韓国LCCの苦境と追加支援の効果

大韓民国

他人事ではないLCCの苦境なのだが、これは世界的な潮流でもある。

韓経:「ひとまず生かそう」…韓国政府、格安航空会社に2000億ウォン追加支援

2021.03.04 08:43

韓国政府が新型コロナウイルスの感染拡大で困難に陥る格安航空会社(LCC)に対し、7-9月期まで最大2000億ウォン(約190億円)を追加支援することにした。

国土交通部は3日に開かれた非常経済中央対策本部会議でこうした内容を中心にした「航空産業新型コロナウイルス危機克服と再跳躍案」を発表した。

「中央日報」より

韓国政府はLCCに対して追加支援を決めたと報じられたが、記事でも指摘されているように場当たり的な対策はあまり意味がない。

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韓国の航空業界事情

このブログでは何本か韓国の航空業界の話に触れている。

今回の武漢ウイルス騒ぎの影響で業績が悪化し、存亡の危機を迎えているところも少なくないのだが、それが韓国の航空業界の体質的なものであることはすでに指摘した通りだ。

まず1つは航空会社が多すぎることと、その中でもLCCが多いこと。そして、近距離観光を中心に積極的な売り込みをかけてきたこと。これが武漢ウイルス騒ぎですべて裏目に出てしまった。

特に、日本と支那に対して飛行機を増やしていたことが大きなダメージにつながってしまった。

追加融資は裏目に

こんな状況であるので、本来であれば有象無象のLCCを適当に淘汰させて、有力そうなところを残すというような政策を取るべきだった。

韓国政府は昨年の新型コロナウイルス流行後、LCCに5415億ウォンの資金を支援した。だが新型コロナウイルスが1年以上にわたり続いて旅行需要が急減し、この資金はほとんど使い果たされたという。

韓国政府は9月までのチェジュ航空、ジンエアー、ティーウェイ航空などLCCの資金不足規模が2000億ウォンに達すると予想して追加資金支援を決めた。LCC別の具体的な支援時期と規模は調査を経て決めることにした。

「中央日報”韓経:「ひとまず生かそう」…韓国政府、格安航空会社に2000億ウォン追加支援”」より

ところが、韓国政府は場当たり的に追加融資を決めてしまったことで、ゾンビのように生き延びた。

もちろん、こうした方法が「悪かった」とは言い難い。同じ手法で造船業に公金を投入して、見事に大宇造船海洋を救った。造船業は裾野が広いために、そう簡単に潰せないという事情はあるのだが、しかし大宇造船海洋を現代重厚グループに編入させたことはまずかった。世界的に見てもこれは禁じ手の部類に近いのだ。

しかし、それで見せかけだけでも生き延びる形となり、結果、日本の造船業にしわ寄せが行ったのはなんとも皮肉な話だ。

こういった成功体験(気の所為)があるために、LCCもある程度公金を突っ込んで生き延びさせようという判断になったのだろう。

株価の上がったJAL

ちょっと話は変わるが、先日JALの株価が上がった。

3月に入って、JALの株価が「急上昇」するかもしれないワケ

3/1(月) 7:02配信

~~略~~

国際線はほぼストップ、国内線も依然として便数大幅減が続き、航空業界が苦境であることは変わりない。だが、日本株市場でみると、投資家が我先にと空運株を買い戻す動きがはっきりと観測できる。

その代表例が、日本航空(JAL、9201)だ。

2月26日の終値では2530円、1ヵ月で700円以上株価を上げている。的中率ズバリ80%を誇る『DeepScore株価予報AIエンジン』(DeepScore社開発・運営)の分析では、今週の日本株市場「上昇注目株」のひとつであるという。

「Yahooニュース」より

業績が悪いままなのに何故?という感じがするが、武漢ウイルスの影響で下がったJAL株を、ワクチン投与が始まったことで再び旅行ができるようになるのではないかという期待感が出たためでだろうと分析されている。

ワクチン投与の効果が現れるのは半年後だとも言われているので、この値動きは世界の情勢を受けたものだと考えるのが妥当だが、国際線が復旧できればJALとしても有り難いだろう。

もちろん日本国民としても、空路を維持する為にもJALやANNにつぶれてもらっては困るわけで、この動きは歓迎したい。

エンジンから火を吹くアメリカの旅客機

一方でこんなニュースも。

アメリカ むき出しのエンジンから炎 日本の航空会社に広がる影響

2021年2月22日 月曜 午後6:12

アメリカで飛行中の旅客機のエンジンが壊れ、部品が落下する事故が発生した。 その影響は、日本の航空会社にも広がっている。

22日午後3時前、羽田から沖縄県の那覇空港に到着した日本航空の旅客機。 運航する機体を「ボーイング777」から、急きょ別のものに変更した。

その理由が、アメリカで起きた事故。

むき出しとなったエンジンから上がる、赤い炎。

日本時間の21日、アメリカ西部のコロラド州で、離陸直後の旅客機のエンジンが壊れ、部品が住宅街に次々と落下した。

「FNNプライムオンライン」より

この記事には直接的な原因が書かれていないし、色々調べてみた限りはっきりした原因はわからず、直接的な要因は、「部品の破損によるエンジントラブル」らしく、中空のファンブレードが折れた事が理由だとされている。ただ、何故折れたのか?については特に言及がない。

推測になるが、エンジン固有のトラブルと言うよりは整備点検が不十分であった可能性を考えている。

これは、長引く空港の開店休業状態で駐機している航空機が多かったため、整備を行う人員の削減を余儀なくされていたことが関係している可能性があり、他の機種でも起こりうるトラブルではないのかと。

そうだとすると、世界中の航空会社が震撼した事件だったと言える。特にLCCは整備などに割く資金が枯渇気味となっているため、影響がある可能性は高いだろう。

トラベルパスがトラブルパスに……

さて、韓国の航空業界の話に戻っていこう。

韓国政府は航空業と観光産業の被害を同時に減らせる政策を準備している。新型コロナウイルス防疫安全国の国民が互いに自由に往来できる「トラベルバブル」が代表的だ。トラベルバブルは新型コロナウイルス陰性が確認された人を対象に2つの国が入国禁止を解除し隔離も緩和する措置だ。企業の活動支援に向けたファーストトラックと比較して訪問目的に制限がなく観光と単純訪問などに幅広く活用できる。韓国政府はこれを年内に施行するという目標を立てた。

トラベルバブル活性化に向けた準備段階としてトラベルパスも導入することにした。新型コロナウイルスの診断検査結果とワクチン接種の有無をモバイルアプリで確認できる装置だ。トラベルバブルが認められた国が増えればトラベルパスを利用して手軽に出入国手続きを踏むことができる。

「中央日報”韓経:「ひとまず生かそう」…韓国政府、格安航空会社に2000億ウォン追加支援”」より

一見良さそうな政策に見えるが、しかしLCCが得意とする近距離の国を考えると、日本、支那、台湾あたりとなる。ちょっと足を伸ばしてベトナム、インドネシア、フィリピンなどもありうるだろうが、残念なことにここにあげた多くの国が武漢ウイルスの影響で渡航制限をしている。

更に、「診断結果とワクチン接種の有無」に基づくということなのだが、コレを観光する相手の国にも求めるのはなかなかハードルが高い。一方で、無策で海外旅行を推進すると、国内への感染拡大のトリガーを引いてしまうリスクも有る。

そしてそもそもカネがない

そして、それ以上に、観光業が活発に動き出すまでに待っていられない会社が多いのも悩みの種だ。

チェジュ航空が端的な例だ。1-3月期も昨年と同水準の赤字を出すと資本金割れが発生し流動性危機に陥る見通しだ。資産査定後にLCC各社に対する支援規模を決めるという政府の立場はこうした切迫した状況を考慮できていないという批判が出ている。航空会社関係者は「寒い天気に政府が航空会社にふとんを与えたと言える。しかし食べるものがなく飢えている人にはふとんよりコメがもっと至急だ」と話した。

「中央日報”韓経:「ひとまず生かそう」…韓国政府、格安航空会社に2000億ウォン追加支援”」より

目先の利益確保が出来ないと、すぐにも潰れてしまうようなところが少なくないのだ。

そして、そもそも構造的な欠陥を抱えているところが解消しない限りは、今回の韓国政府のやり方は、単にゾンビを増やすだけにしかならない。航空会社が生きているうちに統合してしまうような流れにしないと、到底生き残ることは出来ないのだ。

大体、韓国政府だって金が無くて同しようもない状況になりつつあるんだが、政府資金支援の原資をどこからひねり出すつもりだろうか?国債をバンバン剃ればいいのかな?

とまあ、韓国の話を書いたが、実際のところ日本の航空業界もそれほど楽観視できる状況ではないし、資金繰りは苦しいままなので、何れにしたって早めにこの状況が打開されることを願いたいが。

コメント

  1. ヌリ号の打ち上げが延期になったらしいですね
    部品不良だとか

    • ニュースを確認しました。
      12月に公表されたニュースの詳報といった感じの内容でした。記事にさせて頂きましたが、分からない部分が多いですねぇ……。