これは誰が「バカ」だからこんな事になるのだろうか?
プラスチック新法案まとまる スプーン有料化も検討
3/9(火) 10:43配信
環境省はコンビニ店に使い捨てのフォークやスプーンの提供を規制することなどを盛り込んだプラスチック新法案をまとめました。有料化も検討されています。
9日に閣議決定されたプラスチック新法案では、使い捨てプラスチックを大量に無償提供している事業者に削減の義務を課すことが盛り込まれています。命令に違反した場合は、50万円以下の罰金が科されます。
「yahooニュース」より
使い捨てプラスチックが悪いというワケでは無くて、それを不法投棄するヤツが悪いハズ。更に言えば、どれだけ日本がこうした法規制をしたところで、海洋汚染などの対策にはならないんだよ。捨てている国は他にあるんだから。
問題の根本は別のところにある
提供者に罰則を?
この法律で最も謎なところは、事業者に対して削減義務を課し、命令に違反した場合には罰金が課される点である。
ただ、このyahooニュースだけみていると明らかにおかしい感じがするので、他のニュースも確認しておこう。
プラごみ削減、一括回収でリサイクル強化 新法案決定
2021.3.9 11:09
政府は9日、プラスチックごみのリサイクル強化に向けた新法案「プラスチック資源循環促進法案」を閣議決定した。家庭から出る食品トレーや文房具などを「プラスチック資源」として一括回収する仕組みを導入。使い捨てのストローやスプーンを多く提供する飲食店などには、提供方法の見直しによる削減策づくりを義務付ける。令和4年4月の施行を目指す。
~~略~~
飲食店や小売店での使い捨てプラスチック製品の削減義務付けは、有料化や代替素材への切り替え、使用するかどうかを客に確認するなど、何らかの取り組みを求める。怠った事業者には改善を勧告・命令し、従わない場合は50万円以下の罰金を科す。
「産経新聞」より
なるほど、「有料化」すれば問題ないと。
しかし、「代替素材」といってもストローなどはプラスチック製品からの切替が芳しくなく、スプーンやフォークなどは再利用するところが多いだろう。コンビニやお弁当屋さんなどは苦戦するかも知れないが、そこでも値段に加算すれば良いという話になるのかな。
実質的な値上げ政策という事になる。
無料サービスが事業を圧迫?
紙袋有料化などに踏み切るところも多いのだが、こうした事業者の多くが挙げる理由は「紙袋コストが利益を圧迫する」というものだ。
必要経費と割り切るには無視出来ない金額だと言うことなのだろう。
なぜか紙袋も有料化 ユニクロやGU、百貨店も……「環境保護の観点なら実効性少ない。ポーズ以上の印象を持てない」
2020年11月22日 23時21分 公開
7月から始まったレジ袋の有料化は、5カ月が経過しようとしている。プラスチックごみの排出抑制が目的だったはずだが、なぜか紙袋まで有料化する小売業も出てきている。その理由を聞いてみた。
~~略~~
森永氏は紙袋の有料化については、「環境配慮への意識をアピールするポーズ以上の印象を持てない。いずれにせよ有料化の効果をきちんと検証し、続けるならより実効性が高い仕組みに見直すべきだ。それができないならいっそやめてしまったほうがいいのではないか」と指摘した。
「ITmediaビジネス」より
しかし、紙袋の効果は「宣伝広告」であって、決して無視出来るものでは無い。1枚10円程度の紙袋だが、確かに無料でつければ収益を圧迫する。だが、その宣伝広告効果はそれなりにあるハズで、多くの人がその店の紙袋を持っていたら、「あ、セールか何かやっているのかな?」と、店に寄りたくなる人も少なく無かったはず。それを安易に有料化することは、果たして店側のメリットになるのだろうか。
こうした店側の対応の拙さはそのうち表面化して、再びレジ袋の無料化という流れになるのでは無いかという予想を僕は立てていたのだが、しかし現実は異なり、法制化して罰金を課す方向に向かうという。
僕自身の予測の甘さは指摘するまでも無いが……、これが環境目的でないとしたら、どんな理由で有料化を義務づけるというのだろうか。
立法趣旨
折角なので、その立法趣旨なども見ておこう。
1.本法律案の趣旨
海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機として、国内におけるプラスチック資源循環を一層促進する重要性が高まっています。これを踏まえ、プラスチック使用製品の設計から廃棄物処理に至るまでのライフサイクル全般であらゆる主体におけるプラスチック資源循環の取組を促進するための措置を講じます。
「経済産業省」より
なんと、リサイクル推進がその立法趣旨だというのだ。
だが、そもそもリサイクルが環境に良いというわけでは無い。例えばペットボトルの回収は今や普通の光景になってしまったが、あんなものを回収してリサイクルしたとして、何の意味があるのか。

なんと、指定ペットボトルの回収率は今や9割以上である。すげー!優秀だ!と、数字だけ見て喜ぶのは早い。

実は、国内で再利用されると思いきや、実は国内販売量に対して国内リサイクル率は55.3%程度である。回収された残りはどうなっているかというと、海外に輸出されるのである。
海外に押し付ける理由
海外に輸出する理由は、「その方が高く売れる」からだ。
よく知られる話だが、ペットボトルをリサイクルするよりも新たに作った方がコストは安く済む。そして、海外ではゴミを買ってくれるところがあるのだから、売った方がお得ということに。
ところが、近年そうした似非リサイクルに衝撃の事件が。
中国、使い捨てプラスチック袋を2022年までに禁止
2020年1月20日
世界最大のプラスチック消費国である中国は19日、使い捨てのプラスチック品を全国規模で削減する大がかりな計画を発表した。
国家発展改革委員会が発表した新たな計画では、非分解性の袋の使用を2020年末までに主要都市で禁止する。さらに、2022年までにすべての市と町で禁止する。
外食産業の使い捨てストローも、2020年末までに使用を禁止する。
「BBC」より
支那が廃プラスチックを買ってくれなくなったのだ。
この理由は色々あるが、コチラのニュースが参考になるだろう。
中国 レジ袋お先に有料化したものの…
2020年9月1日 17時01分
日本ではプラスチックごみの削減を目的に、7月からスーパーなどでのレジ袋の有料化が義務づけられました。実は中国では12年前から有料化されているのですが、今、さまざまな課題が見つかっています。そして、新型コロナウイルスが新たなプラスチックごみの課題も生んでいます。
「NHKニュース」より
早い話、支那の国内でプラスチックの使用量が増えて、ゴミがあふれ出したからである。支那人はかなりモラルが低く、ビニール袋に限らずゴミをところ構わず捨てるという習慣があった。それ故に、プラスチック製品が増えてくると、そのゴミの問題に直面した。だから、12年前に有料化に踏み切ったが、その効果は殆ど無かった。
支那では安い人件費を駆使して廃プラスチックを購入し、リサイクルを行っていた。プラスチック原料から製品を作るよりも安かったからである。ところが人件費が高騰し出すとこのビジネスモデルは成り立たなくなる。
支那がプラスチックの輸入を断ったのは単純な話、国内でリサイクルが追いつかなくなるほどプラスチックゴミが溢れた上に、更に海外から輸入するメリットがなくなったというだけのことなのだ。
ゴミ処理費用の増加が問題
つまり、日本でも同じ話になる。

が、実は日本人一人あたりのゴミ排出量は減る傾向にある。これは、過剰包装などを減らしたりといった取り組みが功を奏したことや、経済の鈍化などの原因が考えられる。経済の鈍化に関してはこんなグラフからも伺える。

廃家電の引き取り台数が減ってきているのだ。平成22年:2010年にピークが立っている理由は、エコポイントやエコカー減税などを推進した結果である。何がエコだったのかは疑問だが、ゴミは沢山出たな。あ、減ったといっても、最近は又ちょっと増えつつあるか。
一方でゴミ処理費用は上がっている。

埋め立てる場所の確保などの問題や、ゴミ処理炉の老朽化など様々な要因が絡んでいると思われるが、環境問題が煩く言われるようになって処分に手間がかかるようになった事も関係していることは事実だろう。そして、こうしたコストの圧縮が求められている。
つまり、本音は環境云々よりも、ゴミ処理に必要なコストを減らしたい、ただそれだけなのだ。
リサイクル推進でゴミは減らせるのか
いや、そもそも排出量は減っているのだから、リサイクル推進と言っても先細りである。
例えばペットボトルのリサイクルだが、「水平リサイクル」と「カスケードリサイクル」の2つのタイプがある。が、実は水平リサイクルの方は概念だけで実用化してはしていない。
ボトルtoボトル対応ガイドライン制定
2015年5月、PETボトルリサイクル推進協議会は、指定PETボトルの自主設計ガイドラインを改定し、メカニカルリサイクルによるボトルtoボトル対応の評価基準を追加しました。さらに、2016年3月、ガイドライン全体の見直しを実施し、ボトル材料評価基準とBtoB評価基準を付属書1に統合しました。 近年、PETボトルの軽量化の推進は目覚しいものがありますが、反面、軽量化にともない内容物保存性や消費者への利便性確保のために、PET以外の機能性材料による多層、混合、コーティング技術などが開発されています。本改定は、このような新技術の発展も踏まえたうえで、さらに、PETボトルの国内循環利用を進めるために有用な高度なリサイクルであるボトルtoボトルを推進するため、従来のガイドラインに追加したものです。
「PETボトルリサイクル推進協議会の公式サイト」より
いや、ガイドラインは作られているし、リサイクルされたペットボトルの透明度もかなり高い。ただ、コストがかかるので実用レベルと言えるのか?といえば、そこはお察しである。
つまり、ペットボトルからペットボトルを作り出すことは、技術的に可能だけれども、分別、洗浄、粉砕、など複数の過程を経るのでコストがお高くなると言う実情がある。
一方、カスケードリサイクル、つまり別の製品に作り替えるタイプのリサイクルの方はそれなりに充実しているといわれているが、やっぱり安いわけではないし品質が高くなるわけでもない。
リサイクル率(主にカスケードリサイクル)は25%程度だとされており、その他に「サーマルリサイクル」という詐欺のような言葉もある。これ、回収した6割弱のプラスチックを燃やした際に発生した熱を有効利用するという手法で、要は燃料用のペレットに加工したという事である。
上で紹介した9割以上のリサイクル率のうち、6割弱は燃やしていましたというのがこの話のオチなのだ。
ゴミとして燃やされたのか燃料として燃やしたのかの違いであり、そりゃ、ゴミとして捨てるよりはマシなんだけど、それはリサイクルとしてありですか?というレベルの話となる。
結局、高くなるのであればゴミとして処理した方がマシというのが現状なのだ。そして……、その処理が追いついていないのが現状なのである。
更に分別が面倒になる可能性のあるプラゴミ
ところで、ニュースの中に気になる文言があった。
現行では、家庭のプラごみをリサイクル用に分別回収する自治体の多くが、ペットボトルや食品トレーなどを対象にしている。新法案は、文房具や子どもの玩具なども含めて一括回収するよう自治体に促す。
「産経新聞」より
え?マジっすか。
文房具や子供の玩具などを含めてって、プラゴミとして分類されるために、子供のオモチャなどは金属パーツなど丁寧に分解しろってこと?
じょーだんじゃ無いよ。プラスチック+メタルなどの複合材料製品とかどうすんのさ?最近は多くがそんな感じになっているぞ。純粋にプラスチックだけでできているオモチャなど、余りないんじゃ無いかな。
一括回収って、結局負担が増えるのは国民なんだし、それ、結局燃やすんでしょう?
リサイクルさせるのであれば、徹底的に分類しなければならないのだが、分類するのは国民の良心に任されるので、結果的には混じり物がでる。リサイクル率向上のつもりが、実は足を引っ張るだけという結果に。
セクシー大臣のセクシーでない発言
で、冒頭のニュースに戻ると、環境大臣の小泉氏はこんな事を宣ったそうな。
小泉環境大臣は「これからは無料でスプーンが出てこなくなる。レジ袋有料化の発展版だ」としています。
「yahooニュース”プラスチック新法案まとまる スプーン有料化も検討”」より
いやもう、発言する度にバカが露呈するのは、本当に勘弁して欲しい。
レジ袋有料化も害悪であったが、カトラリーの類も有料化するというのも本気でどうかと思う。どうせ、コンビニなどではスプーン付きの商品が売られるだけで、その商品にスプーン代金を含みます、などと書けばオシマイである。
お弁当屋さんはどうするのか分からないが、有料化するんだろうか?
何というか、こんな事をしても何の解決にもならない。我が家では、ゴミ袋を買うようになったが、コンビニやスーパーでもゴミ袋は別途買う。もちろんマイバックを持ったり、自前のレジカゴを利用したりはする。しかし、ゴミの総量が変わったかというと、そんなことは無いのである。だって、以前だってコンビニ袋を無駄にしていたわけでは無く、ゴミ袋として再利用していたのだから。
何処に向かっているんですかねぇ?この国は。
ゴミ処理に金がかかるなら、そこをクリアにして料金徴収するなり、税金投入するなりすれば良いでは無いか。それを「エコ」などと称しておかしな方向に向いて突っ走るから信用されなくなるのである。
コメント