台湾にアメリカ製の無人機が売却決定へ

台湾

アメリカ製の無人機は高性能なのでコストもなかなかお高いのだが、台湾は大きな決断をしたねぇ。

米、台湾に無人機売却へ、4機、中国の反発必至

2020.11.4 08:47

米国務省は3日、台湾に対する米国製無人機4機の売却を承認したと発表した。売却価格は関連機器を含め約6億ドル(約627億円)。トランプ政権は台湾への武器売却を進めており、中国のさらなる反発が予想される。

「産経新聞」より

えーと、承認されたのは無人攻撃機MQ9Bらしいな。

スポンサーリンク

無人攻撃機と台湾防衛

死に神「リーパー」が台湾へ

正しくは無人攻撃機MQ9「リーパー」ではなく、無人攻撃機MQ9B「スカイガーディアン」が選ばれたということで、輸出実績としてはイギリス空軍やイタリア空軍が採用しているという。

操縦は、地上の基地にいる操縦員によって行われ、リーパーの方は実戦経験ありだ。

運用高度は7600mで、航続距離は5926kmということらしい。滞空時間は14~28時間であるという。

半径3000kmで円を描くとこんな感じになるので、日本としても単に「応援する」という姿勢ではマズイのだろうが、支那としては笑って済ますことのできる兵器ではないだろう。

ミサイルも販売

このニュースに先立って、台湾はアメリカからミサイルも手に入れるという話があった。

米、台湾にまた武器売却 総額2500億円 中国は猛反発

2020/10/27 13:54

米政府は26日、台湾への対艦ミサイルシステムなど総額23億7000万ドル(約2500億円)の武器売却を承認し、議会に通知した。21日には空対地ミサイル(AGM)など総額18億ドル(約1900億円)強の武器売却を承認したばかり。米国から台湾への武器売却が加速している。

台湾は米国からの武器購入を増やし、軍事力の強化を急いでいる(7月、台中市)=ロイター

今回売却を決めたのは、「ハープーン」と呼ばれる米ボーイング製の対艦ミサイル最大400発のほか、ハープーンを搭載した沿岸防衛システム100基など。

21日にはボーイング製の空対地ミサイル「SLAM-ER」135発や、米ロッキード・マーチン製のロケット砲システム「HIMARS」など3種類の兵器システムの売却を承認したばかりだ。

「日本経済新聞」より

結構な規模の買い物をしているらしく、対艦ミサイル、空対地ミサイルで、HIMARSも手に入れる予定のようだ。

よくもまあ、ここまで用意したという感想しか出てこない。

19年7月には「M1A2エイブラムス戦車」108両や、地対空ミサイルなど総額22億ドル(約2300億円)の売却を承認した。さらに同年8月には、F16の新型66機を総額2472億台湾ドル(約8900億円)で売却することを決め、大型案件を矢継ぎ早に承認している。

「日本経済新聞”米、台湾にまた武器売却 総額2500億円 中国は猛反発”」より

特にF-16V戦闘機の配備はデカいと思うのだが、台湾としても軍備拡張は急務だから、まさに利害関係が一致したということなんだろう。

米国防総省傘下の国防安全保障協力局が同日、議会に通知した。国務省は売却に関し「情報収集、監視、偵察、攻撃などの能力を提供し、脅威への対応能力を向上させる」と説明した。

「産経新聞”米、台湾に無人機売却へ、4機、中国の反発必至”」より

で、基本的には無人機FQ9Bは、情報収集などに使うということなのだけれども、ハードポイントを備えていて実際にヘルファイアやスティンガーなどを搭載できる。

偵察に出て、お土産を落として行くみたいな運用もできるというわけだ。

無人偵察機は自国開発も

なお、台湾もそれなりの技術力を持つ国である。

過去には無人偵察機の自国開発みたいな話もあった。

台湾、自主開発の無人機を公開 「中高度、長時間滞空」が可能 中国大陸沿岸部偵察の指摘も

2015.8.12 19:53

台湾の国防部(国防省に相当)は12日、自主開発した無人機を内外の報道陣に公開した。詳しい性能は非公開だが、「中高度、長時間滞空」としており、実戦配備されれば、台湾海峡などでの偵察任務に投入される。

~~略~~

台湾のメディアによると、無人機は全長約14メートル、幅約20メートルのプロペラ機。外観は米軍などが運用するMQ9リーパーに似ている。

「産経新聞」より

MQ-9のサイズは全長約11mで、幅は約20mという事になっているので、サイズ感としても外観も似ていたという風に理解したら良いのか。

いや、採用されたのかな。

無人機「鋭鳶」を東沙島に配備=一部報道 国防部「憶測はやめて」/台湾

2020/08/26 11:21

台湾が自主開発した無人偵察機「鋭鳶」を国防部(国防省)が南シナ海の東沙島や太平島に配備したと一部メディアで報じられたのを受け、同部の史順文報道官は25日、両島の防衛力を強化させていく方針を示した上で、兵力の配備や武器、装備については作戦計画に関わるため説明を控えるとし、過度な憶測はしないよう呼び掛けた。

鋭鳶は政府系研究機関の国家中山科学研究院が開発した。全長5.3メートル、翼幅8.6メートル、全高1.6メートル、最大積載量は55キロ。高度4000メートルまで上昇可能で、最大滞空時間は12時間に達する。2017年9月から海軍艦隊指揮部に所属している。

「cna.com」より

大きさは違う様だね。

台湾が自主開発のレーダー攻撃用無人機を公開

2019/8/16

台湾の国防部(国防省に相当)は15日、敵のレーダーに自爆攻撃を行う自主開発の無人攻撃機「剣翔」を公開した。中国大陸沿岸のレーダーサイトを攻撃する兵器で、今年から量産を始めており、6年間で104機を配備する。

「iza」より

コチラも違う機体のようだ。

さておき、システムとして出来上がっているMQ9Bを購入する流れになった事を考えると、自国開発を諦めたのか技術支援を受けて台湾内でも作るのか。何れにしても「使える兵器」を増やしたという意味では大きいのかもしれない。

大統領選挙の隙に乗じて

こんな感じで軍備増強を急いでいる台湾だが、実際にキナクサイと感じているからこその強化だろう。

「中国は米大統領選後の混乱に乗じて台湾に手を出すかもしれない」台湾外交部長

2020年11月4日(水)16時10分

台湾の呉釗釗燮(ジョセフ・ウー)外交部長(外相に相当)は11月2日、アメリカ大統領選挙後の混乱に乗じて、中国が軍を用いて台湾に対する作戦を活発化させる恐れがあると警戒感を示した。

「Newsweek」より

こうした報道が出る程度には、台湾も警戒している。

支那が無人攻撃機「翼竜10」を導入したというニュースは最近目にしたが、最近の中東の騒ぎやらアルメニアの騒ぎでは無人機がかなり活躍しているという話も聞く。台湾も支那も力を入れる理由はよく分かるのだけれど、こうした軍備拡張は日本としても他人事では無いということを肝に銘じておかねばならない。

支那の軍備はもちろんのこと、割と関係が良好な台湾も敵対勢力になるということは想定しておく必要がある。その上で、日本には何が必要か?を考えておく必要があるだろう。やっぱり、防衛費が少なすぎるのは問題だね。

コメント

  1. 木霊さん、今日は。

    僕としてはバイデン氏優勢のアメリカ大統領選の趨勢が気になっているのですが、台湾への武器売却を急加速化したトランプ大統領政権の台湾施策(台湾の要塞化?)を考えると、バイデン氏勝利なら急ブレーキが掛からないかと心配な事案です。

    「無人機で日本の漁業を守れるのか」の記事でもかいたのですが、MQ-4B(シーガーディアン)は海保と同じ機種となります。

    台湾も同じ機種なんですが、ベースのMQ-9(リーバー)は6箇所のハードポイントを持った攻撃機であり、運用形態を支那対沿岸戦に対するとすれば牽制力の一翼になると考えます。
    そして、コストは海保の場合パイロット基地や運用費を除いて1機15億程度、海保が20機揃えても300億円+基地&運用費なのに、台湾はいきなり4機で600億円超を考えると攻撃機併用が前提じゃないかな。

    • 気になりますが、報道はもう完全にバイデン大統領が登場するような流れになっていますね。
      しかし、現実的にはトランプ氏が諦めなければ法廷闘争になって12月頃迄開票結果について揉めるようで、その後、1月頃まではあれやこれやで騒ぐことになるようです。
      更に、選挙人の裏切りなんて話もあって、まだ裁判の結果は確定とは言い難い様ですね。

      とはいえ、実際にバイデン氏が大統領になる可能性は高いわけで、そうなった場合にどうなるのかは。
      台湾政策に関しては、既に決まったものに対してバイデン氏がストップをかける方法は無いと思います。流石にアメリカ大統領の権限で「売るな」というわけには行かないでしょう。ただ、今後はそう簡単に話が進まなくなると思いますから、トランプ氏がどこまで気合いを入れて話を進めるか?で変わってくるのでしょうね。