脱炭素社会の代償?2030年までにガソリン車根絶

政策

個人的な趣味としてガソリン車を残して欲しいとは思っているのだけれども、多分、趣味人の贅沢というような時代になるのだろう。

ガソリン車、30年代半ば禁止 新車販売、脱炭素化加速―政府目標

2020年12月03日09時59分

政府が、ガソリン車の新車販売を2030年代半ばに禁止する目標を設定する方向で調整に入ったことが3日、分かった。菅義偉首相が掲げる温室効果ガスの排出を50年までに実質ゼロにする目標の実現に向け、主力産業である自動車の「脱炭素化」を加速させる。日本メーカーが得意とするハイブリッド車(HV)に加え、電気自動車(EV)の普及にも取り組む方針だ。

「時事通信」より

ああ、先に断っておかねばならないだろうが、この時事通信の記事の内容は虚偽の可能性がある。いわゆるトバシ記事である可能性だ。少なくとも、今のところのソースは「政府関係者」からの発言だというだけなので、信憑性は薄い。

しかし、2050年までにカーボンニュートラルを目指すとぶち上げたのは事実なので、時期はどうあれこの方向で舵を切螺ざるを得ないのは事実だ。そしてそれは自動車産業が盛んな日本にとって、この問題は由々しき話である。また、自動車産業に依存する日本社会にとっても深刻な問題だ。

だが、この様な流れになってしまっていれば、「電気自動車の製造は自動車メーカーの緩やかな自殺」という現実であっても受け入れざるを得ないのだろう。

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電気自動車と自動車会社の現実

自動車会社にとっても関連産業にとっても……

自動車メーカーにとって、電気自動車の製造は鬼門だとされてきた。

電気自動車というのは、そもそもガソリンエンジンで動く車とはコンセプトが異なる。これは主に内燃機関を搭載しないからということなのだが、製造的な面でも異なる事情を抱えているという事を紹介しておかねばならないだろう。

まず、エンジンを搭載しないとことはどう言うことなのか?こんな記事を参考に引用しておこう。

トヨタ社長「否・終身雇用」発言を招いた自動車産業「EV」時代

2019年7月

~~略~~

数え方にもよるが、ガソリン車の部品点数はエンジンだけでも約1万点、車全体では10万にのぼる。しかし、EVにはそもそもエンジンがない。何も燃やさないのだから、点火プラグなど燃焼系、マフラーなど排気系、スロットルなど吸気系の部品は全て不要である。エンジンを冷やすラジエーターもいらないし、コンピューター制御でモーターの回転数を上げ下げするだけなので変速機構もいらない。この結果、EVに使われる車全体の部品の数は約1万。実にガソリン車の10分の1になってしまうのだ。

「時事通信」より

単純な話だが、ガソリン車と電気自動車では採用する部品点数が大幅に異なるのだと言われている。

車と言えばエンジンというのが、日本における自動車メーカーの認識であった。エンジン本体には1万点もの部品が使われているが、エンジンが不要になるだけで、1万点の部品が減る……、だけではなく、その関連部品を含めて不要になるので、電気自動車はガソリン車の1/10の部品点数で出来上がるというのが現実なのである。

それどころか、自動車のパワートレインと呼ばれるユニットそのものを製造することで、構造を単純化しようという話になっている。

これはボルボのEVパワートレインなのだが、このようなベースユニットの上に部屋を載せる、この手のパワートレインこそがEVの構造の主流となるだろうと言われている。

尤も、ガソリン車であってもパワートレインが共通で違う格好の車というのは結構ある。

だが、エンジンルームの存在がそれほど簡単にユニットと車体を分離できない構造としてしまうので、内製で組み付けるのが主流であった。ところが、EVであれば、ちょっと大げさだが別売りのパワートレインの上に部屋を載せるだけでできるぜ!という事になってしまう。

自動車メーカーが電気自動車のパワートレイン開発に凌ぎを削っているのは、そんな理由もあるのだ。そして、残念な事に、部品点数が減るということは、価格が安くなるという事でもある。

極端なことをいえば、顧客がパワートレインと上物を別々に買ってきて組み付けるなどという事が可能になるのである。(保険や保障の関係でまず不可能だとは思うが)

重要部品はコンピューター

もう一つ、トヨタが危惧していることがある。

クルマの先進技術を支える「ECU」

車両を構成する部品の中で、ヘッドライトやカーステレオ、エアコンなどの電気機器類にくらべ、走る・曲がる・止まるといったクルマ本来の機能には、極めてメカニカル(機械的)な機構・原理が採用されていました。電子制御技術の進化に伴い、エンジンをはじめとする様々な機能・装置において、電子制御によるクルマの性能向上が図られるようになっていきました。 エアバッグ、ATやCVTなどのトランスミッション、車線維持システム、車間距離制御システムなど、実に様々な分野に及びます。それらの電子制御するコンピューターがECU(Electronic Control Unit)なのです。ハイブリッド車やEV(電気自動車)、燃料電池車といった環境対応車も、ECUなしでは実現し得ません。今や多いクルマでは100個超のECUが搭載され、各自動車メーカーが誇る様々な先進技術の頭脳役を担うに至っています。

「デンソーのサイト」より

これはトヨタが組む電子部品メーカーで今や世界的なシェアを持つようになったデンソーのサイトから引用させて頂いている。

ガソリン車であってもこれだけの制御基板が内蔵されているということを示している。ガソリン車の場合にはこれだけの種類の制御が必要なのだが、実はEV車はこれの半分くらいでも問題無い。エンジン制御関係の基板は不要になるからね。

一方で必要になってくるのがネットワークに繋がる為のコンピューターという事になる。この事情はガソリン車であっても同じなのだが、EV車は更にその傾向が強くなる。

そうなってくると、車載するコンピューターそのものが重要ユニットという話になってくる。そうすると、自動車会社は自前で自動車が組み立てられない、なんて事態に。少なくとも重要ユニットは車載するコンピューターの方だ、なんて事態になれば、自動車メーカーはその存在感を薄めることになるだろう。商売の在り方だって大きく変わるはずだ。

もちろん、今だって自動車メーカーは沢山の部品を組み立てるだけの組み立てメーカーで、設計よりもデザインが仕事だということになっている。だが、その傾向がEV車では一層高まるどころか、ほとんどの技術を内製できない為に、自動車メーカーにできることは単なるセールスだけなんてことになる。

モーターも電池も

トヨタがハイブリッド車を作るにあたって非常に困ったのは、モーターも電池も存在するものを使うことができなかったことだ。

ハイブリッド車にしても、自動車に組み付けるモーターは、大電流を流して大きなパワーを引き出す必要があるのだが、残念ながらその当時にそれに適したモーターがなかった。更にエネルギー密度の高い二次電池が存在せず、リチウムイオン蓄電池の安全性を高めて車載するという概念が無かった。

そこでモーターや二次電池を作る為に、社内で研究し、電機メーカー(パナソニックなど)と一緒に二次電池の会社を立ち上げるに至っている。モーターはエンジンにくっつける必要があるために内製のままだが。

しかしこれがEV車となると事情が変わってくる。外注して買ってこれば済むようになるのだ。

つまりガソリン車車を作る上で、エンジンの存在と言うのは非常に大きなウェイトを締めていたのだが、電気自動車を作る上ではその構造そのものが大きく変わってしまう。

水素で抵抗も空しく

ちなみに、僅かな抵抗勢力が水素自動車を作ろうと必死になっている。日本政府も一時期、それに乗っかるつもりであったようだが、ちょっとばかし事情があってこれは頓挫しそうな感じだ。

SKYACTIV-Xやロータリー電動車投入も期待と不安 マツダ新エンジン戦略の行方

2020年12月1日

強化される燃費規制に対応できる? SKYACTIV-Xや新しい直列6気筒エンジン、ロータリーエンジンを活用した電動化やPHEV……。マツダのパワーユニット戦略に潜む期待と不安とは?

~~略~~

スモール商品には、ロータリーエンジンを活用したマルチ電動化技術の導入が行われる予定である。これは、かつてデミオEVで実験的に試作された発電機用ロータリーエンジンを利用する。

「ベストカー」より

発電用エンジンを搭載したシリーズハイブリッドと呼ばれる類の車というのは、ほとんど市販の事例が無い。実のところシリーズハイブリッドの方が低速から高速までエンジンを回す必要がないので効率は良いのだが、コスト的に見合わないのでバスなどの事例を除くと売れる車にならないのが実情だ。

マツダの狙いがハマるかどうかはローターリーエンジンがどこまで安く出来るかにかかっているのだが……、厳しい感じだろうね。

水素でエンジンを回せ! 電気自動車(EV)への対抗勢力が勢い付いてきた背景を解説する

2020/08/03

水素利用に向けて2017年1月に開催された世界経済フォーラム(通称ダボス会議)で発足した水素評議会(Hydrogen Council)の存在はあまり知られていない。

~~略~~

BEVではEUの雇用を守れない……これは経済人ならだれもが納得する論理である。昨年秋以降、ドイツ、フランス、イタリアの自動車メーカーはBEVラインアップを急拡大させている、しかし、搭載されているLiB(リチウムイオン2次電池)は中国、日本、韓国の企業が供給している。「EU内に自前のLiBメーカーを作ろう!」とドイツ製が中心になって「電池のエアバス(国際共同開発を進めてきた旅客機メーカー)構想」をぶち上げたものの、他国企業はついてこない。ECV製造原価にLiBが占める比率はもっとも高いのだが、EU政府は動こうとしない。

「motor-fan」より

実際に多くの自動車メーカー、アジアを除く日本とヨーロッパの企業は、未だに水素自動車に一縷の望みを託している。何しろ、上に書いたように部品点数が減るという事は、即ち雇用が守れない事を意味する。

トヨタ新型ミライがいくら「いいクルマ」でも普及が難しい「水素ステーション建設」という壁!

2020年11月30日

トヨタの燃料電池車(FCV)であるMIRAI(ミライ)が、2代目へフルモデルチェンジをする。そのWEBサイトのなかに、「水素ステーション一覧」というコンテンツがある。検索すると現在133カ所の拠点が存在している。

「Web CARTOP」より

トヨタが開発したミライという車、燃料電池車でありこれも電気自動車の仲間ではあるのだが、本来、自動車メーカーが目指したいのは燃料電池車ではなく、水素を直接内燃機関で燃やす車だ。

幻のマツダ水素ロータリー なぜ実用化難しい?

2020年11月5日

FCVに注目集まる今こそ再注目? マツダが開発した水素ロータリーエンジン。試作車試乗で感じた可能性と課題、そして今後実用化する見込みは?

~~略~~

新型MIRAIのFCスタックは、30L/30kgの“箱”から128kWの出力が取り出せる。FCスタックの出力密度が向上しコストが安くなると、ラジエターなどの補機類が必要な内燃機関のスペース効率とコストでは、とても太刀打ちできなくなってしまったのだ。

内燃機関はやっぱりエネルギー密度の高い化石燃料を燃やして、ばりばりパワーを出す方が向いてるのかもしれませんね。

「ベストカー」より

ただ、単純な話、水素エンジンは水素そのものがエネルギー密度の低い物質であるという点がネックになって、パワーは出ないわ水素の保管は難しいわというトンデモ車になってしまう。

そういうワケで、水素を燃焼しながら走る車というのは作るのが非常に困難だとされている。今のところは、だけれども。

水素ステーションが沢山作れないという事情も、完全に水素の保管の難しさに起因している。そんな訳で、水素エンジン車にしても燃料電池車にしても、先行きは余り明るくないということになっている。

政府としても電気自動車は苦渋の選択

政治家が理解していれば良いが

常軌に説明した通り、自動車会社にとって電気自動車を作るというのは、自ら多くの関連子会社を潰す行為に他ならないという話になる。

しかし、一方でこれを推進しないと支那に市場を席巻されてしまい、潰れるより他に無いという矛盾した話になる。その事を果たして政治家がどの程度理解しているのか?賢い人々だから理解しているのだとは思うのだが、打ち出される政策を見る限りはちょっと怪しいな。

ヨーロッパにしても日本にしても社会的にもカーボンニュートラルが善なるもののような扱いで、そちらの方向に向かっていくことになっている。政治の分野で随分と支那の工作によってやられてしまったな、というのが僕の印象だが、実情は支那の政治体制的に「ちょうど上手い具合に食い込める」というスピード感が大きく作用していて、工作はその一端に過ぎないのかもしれない。

だけれども、本来、カーボンニュートラルは幻想である。地球温暖化に関しても、そうしたプロパガンダの一環ではないか?とすら僕は疑っている。

しかし、幻想であろうが無かろうが、世界的な潮流がそうである以上は、その方向に舵を切っていかないと産業を守れないのもまた事実である。

地球を異常に温めてしまう温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)の排出も少ないんだ。電気自動車であっても、電気を火力発電でつくるとCO2が出たことになる。それでも計算の上ではガソリン車の出すCO2の量よりは少なくなるよ。太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電気を使えば、電気自動車が発生するCO2の量をさらに減らすことができるんだよ。

「Mono Trendy”電気自動車はガソリン車とどこが違うの?”」より

そして、世間ではこんな嘘を平気で宣伝しているけれど、計算すると電気自動車とガソリン自動車の二酸化炭素排出量は大差無い。

このベースとなる計算は計算手法によって随分と異なる。幾つか計算しているサイトを見たのだが、燃料の輸送を前提としていなかったり、都合の良い数字を採用していたりと、なかなか恣意的である。僕の見立てでは、現状の燃費だとガソリン車の方がまだ二酸化炭素排出量が少ない。二次電池の性能向上があれば電気自動車の方が有利になるが、大差無いレベルであろう。

報道ベースで出ているのはこんな感じの図である。

これは先ほど紹介した「水素でエンジンを回せ! 電気自動車(EV)への対抗勢力が勢い付いてきた背景を解説する」のサイトで紹介されていた図で、これでも電気自動車の方が二酸化炭素削減効果は得られるという結果にはなっている。

割と公正な計算に基づいた結果ではないかな、とは思う。

この計算の根拠である充電インフラへの投資の見積もりが甘く、もう少しかかるのだというのが僕の理解だが。

政治的にも失業率の増加は問題

ただ、こうした流れで二酸化炭素排出量の削減を目指すのと並行して、従来、それを生業としていた部品メーカーが淘汰されていく。部品点数が1/10になるのだから当たり前と言えばそうなのだが、特に日本は中小企業への依存度が高いために、これに伴う失業というのは深刻である。

これを「電気自動車導入とは別問題」と割り切って推進するにせよ、産業構造の急激な変化に耐えられない人達が多数いるというのは政治的にはマズイだろう。

特に日本は自動車産業従事者が多いので問題化しやすい。とはいえ、ガソリン車を維持していった結果、多くの自動車メーカーが世界に車を売れなくなり、結果的に産業の維持が難しくなる、或いはトヨタが倒産して多くの企業が路頭に迷うというような、巨大倒産が発生すると中小企業の倒産云々のレベルでは無くなってしまうので、痛し痒しというところだ。

自動車メーカーにとって、電気自動車の開発は行くも地獄、引くも地獄という話になるだろう。そして、進まざるを得ないのが現状でもある。

この日、トヨタは「EVの普及を目指して」と題する電動車両戦略を発表した。今回のトヨタの発表の骨子をまとめると以下のようになる。

 1.2017年12月時点で「2030年に550万台以上」としていたEV、HV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)など「電動車」の年間の世界販売台数目標を2025年に5年前倒しする。

 2.2020年に中国で自社開発の量産型EVを発売し、2020年代前半には世界市場で10車種以上のEVをラインアップする。

 3.EVの普及に向けて「協調」の姿勢で多くの企業と新しいビジネスモデルの構築に取り組む。

 4.日本で超小型EVを発売する。

 5.EV専用のプラットフォーム「e-TNGA」を開発し、SUBARU、ダイハツ、スズキなども巻き込みながらグローバルEVを開発する。

 6.電池の安定調達のため、現在のパナソニックに加えて、GSユアサコーポレーションや東芝、豊田自動織機、中国の大手車載電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)と提携する。

「時事通信”トヨタ社長「否・終身雇用」発言を招いた自動車産業「EV」時代  フォーサイト-新潮社ニュースマガジン”」より

トヨタの社長が新しい産業の模索と共に、新しいビジネスモデルの構築を目指すというのは、トヨタの経営的な判断としては真っ当で、EV専用のプラットホームを作るという方向性も間違いではないだろう。

これは割と政治的な話なのである。しかし残念な事に支那の電池メーカーと提携するというような話をしている。これも保険的な意味合いで仕方がない面はあるが、しかし相手は弱小メーカーではなく支那共産党そのものである。呑み込まれないで欲しいと切に願うね。

脱ガソリンエンジンは実現可能か?

さて、そんな感じで、少なくとも燃料電池車や水素エンジン車は望み薄であり、開発時間がかかる可能性を考えると、電気自動車に舵を切らねばならない局面に来ているという実感はある。

今まさにその状況にあって、「脱酸素社会」などというのは単なるスローガンに過ぎない訳だが、じゃあ、日本国内のエネルギーインフラ(主に発電事業関連)の整備や、充電インフラをどのように整備していくのか?という点については、まだまだ課題が多く残されている。

「輸入電気自動車はなぜチャデモ最大50kW対応が多いのか?」ジャガーのご担当者に質問してみました

2020年11月21日

~~略~~

電気自動車として高い完成度を誇るジャガー『I-PACE(アイペイス)』は、90kWhという大容量電池を搭載しているのに、日本でのチャデモ規格の急速充電は最大50kWまでしか対応していません。昨年日本に導入されたメルセデス・ベンツ『EQC』や、9月にデビューしたばかりのアウディ『e-tron』も、大容量だけどチャデモ対応は50kWまで。さらには、グループPSAが続々と日本に導入しているプジョー『e-208』や『SUV e-2008』、『DS3クロスバックE-TENSE』もチャデモは最大50kW対応です。

独自に急速充電インフラを設置しているテスラやポルシェ(タイカン)は、100kW超の高出力な急速充電にも対応していますが、輸入電気自動車は「日本導入時のチャデモ対応は最大50kWまで」というのが大きな流れになっているのです。

「EVsmartBlog」より

例えばこの記事にも言及されているが、実は日本の充電インフラ設営は遅れている。チャデモ規格自体は日本のメーカーが中心になって決定したにもかかわらず、インフラ拡充が遅れているために、日本国内での電気自動車普及にも影響しているというのが実情なのだ。

遅れるインフラ整備

そして、このチャデモ規格、実は3.0から支那との提携による規格の変更が行われた。なお、欧米CCSとも対応しているので、そのこと自体が悪い訳では無いのだが、支那が電気自動車の先進国となって規格にも影響を及ぼす存在になったという意味では恐るべき事である。

今後、その方向に進むよという図がこれになっているのだが、支那のChaoJiが幅をきかせていることがわかる図となっている。

既に周回遅れになっている日本の自動車産業が焦る理由はこんなところにもある。今後、日本企業は生き残りをかけてその身の振り方を考えねばならない。その時に、日本政府がどこまで力を発揮出来るかで、国際的な存在感が出せるかという事になるだろう。

何しろ、インフラ整備がなされているかどうかで電気自動車の普及状況が大きく変わるのだから。

建前は何でも良い

脱炭素社会というかけ声はどうでも良いのだが、日本が技術的に周回遅れになるかどうかは、政治的な制度設計にも大きく関わってくる。

社会的に大きく変動しようとしている時期にあって、これまでのように日本政府が変化を外から眺めていて、その流れに乗り遅れて産業的に失敗するという愚を繰り返すのであれば、もはや自民党という政党は不要だ。尤も、それに代わる政党は存在しないことが国民にとって不幸なのだが、不幸といって嘆いていても始まらない。

大きなスローガンを掲げたのであれば、それを利用しながら現実と折り合いを付けつつそれに邁進していく必要がある。

追記

コメントを戴いて、重要なトピックスをすっ飛ばしてしまっていることに気が付いたので追記しておきたい。

これは、原油の精製と温度に関する情報を絵で説明するもので、水分と分かり易い。

原油から留出される温度で異なる

 ガソリン、灯油、軽油、重油、潤滑油などの石油製品は、油田から産出された原油を加熱炉で熱し、常圧蒸留装置で精製して作られています。イラスト①製油所では原油を約350℃に加熱し、蒸気(石油蒸気)として沸点の低いものから順に分けています。一般的には、沸点35~180℃でガソリンなどが、240~350℃で軽油が留出されます。

「JAFのサイト」より

ガソリンというものを説明するにあたって、原油からどのように精製されるかのプロセスを説明する必要があって、ザックリ説明すると原油を蒸留して成分によって分け、その一部がガソリンとして使われる、という事になる。

コメント頂いたのは、軽油を使うディーゼル車はそのまま残るんですよね、という話で、Wikiに説明されるように、「大型低速であるほどディーゼルエンジンの長所が引き立ち、短所が目立たなくなる傾向にある。逆に小型高速ではガソリンエンジンが有利になる。このため小型車のエンジンはガソリンで、大型車のエンジンはディーゼルになることが多い。」という構図になっている。

即ち、原油を輸入して精製すると、ディーゼルエンジンの為の軽油を手に入れるプロセスでガソリンが出来上がってしまう。当然、灯油も重油やアスファルトも需要があるために、代替物質を探すまでは使い続ける必要がある。

ガソリンエンジン車だけ悪者にして、「ハイ、さようなら」というわけにはいかないのが現状である。本来であれば、ガソリンを燃焼してもその分だけ二酸化炭素を吸着して捕集するというのが、ただしいカーボンニュートラルの在り方なのだ。ガソリンは自動車には使わないけれど、他に使うのだ、という事であればナフサなどとしてプラスチックを作る用途に振り向けるというのはアリかもしれない。しかし、レジ袋廃止など、基本的にはプラスチック製品への風当たりも強い。

更に細かい分留をして、さまざまな利用用途があるにはあるが……、何れにしても二酸化炭素排出に繋がってしまうのが悩ましい。

本気でカーボンニュートラルを目指すのであれば、分かり易い部分に手を付けるのではなく、社会構造そのものに手を付けねばならないというのが実際のところなのだ。まあ、未来では違うガソリンの使い道が更に増えるかも知れないんだけどね。

追記2

頭が沸いているんじゃないのかな。

東京都 新車の乗用車「2030年までに脱ガソリン車」方針固める

2020年12月8日 14時20分

世界的に「脱ガソリン車」の動きが広がる中、東京都は、都内で販売される新車について乗用車は2030年までに、二輪車は2035年までにガソリンエンジンだけの車をなくし、すべてを電気自動車や燃料電池車などにする目標を打ち出す方針を固めました。

「NHKニュース」より

そりゃ、東京都が率先してやれば、全国的にも波及しやすいとは思うんだけど、それにしたって2030年というのは、そもそも無理な目標設定だよ。

緑の小池氏は、その時と知事をやっていないから好き勝手なことを言えるんだろうけどさ。そのために何ができるのかと言えば、都が率先して充電スタンドでも作るんですかね?

東京都は、今後、電気自動車などの世界的なレースを都内で開催するなどして、都民や事業者の機運を高めたい考えです。

「NHKニュース”東京都 新車の乗用車「2030年までに脱ガソリン車」方針固める”」より

ダメだこりゃ。

コメント

  1. 木霊様、皆さま、今晩は

    インフラについてですが、もう1つ、電気の供給の問題があると思います。2035年にガソリン車禁止だとすると、2050年頃には完全にEV、FCになるんでしょうね。

    電池に充電するには電源が必用ですが、ガソリン車をEVに置き換えるならば大きな発電所をいくつも作る必要があります。EVシフトとか言っている人たち、コレ、考えているのかな。

    二酸化炭素が~~ならば原発なんですけど・・・脱原発とか言っている場合じゃなくなりかねません。どうするんでしょうね。FCに賭けるのかな?

    私は「運転自体を楽しむ」方なんで、ハイブリッド嫌い、CVT嫌い、電動パワステ嫌い。クルマはガソリンMTでなくては。EVなんてとんでもない。なんです。どうやら「運転を楽しむ」時代は終わるという事ですね。

    まぁ、そこら中がEV、FCになる頃には【運転するのは危険な高齢者】になっているんで、どっちでもいいんですけど。考えてみると、自動車が最もおいしい時代に生きている(いた)のかも知れませんね。

    とこで、ディーゼル車(バスやトラック)はどうするの?

    • 電気の供給の問題ですか。
      確かに大電流を流すと言うことであれば近くに発電施設があった方が効率的ですし、安定的で効率的な商用発電は必要になるでしょう。

      僕自身、個人的にはガソリン車が好きなのですが、残念ながら現在は趣味にお金をかけるような優雅な生活を送れていませんので、指を咥えて見ているだけですかね。EVバイクもそのうち普及するかも知れませんが、僕はそちらの方をちょっと期待しています。充電が切れたら最悪ですが(汗

      • 木霊様、返信ありあとうございます。

        私が言いたいのは効率などではなく電力の絶対量が不足するという事なのです。

        2018年のガソリン消費量は 5105万キロリットル、ガソリン 1L の発熱量は 34.6 MJ(メガジュール)なので、
        総熱量は 1.76E18 J(E18 は10の18乗、J はジュール)になります。
        100万KW(1E9 W)の発電所は毎秒 1E9 ジュールの電力を発生します。1年間では 3.1536E16 J

        なので、5105万キロリットルのガソリンが発生するエネルギーを全て電気に置き換えるならば、100 万KW の発電所が 56 基必用という事になります。
        (夜間の余剰電力、ガソリンエンジンの熱効率、発変電、送電の効率は無視しています。計算が間違っていたらごめんなさい)
        カーボンニュートラルが目標ならば、これを化石燃料でまかなったのでは意味がない。再生可能エネルギーでは無理そうに思える。なので、原発しかないと思うんですけど「脱原発」。どうするんでしょうね。

        ディーゼル車もEV化となると大変なことになりそうです。

        私としては内燃機関の熱効率を上げる、自動車に積むエンジンを低出力にする、シリーズハイブリッドを普及させるなどをしながら、もっと「ゆるやかに」移行させないと失敗すると思います。奥の手はガソリンの値上げや割り当て制(やってほしくないけど)

        以下、おまけ。

        ・エンジンの低出力化:一般道での定速走行ならば数馬力程度で済みます。発信、加速にはもっと馬力が必用ですが、多くのドライバーは20馬力程度しか使っていないようです。私が 4000 rpm 程度まで回して加速すると、追走してくる車は殆どありません。
        高速道路の登坂でもせいぜい 4000 rpm 程度。私のクルマ、4000 rpm では 50 馬力も出ていませんよ。
        エンジンが低出力ならばアクセルを大きく踏みこむ事になりますが、その方がエンジンの熱効率が高いんです。

        ・シリーズハイブリッド:内燃機関は発電機を回すだけにして、定格回転数、定格出力だけで使用する。
        発電用エンジンは長時間の平均出力をやや上回る程度にして電池の容量を大きくする。発進加速や登坂時に必用なパワーは電池から供給する。そのようなエンジンならば、定格回転数、定格出力だけでチューニングすれば良いので、かなりの好燃費が期待できるのではないでしょうか。
        もちろん、全開、全開でレースのような走りをすればすぐに電池がカラになると思いますが、普通の人はそんな走りはしない。

        ・奥の手はガソリンの値上げや割り当て制(やってほしくないけど)
        ガソリンが高ければ公共交通を利用する、近くへの買い物などは歩く、自転車にするなどになるでしょう。
        1台あたり年間何リットルまでのようにガソリンを割当てる。車種やその車の燃費などは考慮しない。必然的に省燃費運転をする事になるでしょう。クルマのナンバープレートを撮影して「どの1台か」を判断するのはさほど難しくはないので、その気になれば可能でしょう。
        割り当てられたガソリンをどのように使うかは、その人の自由。小型車で長い距離を走るのもよし、ランボルギーニを飛ばして短い距離で使い切るのもよし。

      • そうですね、確かに「足りない」という事は心配する必要があるのでしょう。
        案外、自動車で使わない代わりにガソリンを火力発電所で燃やせば効率的に電力を取り出して……。実にエコですね!(苦笑
        実際問題、そうなってくるとやはり原子力発電を増やす必要がありそうですが……、菅政権は再生可能エネルギー発電を増やすつもりのようですよ。

        自動運転が普及すると、効率の良いエンジンの利用が行われて、比較的燃費が良くなる可能性はあります。
        シリーズハイブリッドは、少々勉強しましたが小型車だと収支が釣り合わないらしく、ある程度大きな車両でないと意味が無いよという実情がありまして。あ、でも日産e-POWERはシリーズハイブリッドでしたね。小型化と低価格化には随分苦労したようですが。今後はシリーズハイブリッドの開発も進むのかも知れません。

  2. さて本件のガソリン車排除については簡単でしょうが乗用車以外で多用されているディーゼル車についてはまだまだ消えないのではないでしょうか?
    とくに力の必要な建産機は電動化しても架線や外部電源によるものですので、エンジン排除までまだ掛かりそうです。
    そうしますと軽油を生産しなくてはいけませんが、そこで副生成物としてガソリンが発生しますね。そこらに撒いて燃やすか、海洋に垂れ流すか、いずれにせよ備蓄する必要も無いわけですからどこかで処分しないといけません。
    アフターEV車は今後の課題に(というかツッコミ所)になりますね。

    • ディーゼル車ですか。
      あれこそ排出ガスの問題で様々なトラブルを抱えていまして。現実的には大型建機や船舶、トラックに至るまでディーゼルエンジン廃止というのはそもそもちょっと考えにくいものです。
      そうなってくると、ご指摘の様に「様々なグレードで使われる原油」の一部は廃棄されねばなりません。ガソリン車ゼロはそういう意味でも環境に優しいと言えるのか悩ましいですね。その辺りの突っ込みは書いておくべきでした。