ロシア崩壊の足音?反プーチンデモ拡大

ロシアニュース

苦境に立たされるロシア。ある意味、支那も同じ路線での国際的非難を受けている状況なので、国際的にも「人権カード」が如何に強いかを示す話とも言える。

ナヴァルヌイ拘束で反プーチンデモ拡大するロシア

2021年2月9日

昨年8月20日、ロシアの野党指導者アレクセイ・ナヴァルヌイは、シベリア西部の都市トムスクからモスクワに向かう航空機の機中で突然苦しみだし、航空機はオムスクに緊急着陸した。ナヴァルヌイは、その後ドイツに移送され、ドイツはナヴァルヌイにノヴィチョクが使われたことは疑いない、と認定した。ナヴァルヌイ毒殺未遂事件にロシアの国家機関が関与していたことは確実である。

「WEDGE Infinity」より

日本では何故か人気のある強い指導者プーチン氏だが、KGB出身のヤバい人物でもある。ソ連国家安全委員会(KGB)は、情報収集から暗殺、拷問までナンデモござれの組織だといわれているが、国家公安を任務とする機関であれば、大なり小なりそういった傾向はあるだろう。え?スパイ映画に毒されすぎ?

ともあれ、そんなプーチン氏に対して反態勢デモを敢行しているのがナワリヌイ氏であって、結構な騒ぎに発展した模様。

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強い指導者

KGBのエリート

KGBという組織の中でも諜報活動に従事したエリートであったというのがプーチン氏の経歴なのだが、諜報戦と国家安全保障に関してはそういうバックグラウンドがあるお陰もあって、得意としている。

それ故に、敵側に回った相手に対しては容赦せず、何人も「暗殺されたのでは無いか」という疑惑が持ち上がった人物がいる。確認しようのない話ではあるが。あ、でもこんなネタがあったな。

このネタは有名で、プーチン氏にメディアが質問をしてプーチン氏が過激な回答をしたという体で作られている。ただ、実は付けられている映像と文字は全く関連性が無く、故にデマだとされている。

まあ、プーチン氏の名言とされているものと比較しても、強ち嘘とも断じることはできないのだけれど。名言として知られるものの中には例えばこんなものがある。

・Enemies are right in front of you, you are at war with them, then you make an armistice with them, and all is clear. A traitor must be destroyed, crushed. 敵はあなたの目の前にいる。あなたは戦争をしそれから休戦し、すべては明らかだ。裏切り者は砕き打ち倒さなければならない。

– 2001年、ジャーナリストのアレクセイ・ヴェネディクトフに語りかけた言葉

・Even 50 years ago, the streets of Leningrad taught me one thing: if a fight is inevitable, go and fight first. 50年前でさえ、レニングラードのストリートは私に一つのことを教えてくれた。戦いが避けられないのなら、赴き最初に戦うのだ。

– 2015年10月 ヴァルダイ国際討論クラブにて

なかなか過激な発言だね。

ともあれ、「国家を支えていく上では、甘い判断をしない」というキャラクターではあるようだね。

ロシアで反プーチンデモ拡大

で、次にナワリヌイ氏の話を少し説明したい。

アレクセイ・ナワリヌイ(Алексе́й Анато́льевич Нава́льный)なる人物は、ロシアの弁護士で政治活動家でもあるようだ。反プーチン派の急先鋒で、汚職問題の追及なども積極的に行っている模様。

そして、2014年に「反汚職・リベラル・親欧米」などを掲げる進歩党を結成した。

何度か無許可デモを呼びかけて、デモを実施し、支持者や支援者が逮捕されるに至っていて、ロシア基準でいえば犯罪者である。

こういった反態勢運動を繰り返すうちに、毒殺未遂事件が発生する。

ロシア野党指導者ナワリヌイ氏、意識不明で集中治療室に搬送 紅茶に毒か

2020年8月20日 21:36

ロシアの野党勢力指導者でウラジーミル・プーチン大統領批判の急先鋒(せんぽう)として知られるアレクセイ・ナワリヌイ氏(44)が、意識不明で病院に搬送された。同氏の広報担当者が20日、明らかにした。毒を盛られたようだという。病院の関係者は、医師らが救命努力を行っていると語った。

~~略~~

ナワリヌイ氏はロシア政権中枢の汚職を追及し、プーチン大統領を露骨に批判してきた人物。過去にもたびたび身体的な攻撃を受けており、昨年8月には無許可デモを呼び掛けたとして逮捕され収監中に、両まぶたが腫れ上がり体のあちこちに膿瘍(のうよう)ができる「重度のアレルギー症状」で病院に搬送された。この時も、ナワリヌイ氏側は毒を盛られたと主張し、捜査を要求していた。

「AFP」より

こんな報道が流れたが、後に宿泊していたホテルの部屋から発見されたペットボトルの飲料水に毒物が検出されたと訂正報道なされている。いずれにせよナワリヌイ氏が毒を盛られた可能性は高かろう。

毒物の成分はノビチョクと呼ばれる神経剤の一種で、ソ連時代に軍事用に開発された毒物であるという。ロシア当局はその存在や研究を否定しているんだけどね。

で、こうした暗殺未遂が何度も発生しても、ナワリヌイ氏は反態勢運動を継続しているようで。

1月23日には、ナヴァルヌイの呼びかけたデモがロシア各地で行われた。モスクワでは厳寒のなか、4万人以上が参加し、「プーチンなきロシアを」、「ナヴァルヌイを釈放せよ」とのスローガンを唱えながらデモをしたと報じられている。治安当局はナヴァルヌイの妻を含む1000人以上の人を無許可デモ参加の罪状で拘束したと報じられている。さらに、1月31日には、ナヴァルヌイの釈放を求める抗議デモが行われ、当局による都市封鎖にも拘わらず、デモは全土に拡大した。

「WEDGE Infinity”ナヴァルヌイ拘束で反プーチンデモ拡大するロシア”」より

1月末には大掛かりなデモに発展しているようだ。

反ロシアを支持するヨーロッパ

ヨーロッパは過敏に反応

そして、これに呼応しているのがヨーロッパの国々だ。

「人権カード」を良くも悪くも無視出来ないのがヨーロッパなので、当然の帰結なんだけれども、そう話は単純でもない。

ロシアとのガス管で独苦境 人権重視と矛盾、停止圧力も

2021年02月07日07時03分

ロシアからバルト海経由でドイツに天然ガスを運ぶ送ガス管「ノルドストリーム2」をめぐり、ドイツが苦境に陥っている。ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の毒殺未遂事件で、ロシアとの協力への厳しい意見が欧州内外で拡大。独政府は計画堅持の方針だが、同事件でロシアを批判した人権重視姿勢との矛盾が指摘され、建設停止の圧力も強まっている。

「時事通信」より

ロシアとヨーロッパとは、天然ガスを運ぶパイプラインが繋がっている。ノルドストリームと呼ばれるパイプラインだ。以前、言及したことがあったけれど、トルコ関連の記事だったかな。

ロシアが資源外交をする上で、天然ガスの話は避けて通れない。

結構ガッツリとパイプラインを作っていて、ウクライナが料金を支払わずに中抜きをしたり、色々なトラブルの元になっている話でもある。

欧州連合(EU)欧州議会は1月21日、建設停止を求める決議を可決。最大会派・欧州人民党代表で、独出身のウェーバー議員さえ、計画に「断固反対」と述べた。フランスのボーヌ欧州問題担当相も1日に地元ラジオで、ドイツに停止を求めたと語った。

「時事通信”ロシアとのガス管で独苦境 人権重視と矛盾、停止圧力も”」より

で、見て分かるようにドイツが国策もあって天然ガスの利用を拡大しつつあり、ロシアから天然ガスを輸入しているのだが……、現状を踏まえて欧州がロシアから天然ガスを買うとは何事か!パイプラインの建設を反対しろと圧力をかけてきた。

ドイツの二枚舌には呆れるが、ロシアや支那と深い関係を築きつつ、西側諸国ですよという顔をしているのだからナカナカ面の皮が厚いな。

二酸化炭素排出ゼロを目指すドイツ

何がドイツをそこまで駆り立てるのかは知らないが、とにかく二酸化炭素憎しで政策を進めている。

【ドイツ】SPD、総選挙で50年の炭素中立を公約に

2/9(火) 11:46配信

ドイツの連立与党に参加する中道左派の社会民主党(SPD)は7日、9月の連邦議会(下院)選挙に向け、2050年までの炭素中立実現を公約の柱として打ち出した。支持率回復に向けいち早く選挙戦のスタートを切るとともに、90年連合・緑の党の協力を取り付ける狙いがあるとみられている。

~~略~~

ドイツ政府は16年、50年までに二酸化炭素(CO2)排出量を1990年比で最大95%削減する目標を正式に示したが、SPDはさらに踏み込んだ形。

「yahooニュース」より

何というか、目標の設定はイマイチぴんと来ないが、とにかく減らして行こうと。更に原発もゼロにして行こうという方針なので、どうしてもLPG火力発電はある程度確保する必要がでてくる。

それでも独政府は、同計画は「経済的なものだ」と政治と切り離し、継続を主張する。ガス発電は石油や石炭より二酸化炭素(CO2)排出が少なく、気候変動対策になるという側面もある。

「時事通信”ロシアとのガス管で独苦境 人権重視と矛盾、停止圧力も”」より

そうなってくると、ロシアからの天然ガスは生命線になる。

……わけが分からないよ。

そんな訳でドイツとしては、なかなかEUの決定に従えない部分があるのだが、EU内でも大きな力を持つドイツの影響は廃することができないので、ヨーロッパも足並みを揃えるのはそう簡単ではない。

ナワリヌイ氏は実刑判決をうける

で、先日、ナワリヌイ氏は実刑判決を受けた。

ロシア裁判所、反体制派ナワリヌイ氏を実刑に 欧米は非難

2021年2月3日

ウラジーミル・プーチン大統領を批判しているナワリヌイ氏は、先月ロシアに帰国して以来、拘束されている。同氏は昨年8月、致死性の高い神経剤で襲われ、ドイツで治療を受けていた。

ナワリヌイ氏は2014年に横領罪で有罪となり、執行猶予つきの禁錮刑の判決を受けた。その際、警察への定期的な報告が義務付けられた。今回の決定では、同氏がこれに違反したとされた。

裁判所の決定により、ナワリヌイ氏は執行猶予が取り消され、実刑に切り替わる。同氏は過去に1年間、自宅軟禁に置かれており、その分が刑期3年6カ月から差し引かれる。

~~略~~

ナワリヌイ氏は決定が言い渡される前に、法廷でプーチン氏を「毒殺者」と呼び、自らへの襲撃の責任者だと非難。今回の事件は反体制派を脅かすためのものだとし、「1人を刑務所に送ることで、何百万もの人々を脅しつけた」と述べた。

ロシア政府は、ナワリヌイ氏に対する襲撃には無関係だとしている。ロシア製の化学兵器ノビチョクが使われたとする欧米の専門家の結論も認めていない。

「BBC」より

正直、ナワリヌイ氏はロシアの法を犯している可能性が高いと思われ、収監される事にはそれ程違和感はない。ただ、暗殺されるのは別の話。

欧州の主張が何処までロシアに対して有効なのかは不明だが、ロシア経済が思いの外不調な今、プーチン氏の求心力は低下しているのも無理はない話。

ロシア経済5年ぶりマイナス成長、抗議拡大が回復に影

2021年2月2日 14:30

ロシア経済が低迷からの脱却が見通せなくなっている。2020年は5年ぶりのマイナス成長だった。大幅な悪化は回避し、政権は国主導で回復を目指すものの、消費の回復は鈍い。反体制派ナワリヌイ氏の拘束を機に広がった抗議の取り締まりに欧米は非難を強めており、対ロ制裁強化への懸念も逆風となっている。

「日本経済新聞」より

プーチン体制崩壊も夢物語ではなくなってきて、欧州は更に態度を硬化させるだろう。ロシア経済の不調は今に始まった話では無いのだが、当面、この傾向は続くと思われ、ますますプーチン態勢は厳しい状況におかれていくだろう。

ロシア崩壊なんて話も現実味を帯びてきてはいるが、さて、これが世界にどんな影響を及ぼすのか。

追記

コメントで紹介頂いたので、先ずはこの笑顔を。

日本人に人気があるのは、この余裕なのかも知れない。

プーチン氏年末恒例会見 バイデン氏、ワクチン、ナワリヌイ氏について語る

2020年12月17日 23:00

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(68)は17日、年末恒例の記者会見を開き、米国のジョー・バイデン次期大統領や新型コロナウイルスワクチン、毒殺未遂に遭った野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏などに関する記者からのさまざまな質問に答えた。

~~略~~

プーチン大統領は、ナワリヌイ氏の毒殺を望んだのがロシアの特殊部隊だったなら「最後までやり遂げていただろう」とコメントした。

「AFP」より

正直な感想を言わせて頂くと、「説得力があるな」という、これに尽きる。

誰が犯人なのか?という点については、ロシア政府犯人説には確かに怪しい点は幾つもある。プーチン氏が言うように、ロシアの特殊部隊が作戦に及んでいたのだとしたなら、ナワリヌイ氏が生きていたとは思えないし、何度も失敗するようなことはないだろう。

更に、殺害に使ったとされるノビチョクだが、ロシアの特殊部隊で使われるモノといわれていて、まさに「自分が犯人ですよ」と宣伝するような話だし、ペットボトルをホテルの一室に残しておいたというのも意味不明だ。

更に、最初は紅茶に毒物を盛られたという話が出ていて、シベリアからモスクワへ移動中の航空機の中で意識不明になったという。

流石に自作自演などということはなかろうが、ロシア政府側の指令でというのは、余りにもお粗末な手際といわざるを得ない。ナワリヌイ氏は案外的が多いのかもしれない。

コメント

  1. プーチン氏年末恒例会見 バイデン氏、ワクチン、ナワリヌイ氏について語る
    2020年12月17日
    https://www.afpbb.com/articles/-/3321963?page=2

    ナワリヌイ氏の毒殺未遂をめぐっては、ロシア治安当局が関与していたとの報道を一蹴。仮に自国の当局が背後にいたとすれば、ナワリヌイ氏は今頃生きていなかっただろうと語った。

    • 紹介頂いた記事に感銘を受けました。
      いやー、流石プーチン氏ですな。
      言っている事はなかなか恐ろしいのですが、「なるほど」と思わせる説得力があるところがなかなか。

      追記させて頂きました。

  2. ゆばさんの紹介された記事で強面のプーチン大統領の本性というか、修羅場をくぐってきた実に彼らしいとても一筋縄ではいかないと改めて認識しました。
    決して称賛する訳ではありませんが、恐ろしいほどの才能と資質を持った真の独裁的指導者なんですね。

    ナワリヌイ氏がプーチン大統領転覆を図って動いているのは明らかで、大規模なデモを起こした情報リークも彼の勢力の仕業でしょうね。
    でも、事実上の独裁政権ですのでクーデターまがいでも簡単にはいかないと思いますし、逆説的に本当に危機を感じたら欧州・国際社会の猛反発を覚悟してでも、政権を守るためには軍投入による虐殺を招く恐れもあります。

    EU・ドイツの関係も魑魅魍魎で複雑ですが、少なくとも現時点でドイツがロシアにパイプラインを握られたのは本当にマズいですね。

    日本は北方領土問題で足蹴にされ煮え湯を飲まされている情けない現状...、とはいえロシアに政変が起きるとすれば無関係では済まされず、しっかりとした国益を実現可能な善後策を練っておかねばなりませんね。

    • ナワリヌイ氏が西側諸国からの資金供与を受けている可能性は高いでしょう。
      そういう意味では、プーチン氏はナワリヌイ氏を排除するだけの動機はあると言えるのですが、パイプラインの件を考えると、命を奪う必要性があるのかどうか。

      ナワリヌイ氏、政敵が多そうですから、命を狙われる可能性は色々あると思います。
      ただ、プーチン氏が命じてというのは、やっぱり可能性として薄い気がしますよ。

  3. ナワリヌイ氏はロシアに戻らないという選択もあったわけで、戻ることができたのは、単に「命を脅かされる危険がないことを知っていた」からではないのかと思います。
    「ナワリヌイ氏は今頃生きていなかっただろう」というプーチン大統領の発言はそれを裏付けるような気がします。

    ~ロシア戦勝70年モスクワで大規模祝賀行進でプーチン大統領の言葉~
    「スターリンとスターリン主義について、今日こそ答えよう。スターリンがこの国を率いた30年間、ロシアは劇的な進歩を遂げた。それは疑うべくもない。また我々はドイツとの戦争に勝ち抜いた。誰が何と言おうと、犠牲者が多すぎると言われようと、勝利は得られたのである。祖国を勝利に導いた人びとに、石を投げる権利は誰にもない」
    (https://www.youtube.com/watch?t=5223&v=_UDT4BstJtY)

    プーチン大統領のこの言葉に、国を守るということの重さを感じます。好きな言葉です。

    • なるほど、プーチン氏、味のある名言を残していますね。

      この言葉は日本人にも響くと思います。
      何故ならば、大東亜戦争は戦略的に失敗をして負けてしまいました。
      「多すぎる犠牲」を払った事実は変えられませんが、しかし、その犠牲の上に今の日本があるのも事実であります。そこを否定してはダメだと思うのですが、パヨク界隈の方々は、そこに理解がないのですよね。