菅義偉政権の限界、敵基地攻撃能力に関する結論の先送り

防衛政策

先送りしている場合なのかよ……。

「敵基地攻撃能力」結論先送り 政府、イージス代替は2隻増艦

2020.12.18 12:00

政府は18日午前、年内にまとめるとしてきた敵基地攻撃能力を含む「ミサイル阻止」に向けた方策に関して「抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う」とする方針を閣議決定した。検討の期限は示さなかった。地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア(地上イージス)」の代替策としてイージス艦2隻を増艦する方針も決めた。

「産経新聞」より

まったく、話にならない。

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この記事は「惣郷木霊の四方山話」でお送りしております。

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先送りできない防衛政策

菅政権の限界

さて、昨日の記事でも触れているのだけれど、菅義偉氏にとって二階ー公明党ラインはもはや切り離せない柵である。

そして、公明党は強硬に敵基地攻撃能力に対して反対している。この反対の理由は簡単で、創価学会婦人部がこれを強硬に反対しているからだ。

バカじゃ無いの?

公明党、月内にミサイル防衛の意見集約も「敵基地攻撃」で苦悩

2020.8.15 18:20

公明党は月内にも、政府が計画を断念した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に代わる新たなミサイル防衛について、党の意見をまとめる。自民党が前向きな「敵基地攻撃能力」の保有は支持者の反発を招きかねず、慎重姿勢を貫く方針だ。

「産経新聞」より

この記事の「支持者の反発」というのが、創価学会のことであり、その中の婦人部の圧力のことである。そりゃそうだろう、創価学会は「全ての事は対話で解決」という狂気ではなく教義を掲げているところである。話し合えない相手は存在しないことになっているのである。その割には相手を折伏する(悪人・悪法を、威力をもってくじいて仏法に従わせること)などとう、物騒なことを宣うのだが。

まあ、宗教のことはさておいて、政治は宗教の掲げる理想のような形にはなり得ない。

支持母体の創価学会関係者は「集団的自衛権のような会員の反発を受ける議論はしばらくできない」と話す。公明党内には「『敵基地攻撃能力の保有には反対』と明確に打ち出せばいい」との意見もあるが、自民党とまったく食い違う見解では、野党に「足並みの乱れ」を突かれかねない。政府が方針を示す9月まで時間は残されておらず、「試練の夏」となる。

「産経新聞”公明党、月内にミサイル防衛の意見集約も「敵基地攻撃」で苦悩”」より

ああ、産経新聞にも直接的に書かれていたわ。

そんな訳で、菅義偉氏は敵基地攻撃能力にYesと言えないのである。

中途半端な機能を付けるのでは意味がない

さて、記事の中身を読んでいこう。

政府は12式を「脅威圏の外から対処を行うためのスタンドオフ防衛能力」と位置づけ、敵基地攻撃能力ではないとしている。敵基地攻撃能力に関しては、安倍晋三前首相が首相談話で言及した「ミサイル阻止」の文言も記載しなかった。

「産経新聞”「敵基地攻撃能力」結論先送り 政府、イージス代替は2隻増艦”」より

スタンドオフ能力ねぇ……。

何故、言葉遊びで逃げちゃうんだろうか?

超音速体感ミサイルASM-3は、導入されずに飛距離を伸ばすように改造されるというニュースがあって、どうなるのかなーとは思っていた。

防衛大臣記者会見

平成31年3月19日(09:39~10:05)

Q:日本では、最近の報道では防衛省で巡航ミサイル開発を進めてブラッシュアップすると報道されましたが、まず事実関係の確認と、巡航ミサイルに関しての考え方をお聞かせください。

A:「巡航ミサイル」ということについては、確立した定義が必ずしも存在していないと思いますので、いわゆる「巡航ミサイル」の保有について、一概にお答えすることはなかなか難しいと思いますが、一般的に「巡航ミサイル」と呼ばれているものの一般的な特徴は、弾道ミサイルと比べますと、小型ジェット・エンジンによる推進、飛行機のような翼を持っている、水平に飛行していく、長距離の目標に向かって正確に飛行する、といった特徴があるものと整理できると思っております。私どもは近年、諸外国の艦艇に射程が長い対空火器の導入がどんどん進んでいることから、これに対応するためには、平成29年度に開発完了した空対艦誘導弾、ASM-3の更なる射程延伸を図るべく早期に研究開発に着手し、順次航空自衛隊に導入していくこととしております。これは、昨年末に作った中期防の中にも「海上優勢の獲得・維持」という項目がございまして、そこに更なる射程延伸を図った新たな地対艦誘導弾及び空対艦誘導弾を導入する、という記述がございますが、そういうものに沿って、自衛隊員の安全確保のために、こういった装備の射程延伸を、これから図っていきたいと思っております。そういうものを称して、さっき申し上げた「巡航ミサイル」というのであれば、そういうものの保有について、今、研究開発を行っていると申し上げていいのかなと思います。

「防衛省サイト」より

登場時点で「中途半端」の烙印を押されてしまったASM-3だが、射程距離が300~400kmになるように開発を続ける話になった。

もともとASM-3の開発経緯が、脅威県外(スタンド・オフ)から攻撃できる能力が求められてのことだったので、開発が終わってみたら射程距離が足りなくなっちゃった。まあ、そういう単純な話なんだよね。

佐藤正久氏はtwitterで「禍根を残す」と苦言を呈しているが、議員なら是非直接言ってくれー。

さておき、地対艦ミサイルでも艦対地ミサイルでも何でも、どんどん開発して搭載できるようにしないと、間に合わないんだって。

このファミリー化の話は平成25年(2013年)頃からあった話。予定通りに進んでも、2022年頃迄は配備出来ない予定である。それ故、今すぐどうこう、という話では無いのだろうけれども、そもそも「新しくイージス艦を作ろう」というのだから、今までのコンセプトで作ってどうするよ。

だいたい、使うか使わないかともかく、「戦略を研究する為に敵基地攻撃能力を有したミサイルを開発する」と、開発開始してしまえよ。

見送りと、国民守らぬ公明党

さて、そもそも公明党などという政党は、国民を守るためには存在していない。

だが、連立与党の公明党は当初から敵基地攻撃能力に否定的な姿勢を示していた。9月に発足した菅(すが)義(よし)偉(ひで)政権は公明党の主張に配慮する形で年内の結論とりまとめを見送り、検討の期限も示していない。

「産経新聞”公明党、月内にミサイル防衛の意見集約も「敵基地攻撃」で苦悩”」より

そんなのに配慮するから、やるべき事に向かって行政を進める事ができないのである。

増長し、国民守らぬ公明党

2020.12.17

以前からその傾向はあったが、安倍晋三前首相の退任後、公明党がますます伸び伸びと増上慢ぶりを発揮しているように見える。山口那津男代表は15日の記者会見で、菅義偉首相が14日夜に自民党の二階俊博幹事長、プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長ら7人以上と会食したことについて、上からこう述べた。

 「国民に対する一定のメッセージ性というものもある。そこはよく配慮しながら、今後、検討していただきたい」

 政府が新型コロナウイルスの感染防止策として小人数での会食を呼びかけていることを念頭に置いての発言だろうが、これには政府高官も反発していた。

「産経新聞」より

有料記事なのでこの先は会員しか読めないので、内容に言及することを避けておくが、公明党は創価学会のための政党で、国民のことは何ら気にかけていない。

そんな政党と組んでいることがそもそも問題なのだが、そういった勢力の力を利用して政治をして行くのであれば、力業でも押さえ込んでやりたい方向に政治を動かしていくのが政治家だろう。必要無ければパージすべきである。公明党無しでの自民党政権を目指して選挙をするのであれば、時期が遅かった。

もはや、菅義偉氏は身動きがとれなくなりつつある。

だけれども、国際情勢は菅義偉政権の都合など待ってはくれないのだ。やるべき事が色々積み上がりすぎて動きがとれなくなっている場合じゃ無い。人を動かすのだ。暇している国会議員は山ほどいるぜ!……無能な働き者ばかりで、困ったものなんだけれど。

追記

佐藤正久氏のtwitterを1つ紹介しておきたい。

島嶼防衛用の地対艦誘導ミサイルの新型の話を紹介していて、コレに関しては僕もフォローできていなかったなーと思って調べて見たのだけれども、これ、過去に報道された高速滑空弾の事っぽいね。

装備庁の高速滑空弾開発、25年度には部隊配備へ

2019.11.14

防衛装備庁は11月13日、「技術シンポジウム2019」のなかで、防衛省・自衛隊が獲得を急ぐスタンド・オフ能力の1つ「島しょ防衛用高速滑空弾」の開発状況や展望などを発表した。長官官房装備開発官(統合装備担当)付高高度超音速飛翔体システム研究室長の福田浩一防衛技官は、早期装備型のBlock.1について、2025(令和7)年度には「部隊配備できるかたちのものを造り上げる」と説明。さらに、性能向上型Block.2では、弾頭を「Wave-rider」という特異な形状を完成させて、撃墜率の極小化および長射程化を推進する考えだ。

「Wing」より

これは令和元年11月の報道なのだけれど、そういえばこのブログでもちょっとだけ触れていた気がする。あと、今回の報道でも、触れたメディアはあったようだね。

長射程弾開発に重点 防衛省、来年度予算案

2020年12月16日

防衛省は15日、2021年度予算案の全容を固めた。敵の射程圏外から攻撃できる「スタンドオフ能力」の強化に向け、国産開発中の「12式地対艦誘導弾」を長射程化させる計画変更に335億円を計上、22年度末に外国産初のスタンドオフミサイルとして導入する対地上・対艦艇攻撃用の「JSM」(射程500キロ)の取得費149億円も盛り込む。21日に閣議決定する。

 JSMはステルス戦闘機F35Aに搭載する。防衛省は沖縄県・尖閣諸島をはじめ南西諸島を中心とする島しょ防衛を念頭にスタンドオフ能力の向上を重視。関連予算で「島しょ防衛用高速滑空弾」(射程500キロ)と「極超音速誘導弾」の研究費として150億円、90億円をそれぞれ計上する。

「毎日新聞」より

菅義偉政権は、敵基地攻撃能力は否定したものの、打撃力の向上の方向には舵を切っていたと言うことなのだろう。そういう意味では、表向きのところを公明党に配慮したものの、実を取ったという評価もできるかも知れない。

ただ……、色々押しきれなかったようで、こんな残念な話も。

F15改修予算見送り 政府、見積もり甘く 南西防衛遅れ

2020年12月11日 23:41

政府は2021年度予算案で航空自衛隊の戦闘機「F15」の改修費用の計上を見送る方針だ。長距離巡航ミサイル搭載など機能向上の初期費用として防衛省が213億円を要求していた。当初の見積もりを上回り総額が見通せないため。南西諸島周辺の防衛力整備に影響する可能性がある。

「日本経済新聞」より

なんと、F-15の改修費を計上しなかったという(怒)。

この話は、アメリカの状況と絡んでF-15の改修が急がれていて、部品が手に入らないという問題が裏にあって、増産して貰う為には製造ラインを1本追加しなければならないという事情が。

これはしんぶん赤旗からの引用なのだけれども、F15用のJASSM導入が予定されていて、コレがスタンドオフ能力があるミサイルだったのだけれど、予算計上がカットされてしまったという事になっている。

残念ながら、これは射程距離が問題で見送られたという可能性がある。

F-15の改修を急ぐのは、長距離巡航ミサイル搭載の為には必須であり、これを急ぐ事で防衛政策のコスパは大きく向上する。少なくとも、自主開発をしているものだけでは、スピードも射程距離も足りないのが実情なのだ。

アメリカ企業のライン1つ分くらいを負担しても、F-15の改修を急ぐべきだと思うんだよね。菅義偉氏も大局的な判断はしているんだろうけれど、外交的にここをケチるのは得策では無いと思うけどね。

コメント

  1. 「ガースー政権」に国防を期待は出来ませんよ。
    総理になる前に先ず創価学会党に応援の要請、続いて2Fが推薦。
    党派を持たないので仕方ないけど、総理に成ったけど何事も自由に決められない神輿。
    支那の王に好きなように言われても何の反論も出来なかったでしょ。
    そして、入国の大緩和。

    要は管は支那の傀儡政権です。

    • とても残念な話ではありますが、菅義偉氏には国家観が無いのでしょうね。
      いや、もしかしたらあるのも知れませんが、表だってそれを表明していないようですし、何がやりたいかは明確ではないようですね。
      だからこそ、目先の利益の為に道を誤る可能性が……。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    安倍元首相は年内に方向性を出すと菅首相に引き継いだはずですよね。
    そして、これは国の安全保障では最重要な案件のはず。

    >この記事の「支持者の反発」というのが、創価学会のことであり、その中の婦人部の圧力のことである。

    最強だった安倍政権でも公明党には手を焼いてましたから菅首相だけを責めるのは酷かもですが、自民党の憂う有望議員もいるはずなのでそろそろ決別する道を模索したほうがいい。

    選挙は苦戦必至で血を流す覚悟が必要ですが、維新の会とこの際憲法改正議論に前向きな国民民主党と連合してもいいと思う。
    過半数を割るリスクは大ですが奇襲で公明党=創価学会を追い払えば、共産党を頼りにしなきゃいけない新立憲民主党だって連合で政権奪取は無理でしょう。

    公明党=創価学会なんてメディアが報じないスキャンダルは山盛りあるはずですから、血祭りに上げるくらいの覚悟と周到な準備も必要ですね。
    この際付け入って徹底的に再起不能まで叩く覚悟を持ち、一般の創価学会会員も引き剥がす熟慮した戦略を練って欲しい。

    当然政治はしばらく混乱しますが国民は「まっとうな政治の生みの苦しみ」と耐えるしかないですけどね。

    • 「安倍政権を引き継ぐ」という方針ではありましたが、さて、本当にそれが出来ているかは怪しいですね。
      次の選挙に勝つことが、或いは至上命題であるのかもしれませんが、既にそれには失敗した模様。
      ここから選挙のタイミングを図るとなると、来年の秋頃までズルズルといく可能性が高いです。つまり、解散しないと。
      菅義偉政権は、一体何を為すんでしょうね。