インドネシア、海軍増強を進める

インドネシア

ちょっとこのブログでは珍しいが、インドネシアのネタを紹介していこう。まあ、中身は日本の国防関連の話にはなるんだけどね。

Indonesia begins construction of submarine base in South China Sea

07 APRIL 2021

The Indonesian Navy (Tentara Nasional Indonesia – Angkatan Laut: TNI-AL) has held a ceremony to mark the start of construction of a submarine ‘support station’ in the South China Sea.

「Janes」より

このニュースは、インドネシアの立ち位置に関連してくるとは思うのだが。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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日本の海洋政策にも大きく関わる

潜水艦基地の建設を開始

冒頭のニュースは、インドネシアが南シナ海に潜水艦基地を作る話なのだが、実はこの流れは唐突なことではない。

インドネシア、南シナ海の海軍強化「中国に屈せず」

2020.11.27(金)

インドネシア海軍は11月23日、南シナ海南端に位置するインドネシア領ナトゥナ諸島の海軍基地に新たに海軍即応戦闘分隊の司令部を移駐させる方針を明らかにした。これは南シナ海での中国による一方的な権益拡大、既得権主張に対抗するための極めて強い姿勢を内外に示すものとして注目されている。

「JB Press」より

去年の年末にも似たような話が出ていて、その延長線上にある話だろう。

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九段線というのが、支那が主張する海上の境界線なのだが、それが第一列島線を構成する一部である事は既に説明するまでも無いだろう。

この期に及んでも「第一列島線は妄想だ」とか「サヨクの捏造だ」という方々がいる。だが、九段線の話まで妄言というのであれば、その方は理解力が余りに乏しいか、現実の理解を拒否している方だろう。

現実問題として、インドネシアはこの支那の主張によって領海を侵されている。この点に関しては、親支那の方向にたぐり寄せられているフィリピンも、反支那の位置にいる台湾も、距離を置く姿勢を貫くベトナムも、支那を恐れるマレーシアも、支那に巻き取られているブルネイも、何れの国も否定はしないだろう。「そんなことをされては困る」というのが共通認識だろうと思う。

何しろこの九段線の話には、支那において全く正当性が無いのである。

インドネシアの海洋戦略

さて、インドネシアに話を戻そう。

こうした日米の南シナ海などを巡る地域安保への積極的関与は米トランプ政権による一連の「対中強硬策」の一環ととらえられており、トランプ大統領の共和党政権からバイデン前副大統領の民主党政権への移行が確実となる中、その対中スタンスを再確認する意味合いが日米とインドネシア、ベトナムの双方にあったものとみられている。

「JB Press”インドネシア、南シナ海の海軍強化「中国に屈せず」”」より

アメリカが対支那強硬姿勢を見せていて、それは政権が変わっても基本スタンスは変えられてはいない。ただし、バイデン氏自身は親支那という事もあって、状況は今後悪化していく可能性が高い。

だからこそ、今のうちに既成事実を作りたいという意向はあるのだろう。

A foundation stone for the facility was ceremonially laid down on 5 April by the service’s chief, Admiral Yudo Margono, on Pulau Natuna Besar, the biggest of the Natuna Islands cluster, which is located near the disputed maritime region. The facility is located along the Lampa Strait and will come under the command of the TNI-AL’s Armada I once it is completed.

「Janes”Indonesia begins construction of submarine base in South China Sea”」より

場所はコチラ。

やはり南シナ海への影響力を強くしたいという意向が高いようで、場所的には少々トラブルになりかねないような位置のようだが。

とにかく海洋基地を整備して、直ぐに対応出来るようにしたいという意向が強いようだね。

インドネシアの潜水艦は「アレ」

ただ、インドネシアの潜水艦は某国のアレだ。

インドネシア 初の国産潜水艦「アルゴロ」の引き渡し式典を実施

2021.03.22

インドネシア海軍は2021年3月17日(水)、同国第2の都市スラバヤにある国営PAL造船所において、新造潜水艦「アルゴロ」の引渡式典が行われたことを発表しました。

「アルゴロ」は、韓国のチャンボゴ(張保皐)級潜水艦が原型である、インドネシアのナーガパーサ級潜水艦の3番艦です。もともとチャンボゴ級は、ドイツが開発した輸出用の209型潜水艦を韓国の大宇造船海洋がライセンス生産したもので、その技術をインドネシアに再輸出する形を採っています。

「乗り物ニュース」より

記事にも言及されているが、ナーガパーサ級潜水艦は今年の3月に3隻目が海軍に引き渡されていて、これの原型になったのは209型潜水艦である。そう、ドイツ製ではあるが韓国からの潜水艦なんだよねぇ……。

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209型潜水艦はベストセラーと言える潜水艦なのだけれど、韓国が絡むとろくなことにならない。

インドネシアは更に潜水艦を増やそうとしていて、しかし、韓国とはトラブルを抱えているようだ。日本の「おやしお級」を買おうぜ!……半分くらいは冗談だが。

日本から艦艇輸出の可能性

さて、ここで日本のおやしお級の話に触れたのは、こんなニュースがあったからだ。

日本、インドネシアに艦艇輸出 2プラス2協定署名 中国をけん制

2021/3/31

日本とインドネシア両政府は30日、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を東京都内で開き、日本からの艦艇などの輸出に向けた「防衛装備品・技術移転協定」に署名した。安全保障分野での連携強化を図ることで、海洋進出を加速する中国をけん制する狙いがある。

両国の2プラス2は2015年12月以来2回目。協議には茂木敏充外相と岸信夫防衛相、ルトノ外相とプラボウォ国防相が出席した。菅義偉首相はこれに先立ち、ルトノ、プラボウォ両氏と会談し、海警法施行を含む中国の動向に深刻な懸念を表明した。

同協定の締結は米国、英国、フィリピン、マレーシアなどに続き10カ国目。茂木氏は協議後の共同記者発表で協定について「両国の安保協力拡大の基盤となり、地域の脅威に共同対処する象徴になる」と強調。インドネシアは海軍の能力向上に意欲を示しており、日本は艦艇や航空機の輸出などを検討する。

「毎日新聞」より

そう、日本が艦船を輸出できるような体制を構築しようとしているのである。日本が作るとどうしてもお高いモノになってしまう傾向にあるが、最終的にはコストを抑える事ができるぞ?良いものは長く使ってくれ。

さておき、日本がこうしたオプションを示す事ができるようになった事が、何より重要である。

日インドネシア、防衛装備品協定を締結 2プラス2会合

2021年3月30日 21時37分

日本とインドネシアの外務・防衛閣僚会合(2プラス2)が30日、東京都内で開かれた。両政府は「防衛装備品・技術移転協定」に署名し、即日発効した。中国の強引な海洋進出を念頭に、安全保障面の連携を強化することでも一致した。南シナ海での自衛隊とインドネシア軍の共同訓練など防衛協力を深める方針だ。

「朝日新聞」より

そして、ACSA:防衛装備品協定の締結にも至ったとのことで。いや、逆なんだけどね、艦船輸出はACSA締結が前提で、インドネシアの艦船が損耗した場合に、速やかに補充が出来る態勢を整えることこそが大切である。

日本のシーレーンに関わる

さて、インドネシアは南シナ海において支那と対立する構図になっている。

こんな感じで各国の主張に歩み寄りを即すことはなかなか難しい側面があるのは事実だ、

ただ、インドネシアの領海・EEZを通過するのと、支那の領海を通過するのでは明らかに影響力や安全性が違う。

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支那の人工島に軍事基地が多数出来てしまっているが、この状況で日本の船がシーレーンを通過することは危なくって仕方が無い。そして、こうした背景に案外影響しているのが、安倍氏が提唱したセキュリティ・ダイヤモンド構想なんだよね。コレがあるからこそインドネシアも日本側に寄ろうという気になる。高速鉄道とか揉めている分野もあるんだけどね。

ともあれ、日本は戦略的に話を進めていかねばならない。

コメント

  1. 木霊さん、今晩は。

    インドネシアは支那と南シナ海んで争ってますが、高速鉄道では日本に酷い仕打ちで支那と協力した裏切りの過去があります。
    また、支那・ロシアからも兵器を調達してますんで、一筋縄ではいかぬ油断ならぬASEANの一国ですね。

    世界最大の島嶼を抱えて人口も世界第4位なのに、陸空海軍いずれの兵装は旧型・貧弱なのが弱点でしょう。
    中でも海軍はマトモな水上戦闘艦はありませんから、支那が大規模艦隊で攻めてきたらイチコロの可能性もありますね。

    菅首相がインドネシアを訪問したのは、ASEANで西側に付く下工作(アメリカに指示された)のかもです。

    ただ、海自の護衛艦輸出には慎重であるべきでしょう。
    ギリギリでほぼすべてが退役した「はつゆき型」を延命改修して、有償許与するくらいで十分じゃないかな。
    潜水艦は南朝鮮製の魔改造で使えるかどうか怪しい、張保皐級の様子見でいいんじゃないでしょうか。

    • インドネシアは曲者ですよねぇ。
      ただ、群島が集まった集合国家ですから、色々な考えの人が集まって、「上手いこと利用してやろう」という思想の人が多いのかも?ですね。
      分かりやすいと言えば分かりやすいのですが、平気で裏切るような国家に甘い顔をするのは良好な手とは言えないでしょう。
      上手いこと付き合うしかありませんな。