【日本政府も態度を示せ】アメリカ、台湾との接触制限を撤廃する意向

外交

1月20日には、アメリカ大統領は交代するスケジュールになっているので、トランプ氏が大統領として政策をすすめる事のできる期間は残すところ8日程度となったが、大きな手をうったようだ。

米、台湾との接触制限撤廃 「歓迎と感謝」と台湾外交部

2021.1.10 21:30

ポンペオ米国務長官は9日の声明で、米国の外交官や軍人、政府関係者が台湾の当局者らと接触するのを制限してきた国務省の内規を全面的に撤廃すると発表した。各連邦省庁などに対しても、これまで台湾当局者との接触の制限を求めてきた、国務省通達による関連指針を無効化するよう指示した。

「産経新聞」より

なかなか興味深い記事であるが、アメリカの国務長官がこのようなことをはっきり示したことは、大きな影響があると言っていいだろう。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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シーレーンを防衛せよ

支那共産党との関係を清算

これまで、アメリカは支那との貿易関係を維持しようとしてきたため、貿易戦争に発展しつつもなんとか関係を修復しようと画策してきた側面があった。

ところが、ここへ来てポンペイオ氏はこんな発言をした。

ポンペオ氏は「米政府はこれまで、北京の共産党体制との融和を図るため、こうした措置を一方的にとってきたが、もう終わりにする」と言明した。

「産経新聞”米、台湾との接触制限撤廃 「歓迎と感謝」と台湾外交部”」より

英語での発言なので、果たしてこの通りの発言をしたかどうかは確実ではないが、「もう終わり」というのはなかなか強い発言だと思う。

ポンペイオ国務長官は9日の声明でアメリカ政府として台湾の当局者との接触に際し、この数十年間、自主的に設けてきた制限を撤廃すると発表しました。

この中でポンペイオ長官は「アメリカ政府は中国の共産党政権をなだめることをねらってこの制限を実施してきたが、もう終わりだ」としています。

「NHKニュース”米 台湾との接触 「中国に配慮した自主的制限」撤廃へ”」より

台湾との関係を加速させるということになるのだろうが、その一環として大使を訪台させることを13日にも予定しているようだ。

ポンペイオ長官は6日にはアメリカのクラフト国連大使が近く台湾を訪問すると発表したほか、政権交代前に対中国の新たな措置を相次いで発表していて、中国をけん制するとともに、バイデン次期政権に中国への強硬路線を維持させたいねらいがあるとみられます。

「NHKニュース”米 台湾との接触 「中国に配慮した自主的制限」撤廃へ”」より

アメリカの防衛政策にとって台湾を抑えるということは大きな意味があるが、それ以上に日本にとっては大きな意味がある。

コレまでも何度かブログで言及してきたが、日本のシーレーン防衛にとって、台湾を失うことは致命的だ。この絵を見るのが一番わかり易いだろう。

日本のシーレーンつまり、通商上・戦略上、重要な価値を有し、有事に際して確保すべき海上交通路であるとされている。

が、単純に貿易ルートを封鎖されててしまうことで、日本のエネルギーの9割がこの海路を通過して輸入されていることを考えれば、そこが封鎖されてしまうことがどこまで深刻な事態を招くかは容易に想像がつくだろう。

台湾を失えば、台湾海峡は支那の海ということになって、事実上、シーレーンは封鎖されてしまうことになる。

ABCD包囲網

シーレーン封鎖の話をすると、「絵空事だ」というような事を言う人がいるのだが、日本は歴史的にその経験がある。流石に学校で習っただろうに、その事を忘れているのだろうか?

ABCD包囲網とは、昭和10年頃(1930年代後半)に日本に対して行われた貿易制限のことで、アメリカ、イギリス、支那、オランダがこの経済封鎖に手を貸していた。

このきっかけは、満州事変(昭和6年:1931年9月18日)であったとされているが、満州事変の調査を行ったリットン調査団による国連総会での報告書によって、国際社会が日本に対して制裁を行う流れになり、盧溝橋事件(昭和12年:1937年9月18日)を経て更に日本と支那との関係が悪化したことで、その流れが決定的なものになった。国際連盟加盟国による対日経済制裁は昭和13年(1938年)9月30日で、国際的に日本に対して経済制裁を加えようという流れになった。

その結果、日本は石油を手に入れられなくなり、絶望的な戦いに踏み切っていった事は、歴史から学べることだろう。

もちろん同じことが起きるとは限らないが、万が一同じことが起きたのであれば日本にとっては極めて深刻な危機に陥る可能性が高いこともまた理解しなければならない。

そして、支那に日本の生殺与奪の力を与えてしまえば、どのような無理難題を押し付けてくるかは容易に想像が付くはずだ。チベットやウイグル、モンゴル自治区や香港などの実例を考えれば、「心配するな」という方が無理があるだろう。

ビジネストラック、レジデンストラック

ところで、先日こんな話があった。

ビジネス目的の11カ国・地域、新規入国の停止浮上 緊急事態宣言踏まえ

2021年1月5日 11:30

政府は中国や韓国など11カ国・地域と続けているビジネス目的の新規入国について、一時的に停止する検討に入った。7日にも緊急事態宣言を再発令するのにあわせて適用し、少なくとも宣言期間中は入国を止める方針だ。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため水際対策を拡大する。

「日本経済新聞」より

東京都を含めた首都圏に対する緊急事態宣言の発出にあたって、日本に住む人々に対して外出自粛などのお願いをするのに対し、外から入ってくるビジネスの革を被った観光客を止めないというのは、あまりにおかしい。

そういった当然の感覚があって、日本政府も外国人の新規入国を規制する流れになっていた。

ビジネス関係者の入国、一転継続 「首相に強い思い」

2021年1月7日 19時05分

中韓を含む11カ国・地域からビジネス関係者などの入国を受け入れている仕組みについて、政府は一転、継続することを決めた。緊急事態宣言の期間中も、外国人の新規入国は止めないことになる。背景には経済を重視する菅義偉首相の意向があるとされるが、与野党の双方から即時停止を求める声が出ている。

「朝日新聞」より

ところが、菅義偉氏の判断でコレが覆されることになる。二階氏か公明党からの要請を受け入れたという判断でいいだろう。国土交通省は観光利権を握っているため、外国人の流入を止めることは良しとしない。二階氏は支那や韓国からの要請を断らないと考えら得るので、このルートで働きかけがなければ、入国規制をしない理由がないのだ。

【図解】訪日外国人数、11月は97.7%減の5.7万人、入国緩和措置拡大などで前月から倍増 -日本政府観光局(速報)

2020年12月16日

日本政府観光局(JNTO)が発表した2020年11月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年の244万人から97.7%減となる5万6700人だった。大幅な減少が続いているが、10月の数値(2.8万人) と比べると倍増となった。

「トラベルボイス」より

明確な因果関係を証明することは難しいが、日本での感染者が急増し始めたのは11月以降である。

何故そうなったのか?という事は検証の必要はあるが、タイミング的に外国からの流入緩和というのは疑って然るべきだ。

にもかかわらず、菅義偉氏は意味のわからない判断をしてしまった。場合によっては国賊の誹りを免れないだろう。

唐突に入国制限の話をしたわけではなく、これ1つとっても、支那や韓国への配慮が滲んでいる事を問題視しているのだ。

台湾との関係を見直すことは、国益にとっても重要なことであるにも関わらず、判断できないでいる日本の病理がこんなところにも現れているというわけだ。

何でもかんでもアメリカに追従すれば良いというわけではないし、トランプ氏が今後どうなり、アメリカ大統領に、本当にバイデン氏が就任するのか?ということも踏まえて、今回のこのアメリカの決断に対して慎重な行動が必要という判断もあるだろう。

だが、そもそもシーレーンのことを考えれば、台湾が支那に飲み込まれることを防ぐことは、どうしたって必要なことなのだ。その事が理解できていないというのが、なんとも嘆かわしい!!

追記

いかないんかーい!

米国務長官の訪欧見送り 国連大使の台湾訪問も取りやめ

2021年1月13日 7:37 (2021年1月13日 8:47更新)

ポンペオ米国務長官は12日、同日から予定していた欧州訪問を見送った。国務省はバイデン次期政権への政権移行を円滑に進めるためと説明したが、複数の米欧メディアは訪問先のルクセンブルクや欧州連合(EU)高官がポンペオ氏との面会を拒否したのが一因と報じている。

「日本経済新聞」より

アメリカ政府が台湾との関係を深める絶好のチャンスだったハズなのだが……、政治的駆け引きの代償になってしまったのかなぁ。

残念である。

コメント

  1. ここに来て、国連大使派遣はかなり昨年の高官派遣を上回る強烈なインパクトがありますね。

    >政府関係者が台湾の当局者らと接触するのを制限してきた国務省の内規を全面的に撤廃すると発表した。

    こうなるとアメリカ実力者の誰が台湾を訪問してもOKですから、支那は都度過激に反論するとしても、アメリカの対台湾政策の大きな政策転換になり、トランプ氏の最後の意地をバイデン氏がどう乗り越えるかが焦点となります。

    シーレーン&第一列島線の確保は日本にとって死活問題で他人事じゃありません。
    台湾が落ちれば即南西島嶼&沖縄が危うくなりますから、尖閣防衛はアメリカにとっても譲れない線と想像しています。
    とはいえ、何よりも日本が真っ先に立つべき危機ですから、菅総理・内閣は腹を括らねばならないと思います。

    微かに残されているトランプ大統領の大逆転再選の推移を見守りたいですね。

    • 国連を信用は出来ないけれども、しかし利用価値は未だあります。
      そこをしっかりと理解して、政治的決断を、というのが僕の希望です。

      トランプ氏が大統領に再選できるのか?という点は相当厳しくなっていますが、仮に大統領に復帰できたとして、彼の望む政権運営が出来るかというと、かなり厳しいでしょうね。
      4年後の再選の方がマシな状況になりつつありますね。
      統計的にあり得ないような票の動きがあった事実を考えて、大統領選挙の在り方は見直される必要があります。
      民主党政権は、その事を認識して制度改革してくれれば良いのですが……。

  2. トランプの置き土産ですね。
    バイデンになったらいきなりひっくり返しそうで怖いですが。

    ただ、台湾の側もこれに応えて台湾島のみでの新国家樹立に傾いてほしいところ。
    米国が承認すればそれこそ強い札になるし、日本も追従しやすくなる。
    まぁ、2Fがのさばってる間は難しいと思うけど。

    • 置き土産ですが、買う前にストップがかかっちゃいましたねぇ。

      台湾との関係は是非とも見直す政治的判断をして欲しいですね。

  3. ・管さんは、官房としては最適解だったけど、首相の器ではなかったのでしょうかねぇ。安倍前首相の凄さを痛感してます。
    ・ABCD包囲陣、現在も日本のアキレス腱ですが、そっくりそのまま中共にも当てはまるあたりが何とも。
    ・中共にはこんな言葉を贈りたいかと。
    「パン(中東の石油)がないなら、おかし(ロシアから天然ガス)を食べればいいのに」
    同じ共産圏でしょ?と。

    • 菅義偉氏の最大の弱点は、官房長官を担ってくれる菅義偉がいないことでしょう。
      外交面での不安は囁かれていますが、そもそも安倍政権の時も菅義偉氏が内政の切り盛りをしてくれたからこそ、という点は見逃せません。

      ABCD包囲網は、構築する側に回らねばなりません。それが歴史的教訓であって、そのためのクワッドであり、セキュリティ・ダイヤモンド構想だったのですが。

      支那にとって「おかし」は非常に危険でしょうね、毒入りですから。

      • >木霊様

        >官房長官を担ってくれる菅義偉がいない
        まさにこれですね……やはり人材は一日にしてならないか……

        >包囲網は、構築する側に
        彼らは真珠の首飾りとかやってますが、真綿で首絞めてやりたいですね。

        >「おかし」は非常に危険
        まさにそれです、わかってて導入せざるをえない欧州の悲しさよ……

  4. 鬼手として、台湾をTPPに向かい入れることも考えに入れる必要がありそうです。CHINAの反発は避けられませんが、RCEP以降の攻勢、プロパガンダに対抗することにも、台湾に対する支援にもなり、CHINA(韓国)のTPP加入意向にも水をさすことになります。