支那の事情を他人事だと言えない、日本の電力事情

電力

去年の年末に支那で大規模な停電が、と、記事にしていたが、日本も似たような事態を迎えつつある事を知ってびっくりした。これ、政治の不作為である。

中国電力管内 電力使用率 一時100%近くに 寒波で暖房需要増加

2021年1月7日 18時55分

寒波の影響で暖房の需要が増えていることから中国電力の管内では、電力の需要が事前の想定を超えて需給が厳しくなっています。会社では火力発電所の発電量を増やしたり、ほかの電力会社から融通を受けたりする対応をとっていて、今のところ安定供給には支障はないということです。

「NHKニュース」より

これは1月7日のニュースだが、今も状況は逼迫しているようだ。

「今のところ安定供給に支障はない」などと書かれているが、嘘つき!とNHKを批難したい。

電力使用率100%の意味

さて、先ずは電力使用率の話を少し書いておきたい。

定義的には、供給力に対する使用電力(電力需要)という事になる。潤沢な電力供給力があれば100%になるなどということは無い。

電力使用状況グラフの見方 - 電力需給状況Q&A|中部電力
中部電力パワーグリッドのホームページです。良質な電気を安全・安価で安定的にお届けし、地域・社会の発展を支えていきます。

しかしながら、過剰に供給しても無駄なので、例年の実績から大凡の需要量予測を立てて発電をしているのが現状である。

ところが、寒波の影響などで電力需要予測を外れた需要が出てしまうと、慌てて供給力を増やすという事になるのだが、その供給を増やすスピードに需要の方が上回ると100%を超えてしまうような事態を引き起こす。

ある程度のバッファがあるようで、一瞬、使用率100%を超える事があっても、対応することは可能なようだ。

電気が足りない

ところが、最近はこの状況が少し変わりつつある。

当社エリア内において気温が低く推移する中、電力需要の増加や発電事業者の発電機停止等により、火力発電所の高稼働が続いたため、燃料の在庫が減少していることから、供給力が低下し、エリア内の需給が厳しい状態が継続しています。 現在、発電事業者の供給力確保や自家発電保有事業者への増発依頼等の対策や他エリアの送配電事業者からの電力融通受電などにより電力の安全・安定供給に全力を尽くしています。 引き続き電気の効率的なご使用にご協力いただきますようお願いいたします。

「関西電力送配電サイト」より

この文章は、関西電力のサイトに掲載されている内容で、「燃料の在庫減少」という事が書かれている。何故このようなことが起こるのだろうか?

LPG=1月4~8日: 極東着相場が急伸、堅調な買い気を受け

2021/01/11 07:00

CFR**極東:**

 極東着相場は先週、プロパン単体に対する堅調な買い気を背景に急騰した。

~~略~~

FOB**中東:**

 カタール産ガス1社が2月下旬積みプロパン/ブタン各2万2,500トンの販売入札を実施中。

~~略~~

日本国内:

 京浜の1月渡し陸上相場はプロパン59,000~59,500円、ブタン60,000~60,500円。元売り勢は低在庫を理由にスポット供給に消極的だ。

「rim-intelligence」より

実は、LPG火力発電を中心とした火力発電依存が、大きく影響しているのである。

日本の電力割合

最近のトレンドとして、自然エネルギー(再生可能エネルギー)発電の割合を増やしていこうという流れになっている。

日本国内の自然エネルギーによる発電量の割合は18%を超え、太陽光は7%に

2020年4月10日

要旨

・ 2019年 (暦年)の日本国内の全発電量(自家消費含む)に占める自然エネルギーの割合は前年の17.4%から18.5%に増加したと推計される。

・ 日本国内の太陽光発電の年間発電量の割合は、2019年には前年の6.5%から7.4%に増加し、VRE(変動する自然エネルギー:太陽光および風力)の割合は7.2%から8.2%に増加した。

・ バイオマス発電(2.7%)の年間発電量は前年から2割、風力発電(0.76%)および地熱発電(0.24%)も1割程度増加しているが、水力(7.4%)は前年からほぼ横ばいだった。

・ 化石燃料による火力発電の年間発電量の割合は前年の78%から75%に減少したがまだ高いレベルであり、原子力発電は前年の4.7%から6.5%に増加した。

・ 欧州では、すでに自然エネルギーの年間発電量の割合が30%を超える国が多くあり、デンマークは84%に。VRE(変動する自然エネルギー)の割合もデンマークの55%を筆頭に20%を超える国が多くある。

・ EU全体の2030年に向けた高い自然エネルギー導入目標と合わせて各国では中長期的な高い導入目標を掲げおり、自然エネルギー100%で電力供給を目指す国もあるが、これらと比べて日本の2030年の導入目標24%はとても低い。

・ 中国でも自然エネルギーの割合は水力発電を含めて全発電量の26.4%に達しており、風力発電が5.5%、太陽光発電も3.1%になり、VRE割合(8.4%)が原子力の4.8%を大きく上回っている。

「isep.or.jp」より

傾向としては、どんどん再生可能エネルギー発電が増えているという、それだけのために引用した内容なので、特に読んで頂く必要は無いが、そういう傾向であることは事実だ。

一方で、火力発電依存はなかなか脱却できていない。

火力依存8割超のリスク 危うい日本のエネルギー

2017.7.30 07:00

私たちの暮らしや産業に欠かせない電気。その供給をめぐる実情は、2011年の東日本大震災以降、アンバランスで危うい状況が続いています。

「産経新聞」より

最新データではない(引用したのは2017年のもの)が、現状でも概ね8割が火力発電依存である。このうち4割以上(全体の43.8%)がLPG火力発電に依存しているというから、当然、LPGの価格変動に大きな影響を受ける。

1月12日の状況としては、北海道や東北でかなり厳しい状況が続いていて、更に関西電力も苦しい状況であることがグラフから分かると思う。

何故か?実は、再生可能エネルギー発電が低調であることも影響しているのである。そう、雪によって太陽光発電はほとんど仕事をしていないのだ。

どうして原発再稼働をしないのか?

そんな訳で、いつもの話をする訳なのだが……。

原発再稼働、視界開けず 業界総出で関電「助け船」

2020年12月18日07時07分

 電気事業連合会が17日、青森県むつ市に設置される使用済み核燃料の中間貯蔵施設の共同利用方針を打ち出した。老朽原発の再稼働をめぐり、福井県から県外に貯蔵施設の候補地を示すよう求められている関西電力にとって「助け船」となる。電力業界総出で原発再稼働を推進する格好だが、むつ市の理解が得られるかは見通せない。

「時事通信」より

原発の再稼働ができていないことが非常に大きな問題となっていると思う。

確かに、原発の安全性という問題や、放射性廃棄物の処理問題というのは厳然として存在する訳だが、それはそれとして解決すべき問題である。しかし、その事と「再稼働しない」という判断は無関係だ。何故なら、再稼働しなくても放射性廃棄物は減らないのである。

放射性廃棄物の大半は、原子力発電所そのもので、燃料やその燃えかすが寄与する割合は全体の1%にも満たない。「少しの燃料で沢山の電力を作り出せる」というのが原発の特徴だから、当然の話だ。

故に、即時原発廃炉を選択しても、放射性廃棄物の処理問題は何も解決しない。

一方で、安全性の問題は、これまで問題無く運転してきた実績を考えれば、今後数年以内に福島第1原発事故のような事態を迎えることはあり得ないし、あったとすれば、それは再稼働していてもしていなくてもリスクは大差無いのである。

何しろ、原発は停止していても燃料を冷やすために電力を大量に消費する。この電力供給がカットされてしまえば、福島第1原発事故の再来などという事になりかねない。実際に、福島第1原発の一部の炉は停止中だったにも関わらず、爆発してしまった(注:とはいえ停止中の4号炉は、3号炉と連絡する配管があったようで、爆発の原因は3号炉からの水素漏れであると推測されている)のだ。

使用済み核燃料は、日本各地の原子力発電所の燃料プールに保管されていて、これが継続的に冷却されているため、冷却に必要な電力供給がなくなってしまうと、火災の発生や核燃料の過熱のリスクがあるのである。

つまり、再稼働をしない理由は、原発を造った後に作られた過度な基準が問題となっているという事なのである。バカバカしい話だが。

大飯原発、設置許可取り消し認める 大阪地裁判決

2020年12月4日 15:04 (2020年12月4日 19:11更新)

関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り、安全審査基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、福井県などの住民らが国に原子炉設置許可の取り消しを求めた訴訟の判決が4日、大阪地裁であった。森鍵一裁判長は「審査すべき点をしておらず違法だ」として、国に設置許可の取り消しを命じた。

「日本経済新聞」より

なお、去年末に大阪地裁がこんなアホな判決を下したのだが、これでは韓国をOINKと笑えない。何故ならば、後にできた基準によって再稼働どころか設置許可取り消しを命じてしまったのである。裁判官を辞職されるのが適当だ。

日本のエネルギー政策の問題点

こうした事情を考えれば、日本のエネルギー政策は根本的な見直しが必要となるのは明白だ。

第1部 第1章 はじめに │ 令和元年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2020) HTML版 │ 資源エネルギー庁
資源エネルギー庁のホームページです。「令和元年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2020)HTML版。

2020年のエネルギー白書では、問題点を認識しつつも結構夢物語的な展望を描いていて失笑するしかない。再生可能エネルギー発電の推進を大々的にぶち上げているが、現実的にそれを目指すのであれば、原発再稼働の問題を置き去りにすることはあり得ない。

再稼働した上で、早急に原発に代わる発電方法を確立しなければならないのに、その意思がない。現在の原発の寿命を考えると、せいぜい即時再稼働しても10年程度しか原発に頼ることができない。

10年以内に次の発電手法を確立する必要がある点は、再稼働の有無で変化がないのだ。再稼働すれば今ある設備を使って、少々の放射性廃棄物を増やすだけで電力が得られる訳だ。そして、災害などによるリスクはほとんど変わらない。

日本のエネルギー政策は、そういった現実から目を背けている事こそが問題なのである。

そして……、必要であれば、新しいより安全な原発を今、建設すべきで、その判断は即時やらないと、間に合わない。

支那のように厳冬期に輪番停電をしなければならないような事態を迎えたくなければ、現実をしっかり認識して対応するより他無い。

武漢ウイルス対策で巣ごもり推奨であれば、更に電力需要は大きくなる可能性があるわけで、大きな決断を早急にすべきなのだ。そして、それは政治的決断さえ有れば解決する。期間を区切って再稼働、これしか無いのである。

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追記

ダイレクトメッセージを戴いたが、少し言葉が足りていなかった印象なので補足しておきたい。

年末に支那の電力不足に関して言及していて、この原因は不明ながらもオーストラリアの石炭供給がカットされたことに起因している可能性に加えて、そもそも送電線のトラブルがあるのでは無いか?というような事を言及させて頂いている。

日本の今回の電力需給の高まりと、それに必死に対応している電力会社の話は、構図としては確かに大きく異なるが、「電力供給に不安がある」という点では同じだ。

電力供給は人々の生命維持に欠かせないインフラである。理由がどうあれ、ここに支障があるという事実そのものが問題なのである。

電力需給ひっ迫、電気事業連合会など「節電」呼びかけ

2021年01月12日 15時57分 公開

12月下旬から続く厳しい寒さで全国的に電力需要が増え、1月8日には西日本を中心に全国7エリアで最大需要が「10年に1度」と想定される規模を上回った。これを受け、電気事業連合会や電力各社は節電を呼びかけている。

~~略~~

しかし悪天候により太陽光発電の発電量が低下。海外から輸入しているLNG(液化天然ガス)の在庫減少リスクも高まっているという。日本卸電力取引所(JEPX)の電力取引価格も高騰している。

「IT media」より

メディアは、唐突に需要が増えたので供給が追いつかないというような書き方をしてはいるが、エネルギー戦略そのものの拙さに関しては言及してはいない。しかし本ブログでは、電力の安定供給は国家戦略そのものに根差すモノであると考えているため、再生可能エネルギー発電を無秩序に増やして混乱を来しているような状況を招いているのであるから、即座にその方針を改めるべきだと、その様に考えている次第である。

コメント

  1. 放射脳の方々の意見のウチ、原発は、核は、無ければ無いに越した事は無い、全くもってお説ごもっともだと思います。
    が。
    現状の現実的な解として、地理的条件含めて、原発意外に解がなく(自然エネルギーは本邦には立地的に向かない)、しかも再稼働すれば即座に解決出来るのに、それをしない、出来ない。
    これは、核や放射能、放射線について、謝った知識を蔓延してきたマスゴミ含めた社会の問題だと認識してます。
    なので、解決には途方もない時間が必要でしょう。
    ここは、緊急事態宣言に乗じて、政府判断で再稼働し、その泥は誰かがひっかぶる、そんな漢気のある政治家の出現しか方法はないのでは、と思ってしまいます。

    ところで放射脳は滅ぼさなければならない。

    • 放射脳の方々に付ける薬は無いでしょう。

      今回の記事で、政治的不作為といった表現を使いましたが、原子炉の安全基準を建設時点と大きく変えてしまったというのは、大失敗であったと思います。
      これを政治的に撤回できるのか?といえば、原子力規制委員会が独立機関である以上は、そう簡単には行かないと思います。
      ただ、ご指摘の様に、政治的判断1つで動かす事は出来るのです。
      新規原子炉に対する基準は厳格に、しかし、既に運用している原子炉に関して、特別法を作って運用を続ける判断をすれば、再稼働は可能ですし、そうしなければならないでしょう。ただ、その決断をした総理は、政治生命をそこに賭ける必要があるので、そこで他の政策が出来なくなってしまうと言うのが日本の現状なのでしょうけれど。

  2. >去年末に大阪地裁がこんなアホな判決を下したのだが、これでは韓国をOINKと笑えない。
    まさに、アホな判決ですな。

    「審査ガイド」に違反したから「調査審議及び判断の過程には、看過し難い過誤、欠落がある」とほざいているが、「審査ガイド」は法律・規則には無い単なる内部のガイド。
    それに違反るから違法って、まさにアホ。

    • 地裁レベルで、こうしたおかしな判決が許されているこの空気が嫌なのですが、どうしてなんですかね。
      政治的なメッセージということなのかも知れませんが、それって、左派応援ってことですから。
      事故が発生すればとんでもない事になりますから、厳格な基準が必要だという話は分かります。が、あとからこじつけるのはちょっと……。