【カルデロンを思い出せ】入管難民法改正案が廃案に、自民党は一体何をしているのか

政策

メディアは挙って入管難民法に反対していたわけで、今回の政府の決断は大喜びである。夜盗(野党)は勝利宣言を出す始末である。嘆かわしい。そして、いやーな2ショットだな。

入管法改正案騒動で浮き彫りになる日本人の人権意識 スリランカ女性の死が問い掛けるもの

2021年5月18日

難民認定手続き中の外国人でも、申請回数が3回以上になったら強制送還できるようにする入管難民法改正案が与野党の激しい攻防の末、今国会での採決が見送られることになった。入管施設に収容されていたスリランカ人女性が死亡したことをきっかけに改正案への批判が高まっていた。

「時事通信」より

だが、日本にとっては間違った選択であったと僕は思う。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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入管法改正案の問題と難民問題は無関係

入管難民法改正案の中身

制度設計自体は古い

まず、今回のメインターゲットにされている入管難民法とは一体どういった法律で、改正案は一体どんなものだったのかを説明したい。

入管難民法は、簡単に言えば、日本に出入国を適切に行う事ができるように手続きを定めた法律である。ただ、入管法が作られたのは昭和26年(1951年)であり、日本が難民議定書への加入に伴って昭和57年(1982年)に改正と共に現在の名前(出入国管理及び難民認定法)に改められている。

他の法律と同様に、それなりに手が入れられている入管難民法ではあるが、世界的に見てかなり緩い感じの法律である。何処が緩いのか?というと、強制力が弱いのである。

今回の法改正案の背景と問題点

さて、今回の法改正案の要点を次に説明したい。

まず背景として、日本に入国する外国人の数が増加し、それに伴って在留する方も増加。概ね8万人程度(令和2年7月1日時点)の在留外国人が国内にいて、中には不法行為を行う方もいるわけだ。そうした方は、国外退去して貰うケースもある。ところが、この国外退去に関して強制力が薄いのが日本の問題である。場合によっては強制退去に応じない方を年単位で収容しているケースがあるようだ。

問題点(1) 送還忌避者への対応が困難

彼らの手口としては、「難民認定手続き」を繰り返し行い、その間は送還が停止されるルールを適用して日本に居座るやり方や、退去を拒むことで居座る、航空機に搭乗する際に暴れて搭乗拒否をする様に仕向けるなど、のやり方で、強制力の低い日本の法律の抜け穴を利用するのである。

問題点(2) 収容の長期化の問題が発生

もともと、不法滞在した方を強制退去するにあたり、一時的に施設に収容するルールになっているのだが、長期間収容することを前提に施設が作られていない。そのため、仮放免というルールが設けられているのだが、その期間に逃走する方も一定数(現在400人程度)いる。

彼らは、そもそも日本の法を犯している上に犯罪傾向が強く、実際に強制退去を逃れて逃走して犯罪を起こす事もあるので問題視されている。

法改正の趣旨

今回の入管法改正法案の基本的な考え方は、次の3つ。

  1. 日本への在留が認められる外国人かどうかを、適切かつ速やかに見極める。
  2. 日本への在留が認められない外国人は、速やかに日本から退去させる。  
  3. 当庁の収容施設への収容ができる限り長期化しないようにするとともに、収容施設での一層適切な処遇を実施する。

とまあ、これが入管庁が説明している改正の趣旨である。

入管法改正案について | 出入国在留管理庁

そもそも、入管庁(出入力管理庁」は、平成31年(2019年)4月1日に設立された新しい省庁で、そもそも出入国する外国人や在留外国人が余りに増えてきたために、対応を強化する目的で作られている。

水際対策の弱さは、武漢ウイルス蔓延の引き金を引いたところからも「不十分である」ことは、多くの人が理解するところだと思うのだが、法整備が不十分な面が影響しているところは否めない。

少なからず、現状に対応するためには何らかの法改正が必要なのが実情なのである。

入管法改正案Q&A | 出入国在留管理庁

Q&Aを読むと、入管庁の苦悩がよく分かるが、特にこの部分が印象に残った。

そもそも,各国の出入国在留管理制度は,これを構成する個々の制度が相互に密接に関連し,制度全体で適切に機能するよう設計されており,制度の一部のみを取り出して日本の制度と比較することは適切ではありません。

「入管庁のサイト」より

したがって、入管法の問題点は明らかで、何らかの法律改正が必須である状況だということは、まず理解して頂く必要がある。あ、僕は入管庁の回し者ではないよ。

嘘つきな時事通信

さて、時事通信の偏向報道について少し触れておきたい。

難民認定手続き中の外国人でも、申請回数が3回以上になったら強制送還できるようにする入管難民法改正案が与野党の激しい攻防の末、今国会での採決が見送られることになった。

~~略~~

だが、日本の難民政策は世界的に見ても厳しいことで知られる。たとえば2019年、難民申請を行った外国人は1万375人に上ったが、実際に認められた事例はわずか44人で、認定率は0.4%にすぎなかった。難民には認定できないものの国内滞在を認める「人道的配慮による在留許可者」もわずか37人だ(なお、2020年には申請者3936人に対して、難民認定47人、特別在留許可者が44人と認定率が大幅に改善されたが、これは新型コロナウイルスの流行にともなって外国人の入国者自体が激減したことが関係しているとみられる)。

「時事通信”入管法改正案騒動で浮き彫りになる日本人の人権意識 スリランカ女性の死が問い掛けるもの”」より

この下りは全て嘘である。今回の入管法改正に何の関係もない話を持ち出した上で、内容は極めて愚劣である。数字は嘘では無いのが問題なんだよな。

何が問題かというと、「難民認定手続きの難しさ」と「認定率0.4%」はイコールで結んで良い話ではないことと、入管法改正の話と難民認定の話は無関係なことを隠している点だ。

難民認定の話

ここで少し脱線する。

難民認定が「必要」というのは人道的知見からという文脈で語られる。しかし、何故日本に逃げてこなければならないのか?その理由は?と聞くと、実は本質的に難民認定しなければならない方々が、申請をしているとは限らないという問題がある。

つまり、いわゆる経済難民、自国にいても喰っていけないから、新たな新天地を求めて日本に来たという人が多いのである。

○ 申請者の国籍は82か国にわたり,前年の79か国から微増となっています。 主な国籍は,表3及び図3のとおりです。

このうち,上位5か国だけで申請総数の約70%,上位10か国だけで同じく 約90%を占めており,申請者の大半が特定の国籍に集中しています。

他方,昨年6月に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がプレスリリース した「グローバル・トレンズ2016」において世界で避難を余儀なくされてい る人の多い上位5か国とされている国々(シリア,コロンビア,アフガニスタン, イラク,南スーダン)からの申請者はわずか36人にとどまっており,我が国で 急増する難民認定申請の大半が,大量の難民・避難民を生じさせるような事情が ない国々からの申請者によるものとなっています。

「平成29年における難民認定者数等について」より

引用したレポートは少し古いのだが、認定率0.4%の実情がこの様な話であることを、時事通信は説明していない。

平成29年(2017年)ではトップがフィリピン、2位ベトナム、3位スリランカとなっている。

折角だから令和元年(2019年)のデータも引用しておこう。

まあ、東南アジアからの人々で占められていることがよく分かるだろう。

難民申請の理由と実態

さて、ではフィリピンなどの国が難民申請のトップになっているが、何故そうなのかについて言及している記事を発見したので紹介しておきたい。

フィリピン人が日本で難民申請する本当の理由

2018年3月26日

難民受け入れに厳しい日本で、2017年の難民認定申請は19628人となり、前年の10901人より、ほぼ2倍の8727人の増加となり、7年連続で過去最多を更新し、同7年間で申請者数は16倍となった。

~~略~~

難民として認定されたのは中東などの紛争国を中心に20人(前年から8人減)のみで、ミンダナオ島全域に戒厳令が布告されているフィリピンからは1人も認定されなかった。   フィリピン人の申請理由だが、借金をして債権者から逃げるため、犯罪者や復縁を迫った相手から脅迫されているなど『私的トラブル』が6割を占め、残る理由も反政府ゲリラなどに狙われているなど、実証の難しい理由が挙げられている。

こういった理由の申請に対して、日本の入管当局は『地域の暴力に巻き込まれる恐れがあるだけでは認定の対象にならならず、政権は充分に取り組んでいる』と言明。

「DEGIMA NEWS」より

まあ、言うべき事は無いかな。入管当局の言う「地域の暴力に巻き込まれる恐れがあるだけでは認定の対象にならならない」という、それだけで大体の事情は分かるだろう。

可哀想な人々が諸外国にいることは事実だが、日本政府はまず第一に日本人の生活を考えるべきで、難民認定基準に満たない外国にいる不幸な人まで保護する余地は無い。

もう1つの嘘、祭り上げられるスリランカ女性の死

更に脱線してしまうが、先日、名古屋の入管施設にて一人のスリランカ人女性が不幸にも死亡した。

ラスナヤケ・リヤナゲ・ウィシュマ・サンダマリというのが彼女の名前なのだが、彼女が不幸であった点について、僕は異論を唱える積もりは無い。ただ、今回問題としている入管法改正の趣旨とはモン団の根幹を異にする点で言及する必要があるだろう。

この話は実に不可解な点が多い。確かに、33歳の若さで異国の地で果てたという事実は不憫ではある。

【直球&曲球】宮嶋茂樹 しっくりせんスリランカ女性の死

2021.5.20 10:00

スリランカ人の女性が、名古屋入管の収容施設で亡くなった。報道などによれば、体調不良を訴えたにもかかわらず、ろくに治療も受けられず、半年以上収容された揚げ句、家族に看取(みと)られることもなく、独り亡くなったというのである。

「産経新聞」より

いみじくもこの不可解な点について、産経新聞は皮肉っぽい記事で指摘している。確かに「しっくりこない」のだ。

何故ならば、彼女が何故日本に入国して、どうして不法滞在をし、何故、入管施設で死亡しなければならなかったのかが説明されずに「ただ可哀想」という文脈で説明されるからだ。

報道で判明している彼女に纏わる話

分かっている事実を羅列していこう。

  • 2017年6月 留学生として来日し千葉の日本語学校に在籍する(母親が家を抵当にローンを組み、留学費用を工面したという報道あり)
  • 2019年1月 学費不払いで日本語学校の学籍を喪失、これに伴い在留資格喪失(仕送りが途絶えて、学費を滞納)
  • 2020年8月 不法残留が発覚して名古屋出入国在留管理局の収容施設に収容される
  • 2021年1月22日 庁内診療室で受診するようになる
  • 2021年1月28日 吐瀉物に血が混じるようになり外部で受診を勧められる
  • 2021年2月5日 胃カメラによる検査
  • 2021年3月4日 外部の病院の精神科で筒部CTスキャン
  • 2021年3月6日 死亡

何とも不可解な話だ。

留学ビザが得られる条件として、当面の学費が用意されていなければならないと定められている。日本語学校の学費は様々だが、調べて見ると、入学金5万円程度で、授業料60万円程度で他に保険や施設維持費などを加えて80万円弱の費用が設定されている。

にもかかわらず学費は滞納され、学籍を喪失している。

28歳か29歳で留学資格を得て来日した彼女、いつの時点で支払いが滞ったのかは不明だが2019年1月に学籍を喪失。学費未納で直ちに学籍喪失とは考えられないので、2~3ヶ月の猶予はあったと予想される。ただし、連絡が付かなくなった場合は数週間で除籍となる可能性があるようだ。

日本語学校は概ね2年以内の学習期間が設定されている。2017年6月来日ということは、7月生で1年9ヶ月間学校に在籍しただろうと予想される。そうなると2019年3月までが彼女の学習期間であったハズだ。2019年1月除籍ということは、11月か12月には連絡が付かなくなって除籍という形なんだろう。

借金をしてまで日本の日本語学校に入学させることを考えた背景に何があるのか?そして、支払えなくなった理由は?

多発する未納と消える学生

日本語学校ではそうしたケースは珍しくないようで。

「消えた留学生」問題でベトナム人青年が味わった絶望

2019.6.7

~~略~~

タン君は来日時、在留期間「1年3ヵ月」の留学ビザを得ていた。在留期限の2018年10月を前に、ビザを更新しなければならない。

日本語学校にとっては、ビザ更新は学費を徴収するチャンスとなる。“偽装留学生”は1年分の学費を一度に払う余裕がないため、たいていの学校は分納を認めている。それでも学費の滞納は後を絶たない。

そこで学校側はビザ更新時、荒技に出る。入管当局に提出するため預かったパスポートや在留カードをそのまま取り上げ、留学生が学費を支払うまで返さないのだ。

「gendai.ismedia」より

随分と日本語学校が荒稼ぎしているよと言う話を主軸とした記事で、その犠牲になった外国の若者達という切り口で記事は書かれている。

分かる事は、多くの留学生は100万円近い学費を工面することが難しい事と、これを利用した留学斡旋ブローカーが暗躍していることが、問題を助長しているという事になっている。

途中で学費が払えなくなったという報道が正しいかどうかも怪しく、亡くなった彼女が「偽留学生だった」可能性も考慮する必要があるだろう。

何処に消えるのか?といえば、低賃金で使われる労働環境へ、である。

 しかし、この原則を守っていれば留学生は増えず、政府が国策として推進している「留学生30万人計画」も達成できない。そのため近年は、原則無視で経済力のない外国人にもビザが発給されてきた。彼らを「留学生」として受け入れたうえで、低賃金の労働者として利用する目的からだ。

 そんな「30万人計画」の推進役を果たしてきたのが、名古屋入管を統括する法務省出入国在留管理庁(入管庁)である。亡くなったスリランカ人女性も、本来は留学ビザの発給対象にならない外国人であったのかもしれない。だとすれば、単に非人道的な長期収容という問題にとどまらず、入管庁が招いたより根深い悲劇といえる。

「yahooニュース」より

実際に、その様な疑いを持つ報道機関もあった。

名古屋の入管施設に収容の謎

千葉の日本語学校に通っていたにもかかわらず、名古屋の入管施設に収容されたというのが不可解なのだが、これは最近学校の施設の閉鎖が相次ぐ東京福祉大学の暗躍が疑われる。

そして、表に出てこない交際相手のスリランカ人男性なのだが、DVが発生したのはこの男性の住居だったらしく、ここでDV被害を受けていたとされている。しかし、相手はスリランカ人男性ということなのだが、これもまた不自然だ。もちろん、困窮した女性が同郷の男性を頼った可能性はあるが、スリランカ人男性で就労ビザ保有というのは、それなりに希なケースだろう。

この女性はDVに耐えきれなくなって警察に駆け込み、オーバーステイが発覚して入管にという流れらしいので、1年以上同棲していたと推測される。そして、当初は帰国を希望していたハズなのに武漢ウイルスの関係で帰国が叶わなかったとされている。

こうして事実を整理してみると、入管法そのものの問題とは別の問題が見えてくる。そもそも彼女は難民では無かった。

もう一つの疑問点は、入管庁は外部の病院で検査させた際に、初手で精神科を受診させているところだ。これは庁内の診療施設で、彼女の所見として精神疾患が起因して症状を発していると判断したからだと推測される。

衰弱して立てない状態だったと報じられているのに、何故精神科だったのか?そこに大きな齟齬を感じるのだ。

衰弱して立てない状態だったと報じられているのに、何故精神科だったのか?そこに大きな齟齬を感じるのだ。そこに入管庁の落ち度があったとしても、入管法改正とは何の関係も無いわけで。

寧ろ早期に帰国が出来ていたとしたら、彼女は助かっていた可能性すらある。

日本に滞在しようとする家族

この手のニュースの中で気になったのはこの記事だ。

ウィシュマさん遺族「真相分かるまで日本に」 法相は映像開示せず

5/18(火) 22:06

「姉のビデオを見せてほしい。最終報告書も早くいただきたい」。名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で亡くなったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の遺族らは18日、上川陽子法相と面会し、収容中の監視カメラ映像など姉の死の真相に関する情報を提供するよう、改めて訴えた。前日には名古屋入管の幹部らに面会し同様の要請を行ったが「調査中」を理由に拒否されている。妹たちは「私たちの問いへの答えはまだ得られていない。真相が分かるまで日本にいるつもりです」と話している。

「毎日新聞」より

遺族が日本に来日されているというのである。だが……、学費を賄えなかった彼女の家族は何故日本に「真相が分かるまで滞在」できるのだろうか?

この際、道路を挟んだ反対側では、入管法改正案に反対する人たちがシットインを行っていた。遺族らの存在に気がついた人たちが手を振り名前を呼ぶと、ワユミさんとポールニマさんも笑顔で手を振り返した。v

「毎日新聞”ウィシュマさん遺族「真相分かるまで日本に」 法相は映像開示せず”」より

その答えはこれだろう。活動家の皆様方が工面したお金を使っているワケだ。これも活動の一環なのだろうね。

しかし、スリランカ女性の悲劇は同情の余地があるにせよ、その遺族が日本に居座るってのはどうなんだろう。彼女たちにだって生活があるはずで、金銭的な面を除外しても日本に長期間滞在できるというのは些か不可思議だ。仕事や家庭は一体どうなっているのだろう??

彼女にとって実態が明らかになることを願ってはいるが、入管法改正を断念する話と繋がるとは思えないんだよねぇ。

カルデロンさん一家、長女のみ在留 入管提案受け入れ

2009年3月13日14時46分

一家で帰国するか長女だけを残すかの判断を迫られている埼玉県蕨市のフィリピン人一家の母カルデロン・サラさん(38)と長女のり子さん(13)らが13日、東京都港区の東京入国管理局に出頭した。代理人の弁護士によると、一家は最終的に入管側が示した提案を受け入れ、のり子さんを残して両親が4月13日に帰国することを決めたという。

「asahi.com」より

マスコミが大騒ぎしたこの問題と構図が似ているのだけれど、思い出していただけただろうか?

入管法或いは改正案の問題点

他の法律との兼ね合いでおかしな事に

そもそも、「日本語学校に通うために留学する」という制度そのものがおかしい

日本で働きたいのであれば、寧ろ祖国で勉強してから日本語やその他のスキルを手に入れて日本に来るというのが原則であろう。

ただ、諸外国で日本語を学ぶことは非常に難しいという問題もあって、死亡したスリランカ女性も満足な日本語が話せなかったとされている。日本語がまともに話せないのに、生活費を安定して稼げるほど働けるとも思えない。

日本語が話せずに来日する時点で、そこから先の未来は相当厳しいのである。

では何故かと言えば、それは外国人労働者の確保という目標とリンクしているように僕には思える。

外国人技能実習制度の歪みについてもこのブログでは過去に指摘しているが、失踪問題がクローズアップされているにも関わらず入国審査は極めて緩い。

その結果、不法残留や失踪に繋がってしまっている。今回のスリランカ女性問題の最大の焦点は、入国手続きの緩さがそもそも問題なのではないだろうか?安易に入国できなかったとしたら、日本で命を落とさずに済んだのでは?

尤も、スリランカの国情を考えると、別の原因で命を落としていたのかも知れない。スリランカでは出稼ぎが非常に多く、その不熟練労働部門に20代から30代の女性が集中しているという事情があるようだ。そうした出稼ぎ労働者の多くが武漢ウイルス蔓延を原因として帰国しているらしく、帰国後も就労手段が無く困窮しているようなのだ。帰国しても幸せになっていたかは別の話というわけだ。

人道的に新釈の余地のある話ではあるが、しかしこの事はスリランカという国の問題であって、冷たいようだがスリランカが自立できるように支援するのが本筋である。労働者と言う名の移民を受け入れるべきではない。

したがって、人道的観点から見ても、十分な資金を持たない留学生を入学させるべきではないし、労働力として期待するのは大きな間違いである。結局、国策の誤りが今回の悲劇を招いたのであって、改正案そのものの問題とは違うのである。

何故、改正案は廃案になったのか

そんな訳で、随分と話が回り道をした感じはするが、入管法改正案が「人権侵害」というのとは次元の違う話と言うことは概ね理解して頂けると思う。入国手続きそのものに欠陥がある所にこそ問題があるのだ。

入管法改正案が廃案へ、「人権侵害」と野党や国内外から批判

2021年5月18日2:28 午後UPDATED 2日前

在留外国人の収容や送還の規則を見直す入管法改正案を巡り、野党の反対や国内外の批判を受け、政府は18日、今国会での成立を断念、法案を取り下げて廃案にすることを決めた。

同法案は、難民申請をしている外国人でも強制的に母国に送還されることや、退去命令に従わない人に罰則を設けるなどの点が難民条約違反、人権侵害であるとして弁護士団体や学者など国内外から批判を浴びていた。

「ロイター」より

寧ろ人道的措置ですらある。入管の収容施設はけっして長期滞在向けの作りになってはいないのだから。

「強行すれば選挙は負ける」入管法改正、追い込まれ断念

2021年5月18日 21時25分

政府・与党が、出入国管理法改正案の今国会での成立を断念した。新型コロナウイルス対応などで菅政権の内閣支持率が下落するなか、追い込まれた末の判断だった。スリランカ女性の死亡事案の真相解明と、法案が抱える問題点という課題は残されたままだ。

「朝日新聞」より

奇しくも朝日新聞が指摘した通り、法案が廃案となった(実際には今国会での成立断念だが)ことで菅義偉政権の立場はより危うくなった。

問題先送りは何の解決にもならない。

そして、「選挙」の2文字は、そのまま二階氏の暗躍を意味する。入管法改正案について二階氏が反対したために実現しなかったのだろう。

それはとりもなおさず公明党の賛同を得られなかったことを意味する。

18日朝、自民党本部の幹事長室で、二階俊博幹事長らと向き合った森山裕国会対策委員長はこう切り出した。異論は出なかった。入管法改正案の今国会での成立断念が決まった。

「朝日新聞」より

表向きは公明党も改正案に賛成する姿勢を見せたが、人権を金科玉条の如く掲げる創価学会を支持母体とする公明党にとっては積極的に賛成が出来ない状況だろう。

つまり、ここでも公明党が邪魔をした格好になる。

繰り返すが、入管法の見直しは必須であり現時点でも大きな問題を抱えている。それを先送りにするメリットは政治家にとっては「選挙」に他ならないのだ。大方、五輪開催協力とのバーターなのだろう。国民にとっては大迷惑だけれどね。

夜盗(野党)の妄言

そして、野党のこの動きだ。

入管法改正案めぐり 野党 法相に対する不信任案も辞さない構え

2021年5月18日 11時29分

出入国管理法などの改正案をめぐり、野党側は、収容施設で死亡したスリランカ人女性の様子などを写した映像が開示されなければ、採決に応じない方針を確認しました。与党側の出方しだいでは上川法務大臣に対する不信任決議案の提出も辞さない構えです。

外国人の収容の在り方などを見直す出入国管理法などの改正案は、与野党の修正協議で内容は大筋で一致したものの、収容施設で死亡したスリランカ人女性の様子などを写した映像の開示をめぐって折り合いがつかず、野党側は、採決を阻止するため、衆議院法務委員長の解任決議案を提出しています。

「NHKニュース」より

法改正案の審議にあたって、何故かスリランカ女性の様子などを映した映像の開示を要求したのである。え?それ、国会審議に必要なの?

……人権侵害を訴えながら、故人の人権はどうでも良いようで。

「入管制度から切り離した難民保護」の新法案、野党が共同提案

2021/2/18 21:41(最終更新 2/18 23:02)

極端に低い日本の難民申請認定率や申請者の長期収容などが問題となる中、野党6党・会派は18日、難民に関する新法案を提出した。「国際基準に沿い、保護されるべき人が保護される制度の抜本改革を目指す」(立憲民主党の石橋通宏参院議員)のが法案の狙い。一方で、政府は19日にも入管法改正案を閣議決定する見込みで、これに対抗する意図もある。

「毎日新聞」より

野党は、難民保護のあり方は入国審査とは切り離してあるべきだ、というのである。難民を装った外国人をどんどん入国させようという狙いが懸念されるが、「国際基準」とは一体何なのだろうか?

これは多分難民条約のことをさしていると思われ、かなり広い定義で難民を認定する条約になっている。

難民条約第1条(注4)には、難民の定義が定められています。

難民の定義は「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」とされています。

「worldvision.jp」より

しかしこの条約には大きな欠陥がある。今や全世界で7000万人を超えた難民が存在していると言われている中で、難民が一カ国に集中する事態になるともはや国家を維持できない状況になってしまう。したがって、世界的には各国で分散して負担しましょうという事が言われている。

とはいえ、あくまで「難民受け入れ」は余裕がある国で行われる必要があり、何万人にも及ぶ難民を一気に国内に受け入れることは、受け入れられる側にとっても相当不幸な事である。

それ以上に、我が国に押しよせる「難民」とやらは、我が国の基準に照らせばその基準を満たすことが出来ない者ばかりなのである。

我が国に難民申請する人々の上位を占める国々は、難民が生じるような状況に無い国ばかりなのだから。

野党(夜盗)はこの部分を説明せずに、国民の利益を盗もうとしている。認定率の低さを指摘し、法改正に反対する。しかし、認定率が低いことが問題ならば、寧ろ法改正をして基準を甘くすべきだろう。

そういう意味での野党提出の難民保護法案は、入管法との整合性を無視した構造をしている。「切り離す」と言っているからまさにそのつもりなのだろうが、では、その難民受け入れの役割を何処が管轄すべきだというのだろうか。それが入管庁に依託されるなら、類似な内容を扱う入国管理法に謳われるべきだろう。

野党の議論は、相変わらず議論の為の議論。お題目のための空虚な話しに過ぎないのだ。正直言って、自民党がこんな重要な法律改正を放置し続けるようでは、責任政党としての資格はない。断固として議論して法案を通すべきだろう。必要があればまた別に立案すれば宜しい。

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