沖縄の薄い危機感と、薄氷の勝利を掴んだ浦添市長選挙

基地問題

さて、首長選挙の結果で市政に大きな影響が出るわけで、そろそろそういった認識が産まれてきてもおかしくは無いのだけれど、どうにもここのところの選挙結果を見ると、その辺りの危機感が薄い様だ。

沖縄・浦添市長選、自公推薦の現職3選 軍港移設で知事側に矛盾も

2021.2.7 23:40

任期満了に伴う沖縄県浦添市長選が7日投開票され、菅義偉政権が推す無所属現職の松本哲治(てつじ)氏(53)=自民、公明推薦=が、玉城デニー知事や共産、社民、立民各党などが支援する元市議で無所属新人の伊礼悠記(ゆうき)氏(38)を破り、3期目の当選を確実にした。投票率は62・98%。同市長選は来年の知事選の前哨戦と位置付けられており、今後の県政運営に影響を及ぼしそうだ。

「産経新聞」より

直近の選挙では、浦添市の市長選挙が行われた。

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選挙と民意

勝利したのは米軍那覇港湾施設容認派

さて、この選挙で勝利したのは現職の市長である。

浦添市長選の最大の争点は米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添沿岸部への移設問題で、松本氏は容認する立場。那覇軍港をめぐっては、移設を条件に返還されることで日米両政府が合意している。県と那覇、浦添両市も移設先を浦添沿岸部とすることに同意しており、容認派の松本氏が信任を得たことで、移設計画が加速しそうだ。

「産経新聞”沖縄・浦添市長選、自公推薦の現職3選 軍港移設で知事側に矛盾も”」より

ところで、この選挙において沖縄知事の玉城デニー氏は、反対派である伊礼悠記氏を応援したようだ。

どんな候補かと思ったら、バリバリ左派の女性議員であった模様。

伊礼さん、敗戦も支持者に感謝 浦添市長選

2021年2月8日 05:30

日に投開票された浦添市長選で、相手候補の当確が報じられた同日午後11時すぎ、市仲間にある新人の伊礼悠記候補の選挙事務所は重苦しい雰囲気に包まれた。伊礼さんは目に涙を浮かべながら、集まった支持者らに「短い選挙戦の中、支えてくれて本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。

「琉球新報」より

最低賃金1500円にしようとか主張している模様。

https://video.twimg.com/ext_tw_video/1348436834741747713/pu/vid/640×360/KQCcQsRj7pAelIu2.mp4?tag=10

流石にダメでしょう……。

共産系の候補であればこの程度は余裕なんだろうが、この候補を応援していた玉城デニー氏もこの方針には賛成しているのだろうか?

尤も、3選を実現した現職の松本哲治氏も、初当選の際には軍港代替施設の受け入れを反対していたので、沖縄の選挙トレンドとしては、兵力増強に反対した方が得票率は高くなる傾向にあるのだろう。

那覇軍港の問題

ところで那覇軍港移設の問題だが、そもそも那覇軍港はベトナム戦争の時代には物流の重要拠点として使われていた。ところが、現在はその機能は東海岸のホワイト・ビーチに移転してしまい、那覇軍港自体は遊休状態にあるとされている。

これはWikipedhiaで紹介されている沖縄の基地分布で、南側を切り出したものだが、嘉手納飛行場の隣くらいに位置する那覇湾岸施設の主要機能をホワイト・ビーチ地区に移した背景には、ホワイト・ビーチ地区が原子力潜水艦も入港可能な重要拠点になっているために複合化したいという理由が考えられる。

そして、那覇市への移設条件付き全面返還が日米で合意されているため、那覇軍港(現在は那覇港湾施設と改称されている)の返還は時間の問題ということにもなっている。

「北側へ配置受け入れる」浦添市長が了承 南側案から一転 那覇軍港移設

2020年8月18日 17:08

那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添埠頭への移設を巡り、沖縄県浦添市の松本哲治市長は18日、県庁で玉城デニー知事、城間幹子那覇市長と会談し、軍港を北側に配置する「北側案」に同意する考えを示した。会談後、記者団の取材に「これ以上の足踏みは許されない。北側への配置を受け入れることにした」と述べた。

「沖縄タイムス」より

2020年8月には、沖縄県知事と那覇市長、そして浦添市長が会談をして、「北側案」に了承したと報じられた。……玉城デニー氏も同意しているんじゃねーか!

移転反対!

共産系の候補が移転反対を唱える背景には、サヨク最後の楽園である沖縄での資金源が軍用地から産み出される基地交付金によるものだ、というところが結構大きいようだ。

反対派の主張を拾い上げてみよう。

伊礼氏は、市議2期8年間で一貫して那覇港湾施設(那覇軍港)移設に反対してきたとし、「きれいな西海岸の海を埋め立てて軍港を造ることは絶対に許すことはできない」「SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも認められない」などと強調した。西海岸開発については「市民の声を拾い上げたい」と述べるにとどめた。

「沖縄タイムス”「軍港移設に反対」浦添市議の伊礼悠記氏、市長選に立候補を正式表明”」

……え?SDGsの観点?

もはや意味が分からない。

2月7日投開票の浦添市長選に向けて立候補を表明している市議で新人の伊礼悠記氏(38)=無所属=は19日、同市社会福祉センターで記者会見し、政策を発表した。米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設について「基地は経済発展の最大の阻害要因だ」と述べ、改めて反対の立場を掲げた。

「琉球新報”軍港は発展を阻害 浦添市長選 伊礼氏が政策発表”」より

……え?基地は経済発展の最大の阻害要因だ?

あれ、意見が変わっていませんか?

もはや、反対出来れば理由は何でも良いようだ。

キャンプ・キンザー返還後の西海岸開発は「市民、地元業者の意見を聞きながら(跡地利用の)グランドデザインを進める。その先に西海岸の埋め立てが必要なのかどうかを考えていきたい」と話した。

「琉球新報”軍港は発展を阻害 浦添市長選 伊礼氏が政策発表”」より

その上で、グランドデザインは何も決まっていない模様。

那覇軍港の移転に伴って、那覇は広大な港が自らの元に返ってくるのだが、ここの軍用地の地主達は租借金が支払われなくなって涙目であろう。もちろん、この土地を何処かの企業が買い取って利用してくれれば良いのだろうが、その場合は買い取りで一時金が支払われるのみ。軍用地として租借されている方が旨味が大きいのである。

馬毛島を擁する西之表市の市長選挙は反対派が再選

こちらは沖縄の話では無いが、関連事項である。

市長選144票差の重みは 馬毛島の計画、反対派が再選

2021年2月2日 5時30分

馬毛島(鹿児島県西之表市)への米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画についての賛否が争点となった西之表市長選で、計画反対を訴えた現職の八板俊輔氏(67)が再選を果たした。「対応の負託を受けた」と八板氏。ただ「容認」の相手候補との差はわずかで、「国策」にどう対抗するか、難しいかじ取りとなる。

「朝日新聞」より

馬毛島の話はこのブログでも触れた。

この時の記事でも言及しているが、市長選挙の焦点となったのはFCLPの受け入れの賛否であったようだ。

市長選の投票率は80・17%。八板氏の得票は5103票で、計画容認を掲げた新顔で市商工会長の福井清信氏(71)=自民推薦=は4959票と、わずか144票差だった。

「朝日新聞”市長選144票差の重みは 馬毛島の計画、反対派が再選”」より

得票差が144票であっても民意は民意である。

現職が強いという傾向の出る市長選で、ここまで肉薄したということに着目すべきか、朝日新聞社に就職していた履歴を持つこの八坂氏の主張が受け入れられたと見るべきか。

ここでも自衛隊の誘致を行うことで、補助金が得られるだろうという事が争点になったようだ。

福井氏は、島の大部分がすでに国有地となり、「市が賛否を言う時期は過ぎた」として、国に地域振興策を求めていくべきだと訴える。八板氏は、環境問題や現行の日米地位協定では米軍の行動に歯止めをかけられないことを挙げ、「失うものが大きい」と主張する。

「時事通信”西之表市長選、現新2人が届け出 馬毛島基地の是非争点―鹿児島”」より

ただ、「環境問題」を挙げる八坂氏側の主張はイマイチピンぼけのような気がする。環境問題というのは、馬毛鹿がどうとか、漁業に影響がどうとかというお話ですな。

あと、米軍の行動に歯止めというのは一理あると思うが……、それは国の専権事項なので、選挙の争点としてどうなんだろう?とは思うよ。

宮古島の選挙

さて、少々前の話になるが、宮古島市でも選挙が行われていた。

沖縄 宮古島市長選 新人の座喜味氏が初当選

2021年1月18日 1時00分

来年の沖縄県知事選挙の前哨戦と位置づけて現職と新人の2人が争った宮古島市の市長選挙は17日、投票が行われ、玉城知事を支える「オール沖縄」が支援した新人が初めての当選を果たしました。

沖縄県宮古島市の市長選挙の開票結果です。

▽座喜味一幸、無所属・新。当選。1万5757票。

▽下地敏彦、無所属・現。1万2975票。

「NHKニュース」より

現職の下地氏は敗れている。だが、この選挙の争点は市政刷新であり両候補ともに基地は容認の姿勢であったようだ。オール沖縄派の座喜味氏が当選し、自民党の推した下地氏は敗れた背景には、座喜味氏が沖縄自民党出身で、保守分裂選挙になったからだ、という事もあったようだ。

しかし、この選挙で勝利した玉城デニー氏陣営は飲めや歌えやの大騒ぎをした結果、武漢ウイルスを撒き散らす事態となってしまった。

【速報】宮古島市長選の打ち上げなどで7人の感染を確認

2021年1月29日(金) 15:07

玉城デニー知事は29日の定例会見で、宮古島市長選の打ち上げなどが感染経路と判明した感染者が、これまでに7人確認されていると発表した。

「宮古毎日新聞」より

これで自衛隊派遣要請をする羽目になった玉城デニー氏、どの面を下げて要請をしたのか?と、笑いものになったようだが、面の皮が厚い彼らにとっては反省点ではなかったようだ。

選挙が感染拡大の要因になった、というのではなく、祝勝会での馬鹿騒ぎがクラスターになったという事を批判した記事は見たことがないけどね。メディアはどうして左派を甘やかすのだろうか。仲間だからかな?

薄い危機感

一連のニュースから分かる事は、沖縄ではかなり支那に対する危機感が薄いということだ。

デニー知事に聞いた 沖縄の基地問題を解決するには? 尖閣緊迫化をどう見る? コロナ対策は?

2021年1月1日 08:29

玉城デニー知事は1日までに、報道各社の新春インタビューに応じた。名護市辺野古の新基地建設問題では「対話の糸口をつくり、協議を始めることで代案が出てくるというのが私の考えだ」と述べ、引き続き対話による解決を求める考えを示した。

~~略~~

 -尖閣諸島周辺で中国の圧力が高まる。

「中国公船の行為は、県内の漁業者や宮古、八重山地域の住民に不安を与える。沖縄県と中国との友好関係にも影を落とすもので受け入れられない。両国が冷静かつ平和的な外交による解決を求めることが一番大切だろうと考える」

「沖縄タイムス」より

基地建設に反対しつつ、支那には「申し訳無いけど、騒ぎを起こさないで頂けますか」的な低姿勢である。大丈夫なのか?この知事は。

社説[中国「海警法」施行]緊張高める行動は慎め

2021年2月4日 07:09

中国の海上警備を担う海警局に、武器使用や外国船の強制検査権限などを認めた「海警法」が1日、施行された。尖閣諸島周辺で、日中間の偶発的な衝突の危険性が高まるのではないか、危惧の念を抱く。

~~略~~

日中平和友好条約締結40年の節目に当たる18年、両政府は防衛当局間の相互通報体制の運用を開始した。艦船や航空機間の連絡方法といった枠組みは決まったものの、その核心となるホットラインは、どのレベルの幹部を対話の窓口にするかなどで、双方の思惑が合致せず、長い間開設できなかった経緯がある。実効性のある運用を望みたい。

「沖縄タイムス」より

日本政府と支那とのホットラインに関しては、「設置する」ということが決まったものの、それから全く進展していない模様。

軍事、経済の両面で膨張を続ける中国に対する米国の厳しい姿勢は、トランプ政権からバイデン政権になっても変わらない。新政権は中国を「激化する競争の相手」と位置付け、日本を含む同盟国と共に対抗する構図を描く。一方で、両国の関係全体が悪化した前政権とは異なり、新たな戦略も探る。

この地域の安定のためにも、対話の扉だけは閉ざしてはならない。 

「沖縄タイムス”社説[中国「海警法」施行]緊張高める行動は慎め”」より

支那に対して「強く自制を求めたい」などと注文を付けた割に、話し合いで解決をという弱腰な姿勢を見せるのは一体何故なのか。

相手側は、海警法によって法的に正しいとされる手法で銃撃してくる構えである。自制もクソも無いと思うのだが……。

こうした新聞が民意を代表している沖縄では、極めて危機感が薄い。敵が目の前をウロウロしている現実を目の当たりにしつつ、「話し合いで」とは、呆れる。

この社説には、武力で対抗せよとは一文字も書かれていない。日本政府に安全を確保するように要請しながら、対話で何とかしろというからスゴい。

正直、現在の日本政府はこの問題を解決する手段を持たない。沖縄県こそ憲法改正を強く訴えるべき地域なのだが、その自覚が無いらしい。浦添市の市長選は、それでも民意が危機感を持ち始めていると理解すべき事案かもしれない。が、まだまだ危機感が薄い様に思えてならない。

相手は自国民としている相手にジェノサイドをやらかす国なんだぜ?敵対勢力に対して容赦するとは、とても思えないんだが。

コメント

  1. 沖縄の基地問題ですが、10数年前に辺野古を「最低でも県外」とか言って引っ掻き回した結果、面倒な事になったなぁ…と。
    そのまま素直に移設していれば今ほど外野も騒がなかったと思いますね。

    自衛隊に関しては、最近尖閣にちょっかい出している所へ牽制の為にも誘致は賛成です。
    那覇軍港の跡地に自衛隊誘致します!とか、思い切った事やってくれないかなぁと。
    話し合いで解決はまず無理な相手ですからね…
    むかーしチェンバレンって方が、ドイツのちょび髭閣下に話し合いで解決(したと思った)結果、どうなったか。

    • 民主党政権時代に引っ繰り返したのは、まさに害悪でしたね。
      誰も幸せにならなかった気がします。

      自衛隊の常駐というのは、国防という観点からも避けては通れない話であると思います。
      もちろん、地元の理解も必要ではありますが、地政学的に沖縄は不幸にも狙われかねない地域であります。その辺りの理解を広めておきたいですよね。