支那軍の沿岸部隊強化は日本の防衛政策にも大きな影響が

防衛政策

最近、防衛ネタが多くなってきているのだけれど、本日はほのぼのしたお笑い韓国軍ネタではなく、結構、緊迫した話である。

中国軍は、台湾侵攻の可能性に備えて沿岸部隊を強化している

公開日:2020年10月18日午前8時6分

北京は、侵略の可能性に備えて、南東海岸の軍事化を強化している 、軍事オブザーバーと情報筋は言っています。

人民解放軍はミサイル基地をアップグレードしており、北京を拠点とするある軍事筋は、最先端の極超音速ミサイルDF-17をこの地域に配備したと述べた。

「South China Morning Post」より

支那の人民解放軍のミサイル基地に配備されるのは極超音速ミサイルDF-17であると、報じられている。配備先は福建省と浙江省の沿岸らしい。

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極超音速兵器

迎撃不能なDF-17

支那がかなりのリソースを割いて開発した超高速ミサイルだが、この手の超音速兵器は各国で開発が進められている。

それに先んじているのはロシアだと言われているが、その性能は確認出来ていない。アメリカは少々開発に手こずり、支那は順調に開発して実際に配備したと報じられた。兵器の信頼性については何れの国も明らかにはしていないが。

で、この話は東亜日報でも報道している。

中国、台湾狙って極超音速滑空ミサイルを実戦配備

Posted October. 19, 2020 07:46, Updated October. 19, 2020 07:51

両岸関係が悪化する中、中国が台湾に向かって極超音速滑空ミサイル「東風(DF)17」を実戦配備した。ジョン・ハイテン統合参謀本部副議長が「現在、迎撃する方法はない」と評価する最新式兵器なので、中国と台湾の戦争勃発の可能性が高まるのではないか懸念されている。

「東亜日報」より

東亜日報のソースもSouth China Morning Postであるが、この配備に関して詳しい言及は行っていない。だが、韓国にとってもこの配備は他人事ではないはずだ。

記事によれば、福建省と浙江省の沿岸に最大航続距離2500km(1550マイル)で、最高速度はマッハ10であるとされている。これだけの速度を出す兵器に対しては現存する迎撃手段による迎撃は不可能であると言われている。

日本も射程範囲内に

さて、福建省と浙江省の沿岸に配備とあるのだけれど、この結果どうなるかというと……。

こんな事になる。朝鮮半島全域が含まれ、日本の領土の大半がその射程範囲内に入る。見て頂ければ分かるが東南アジアの殆どの国に関係するニュースだ。

もちろん、こうしたミサイルの射程範囲内にあるという話は、今に始まったことでは無く、支那の大陸間弾道ミサイルの配備当初から言われていることなので今さらではある。ただ、これまでのミサイルは迎撃可能であるとはいわれているが。

で、この事を日本のメディアはどう報じたのだろうか?と、そう思って探してみたのだが、全く見当たらず。きっと僕の探し方が悪いんだな。

さておき、朝日新聞のGlobe+でこんな記事を見つけたので紹介しておきたい。正直、朝日新聞にあるまじき記事を書くのがGlobe+である。

ミサイル増強すすめる中国軍、なのに具体的な議論ができない日本の問題

2020.04.30

日本全土が新型コロナウイルスの対応に追われている中、いち早くウイルスの封じ込めをしている中国は空母艦隊を西太平洋に派遣するなど、海洋活動を活発化させている。さらに中国は米国がこれまで持てなかった中距離ミサイルの開発を着々と進め、日本は中国の見えないミサイルの脅威にさらされている。 この劣勢に、日米はどう対処するべきなのか。米国の保守系シンクタンク「ハドソン研究所」研究員の村野将氏に、今後の日本の対策を尋ねた。同研究所に新設された日本研究部の唯一の日本人研究員として、抑止戦略や日米の安全保障協力についての研究を担当している。村野氏が強調したのは、「日本における議論の不足」だった。

「Globe+」より

この記事ではタブーとされる敵基地攻撃能力に言及している。正直、迎撃が不可能だとされる兵器が配備されれば、少なくとも2発目を喰らわないように敵基地を攻撃する能力、或いは敵の都市を殲滅する能力を獲得するより他に無いのだ。

そして、それを深刻に捉えて政策論争しない政治体制こそが問題であると言及している。よくもまあ、朝日新聞系列でこんな記事を載せたものだが、正論ではある。

タブーなしで防衛政策の議論をしないことには、始まらないのだ。

韓国紙も現実の直視を避けている

さて、日本政府の姿勢に言及する前に、韓国の東亜日報はどう言及しているかについて触れておきたい。

台湾は、インドや米国などとの協力を強化し、中国と対抗する考えを示している。17日、インド紙インディア・トゥデイによると、台湾の呉釗燮外相は最近のインタビューで、台湾を数回「国家(country)」と称し、米国、インド、日本などとの協力を強調した。呉氏は、「中国と台湾は別」とし、「台湾とインドが関係を発展させることは重要なことだ。インドが台湾を国家と認定することを望む」と述べた。

「東亜日報”中国、台湾狙って極超音速滑空ミサイルを実戦配備”」より

台湾の立場について触れ、微かにだがクワッドの話を臭わせている。

これは、菅氏が就任後の働きでクワッドの実現が加速している事に、意識をしているのだろう。

菅首相に日米豪印の遺産 「準同盟」で中国と対峙へ

2020/10/5 2:00

トランプ米大統領のコロナ感染が明らかになるなど、政治の世界の一寸先は闇だ。

そんななか菅義偉首相の電話外交がスタートした。9月25日におやっと思う一幕があった。中国との会談を前に、当日になってインドとの会談がスッと入ってきた。習近平国家主席とは午後9時から、モディ首相は同4時半すぎからとなった。

外交は優れて順番のゲームである。日本はインド重視をアピールした形になった。

「日本経済新聞」より

結局のところ、日本の打てる手としては、取り敢えずはアライアンスを組んで、支那に圧力をかけるしかない。実現には随分と時間がかかったが、その足がかりとなる可能性のあるのがセキュリティ・ダイヤモンド構想でありクワッドなのだ。

しかし、クワッドが実現する為には、日本が「それなりの防衛手段」を、嫌もっと言えば、敵を攻撃する手段を備えていなければならない。そして、台湾を編入することは不可欠なのである。また、韓国はここに参加することを誘われているわけではない。

台湾はかなり現実的で、既にアメリカとがっちり手を結んでF-16Vの開発費を出してまで、修繕拠点を国内に作ってまで、本気で支那と事を構える姿勢を示している。

結局、昨今の状況を鑑みるに、日本は台湾と組めるか、組めないか?を問われているのだと思う。韓国は目を反らしているが……。

国交正常化

さて、昭和47年(1972年)9月に時は遡るが、日本と中華人民共和国は国交を結び、共同声明を発表している。

日本の時の内閣総理大臣はあの田中角栄であり、支那のトップは毛沢東である。角栄は周恩来と共同声明を出し、署名を行っているのだが、その際に「一つの支那」の原則を確認している。

昭和53年(1978年)8月には、日中平和友好条約を結んでいる。

日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約

実質的に、「中華人民共和国を中国の唯一の合法的政府」と承認 (recognize) し、「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」と表明する「中華人民共和国政府の立場を十分理解し尊重する (understand and respect)」 として、台湾の意向を無視している。

この結果、日本政府は台湾を国家として認定していないのである。

だが、既に支那の姿勢は共同声明の精神を無視した体制になり、日本の領土を支那が侵略しようとしているのが現状である。つまり、相手側から勝手に約束を反故にしようとしているワケだから、日本政府としても腹を括るべきなのだ。

具体的には台湾を国家として認定し、対等な立場として国交正常化を図る、そこがスタートなのだと思う。そして、それをするといよいよ支那の逆鱗に触れるわけだが、早晩そういう状況を迎えるのは必然なのだとしたら、早めに決断して被害を最低限に抑えるべきだろう。

その様なインパクトを与える兵器なのだ、DF-17という兵器は。日本本土に届くこともさることながら、日本のシーレーンをカバーしている兵器で、迎撃不能。厄介な事この上ないんだよね。

コメント

  1. 木霊様、皆さま、今晩は

    迎撃不可能・・・困ったね・・・

    そんな事をしても(そんな兵器を作っても)中国が得るものはない、と思ってもらうのが一番なんですが、そんな方法はなさそうだし、理解力のない相手には何を言っても無駄。中国では「見えるものは全て中華天子のもの」なんで、言うだけムダ。

    となると、迎撃ですが、迎撃するには
    1.危険を探知して・・・レーダーで探知、AIでも何でも使って着弾地点を予測。危険ならば
    2.迎撃ミサイルを発射。なんですが、迎撃ミサイルは「十分に高速かつ高精度」でなくてはなりませんね。かなり難しそうです。

    いっそのこと、迎撃ミサイルなんかヤメにして、レーザービームで撃ち落とす、無力化するのがいいのかな。レーザービームは光速で進みますから、これより速いものはない。という事で、当面は「敵基地攻撃能力」でしょうけど、強力なレーザー兵器を開発すべきかと思います。もうやっていると思いますけど・・・なに、やってないだと・・・)

    威力が十分ではないって???
    1MWで足りなければ1GWに、それでも足りなけれな1TW、それでも足りなければ1PWに・・・すればいい。

    最善策は中国に「中華思想」を捨ててもらって「まともな国」になってもらう事なんですけど、コレ、強力なレーザーを作るよりも難しそうですね。

    • 本当に迎撃不可能かどうかの憲章はできないのですが、今の技術で迎撃は難しいという前提で考える必要はあるでしょう。
      そうだとすると、僕自身は迎撃するというコンセプトではなく、敵基地を破壊する大雑把なやり方しかないのかなと。
      「やられたらやり返す」という姿勢こそが大切になってくるかと思います。

      レーザービームですが、照射する時間が必要であることを考えると超音速の兵器に対する有効性には疑問があります。
      超音速である以上、対象の表面温度は上がっているでしょうから、周囲の空気が熱せられていて、光が直進するか不安という面もあります。それをものともしない出力で照射すればOKかもしれませんが、結局、対象を捉えるレーダーが必要となり、レーザーに必要な電力を瞬時に溜める手段も必要となるので、迎撃できるかどうかといわれると、現実的では無い気がします。小型原子炉くらいの出力のあるレーザーならアリかもしれませんが。

      • 返信、有難うございます。

        照射時間が —> パワーを上げればいい。パワーが10倍ならば照射時間は1/10でいいはずだ。

        光が直進するか(屈折する)—> 波長によって屈折率が異なったりするので、標的を追跡するレーダーもレーザーを使えば良い。レーザービームの直径を大きくすれば命中率が上がる。(パワーは二乗で大きくなるけど)

        電力が —> レーザー砲と発電所を併設し、通常は「発電所」として使えばいい。有事には送電を中止とか、方法はありそう。

        必用な瞬時電力をためる —> これと、大出力レーザー本体、レーザービームを標的の方向に発射するのが難関かな。大砲の砲身を標的に向けるような方法で巨大なレーザー発振器の向きを変えるような方法では見込みはないでしょうね。

        いずれにしても、10年やそこらで実現できるとは思えませんが、ミサイルなどをほぼ無力化できそうに思えます。方向性としては良いように思えます。

        アメリカなどは本気で研究しているような気がしますが、どうでしょうね。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    台湾へのプレッシャーを本格化させるミサイル配備なんですが、日本にとっても迎撃できるか不安な兵器です。
    すでに2014年頃から噂されていた低高度を飛翔し極超音速滑空兵器で、防御側のリアクションタイムが少なく、既存のレーダー技術では対処が難しいらしいですね。

    ただ、弾道ミサイルの再突入体よりも速度が遅いことから、先進的なミサイル防衛に対しては脆弱であるとかないとか。
    アメリカも呑気にしている訳でなく、HGV迎撃システムの開発にすでに着手しており、そのうちの有力候補がTHAADを大幅に改良した「THAAD-ER」とかのようです。

    音楽大好きさんも仰られてしましたが、日本は独自のレーザー砲・PAC3に代わる射程30kmクラスのレーザーガンの開発が進すめていると期待したいもんです。
    強力なレーザー砲&ガンが実現すればイージスアショア再検討の射手として、射程次第でほとんどの問題が解決するんじゃないかな。SM3・SM6のロケット弾着弾対策はゆっくり考えればいい。

    陸海空でも使え世界を席巻する強力なチャージパワーを持つ軍事用電池...、日本の電池メーカーさん頑張って!!
    それと超精密誘導可能な日本のロケット(ミサイル)技術・追尾可能なレーダー網・監視衛星技術とのコラボが必須ですね。
    時間は掛かるかもしれないけど将来的にも運用コスト的にも有力な案だと考えます。