アジアの覇権を争う感じになっているようだ。
インド、「ワクチン外交」で中国に対抗 自国製無償提供で存在感
2021年02月25日07時14分
ワクチン製造大国として知られるインドが、自国製新型コロナウイルスワクチンの近隣国などへの無償提供を進め、存在感を示している。インド周辺では、巨大経済圏構想「一帯一路」を利用して浸透を図ってきた中国が、自国産ワクチン供給による影響力強化を図っており、両国が「ワクチン外交」で対抗し合う構図となっている。
「時事通信」より
日本がワクチン開発に四苦八苦している間に、インドも支那もワクチンの開発を終えている。
ワクチン戦争
日本がワクチン開発に遅れる理由
色々言われているが、日本がワクチン開発に遅れをとっている理由は過去のワクチン訴訟のトラウマを抱えているから、と言われている。
昭和50~60年代にワクチンに関する訴訟が国内で相次いで起こされた。これは予防接種法(昭和51年:1976年)の改正によって、予防接種が推奨された結果、副反応による疾病だと疑われる事案があり、国は賠償責任を負うことになった。
その結果、大手製薬会社はワクチン開発に及び腰になってしまった。
そんな弱小メーカーばかりになった背景には「ワクチン開発に対する国の戦略の乏しさがある」と多くの医療関係者は指摘する。
日本政府は海外製ワクチンの活用には厳しい姿勢を示しながら、国内のワクチンメーカーには補助金を出して守ってきた。この「護送船団方式」が長く続いた結果、メーカーは世界の市場で戦える開発力や競争力を失い、企業の再編も進まず、規模的にも差がついてしまった。
また、日本ではワクチン接種による副反応を巡って訴訟が続いたことも響いた。「一度訴訟となれば、それまでに投じた巨額の開発費がすべて無駄になってしまう。このため製薬大手がどんどんワクチン開発に消極的になった」と業界事情に詳しい関係者は話す。
「yahooニュース」より
副反応で苦しんでいる人がいる、いたのは事実だろうが、ソレで手を止めてしまったがために救えない命があるのでは話にならないのだが、ことなかれ主義が蝕む日本においては、ワクチン開発に殆ど予算を割いてはいないようだ。
しかし、ワクチン開発は「国防」に関わる話。このままではマズイだろう。
開発を急いだインド
インドは今回の武漢ウイルス出苦しんだ国のうちの1つでもある。
当初は「カレーを食ってるから感染しないんだ!」などという意味の分からない話も出ていたが、現実はそんなに甘くは無かった。

こんな感じで、感染者(陽性判定者だと思われる)は累計1億人を突破して世界2位、死者数も15万6千人を突破している。
そんな状況も後押ししてか、多額の開発費を投入して今回の武漢ウイルスワクチンの開発が進められて、今年初めには2種類が承認されたようだ。
インド、2種類のワクチンを承認 臨床試験前のものも 新型コロナウイルス
2021年1月4日
インド政府は3日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発したワクチンと、インドのバーラト・バイオテックが開発したワクチンの2種類を承認した。
ナレンドラ・モディ首相は、「決定的な転換点だ」と評価した。政府は今年7月までに、人口13億人のうち医療従事者や感染リスクの高い人など3億人にワクチンを接種させる計画だ。
「BBC」より
インド国産ワクチンはテストが済んでいないようだが、インド国内で製造するアストラゼネカ製ワクチンは既に量産体制にある。
インド、コロナワクチン効果のデータ共有など近隣諸国に提案
2021年2月19日10:06 午前
インドのモディ首相は18日、近隣諸国に対し、新型コロナウイルスワクチンの効果に関するデータの共有と、衛生危機時における医療従事者の地域移動を可能にする特殊ビザ導入の模索を検討するよう求めた。
「ロイター」より
インド製薬会社が11億回分ワクチン提供へ 世界分配枠組みに
2021年2月4日 6時45分
新型コロナウイルスのワクチンを世界に公平に分配する枠組み「COVAXファシリティ」で、ワクチンの供給に向けて運営に関わるユニセフ=国連児童基金は、インドの大手製薬会社から11億回分のワクチンの提供を受けることで合意したと発表しました。
「NHKニュース」より
そして、近隣諸国にも供給可能であると胸を張っているのだ。これらのワクチンがしっかりとした成果を出せるのであれば、インドは国として正しい政策をうっているといえる。インドはアストラゼネカ製ワクチンを売り出しているので、責任はアストラゼネカに押し付ける事も可能。
実に巧妙である。
支那製ワクチンは実地試験済み?
一方で、少々評判の悪い支那製ワクチンの方は、不活化タイプのワクチンを使っているようだ。
世界では、メッセンジャーRNAタイプの米ファイザーと米モデルナ、ウイルスベクタータイプの英アストラゼネカとロシアのスプートニクV、伝統的な製造法である不活化タイプの中国の2社などが提供するワクチンが利用されている。
このうちメッセンジャーRNAタイプのワクチンの有効性(95%)の高さが話題になっているが、これとは対照的に評判が芳しくないのが中国製ワクチンである。その有効性が世界保健機関(WHO)が提示したワクチン使用の最低基準である50%程度に過ぎないことがわかってきたからである。
「yahooニュース」より
不活化タイプのワクチンは、ワクチン製造に若干時間がかかることがあるのと、偽ワクチンが出てきたり、その他の怪しげな噂が出てくることで不安視されている。
シノファームとシノバックの2つのワクチンを用意しているが、このワクチンの有効性については明らかにされていないので、信頼性が低いとされているのである。
ただし、積極的にばらまく方針は撤回していない。
中国、53カ国に新型コロナワクチンを無償援助
2021年2月24日 21:06
中国外交部の汪文斌報道官は23日の定例記者会見で、「中国は新型コロナウイルスワクチンを世界の公共財にすると最初に約束した国であり、自身の困難を克服しながら、必要とする53カ国にワクチンを無償援助する」と説明しました。
まさにワクチン外交といって差し支えあるまい。
当然、方針の被るインドと支那は利益の衝突があるので、そう簡単には解決しない問題となるだろう。
バングラデシュは、中国産ワクチンの治験費用負担で中国と折り合わず、インドの無償ワクチンを受け入れ、購入も進めている。ネパールもインド製ワクチンを受け取り、購入についても交渉中だ。
ネパールでは、インド製ワクチンの接種開始後、中国も50万回分の無償提供を発表。また、インド製の接種を進めるミャンマーでは、1月に中国の王毅外相が訪問、30万回分の提供を約束した。中印両国の「ワクチン外交」をめぐる駆け引きは当面続きそうだ。
「時事通信」より
援助される側にとっても、「何処の国のワクチンが良いのか」と選べる立場であることが望ましいのだが……、無償で持ってこられたワクチンを断ることもなかなか難しいだろう。
銃弾の飛び交わない戦争
こうした外交に関して、既に負けてしまっている日本は指を咥えて見ているしか無いが、なかなか強引な手段でワクチンをばらまいている支那と、これに勝るとも劣らない勢いでワクチンを届けているインド。
残念な事に支那が「悪」でインドが「善」という単純な構図ではないのだが、支那が自国から武漢ウイルスを全世界にばらまいておいて、ワクチンもばらまいて「友好」を演出とは随分と虫の良い話に見えるのも事実。
こうした外交は、既に「戦争」の状態に突入していると言っても過言ではない。
日本では「せんそうはあくだ」と思考停止している状況が長らく続いているのだけれど、良くも悪くも外交上こういった争いは避けられない。
そして、ワクチン獲得の争いには、日本政府は後塵を拝した状況になってしまった。国内メーカーは努力してくれているけれども、国産のワクチンが安定的に供給される体制を早期に構築することが肝要である。
更に、ワクチンの供給状況で、国民からの怒りを買うことも予想される。
済州行きの初回ワクチン「全量回収」騒動…「移送中に適正温度を外れた」=韓国
2021.02.25 07:15
韓国で1回目の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンを済州(チェジュ)に移送している途中、適正温度範囲を超えたため全量回収する騒動が起きた。
25日、疾病管理庁などによると、前日午後、済州道民に接種するワクチン3900回分が京畿道利川(キョンギ・イチョン)の物流センターから冷凍車を通じて出庫されたが、移送中に適正温度範囲を超えたため全量回収して別のものと取り替えて送った。
「中央日報」より
え?韓国をオチに使うな?
だって、韓国の場合、PCR検査キットの失敗もあって国民はかなり政府に不信感を抱いていたようで、そこでこの失敗である。ただでさえワクチンの入手が遅れていることもあって、ムン君の支持率もちょっと危うくなってきているだけに、更なるダメージは避けたいところ。
せめて日本も同じ轍を踏まないように注意したい。
追記
心配していたが、どうやら韓国のワクチンは再使用できるようになったらしい。良かった!(棒)
韓国政府、保管温度範囲を超えて回収したワクチン「再活用」へ…「ご心配おかけして申し訳ない」
2021.02.26 06:44
前日物流センターを出発して済州(チェジュ)に向かっていた新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンが保管温度範囲を超えてすべて回収されたことに対して韓国政府が陳謝した。ワクチンは再活用される計画だ。
新型コロナウイルス予防接種対応推進団のヤン・ドンギョ資源管理班長は25日、オンラインで定例会見を開き、前日回収されたアストラゼネカワクチンに対して「問題はないと判断していて、全量廃棄せずに、後で使うものとみられる」と話した。
ヤン班長は「アストラゼネカワクチンは『摂氏2~8度で冷蔵保管して流通しなければならず、凍らせてはいけない』という条件があるが、昨日のワクチンの場合には保管温度で約0.5度程度を越えた状況(摂氏1.5度)であり、また凍結していなかったことが確認された」とし「このようなことから総合すると、ワクチンの使用には問題がないと判断する」と説明した。
「中央日報」より
うんまあ、多分大丈夫なんでしょう。
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