台湾有事に備えて台湾側が長距離ミサイルの生産開始

台湾

長距離ミサイル、か。戦略的には正しいのだろうけれど。

台湾、長距離ミサイルの大量生産開始

2021年3月25日5:00 午後

台湾当局は25日、1種類の長距離ミサイルの大量生産を開始したことを明らかにした。これとは別に3種類の長距離ミサイルを開発していることも認めた。

「ロイター」より

えーと、台湾の長距離攻撃能力としてミサイルが配備されている話は聞かないのだけれど、何持ってたっけ?

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ミサイル防衛は必須

台湾保有のミサイル

さて、調べてみると、どうやら幾つか持っているらしいことが分かった。いや、当然持っていないとおかしいのだけれど。

  • 雄風I型 : 対艦ミサイル 射程40km
  • 雄風II型 : 対艦ミサイル 射程160km
  • 雄風IIE型 : 対地巡航ミサイル 射程600km、1500km、2000km
  • 雄風III型 : 対艦ミサイル 射程150km以上

基本的には対艦ミサイルを順調に開発しており、対地巡航ミサイルも保有しているようだ。2011年から配備されていて、その射程に関しては明確にはされていない模様。

性能もハッキリはしないのだが、今回は雄風IIE型の延長線上にあるミサイルである模様。開発は何れも国家中山科学研究院が行っていて、継続的にミサイルの開発をしてアップグレードされているようだ。

同研究院の幹部も立法院で、1種類の陸上発射型長距離ミサイルがすでに生産段階に入ったと発言。これとは別に3種類の長距離ミサイルを開発中だと述べた。ミサイルの飛行距離は明らかにしなかった。

同研究所は台湾の兵器開発で中心的な役割を担っており、ここ数カ月、南東部の海岸で一連のミサイル実験を実施している。

「ロイター”台湾、長距離ミサイルの大量生産開始”」より

ただ、ソレとは別にアメリカからもミサイルを買うというような話もあったな。

米が沿岸防衛巡航ミサイル売却へ、総統府は「戦略と防衛のニーズ満たす」と感謝

2020/10/27

米国政府が26日(米東部時間)、「沿岸防衛巡航ミサイル(CDCM)」を台湾に売却する計画を議会に通知した。総統府の張惇涵報道官は、「先週の兵器3種類の売却計画通知に続くもので、米国が再び我が国に重要な防御兵器を供与することになる。政府は改めて心からの謝意を表する」としている。

張報道官によると、これは米国政府が「台湾関係法」に基づき、「台湾への六つの保証」における安全保障の約束を具体的な行動で履行するもの。また、台湾の自衛能力強化に対する支援を米国政府がいかに重視しているかを示すものでもある。

「TaiwanToday」より

トマホークとか買うのかな?とか思っていたが、現在保有しているミサイルと同じ様な性能というわけではないと思う。別のプランで必要だから買うのだろうね。

巡視船の強化

そう言えば、台湾では塩害警備隊が新しい船を導入していた気がする。

台湾 双胴式600トン級巡視船「安平」就役 軍用ミサイル艇ベースで高速なのが特徴

2020.12.17

台湾において2020年12月11日(金)、海巡署(台湾沿岸警備隊)向けの新型巡視船「安平」が就役しました。

同船は、台湾が自主建造した600トン級巡視船の1番艦で、設計にあたり、先行して建造された台湾(中華民国)海軍向けの高速ミサイル・コルベット「沱江」の技術が参考にされています。

「乗り物ニュース」より

もちろん巡視船ではあるが、ミサイルコルベットの技術が使われているというニュースで、意外に思った。

だが、よくよく考えて見ると、台湾は有事を前提にしっかりと台湾沿岸警備隊を配備している。モデルになったのが沱江級コルベットであると書かれているが、似ていると言えば似ているのかもしれない。

台湾海峡を縦横無尽に移動するために高速艇が配備される傾向にあるようだが、数で勝る支那人民解放軍が出てくると、結構苦しい展開が予想される。

米中のミサイル駆逐艦、台湾沖で同時刻に航行…中国海軍の活動強化か

2021/03/12 23:02

台湾の中央通信によると、台湾南東沖の太平洋上で11日、米中両軍のミサイル駆逐艦各1隻が、同時刻に同海域を航行した。台湾を巡る米中の対立が激しさを増す中、急速に戦力を増強する中国海軍が、台湾東岸側の西太平洋での活動も強化している可能性がある。

「讀賣新聞」より

台湾、空軍機の緊急発進を縮小 中国機侵入で

2021年3月29日5:33 午後

台湾国防部(国防省)は29日、中国軍機が台湾の防空識別圏への侵入を繰り返している問題について、毎回、台湾側の空軍機を緊急発進(スクランブル)させる措置を中止したことを明らかにした。

貴重な時間と資源の無駄を減らすためとしている。代わりに陸上のミサイル部隊が中国軍機を追跡しているという。

~~略~~

その後、さらに方針を展開し、現在は「主に陸上のミサイル部隊を活用して(中国軍機を)追跡している」という。

「ロイター」より

実際にチョコチョコ挑発もあるからね。

支那の戦闘機が挑発に来るなら、当然ながらこれを撃ち落とす装備も必要なのだが、発射する基地を狙う必要性がある。そういう意味でも、ミサイル配備は必須という事になるのだろう。

日本も見習って欲しい。

追記

コメント頂いたが、台湾がアメリカから購入する予定のミサイルは、ハープーンのようだ。

米、台湾にハープーン沿岸防衛システム100基売却へ 2500億円

2020年10月27日 8:22

米政府は26日、対艦巡航ミサイル「ハープーン(Harpoon)」を搭載した沿岸防衛システム100基を、24億ドル(約2500億円)で台湾に売却することを承認したと発表した。先週発表された10億ドル(約1000億円)のミサイル売却に続き、中国の反発は必至だ。

「AFP」より

巡航ミサイルというチョイスは、妥当と言えば妥当だろう。

  • ハープーン沿岸防衛システム 100基
  • RGM-84L-4ハープーンブロックII地上発射型ミサイル 400基

型式は「RGM-84」というと艦船に搭載するタイプのハズだが、ブロックIIは沿岸水対艦機能を持たせたラインナップがあったと記憶している。地上から打てるタイプのハープーンはデンマーク海軍と韓国陸軍が運用している模様。

調べて見ると、もともとハープーンは台湾に売却される話があって1990年代には300発以上のハープーンが中華民国軍に売却されている。RGM-84Lは中間飛翔制御に衛星航法システムを追加して命中精度を向上させ、艦艇だけでなく対地攻撃も可能となっているタイプだ。

既に潜水艦配備型のハープーンも保有していることから、今回、アメリカから購入するという話になったのは、追加で購入するという程度の認識で良いのかな。

と、ここまで書いてふと考えたのだが、アメリカが台湾に提供する最新のミサイル兵器の意味は、台湾はアメリカと共同軍事作戦をとるという事を決めているという意味になるのだろう。巡航ミサイル「雄風」を多数保有していても、いざ闘いが始まってしまえば直ぐに弾薬は枯渇する事になる。

そこでアメリカの沿岸防衛システムを保有していることで、弾薬の供給をアメリカから受けられるという態勢になるワケである。台湾にとって、アメリカと共同作戦をすることはデメリットももちろんある。韓国はアメリカ頼みになるのは危険として、国産兵器の開発を散々やってオモシロい事になっているのだが、それでもやらざるを得ないという判断をしている。何故なら、アメリカから供給を受けられないと戦力が大幅にダウンしてしまうからだ。

ただ、台湾にとって状況は形振りを構っていられないほど悪化している。アメリカと手を組まないのであれば、将来的に支那に吸収合併されてしまうことはもはや避けられないのである。

コメント

  1. 台湾が購入する「沿岸防衛巡航ミサイル」とはハープーンのことのようですね。
    https://www.afpbb.com/articles/-/3312087

     射程はそれほど長くないので、雄風の性能に満足していないのか、数を揃えるためか、あるいは製造者のボーイング社救済のためかもしれません。

    • 情報ありがとうございます。
      そうですか、ハープーンですか。
      追記させて頂きましたが、狙いはどちらかというとアメリカ軍と組む前提で選んだと言うことなんでしょうね。

  2. 日本と密接した興味深い記事のUPありがとうございます。

    台湾は既に首都北京や三峡ダム(ダム破壊は国際法では攻撃ご法度かな)を射程にした巡航ミサイルを所有してたはず。

    今回の発表は能力をUPさせた更新型・新規格のミサイル開発に力を入れているという事で、アメリカも技術的支援も積極的に担うのでしょうかね。
    支那本土に近い台湾はアメリカ版MDでは守れませんので、防御はアイアンドーム化にして強力な報復攻撃網を構築する必要があると考えます。

    >日本も見習って欲しい。

    自衛隊も超高速滑空弾・高速中距離巡航ミサイルを研究開発中らしいですが、よりスピードUPしていち早く実戦運用にこぎ着けて欲しいもんです。
    バージョンにより陸自・空自・海自で運用できる仕様にし、少なくとも北京を射程に捉える高速中距離巡航ミサイルは必須でしょう。
    1000kmで北京・上海は射程内ですが、やはりロシアの南部基地まで考慮すると3000km位は欲しいですね。

    • 台湾が支那と戦う上ではミサイルは必須だと思いますよ。
      性能の高いミサイルを備えた上で作戦を行わないと、直ぐに押し込まれるのでしょう。

      台湾有事は日本有事、という事になりますから、台湾のこの選択は応援したら良いと思いますし、日本も応援できる、そして当事者として対峙する覚悟を持つべきでしょう。