ロシア「領土返還交渉には応じない」という姿勢を明確にする

ロシアニュース

まあ、そうだろうね。

プーチン大統領 “新憲法に従い北方領土引き渡し交渉行わず”

2021年2月15日 9時09分

ロシアのプーチン大統領は、日本との平和条約交渉に関連して、憲法に矛盾することはしないとして、領土の割譲を禁止した新しい憲法に従って北方領土の引き渡しをめぐる交渉は行わないという考えを強調しました。

「NHKニュース」より

ロシアにとって、日本との交渉はそれ程重要性が高くない。特に、交渉相手の安倍氏不在の今、ロシアにとって一方的に日本に譲歩してやるメリットは無い。

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北方領土は返ってこない

手放したくない理由

ロシアにとって、この領土はそれ程重要性が高くない。しかし、海路としては無視出来ない。

今も人が住んでいる国後島や択捉島は言うに及ばず、無人になっている歯舞群島や色丹島なども手放さないと、ロシアは主張していて、人の住むことのできない竹島ですら手放そうとしない韓国の姿を見ると、ロシアとの交渉だってそう簡単ではないことは容易に想像できよう。

そして、かつて軍事大国で今でも強大な軍事力を有しているロシアにとって、海に出る為の海域が少ないことこそが、北方領土を返還したくない理由でもある。

彼らにとっての懸念は2つ。1つは北方領土にアメリカ軍が常駐するリスク。もう1つが、択捉水道を失うことで、軍事的なプレゼンスが低下してしまうリスクだ。

プーチン氏にとって、その「理由」が何処まで重いかは分からないが、経済的に大きなメリットが得られる可能性があったとしても、ソレが確実視される状況にならない限りは、日本に「自らの国土を切り売りする様なことはしない」という立場を貫くだろう。為政者として、使用していないとはいえ、領土の切り売りは最もやってはならない禁じ手なのだから。

北極海航路

もう一つ、今後、この海域は、「北極海航路」として活用できる可能性が示唆されている。

簡単に言えば、北極回りの航路で、ここは年中氷で閉ざされる海域なので、基本的には船での航行はできない。ただし、「地球温暖化」などという理由によってか、北極海の氷が溶けて、航行可能な場所が増えている現状を考えると、強ちこの航路が使える可能性は無視出来ない。

何しろ、従来の海路よりも3割程度、短くなる計算になる。輸送コストの面から考えても、大きなメリットが得られると見込まれている。

そして、この航路は支那も狙っているので、話はややこしくなる。

イージス・アショア配備可能な軍事的価値

さらに、これは近年言われるようになった「可能性」の話ではあるが、イージス・アショアの配備にあたって、割と適している場所ではないか?と。ソレが択捉島である。

まあ、択捉島にイージス・アショアの配備をしたところで、日本の国防には大きな影響が無いと言われてはいるが、直接的に影響はなくとも、間接的にはある。アメリカにとって択捉島を抑える事は、韓国などウルサく騒ぐ場所にイージス・アショアやTHAADを配備するよりも適していると考えられる。

たとえば、支那からロサンゼルスを大陸間弾道ミサイルで狙った場合、択捉島辺りがその弾道の下に入ってくる。山口県や岩手県に配備されるよりもメリットが大きいのである。

地政学的な点からも、単冠山は標高1,634mと比較的高度があるうえ、ミサイルの落下問題などを煩く言う住民もいないこと、海路も確保出来る上、補給などは北海道が近くにあることで解決が容易なことなど、比較的メリットが多い。

帰ってくる可能性のあったタイミングは2度

さて、これまでの交渉において、北方領土の返還の可能性があったタイミングは2度あったとされている。

それが、昭和31年:1956年10月19日に行われた日ソ共同宣言の際のことで、この共同宣言の際には歯舞群島と色丹島の引き渡しを条件付きで約束している。その条件とは、「平和条約締結の後に」というものだったが。

しかし、この約束の履行を日本側から強く迫ることはなく、ソ連という国は存在しなくなってしまう。

ソビエト連邦崩壊は平成3年:1991年12月にやってきた。これが2回目のチャンスだ。ソ連崩壊に伴って、日本は北方領土を「約束通り返して貰う」として、実際に乗り込んで支援をし、拠点を築いてしまえば良かったのである。

混乱が発生していないかを、自衛隊で乗り込んでいって確認すれば良かったのである。ただ、日本はそれを選択はしなかった。

元日本維新の会に所属していた議員丸山氏は、北方四島のビザ無し交流の訪問団の一員として令和元年:2019年5月に北方四島を訪れ、北方四島の返還に関連して「戦争しないと、どうしようもなくないですか」などと発言したとして、メディアに散々叩かれた。

しかし、領土返還とは、そういうモノであり、戦争無しに領土が返ってきた事例は、世界中を見ても殆どその事例を見つけられない。

戦後、アメリカ軍に占領された日本が国際社会に復帰でき、後に沖縄も返還されたことは、実に奇跡のような話であった。

憲法に書いちゃったもんね

憲法改正は令和2年7月

さて、「憲法に書いてあるから」などと報じられているが、これは大した話では無い。

ロシアでは去年7月、プーチン大統領が主導して憲法が改正され、他国への領土の割譲を禁止する条項が盛り込まれました。

「NHKニュース”プーチン大統領 “新憲法に従い北方領土引き渡し交渉行わず””」より

何しろ、この憲法改正を主導したのは、ロシア皇帝のプーチン氏である。

自分で憲法改正を働きかけて、それが実現したから「じゃあ、北方四島は日本に返すね」などということはできない。もともと返還する気はなかったが、憲法を改正してその姿勢を見せたと、それだけの話。

憲法では国境を画定する行為については禁止項目から除外されていて、日本との平和条約交渉を続ける余地は残したという見方も出ていますが、プーチン大統領は国境画定に関する質問には「ラブロフ外相に聞いてほしい」と答え、具体的には述べませんでした。

「NHKニュース”プーチン大統領 “新憲法に従い北方領土引き渡し交渉行わず””」より

国境画定ということを、ロシアはソ連時代から積極的にやっているので、可能性としては「ロシアの領土ではなかった」と表明さえすれば、ロジック的には返還できるとも言える。

しかし……、そんな可能性はないだろう。

ロシアはそういう国なのだから。

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