ジェノサイド認定は「デマ」だと言い切る支那外相と日本のとるべき対応

ジェノサイド

相変わらず威勢の良いことだな、王毅氏は。

ジェノサイド認定は「下心あるデマ」 中国外相の猛反論

2021年3月7日 21時41分

中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は7日、北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)にあわせて記者会見した。香港問題などで米国が批判を強めていることについて、「(米国は)民主や人権の旗を掲げて他国の内政に干渉し、動乱の原因を作ってきた」などと強い言葉で反論。ウイグル族へのジェノサイドが行われているとの指摘にも「下心のあるデマだ」と反発した。

「朝日新聞」より

相変わらず、全人代を「国会に相当」とか適当なことを書いている朝日新聞だが、流石にジェノサイドとなると支那を擁護する気は無さそうだ。

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ジェノサイドはあったのか

アメリカで行われた虐殺行為

さて、ウイグル人やチベット人達、或いは内モンゴル人達が虐殺され、或いは法輪功の学習者達が惨殺されている事実は、今さら指摘するまでも無いのだが、そうした事には目を瞑りたいというのが支那の意向であるらしい。

支那共産党にとっては、「我こそは正義」なので、行われた虐殺行為は全てテロ組織の殲滅という立場なのだろう。テロリスト以外であれば、それは「教育」が必要ということになって、強制収容所に送るということに。

そこで何が行われたか?などということは、宣伝する気はないのだろう。ただ、犯罪者が「やっていない」と罪を否認するのは当然だし、酔っぱらいが「酔っていない」というのは世の常である。

トランプ前政権はウイグル族への弾圧について、民族的な集団の破壊を意図した集団殺害や出生防止措置などを指す「ジェノサイド」と認定し、バイデン政権も踏襲している。これに対し、王氏は「言語道断で下心のあるデマだ。一部の西側の政治家が問題を作り出している」などと批判。「ジェノサイドと聞いて多くの人が思い至るのは、16世紀の北米大陸の先住民や19世紀の黒人奴隷らのことだ」などといった主張も展開しつつ、激しく反発した。

「朝日新聞”ジェノサイド認定は「下心あるデマ」 中国外相の猛反論”」より

それよりも興味深いのは、アメリカでの事例を持ち出してきたことだ。

これ、何の事かというとインディアン戦争(1622年~1890年)のことである。いや、コロンブスがアメリカ大陸を発見(実際にはその手前能島を発見)した以降から、延々と繰り広げられてきた先住民虐殺の歴史があり、1776年7月4日のアメリカ独立宣言に至るまで、或いはそれ以降も先住民達との凄惨な争いは続いていた。

残念ながら建国以前の歴史を含むこともあって、正確な犠牲者数は把握できないが、概ねインディアン側が5万人、白人側が2万人ほど何れも惨たらしく殺されたとされている。多い者では50万人という数字をあげる者もいるが、インディアン達を絶滅させることを目的とした闘いとなっていった事は間違い無い。滅んでしまった部族がいるという点では、インディアン側の被害の方が各段に多く、現在、ネイティブアメリカン(インディアンとは呼ばないようだ)の人口は309万人程とされている。

アメリカ開拓史において、原住民達との凄惨な殺し合いをやったことは事実だが、これは文化や立場の違いにお互いの不理解から起こった争いが拡大したものであり、擁護出来ないものではあるがそれも含めて歴史だ。そのことはアメリカ人達も認めている。

最近はポリコレ騒ぎでおかしな風潮が産まれてはいるが、歴史には良い面も悪い面もあって当然なのである。

支那は他人のことを言えるのか?

翻ってみると、支那の方はもっと凄惨な歴史を辿ってきた。

支那における様々な国家の衰退は、甚大な被害者を産み出してきた。一つの王朝が滅びる時には一族郎党皆殺しで、他の部族が都市ごと蹂躙するといった状況は珍しくない。

支那共産党の歴史をここで詳しくやると大変な事になるが、大雑把に言って国民党と共産党の殺し合いでも十分に酷いことになっていた。国民党も「北伐」という名目で、何度も軍閥間抗争を繰り返して各地で戦火を広げ、その勢力拡大に伴って多くの民族が犠牲になった。

そして、日本が敗戦した後に日本という共通の敵の前で結束していた国民党と共産党は手を取る理由を失って、再び内戦となり、アメリカが手を引いて弱体化した国民党側に対して、ソ連の支援を受けて勢力を拡大した共産党がついに支那を掌握。その過程でも何十万人という犠牲者が出る。ただ、これは内戦であって虐殺とは又違うのだが、革命を至上とする支那共産党にとって、自分達の意に沿わぬ存在は消え去らねばならず、建国(1949年10月1日)から僅か十数年で文化大革命(1966年~1977年)をやらかすのである。

その直接的な犠牲者は、数十万人から2000万人に及び、被害者は1億人に及ぶと推計されている。ただ、この時期に虐殺された内モンゴルに居住していたモンゴル人のうち30万人が犠牲者となったとされ、広西チワン族自治区では少なくとも20万人以上が虐殺され、チベットではこの時期だけで数万人が虐殺されていることから考えても、数十万人が被害者だというのはちょっと無理があるだろう。支那共産党の公式発表では40万人が犠牲者だと言うことになっているらしいが。

そしてその後、六四天安門事件(1989年6月4日)が発生。1万人以上の人民が虐殺されたが、支那共産党はこの事件の発生そのものを認めてはいない。

ジェノサイドの認定

さて、気軽に「ジェノサイド」という言葉を使っているが、集団策外在の某氏及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約:1951年1月12日発効)が存在し、ここで定義が行われている。

第2条

この条約では、集団殺害とは、国民的、人種的、民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもつて行われた次の行為のいずれをも意味する。

(a) 集団構成員を殺すこと。
(b) 集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。
(c) 全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること。
(d) 集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。
(e) 集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。

「ジェノサイド条約」より

これによれば、実は人数の定義はなされておらず、殺害以外の行為でもジェノサイドの定義に抵触することになる。つまり、強制収容所(支那によれば学習施設という事になっているが)に収容する行為もジェノサイドに該当するとし、出生を防止する手術を行っている事実もジェノサイドに該当する。

ちなみに支那はジェノサイド条約を批准している。

日本は加盟していない

そして意外なことに、日本はこの条約に未加入である。

この話をパヨク達はしたがらないのだが、その理由を簡単に解説しておこう。

第1条

締約国は、集団殺害が平時に行われるか戦時に行われるかを問わず、国際法上の犯罪であることを確認し、これを防止し、処罰することを約束する。

「ジェノサイド条約」より

ジェノサイド条約の1条はこんな定義になっていて、締約国は「集団殺害の認定」と、「防止」「処罰」が義務づけられている。

そして、処罰する行為に関しては3条に定められている。

第3条

次の行為は、処罰する。

(a) 集団殺害 (ジェノサイド)
(b) 集団殺害を犯すための共同謀議
(c) 集団殺害を犯すことの直接且つ公然の教唆
(d) 集団殺害の未遂
(e) 集団殺害の共犯

「ジェノサイド条約」より

ここに日本の刑法上の問題が現れている。実は「共同謀議」に関しては平成29年:2017年のテロ等準備罪を新設によって初めて犯罪として認定されたため、それ以前は「相談しただけ」では処罰することができなかった。

しかし、現状でもかなり構成要件が厳格に規制されているので、十分とは言えない。テロ等準備罪では、例えば「団体」が犯罪を犯す場合の反復性を問われているので、1度きりの犯罪では集団殺害を行ったとしてもその罪を問えないのである。

更に、「集団殺害を犯すことの直接且つ公然の教唆」というのは、民衆扇動というヤツなのだが、集団殺害を唆すような扇動行為を取り締まる為の法律が存在しない。

第三十八条 刑法第七十七条,第八十一条若しくは第八十二条の罪の教唆をなし,又はこれらの罪を実行させる目的をもつてその罪のせん動をなした者は,七年以下の懲役又は禁こに処する。

「破壊活動防止法」より

一応、内乱を扇動したり、外患誘致を扇動したりすることは、破壊活動防止法によって取り締まられるため、集団殺害の認定する事は条件付きでOKと言えるのだけれど、政府を転覆させる目的が無ければ基本的には適用されないので十分とは言えない。

そんな訳で、「認定」と「処罰」が法的に整備されていないので、加盟出来ないという事になる。

更に言えば、憲法9条も問題となる。

第九条

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、   武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。   国の交戦権は、これを認めない。

「日本国憲法」より

これはどう言うことかというと、ジェノサイド条約では、ジェノサイドが認定された国に対して、その条約を履行しろという風に迫り、必要であれば武力の行使を義務づけられている。つまり、支那のような国家を主張する犯罪組織がジェノサイドを行った場合に、これを武力による威嚇や武力行使による抑止力の提供や、武器の供給などが日本政府として行えないために、ジェノサイド条約に加盟できないのである。

尤も、ジェノサイドの実行主体が国であった場合には、加盟国であっても安易に武力行使に移行できるわけではなく、事実上の空文になっているのではあるが。

誰が認定するのですか?

ちなみに、そもそもジェノサイドの認定は誰がするのだろうか?

これは国際司法裁判所が行う事になっていて、実際にボスニア・ヘルツェゴビナ対ユーゴスラビア(1996年)という構図の対立においても国際司法裁判所が判決を出している。コンゴ民主強枠量における武力行使(2006年)についても国際司法裁判所が認定を出している。

まあ、この2つだけなんだけどね。

ともあれ、「じゃあ、国際司法裁判所は信頼できるのですか?」というと、なかなか難しいところである。

南シナ海、中国の主権認めず 国際司法が初判断

2016年7月12日 20:29 (2016年7月12日 22:26更新)

国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は12日、南シナ海での中国の海洋進出を巡り、中国が主権を主張する独自の境界線「九段線」に国際法上の根拠がないと認定した。中国が人工島造成など実効支配を強める南シナ海問題に対し、初めて国際的な司法判断が下された。中国は判決を受け入れないとしており、国際社会との緊張が高まるのは必至だ。

「日本経済新聞」より

既に南シナ海の件でフィリピンが提訴し、支那の主張は荒唐無稽であるという判断が下されたが、これについて支那は「影響を受けない」などと突っぱねた。

そして、現在は国連を始めとして様々な国際機関に人材を送り込み、影響力を行使しようとしているのである。事実WHOは既に傀儡状態で、事務局長のテドロス氏など滅多に支那に対する不満を言うことは無い。

となると、支那におけるジェノサイドの認定を国際司法裁判所ができるのか?という辺りが怪しくなってくるのだけれど、そのことが日本政府が支那の行為に対するジェノサイド認定に対して及び腰になっている理由でもある。法律も無いし加盟もしていないのに、何で判断しろという事になる。

日本政府はどうすべきですか?

さー、支那の蛮行に対して日本が黙っていることがこの上なく卑劣な行為であるのに、日本はジェノサイド認定しないのですか?と、そう聞いたらパヨクが黙ってしまう理由が何となく分かると思う。この条約に加盟することは自分達の活動に対して甚だ不都合なのだ。

ウイグル問題を「ジェノサイドと認めない」外務省に怒り。中谷元議員を「対・中国強硬」に突き動かすもの

2021年02月15日 07時40分 JST

「外務省には全く思考がなかった。(考えが)眠っていた」

落ち着いた語り口が、途端に舌鋒鋭くなった。

1月下旬の自民党外交部会。バイデン新政権の高官が中国・新疆ウイグル自治区で「ジェノサイド(民族大量虐殺)」が起きていると認定したのに対し、外務省の担当者は「認めていない」と一線を引いた。

この答えを引き出したのが自民党の中谷元・元防衛大臣だ。中谷氏は「対中国政策」を考える超党派の議員連盟でも、人権をきっかけに制裁を科せる法律の制定を目指している。中国への強硬路線を主張し行動する中谷氏は、どのような問題意識を抱えているのか。自民党本部を訪れ話を聞いた。

「ハフィントンポスト」より

日本政府がこれ、即ちジェノサイドを認定するためのハードルは幾つもあるのだけれど、最初のハードルはなんと外務省だ。

外務省の全てが悪いとは思わないけれども、チャイナスクールと呼ばれる存在がある事は良く知られている。その事も、必ずしも悪いとは言えないのだけれども、少なくとも支那に対して厳しい判断をするのを邪魔するのである。

そして、それはパヨクの皆さんも同じである。

やるべき事は、やはり憲法改正なのだろうと思う。毅然と、立ち向かう意志を示すために、だ。

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