【支那から舐められる菅義偉政権】尖閣諸島周辺の領海侵犯

防衛政策

完全に舐められているね。初動の失敗は取り返しが付かない事になる前に対処すべきだろう。

中国公船4隻が領海侵入 沖縄・尖閣沖

2020年12月09日13時02分

沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で9日、中国海警局の「海警」4隻が約1時間半にわたり、日本の領海に侵入し航行した。尖閣諸島沖での中国公船の領海侵入は11月7日以来で、今年22回目。

「時事通信」より

支那の公船が、という言葉も誤解を生じる。アレは支那人民解放軍の中古船なのだ。中古船になったら軍の船では無い?色を塗り直しただけで機能はそのままじゃないか。

更に「領海侵入」という言葉の使い方もどうかと思うぞ。

領海侵犯とはどういう意味か

さて、言葉の問題は意外に根が深いと僕は思っている。

本来、領海侵犯という言葉は、外国の公船・官船、外国籍の商業船が無害通行権の範囲を超えて何らかの活動を行うことを指して使用される言葉だが、この言葉は実はマスコミ用語であって法律的に規定された言葉では無い。

では、領海侵入とはどういう意味なのだろう?

基本的に、外国の領海であっても、無害通航の範囲であれば侵入が可能とされている。従って、単純に侵入してきたという以上の意味は「領海侵入」には込められていないと、その様に理解できる。いや、もしかしたら「領海侵犯」には至らなかったという意味を込めているのかも知れない。

しかし、「無害通航」の範囲を超えれば、それは領海侵犯に該当するし、無害通航の範囲であればそもそも問題にする必要がない。一体何の意味のあるニュースなのだろうか??

なお、「無害通航」という言葉の意味だが、沿岸国の平和・秩序・安全を害さないことを条件として、沿岸国に事前に通告をすることなく沿岸国の領海を他国船舶が通航することである。

ここで、沿岸国の平和・秩序・安全を害さないとはどういう意味だろうか?これは、例えば単に通過するだけであれば問題無いよ、という程度の意味になっていて、潜水艦であれば浮上した状態で航行しろとか、軍に所属する艦隊なら戦闘形態を維持したまま航行するのはダメだとか、情報収集したり資源の調査をしたり、海洋調査を行うようなことも、「無害通航」の範囲には含まれない。

支那の公船は明確な領海侵犯

では、支那の公船が度々、日本の領海である尖閣諸島の周辺に出没する行為はどうなのだろうか。

尖閣諸島沖の中国当局船 詳細な動き判明 複雑化で海保の負担増

2020年11月19日 19時02分

ことし、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国当局の船が日本の領海付近を航行した日数は、19日で300日となりました。NHKが、中国船の詳細な動きを記録した資料を独自に入手して分析したところ、海上保安庁が2つに分かれた船団に同時に対処するなどの対応を強いられていた実態が明らかになりました。

~~略~~

NHKはこのうち、領海内で操業中の日本の漁船が中国船に追尾されたことし7月と10月のケースについて中国船の詳細な動きを記録した資料を独自に入手し、分析しました。

「NHKニュース」より

日本の漁船が支那の公船に追尾されたニュースなのだが、この様な行動をしていれば完全に領海侵犯の定義に当てはまるのである。

つまり、完全に違法行為なのだ。そうなると海上保安庁が拿捕する案件になるのだが、実のところこれが出来ない。

中国の調査船拿捕を念頭に政府が法整備へ

公開:2020-07-27 更新:2020-11-16

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月27日放送)に中央大学法科大学院教授の野村修也が出演。政府が中国等の調査船の取り締まりが可能となる法整備の検討に入ったというニュースについて解説した。

~~略~~

野村)海のルールは非常に難しくて、領海というところがあります。この領海は国土ですから勝手に入れませんが、無害通航権というものがあって、通り道になっているところは、無害であれば通っていいという話になっています。EEZはその外ですから、必ずしも領土ではありませんので、航海に近いところです。当然そこは海外の人たちも使える場所になっているわけですが、排他的経済水域の排他的とはどういうことかと言うと、天然資源の調査や人工島の建設、海洋環境を保護するという権限は沿岸国、今回の場合は日本が持っているのです。それを侵害するような行為は許されないということになっています。だから、その部分は海洋法条約に基づいて文句が言えるという状況になっています。ただ実際には、ある意味で違反があったとしても、強制的に阻止する力がいまの日本には乏しいということが問題なのです。

「ニッポン放送 NEWS ONLINE」より

この記事に、海上保安庁が拿捕できない法的な問題について言及されている。

海上保安庁に関する法律の法的不備が問題で、実はこの法的不備は意図的に作り上げられた内容なのである。

拿捕に関する法律的な問題

ちょっと面倒なのだけれど、海上保安庁法を引用しておこう。

第二条 海上保安庁は、法令の海上における励行、海難救助、海洋汚染等の防止、海上における船舶の航行の秩序の維持、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕、海上における船舶交通に関する規制、水路、航路標識に関する事務その他海上の安全の確保に関する事務並びにこれらに附帯する事項に関する事務を行うことにより、海上の安全及び治安の確保を図ることを任務とする。

 従来運輸大臣官房、運輸省海運総局の長官官房、海運局、船舶局及び船員局、海難審判所の理事官、灯台局、水路部並びにその他の行政機関の所掌に属する事務で前項の事務に該当するものは、海上保安庁の所掌に移るものとする。

~~略~~

第十六条 海上保安官は、第五条第二号に掲げる職務を行うため若しくは犯人を逮捕するに当たり、又は非常事変に際し、必要があるときは、付近にある人及び船舶に対し、協力を求めることができる。

第十七条 海上保安官は、その職務を行うため必要があるときは、船長又は船長に代わつて船舶を指揮する者に対し、法令により船舶に備え置くべき書類の提出を命じ、船舶の同一性、船籍港、船長の氏名、直前の出発港又は出発地、目的港又は目的地、積荷の性質又は積荷の有無その他船舶、積荷及び航海に関し重要と認める事項を確かめるため船舶の進行を停止させて立入検査をし、又は乗組員及び旅客並びに船舶の所有者若しくは賃借人又は用船者その他海上の安全及び治安の確保を図るため重要と認める事項について知つていると認められる者に対しその職務を行うために必要な質問をすることができる。

 海上保安官は、前項の規定により立入検査をし、又は質問するときは、制服を着用し、又はその身分を示す証票を携帯しなければならない。

 海上保安官の服制は、国土交通省令で定める。

「e-GOV”海上保安庁法”」より

海上保安庁法にも海上保安官が武器使用が認められ、警察官職務執行法に基づいて行うことができる(同法20条)。

この条文の構成を見ると、「法令の海上における励行」「海難救助」「海洋汚染等の防止」「海上における船舶の航行の秩序の維持」「海上における犯罪の予防及び鎮圧」「海上における犯人の捜査及び逮捕」「海上における船舶交通に関する規制」「水路、航路標識に関する事務その他海上の安全の確保に関する事務」などが任務として規定されていて、犯人逮捕のために停船要請(第16条)が認められている。

この犯人逮捕の流れは警察の職務に準拠し、警察の職務を思い出していただければ分かると思うのだが、犯罪を認定した場合には現行犯逮捕が可能であるが、犯罪行為を発見しない限りはその権力行使ができない。

つまり、海上保安官も同様に、支那公船の犯罪を認定しないと動けないことになる。そうすると、無害通航かどうか判断し、確証を得た段階でなければアクションを起こせないことになる。できることと言えば、「領海侵犯をしているので即刻退去しろ」というアナウンスをする程度なのだそうで。

なお、17条に臨検ができる旨の規定があるのだが、これ、空振りに終わると外交問題になりかねないため、余程確証がなければやられない。……というかできない。

事前許可の無い進入が直ちに侵犯となる領土や領空のケースとは大きく異なるのが厄介なのだよね。

そして、威嚇射撃は武器使用に入るので、気軽に使えない。相手側が発泡してきた場合でも、被弾するか被弾するリスクが極めて高い状況にならなければ発泡すらできないのである。これは日本の警官も同じ立場で、「他に手段が無い場合」にしか使用が認められていない。

拿捕に関する現実的な問題

もう一つの問題は、拿捕を実際にやる場合に、相手の公船が元は軍の船であるという点が問題となる。つまり、かなり頑丈に作られている。

一方の海上保安庁の船はというと、軽量で機動性が高くなるように作られているため、接近戦には少々難がある。

これは尖閣諸島沖支那漁船衝突事件(平成22年9月7日)の時に漁船に衝突された海上保安庁の巡視船「みずき」なのだが、相手の漁船が後方から衝突した結果がコレである。

流石に漁船がぶつかってきた程度でどうにかなるわけではないと思うが、それでもそれなりに損傷している。これが大出力の海警の船がぶつかってきたらどうなるか?というと、かなり危うい。

その上で、海警の乗組員は武装している可能性があり、強制接舷した場合には海上保安庁側に死者が出かねない。何しろ、報道では如何にも一般の公船を装ってはいるが、歴とした軍の艦艇なので(海警は人民解放軍の下位機関)、訓練を受けた上で武装した人間である可能性が高く、余程訓練した隊員でないとおいそれと接舷することができないのである。

相手は軍人なのだ。

外交面でも支持しては貰えない

そこに追い打ちして、あのガッカリな茂木外交があった後である。

そりゃあ、相手に舐められても仕方が無いのだ。

公船侵入、中国に抗議 加藤官房長官

2020年12月09日12時10分

加藤勝信官房長官は9日の記者会見で、中国公船4隻が同日午前に沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海に侵入したため、中国側に抗議したと発表した。加藤氏は「誠に遺憾であり、断じて容認できない。緊張感を持って警戒監視に万全を期す」と述べた。

「時事通信」より

いや、「誠に遺憾」って、やる気ないだろう。

もはやこの海域で日米の軍事演習をやるとか、上陸演習をやるとか、そういったレベルでアピールする必要がある。なかなかその事を理由に相手が強く出てくる可能性はあるのだが、支那の特性として相手が強く出てくれば、警戒はするのである。

日本としては「ここは譲れない」というメッセージを出しておかないと、いつまでもこの状況がエスカレートしながら続くことになる。

台湾の実情

この件では、台湾も関わってくる。

尖閣侵入の船、廃船に 活動家、鉄くずにして借金返済へ

2020年12月8日 23時39分

沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に度々侵入し、活動家を上陸させたこともある香港の団体「香港保釣行動委員会」の船が、老朽化のためスクラップにされることが分かった。尖閣をめぐる対立などで日中関係が悪化した時期は大口の寄付もあったが、近年は資金不足で修繕もままならず、鉄くずを売って借金を返すという。

「朝日新聞」より

朝日新聞が取り上げていたが、台湾の活動家が使っている船は現在こんな状況なのだという。

完全に放置状態だ。

結局、台湾側の主張は、尖閣諸島が日本の領土となってしまって漁業ができなくなるのは困るという程度のもの。

とはいえ、相手は国家であるため、容易に領土的な主張を取り下げたりはしない。

そこで、活動家を使ってアピールをさせるのだが、その活動家の活動資金は支那から出ているのだから、タチが悪い。

結局、ここを許してしまうことは支那の増長を認めることに他ならないわけで、この島を失ったからといって台湾は日本との関係を清算するようなことはしない。

この問題は、支那の海洋侵略の一環として行われる事であるため、日本の主張を押し通してしまうことが大切である。「相手の言い分にも耳を傾けよう」という姿勢は、本件については全く不適切だ。

じゃあどうするか?というと、外交において毅然とした態度を示す必要がある。

菅首相「中国と安定的な関係構築」 国際会議でメッセージ

2020.12.9 09:24

菅義偉(すが・よしひで)首相は9日、米コンサルティング会社「ユーラシア・グループ」が主催する国際会議にビデオ録画方式でメッセージを寄せ、「中国をはじめとした近隣諸国との安定的な関係を構築していく」と述べた。一方で、日米同盟を強化するとともに「基本的価値を共有する国々と連携しながら『自由で開かれたインド太平洋』を戦略的に推進する」とも語った。

「産経新聞」より

先日もこんな腹立たしいニュースがあったが、こんな誤ったメッセージを送り続けているから問題なのである。

そして、海上保安庁の取締りにおける法的根拠に関しても、運用上の問題点ももっと正面に構えてしっかり取り組む必要がある。何なら、自衛隊から退役させた艦艇を海上保安庁に出しても構わないと思う。退職した海上自衛官も解除保安庁に就職とか、人事交流とか、色々やレル事はあると思うのだ。

コメント

  1. お早うございます。
    totalnewsjp.com/2020/12/11/trump-294

    米国政府は、HKのキャリーラムの日本資産を凍結した
    という話ですが、米の制裁処置が自動的に日本にも
    適用されるのでしょうか?
    ではなくて、米国に支店を持つBKは米の指示に従わな
    いと、ドル決済停止などの強硬処置を受けて、臨終に
    なるから従わざるを得ないのでしょうか?
    八方美人や両天秤は出来ない状況かしら?

    • これはまたノーチェックの記事でした。情報ありがとうございます。
      しかし……、日本に適用という話が嘘かと思ったらそうでもなさそうと言うのがスゴいですね。
      理論的には、国際的な制裁対象だよ、という話を持っていって、「だから凍結してね、ニッコリ」というのは、日本の法律に基づいて凍結する流れでできそうですね。
      多分、日本政府も黙認でしょう。証拠さえあれば、銀行の判断で、銀行はアメリカでも商売をしているでしょうから、しっかりした証拠さえあればコレに逆らうのは難しい。

      自動的に停止ということはなさそうですが、結果的にアメリカに従う流れというのはありそうな話ですよ。

  2. 支那は台湾制圧を念頭に戦略的かつ確信犯的に尖閣への侵入を繰り返しています。
    これは非常に危険な状況下で日本は装備(武器)の劣る海保でしのいでる状況ですが、一瞬で支那の尖閣侵攻もあり得る危機が迫っていますね。

    菅首相は「言われたら、その場で(反論を)言う。中国の独自の解釈のもとでされる発言は全く受け入れられない」とか、新任の中国大使も尖閣には強気の発言の様ですが、何処まで本気かを憂いを持つ国民はしっかりと見極めねばなりませんね。

    紹介頂いた通り海保も法律に縛られている様で、今有事が起これば自衛隊・海保含め国家全体が機能不全に陥り、恐怖で右往左往する惨めな現実が見えてきますね。

    支那に譲歩するであろうバイデン氏&民主党政権が大統領就任するという前提で、今から根本的な戦略転換を考えて欲しい!!
    対支那経済を全て犠牲にしてでも、政府に厳しい選択と決断が目の前じゃないかな。

    • 海保で「対応して」というのはなかなか難しいと思います。
      だからこそ、支那は増長しているのでしょうねぇ……。

      実際には、海上保安庁の一部組織が海上自衛隊と合同訓練をやっていて、全く対応出来ないという事ではないようです。特別警備隊というやつで、マンガの海猿でも出てきましたね。
      しかし、こうしたスペシャリストは海上保安庁には一握りしかいませんし、彼らとて軍隊を相手にするわけにはいかないでしょう。この辺りの権限強化は海上自衛隊との縄張り争いという問題が出そうですが、現実問題としてやらざるを得ないと思います。ですが、組織改編や人員確保には時間がかかります。やるにしても長期計画をたてた上で、短期的にどうするかと言うことを決めなければなりません。海上自衛隊との連携も当然ですが、法律的な整理ができていないというのが一番ヤバいですね。

  3. まず外国の軍船・公船には、主権免除という国際法上の概念から、臨検等はできないことになっています。海保法20条にも規定があります。これは海自の艦艇が平時に出ても同じです。いわゆる不審船の場合は、国籍等を示すものを掲示してなかったため海賊船として武力行使に及びました。公船は国籍所属を示しているため手出しできないのです。元々欧州の狭い海域で、領海侵入したしないでトラブルが多かったため、不測事態の防止のために設けられました。でも大戦勃発に繋がるケースもありました。
    海保法自体が昭和23年と古くに作られ、警察予備隊昭和25年以前のものです。条文中に自衛隊の事は一切書かれず、また25条など軍備放棄の考えによってます。米国のcoast guardが第5の軍隊と位置づけられ、チャイナの海警も人民軍傘下になった今、海保のあり方も議論されて然るべきで、任務に国境領海EEZの保持を明記して、海保法も改訂すべき時期です。EEZ漁業法等で補完されいるとはいえ、自衛隊と一体で運営すると定義し、能力強化を期待してます。あと、大和堆の不振漁船にはバンバン撃っていいと思ってます。

    • 公船や軍船の臨検をやると、戦争に発展しちゃう程度にはヤバい案件になっちゃいましたよね、確か。

      しかしまあ、そうであっても「何もできない」海保というのは問題なので、ご指摘の様に在り方を、そして存在意義を、確認し、必要があれば変えていくべきでしょう。