。
韓国の学校、オンライン授業で新学期 端末貸与も
2020年3月31日 18:33
韓国政府は31日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、小中高の新学期の授業をオンラインで始めると発表した。4月9日に高校3年生と中学3年生の授業を始め、下旬からは小学校に広げる。対象となる生徒は約540万人で、パソコンやタブレット端末がない低所得の家庭には学校や国が貸与する。
「日本経済新聞」より
しかし、その後も断続的に登校制限をしていたようだ。
全国の学校に登校制限、コロナ再拡大で
2020/08/20
韓国教育庁は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、全国の学校に対して登校する児童・生徒数を制限するよう勧告した。感染が広がる首都圏の学校を中心に、地方都市でも遠隔授業の比率を高めて感染リスクを抑える考えだ。
「NNA ASIA」より
学校の登校人数制限 19日から定員の3分の2に緩和=韓国
2020.10.18 10:05
韓国で新型コロナウイルス対策として、全国の幼稚園と小中高校で実施されている登園・登校人数制限が現行の定員の3分の1以下(高校は3分の2以下)から19日以降は3分の2以下に緩和される。小学1年生は大部分の地域で毎日登校するようになる。
「聯合ニュース」より
韓国、今日から幼稚園・小学校1、2年生は毎日登校…「1学期中に他の学年へも拡大」
3/2(火) 13:30
韓国では3月2日から「新型コロナ2年目」の新学期の登校が始まる。新型コロナの国内拡散後、3度目の始業だ。昨年の「高校3年生は毎日登校」の原則に加え、今年からは幼稚園児と小学校1~2年生も毎日登園・登校する。教育当局は今学期中に登校授業をさらに拡大すると発表した。
「yahooニュース」より
ちょっと全体像が把握できないのだが、何度か一斉登校制限を実施していた模様。日本では「意味がない」ということで1度のみの一斉登校制限だった(一部地域を除いて)のだけれど、その結果はどうだったんだろうね。
マスク着用義務の免除
そして、マスクに関しても緩和される模様。
接種完了を巡る防疫規則も大幅に緩和され、2回目の接種から14日が過ぎた場合は、集い人数の制限を受けず、1回目の接種を受けただけでも、屋外マスクの着用義務は免除される。
「東亜日報”7月から「社会的距離」緩和、防疫体制の急激な緩みがあってはならない”」より
データとしては、1回目の接種だけでは寧ろ感染者が増えるというモノもあったようだが、そういった情報は加味しなかったのか。
少なくとも、予防接種を受けてもスプレッターにはなり得る。効果は100%では無いからね。
AZ製ワクチンに関する不安な報道
更に気になる報道もあった。
コロナワクチン接種後に血栓症で死亡 韓国政府が因果関係を初認定
2021.06.21 16:09
韓国で英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン接種後、血小板の減少を伴う血栓症と診断された30代の男性が死亡したことに関連し、政府がワクチン接種との因果関係を公式に認めた。政府の新型コロナウイルス予防接種対応推進団が21日発表した。
「聯合ニュース」より
この話は、なかなか個人的には衝撃的であった。
武漢ウイルスに殺されたのでは無く、ワクチンに殺されたというのだからだ。AZ製ワクチンは一定のリスクがあるという話は聞いているが、直接死亡原因になったという話は今まで余り聞かなかった。だが、調べて見ると、こんな情報も。
アストラ製ワクチン接種後の血栓316件に、死亡率は低下=EMA
2021年5月31日11:50 午前UPDATED 21日前
欧州医薬品庁(EMA)によると、欧州経済地域(EEA)で英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンを接種した成人で、血小板の減少を伴うまれな血栓が生じる事例が計316件となった。
EMAの安全性監視責任者、Georgy Genov氏が28日の会見で明らかにした。この数字には、EMAによる4月の発表以降に新たに報告された174件が含まれている。
「ロイター」より
もう1つ台湾についても心配な報道がある。
台湾地区でアストラゼネカ製ワクチン接種後に67人が死亡
2021年06月21日16:08
台湾地区中央流行疫情指揮センター(CECC)の20日の発表によると、新型コロナウイルスの新規感染者は109人、死者は11人だった。現時点で、台湾地区の感染者数は累計で1万4005人、うち1万2787人が台湾地区内で感染した症例となっている。死者は累計で549人となっている。新華社が報じた。
CECCの発表によると、今月19日の時点で、アストラゼネカ製ワクチン接種後に亡くなった人の数は67人に達した。うち、9人はすでに解剖され、1人から新型コロナウイルスが検出された。
「人民網」より
情報源が信頼できないが、フォーカス台湾と呼ばれる台湾メディアも似たような情報を報じているので、全く根拠の無い報道だとも言い切れない。
アストラ製ワクチン接種の高齢者、少なくとも9人死亡/台湾
2021/06/17 13:27
新型コロナウイルスワクチンを接種した高齢者の死亡が相次いでいる。17日正午までで少なくとも9人が死亡した。中央感染症指揮センターの指揮官を務める陳時中(ちんじちゅう)衛生福利部長(保健相)は17日、立法院(国会)で野党議員の質疑に対し、リスクよりメリットが上回るとの見解を示し、人々に接種するよう呼び掛けた。
「フォーカス台湾」より
ちょっと韓国ネタから外れてしまったので、台湾の話はここまでで留めておくが、AZ製ワクチン1回接種の状態で緩和というとやはり心配であるという結論に変わりは無い。
メディアは批判しているが……
韓国メディアは条件緩和に批判的だ。
専門家たちは、防疫緩和には基本的に同意しながらも、現在の状況で性急な決定かもしれないと懸念している。まだ高危険群の接種が終わっていないため、7月下旬までにでも防疫緩和を猶予する必要があるという。世界保健機関(WHO)が先月中旬「懸念変異」に指定したデルタ変異の様子も深刻だ。成人10人中6人が2回目の接種を終えた英国で、最近1日の感染患者数が1万人台に急増するほど、強力な危険をはらんでいる。私たちが接種率が高くなったからといって、今すぐに緊張を緩めてしまう過ちを犯してはならない理由だ。
「東亜日報”7月から「社会的距離」緩和、防疫体制の急激な緩みがあってはならない”」より
この心配は、日本においては強く支持されるのでは無いだろうか。
しかしここで注意すべきは、日本における警戒レベルと韓国における警戒レベルはかなり異なるので、日本人の感覚で「緩和」を判断すべきでは無いと思う。
それでも、2回目の接種の目処が立っていない韓国の現状を考えると、他国の事ながら少々心配にはなるよね。
一方で、韓国政府のこうしたメッセージの出し方は、日本政府にも見習うべき点があるのでは無いか。出口を明確に示すというのは、人々の生活に希望を与えるモノだからだ。学ぶべきは学ぶという姿勢はこういった時にも忘れたくは無いね。
追記
休校措置は日本では1回だけとか書いたが、事実と異なったのでここにお詫びと訂正をしたい。
一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ
2020年03月02日(月)12時48分
日本はもう終わりだ。
コロナウイルスによって終わったのではなく、終わっていたことがコロナウイルスによって明らかになったのだ。
「Newsweek」より
当時首相だった安倍氏が一斉休校を決断した時には、こんな記事を書いた人もいるほど批判されていた。
しかし、世界各国でこのやり方は真似された。「日本はロックダウンに成功した」と評価されたのである。それも、非常に緩い規制で、である。
結果からみると、一斉休校の意味があったかは疑わしい面がある。それは後に武漢ウイルスの特性が分かってから後知恵で言える話。全国的に感染拡大する未知のウイルスへの恐怖を政策1つで国民に対する強いメッセージを出した意味は大きかったのだろうと予想する。
菅義偉氏の出した2度の緊急事態宣言は成功したとは言い難いが、安倍氏の出した1度目に関しては、後から考えれば割と成功したのではないかとすら思う。
しかし……、平時においてコレは愚策だと思う。
沖縄の県立校、小中学校で休校始まる
2021年6月8日 05:20
新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、臨時休校が7日、県立学校と金武町、糸満市、八重瀬町の公立小中学校で始まった。那覇市や豊見城市などの17市町村は8日から。
~~略~~
県は3日、県内の小中学校に7~20日の臨時休校を要請した。
「琉球新報」より
それを実施してしまうほど沖縄県は追い詰められていたとも言えるが、学校だけ休校措置をやって得られるメリットに比べてデメリットのほうが遥かに大きい。

こちらの記事では、医師がデータを分析しながらその原因について言及している。
この分析のすべてが正しいとは思わないが、沖縄特有の構造的な問題について指摘している点に注目したい。
今年の3月にこうした見地があったにもかかわらず、沖縄県知事は無為無策で緊急事態宣言の要請を出した。その上で「金よこせ」だから笑ってしまう。
<社説>緊急事態宣言延長 国は躊躇せず予算投入を
2021年6月21日 05:00
新型コロナウイルス感染拡大に伴い10都道府県に発令されていた緊急事態宣言は20日で、沖縄県を除く9都道府県で解除された。一方で、人口10万人当たりの新規感染者数の全国ワーストが続く沖縄県は21日から7月11日まで、3週間の宣言延長期間に入ることとなった。
~~略~~
政府は約30兆円を前年度から繰り越しており、財源は十分にある。安全安心の確立のため、躊躇(ちゅうちょ)なく予算を投じることだ。
「琉球新報」より
首長が無能だと、こんな事態になるのか。
……国家においても同じことが言えるだろうが。
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