護衛艦「はぐろ」と潜水艦「とうりゅう」就役

防衛政策

ちょっと、体調が優れないので本日は韓国系の話題は避けておきたい。

そんな訳で、最近就役したイージス艦「はぐろ」の話でも紹介しておこう。

8隻目のイージス艦「はぐろ」就役 海自佐世保基地に配備

2021/3/19 14:51(最終更新 3/19 14:59)

弾道ミサイル防衛(BMD)の能力を持つ海上自衛隊のイージス艦「はぐろ」(基準排水量8200トン)が19日、就役した。海自のBMD対応艦としては8隻目で、2013年策定の防衛計画の大綱で打ち出されたイージス艦の態勢が整った。

「毎日新聞」より

日本の場合は憲法の関係で駆逐艦という表現はされないため、何でもかんでも護衛艦である。「はぐろ」はまや型の2番艦で、分類的にはミサイル駆逐艦という辺りに分類されるようだ。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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新装備が増えた?

8隻態勢

さて、記事にも書かれているが、日本の防衛計画の大綱で打ち出された8隻体制が漸く整うに至ったワケだが、しかしそれにしたって2013年の防衛計画(26中期防)である。

凄まじい勢いで変革しつつある世界情勢に、到底対応出来ないのが日本の自衛隊の状況であるわけだが、2013年といえば第2次安倍政権が発足した翌年で、その防衛大綱にも安倍政権の意向が組み込まれていたと判断して良いだろう。

既にこの時に支那の膨張は目に余る状況にあったわけだが、その当時は「北朝鮮のミサイルに対応する」というような建前で語られていた。そのためなのかまや型護衛艦は高い防空能力を有している。

折角なので、安倍政権発足直後に破棄された23中期防との主要装備調達計画の違いを表にしておこう。あ、折角だから17中期防(見直し後)も載せておく。

中期防衛計画17中期防23中期防26中期防
<陸上自衛隊>   
戦車49両68両44両
火砲(迫撃砲を除く)38両32両31両
装甲車96両75両24両
機動戦闘車99両
水陸両用車52両
ティルトローター機17機
戦闘ヘリ(AH-64D)4機3機
輸送ヘリ(CH-47J)9機5機6機
地対艦誘導弾18両9個中隊
中距離地対空誘導弾7個中隊4個中隊5個中隊
<海上自衛隊>   
護衛艦のTMD対応改造3隻
護衛艦5隻3隻5隻
(イージス艦2隻)
潜水艦4隻5隻5隻
その他8隻5隻5隻
固定翼哨戒機(P-1)4機10機23機
哨戒ヘリ(SH-60K)17機26機23機
掃海・輸送ヘリ(MCH-101)3機5機
多用途ヘリ(艦載型)9機
イージスシステム護衛艦の能力向上2隻
<航空自衛隊>   
新戦闘機(F-35A)12機28機
戦闘機(F-15)近代化改修48機16機26機
戦闘機(F-2)18機
新空中給油・輸送機(KC-46A)1機3機
輸送ヘリコプター3機
新輸送機(C-2)10機10機
新早期警戒(管制)機(E-2D)4機
地対空誘導弾ペトリオットの能力向上2個群1個高射隊2個群及び教育所要
<共通>   
滞空型無人機3機

主要装備しか比較していないが、26中期防で何に力を入れる方針に方針転換したのかは、見れば何となく分かる。全体的に戦力強化を図っているが、海の方の警戒に力を割いている様に読み取れると思う。

実際にその様に報道しているところもあるね。

海自イージス艦「はぐろ」就役、めざした8隻体制が整う

2021年3月19日 16時18分

海上自衛隊の8隻目のイージス艦「はぐろ」が19日に就役した。これで政府が目指してきたイージス艦8隻体制が整うことになる。北朝鮮の弾道ミサイルへの警戒のほか、中国軍を警戒する役割も期待されている。

「朝日新聞」より

ただまあ、支那に対処するには、警戒を強める事になっても、防御するところにまでは漕ぎ着けられてはいない状況である。アメリカ軍が来るまで耐えるスタンスはあまり変わっていないようだね。

迎撃ミサイル「SM-3 block2A」を搭載予定

「はぐろ」は、というよりまや型護衛艦は、SM-3 block2Aの搭載が可能となっている。これによって高高度のミサイル迎撃が可能になっているが、ちょっと前にこんなニュースが報じられていた。

米、ICBM迎撃に初成功 日本と共同開発ミサイルで―海上からも可能に

2020年11月18日10時33分

米国防総省ミサイル防衛局は17日、日本と米国が共同開発したイージス艦搭載迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」による大陸間弾道ミサイル(ICBM)迎撃に成功したと発表した。SM3ブロック2AでのICBM迎撃実験は初めて。

「時事通信」より

SM3ブロック2Aは米防衛大手レイセオンと三菱重工業が共同開発した兵器だけに、それなりに期待できるニュースだと感じだけれども、日本の護衛艦でこれを発射できるのはまや型の2隻だけである。順次改修される予定であるようだが。

とはいえ、ソレだけでは「足りない」と言う話があって、イージス・アショアの計画があったのだけれど、イージス・アショア計画は断念することに。

個人的には今でもイージス・アショアは配備すべきだとは思っているのだが、なかなかそうはいかないのだろうね。

新塗装?

そうそう、ちょっと興味深いニュースがあった。

海自初、実戦を想定した”戦船塗装”の最新鋭イージス艦「はぐろ 」が就役

3/25(木) 6:10配信

3月19日、海上自衛隊の最新鋭イージス艦はぐろが就役した。

~~略~~

「昨年辺りから、整備のためにドッグ入りする護衛艦にロービジビリティ(低視認塗装)への変化が現れ始め、補給艦、練習艦にも波及しています。そして、新造護衛艦でこの塗装がなされたのは、はぐろが初めてです」

低視認塗装とはすなわち、実戦を想定した”戦船(いくさぶね)”仕様だ。

同型の1番艦・まやと比較すると、大きな変化がある。まやの甲板上には、艦番号『79』がはっきりとペイントされているが、はぐろに艦番号『80』はない。その理由とは?

「車のナンバーも読み取れるとされる偵察衛星は、艦番号は余裕で判別できます。今、中国は偵察衛星を多数運用しており、艦艇の特定はもちろん、追跡も可能。甲板の艦番号を消したのは、当然、中国に対する防衛策です」(柿谷氏)

「yahooニュース」より

……?低視認塗装って、軍用の装備はどれもそうじゃないの?と思っていたのだが、どうやら少し工夫したよと言うレベルの話らしい。「戦船仕様」という言葉が使いたかっただけじゃないのか?柿谷って誰よ、と思ったら、柿谷哲也というフォトジャーナリストらしい。

うーん、なんとなく文字は見にくくなった気がする。その他にも何やら蘊蓄を垂れているが、柿谷氏の情報はあまり信用しない方が良いかも知れない。確かに最近の護衛艦はステルス性を考慮した作りになっているらしいから、何らかの工夫はあるのかも知れないが、低視認塗装に関してはこの人しか突っ込んでいないようだ。

そうりゅう型潜水艦12番艦「とうりゅう」

さて、もう一つ朗報がある。

海自 最新潜水艦「とうりゅう」就役 川崎重工神戸にて引渡し 横須賀へ配備

2021.03.24

防衛省は2021年3月24日(水)、川崎重工業株式会社 神戸工場(神戸市中央区)にて、潜水艦「とうりゅう」の引渡式および自衛艦旗授与式を実施しました。

「乗り物ニュース」より

潜水艦「とうりゅう」である。

そうりゅう型潜水艦の12番艦で、11番艦の「おうりゅう」と同じくリチウムイオン蓄電池搭載型の世界でも他に例を見ない駆動方式の潜水艦である。まあ、電池で動いているという括りで考えれば、燃料電池を採用した212型潜水艦などの仲間と言えなくはないと思う。ただ、212型は固体高分子型燃料電池を採用していて、固体高電子分子膜の扱いが少々やっかいらしく、212型の普及版214型潜水艦で韓国は手を焼いていた模様(現在は偽十滴に解消したと発表している)。なお、日本も燃料電池の研究はやっていたようだが、水素吸蔵合金の性能的な問題で採用は見送られた。

リチウムイオン蓄電池搭載型の潜水艦は、高コストではあるが持続的に効率放電を維持できる特性がある為に水中での速力性能が大幅に向上することが見込めるとしている。全固体電池がモノになれば、そのうち置き換わっていく可能性はあるな。

建造が始まったとされるたいげい型潜水艦も同様にリチウムイオン蓄電池搭載型になることが予定されているらしいね。

もっと防衛予算を

というわけで新装備品を紹介したわけだが、もう一隻、掃海艦「えたじま」も就役している。

最新鋭掃海艦「えたじま」が就役――海自最大のFRP船

3/16(火) 11:00

海上自衛隊の最新鋭掃海艦「えたじま」が3月16日、就役した。ジャパン・マリンユナイテッド横浜事業所鶴見工場で同日、引き渡し式と自衛艦旗授与式があった。掃海艦の就役は2018年3月の「ひらど」以来、3年ぶりとなる。海上自衛隊呉基地の第3掃海隊に配備される。えたじまは、高性能化した機雷の除去などの任務に当たるが、特に潜水艦を狙う深深度機雷を排除する能力に優れる。

「yahooニュース」より

あまり知られていないが、海上自衛隊は世界屈指の掃海能力を持っている。皮肉なことにコレは大東亜戦争の時代から脈々と受け継がれ、朝鮮戦争時代に駆り出されて磨かれた技術である。

当時は木造船だったらしいが、最近はFRP製らしいね。

前線で戦う船では無いが、非常に重要な任務を任される。そして、リスクも高い。何しろ、海上にばらまかれる機雷を除去する作業をするのだから。

えたじまは、広範囲にわたる深度の機雷探知を可能にする深深度掃海装置1式を備える。海面上を漂流する機雷を昼夜を問わず遠距離から探知できる光学式監視装置(レーザー・レーダー)一式も搭載している。浮上した機雷を処理するための20ミリ機関砲1基も備える。

えたじまは、対機雷装備として、使い捨ての機雷処分具となる三井E&S造船製の自走式機雷処分用弾薬(EMD)、日立製作所製の新型可変深度式探知ソナー(VDS)システムのOQQ-10、米ウッズホール海洋研究所製の自律型無人潜水機(AUV)のリーマス600など多くの新装備を搭載している。えたじまは内外の技術の結晶ともいえる。

「yahooニュース”最新鋭掃海艦「えたじま」が就役――海自最大のFRP船”」より

少ない予算で開発された最新鋭の装備を備えているものの、やはり日本の自衛隊の装備は、その置かれた環境を考えると十分とは言い難い状況にある。

次々と新しい装備品が導入されて「軍靴の足音がー!」とか言い始める人がいるかも知れない。ただ、悲しいかなこれらの装備品は、数年前の状況を踏まえて計画通りに導入された装備品に過ぎない。タイミングが重なっただけの話で、装備品が増えたというレベルではない。

軍靴の音なら、隣国から大音量で響いていて、ソレが聞こえないのは難聴なんじゃないかな。台湾は臨戦態勢で、その地政学的な位置は完全に日本のチョークポイントでもある。台湾有事は日本有事なのである。幸か不幸か台湾とは一蓮托生なんだ。

更に言えば朝鮮半島は戦争中だし、両方ともレッドチームだ。そもそもその親分であるロシアも支那も超危険国家である。ロシアは他国を侵略する常習犯だし、支那は今も膨張をし続けている人権無視国家である。

そろそろ見直すべきじゃないのかな?まずは、GDP1%枠という馬鹿げた自主規制を。せめて2%を確保するか、軍事装備品開発に関してもっと広く民間から参加を募ることの出来る、或いは軍事研究を大学機関が可能とする状況を作るべきなんじゃないかな。

そして憲法について考え直せよ。自衛隊法も、海上保安庁法ももはや現状に対応できない。その元凶たる憲法は見直すべきだ。

こういうことをブログに書くから「ウヨク」扱いされる訳だが、リアリストなら防衛力の在り方の見直しは必須だという事が分かるハズなんだけどね。

コメント

  1. 木霊さん、おはようございます。

    最新鋭艦2隻就役のニュースは嬉しいですね。
    ただご指摘の様に覇権を目指す支那の急速な軍備拡張に比べると、量的に益々格差が広がるばかりです。
    やっと8護衛艦隊+イージス艦8隻体制=32隻が整ったばかりですが、DDH×4隻・DDG×8隻・DD×20隻そして潜水艦22隻体制(+練習艦2隻)では、対支那有事でその半数を侵略抑止に使うにしても脆弱過ぎます。
    とはいえ、イージス艦なら約300人・最新汎用艦(DDあさひ型)でも230人の要員が必要なんで、単純にDDG・DD型を増やせば解決する問題でもないと懸念します。

    となれば、装備の精鋭化で対応するしかないでしょう。
    DD型はたかなみ型からVLS×32基搭載なんですが、船歴20年を超えてきたむらさめ型9隻(VLS×16基)の更新を早く始めないといけません。
    単純にVLSを32セルとすれば150発のミサイル能力を持ちますし、搭載するミサイルには敵地攻撃能力を持たせた新型超高速巡航ミサイルを搭載すべきでしょう。

    また、たいげい型BlockⅡには是非ともVLS搭載を期待しますね。
    アメリカ海軍の改オハイオ型は22基のVLSから150発のトマホーク発射可能らしいですから、たいげい型もVLS×8基でいいから40~50発の敵地攻撃できるミサイルとして欲しいもんです。

    アメリカもインド太平洋において戦力逆転の危惧を正式に発信し始めましたね。(まあ軍事産業支援の側面もあるのでしょうけど)

    >軍靴の音なら、隣国から大音量で響いていて、ソレが聞こえないのは難聴なんじゃないかな。台湾は臨戦態勢で、その地政学的な位置は完全に日本のチョークポイントでもある。台湾有事は日本有事なのである。幸か不幸か台湾とは一蓮托生なんだ。

    支那がA2ADでアメリカ軍を寄せ付けない戦略を基本に、東シナ海侵略&南シナ海防御を狙っている訳で、日本も逆手を取ってA2ADで対抗すればいい。

    台湾侵攻という最悪のシナリオにアメリカが断固対抗するかは判りませんが、もはや尖閣の軍事要塞化が必要じゃないかと思っています。
    防御という意味で自衛隊駐留は莫大な予算がかかるので、「僕は獲らせて獲り返す」論者でしたが、今や防衛&報復第一波の先鋒となる地勢的優先を考えると尖閣以外にないと考える様になりました。

    イージス艦1隻が約1700億円ですから、アメリカ海兵隊駐留を含めて大隊規模(約600人)の地対艦(12式)・地対空(PAC-2/3)・地対地(アメリカ開発中の新型ミサイル)・基地防衛部隊を駐留させ、インフラ整備に別予算を投入し尖閣を不沈空母化するのも一手かと思いますね。
    反対勢力を一掃してでも菅内閣でやるべき案件ですよ。

    • 32セルで150発とはどういう計算?
      全てESSMだとしても1セル4発ですけど、、

  2. おっしゃる通り!
    >>憲法について考え直せよ。自衛隊法も、海上保安庁法ももはや現状に対応できない。その元凶たる憲法は見直すべきだ。

     そのおり、、、なのですがどこの国も憲法などお飾り!
     我が国も私立に補助金とか勲章とか宗教の政治活動とか公明党等々憲法違反そのもの

    憲法違反だらけ!憲法違反の法律がいくつもあるんじゃないですか。
     軍隊だけ憲法違反と騒ぐのは騒がせておいて、憲法など放っておいて
     自衛隊に関する法律をアメリカやフランスと同じ法律を制定すれば良いだけ。
     それができないのは、内閣総理大臣が先輩達を否定することになるから。
     憲法改正した後なら自衛隊を完全な軍隊にしても先輩自民党重鎮を否定することにはならない。
     だから憲法改正という。
    そういう政治の継続性は大切だが、軍隊に関してはもう、ふっきっらなければならない段階でしょう。

    • 団塊です。
       最後の一言を書き忘れました
      『以上 団塊じじいの戯言でした』と。

  3. 木霊さん、おはようございます。

    ちょっと触れられていますがとうりゅう就役でそうりゅう型12隻が揃いましたね。
    建造中のたいげい型については出来れば3番艦からBlockⅡでのVLS搭載を強く希望します。

    東シナ海のどこからでも射程1000kmを超える超音速ミサイルを40~50発搭載できれば、支那の空軍基地・レーダーサイト・TELを破壊可能ですから、それ相応の抑止力となるでしょう。
    潜伏位置によっては上海・首都北京の軍事司令部も攻撃可能とすればベストですね。

    その間に尖閣の軍事基地化を進めて日本版A2ADを構築し、支那が南西島嶼(宮古島・石垣島・与那国島)を越えれない鉄壁の防衛ラインを整える。
    今やアメリカは台湾防衛には尖閣の拠点化が必要と考えているのですから、鉄は熱いうちに打てで迅速かつ果敢に動いて欲しいもんです。

  4. 海上自衛隊の掃海能力はすばらしく世界中から引っ張りだこ。
    まさに、縁の下の力持ち。
    朝鮮戦争当時 アメリカ軍の要請で朝鮮半島周辺の掃海作業にあたってます。
    この掃海作業中に 機雷に触れ掃海艇は沈没しそれに伴い自衛官が殉職されてます。
    でも、戦闘行為はしないとの憲法に縛られて違う扱いになったとのことです。
    朝鮮戦争の犠牲となり、韓国の勝利に貢献した自衛官に黙祷。

    • 海自の掃海部隊が世界中から引っ張りだこって、日本が戦後国外で掃海作業をやったのは朝鮮戦争時と湾岸戦争後のペルシャ湾掃海だけですよ。朝鮮戦争時は自衛隊創設前ですし。
       ペルシャ湾の掃海作業では、欧米の掃海装備に後れを取っていることがわかり、イギリスから掃海艇に搭載するシステムを導入していますし。
       第二次大戦中に日本近海に敷設された機雷を未だに処分し続けていますので実戦経験は豊富ですが。最近では欧米から最新型機雷を購入、処分の訓練を行っているそうです。