ネタ的に扱うけど、オーストラリアが焦っている理由はこういうところにあるんだよね。文章はちょっと短くなりそうだけど。
豪ロブスター業界が悲鳴 「過剰な中国依存」から脱却できなかったワケ
2021.6.14 06:01
中国との関係が悪化の一途をたどるオーストラリア。モリソン首相が昨年、新型コロナウイルスの感染源をめぐり独立調査を求めたことに猛反発した中国は、オーストラリア産品に高関税を課すなど次々と制裁措置を繰り出す。オーストラリアにとって中国は最大の貿易相手国。過剰に中国に依存し、輸出先の多角化に対応できていなかったロブスター業界からは悲鳴が上がる。
「SankeiBiz」より
というか、前々から分かっていた話なのに、何故未だに依存していたのかな。
チャイナ・リスク
オーストラリアのロブスターの9割は実は支那に輸出されているそうな。
南東部タスマニア島を中心とするタスマニア州からは2018~19年、輸出品の31.5%が中国に向かった。金額ベースでは約12億豪ドル(約1017億円)に上る。中でもロブスターは漁獲量の90%以上が中国向けだった。
「SankeiBiz”豪ロブスター業界が悲鳴 「過剰な中国依存」から脱却できなかったワケ”」より
もはやこんな構造になっている時点でこの業界はアウトだ。
相手が支那でなくったって、事情が変われば消費構造も変わるのである。支那のように、政治的理由である日突然「買わない」という事になることはレアケースだが、しかし、福島のように別の要因で魚介類が輸出できなくなるケースもある。リスクヘッジは考えておくべきだろう。
中国がオーストラリア産品の輸入を制限する中、ロブスターも昨年11月、中国で通関手続きが滞っていると伝えられた。その後輸入が止まった。多くの漁師が漁に出られない状態が続く。中国側はロブスターに高濃度の重金属が含まれていたと主張するが、オーストラリア側は否定する。
「SankeiBiz”豪ロブスター業界が悲鳴 「過剰な中国依存」から脱却できなかったワケ”」より
台湾もパイナップルで嫌がらせをされていたが、オーストラリアはワインに続いてロブスターもこの状況である。
豪州ワイン業界が悲鳴 「いじめっ子」中国、高関税―日本市場へ期待も
2020年12月30日09時07分
中国がオーストラリア産ワインに不当廉売があったとして最大200%超の関税を上乗せし、豪州のワイン業界が悲鳴を上げている。豪中の貿易摩擦は激化の一途をたどっており、ワインもあおりを食った形だ。最大の得意先をもはや当てにできず、日本などへの販路拡大を模索する動きも出ている。
「時事通信」より
販路を拡大って、市場が閉じてしまってから別のルートを探すという辺りがダメなんだよねぇ。
支那のやり口
ちなみに、何度かこの体質を改善しようとはしたらしい。
これまでも重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した時期などに中国以外の市場開拓を目指したことがあったが、ヒディング氏は「他国と取引しようとすると、中国はさらに高い買い取り額を提示してきた」と中国依存から脱却できなかった背景を説明する。
「SankeiBiz”豪ロブスター業界が悲鳴 「過剰な中国依存」から脱却できなかったワケ”」より
しかし、そうはならなかったようで。
こんなの完全にオーストラリアの怠慢である。
タスマニア商工会議所幹部のサリー・チャンドラー氏は「一国への輸出依存は危険」と警鐘を鳴らす。特に日本とは季節が正反対であることを生かし、農産物や魚介類の輸出拡大に活路を見いだす必要があると強調した。
「SankeiBiz”豪ロブスター業界が悲鳴 「過剰な中国依存」から脱却できなかったワケ”」より
いや、今さら頼られても。
とはいえ、品質のよいロブスターが手に入るのであれば、日本としても否応なく買うだろう。台湾のパイナップルの話もそうだが、販路拡大をもうちょっとしっかり考えるべきだったと思うよ。
もちろん、この事件は何もオーストラリアだけの問題ではない。日本だって一国に依存する体制そのものが問題だということは重々承知で、それでも支那と商売をやっている怠慢企業は結構ある。
他山の石としてしっかり考え直すべきだろう。
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