【自衛隊】新型潜水艦進水他2本

防衛政策

馬毛島獲得と基地建設

地元と揉めがちな基地建設

馬毛島の話はこのブログでも少し触れている。

「順調」とまでは行かないようだが、進んでいるようではある。

馬毛島滑走路2本新設 秋にも手続き開始

2020/8/8 6:00

米空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)移転候補地として政府が買い取りを進める鹿児島県西之表市の馬毛島について、防衛省は7日、基地の施設整備案を公表した。2450メートルと1830メートルの滑走路2本を建設。今秋にも環境影響評価(アセスメント)手続きを開始する。アセスは1年以上、工期は4年程度を見込む。飛行に最低限必要な施設を先行して建設し、基地完成前にFCLPを受け入れる可能性があるとしている。

「西日本新聞」より

馬毛島基地化、懸念増す九州 米軍機の空港利用に拍車も

2020/10/6 6:00

鹿児島県・馬毛島(西之表市)への米空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)移転を目指す国は今秋にも、自衛隊基地整備に向けて環境影響評価(アセスメント)の手続きを始める。近年、福岡空港など九州の民間空港には米軍機が着陸する回数が増えており、在日米軍基地問題に詳しい専門家は「(島に)自衛隊基地が整備されれば民間空港への米軍機の飛来がさらに増加し、危険性は増す」と指摘する。

「西日本新聞」より

市長、馬毛島基地「同意できず」

2020/10/7 10:52 (2020/10/7 10:53 更新)

鹿児島県西之表市の八板俊輔市長は7日、米軍空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)の移転候補地となっている馬毛島(同市)への自衛隊基地建設に関し「施設設置で失うものの方が大きく、国の計画に首長として同意できない」との見解を表明した。

「西日本新聞」より

国として得るものの多い馬毛島の整備が進めば、国民としてもありがたいのだが、地元にしてみれば漁師を中心に反対運動が展開していることや、左派の運動が活発化していることが大きく影響して、反対の声を挙げざるを得ないのだろう。

しかし、この漁師の反対運動や左派の反対運動(同根の問題ではあるのだが)は、その根拠は「基地が嫌」という感情的な話に過ぎない。確かに工事によって土砂が海中に流出すれば漁場に影響がある可能性は否定できないが、これは工事手法の問題であって基地建設そのものに対する反対理由としては薄弱である。

その他、固有種だとされる馬毛鹿がどうとかいうニュースも偶に見るが、現状でも特別に馬毛鹿の保護をしているという話は聞かない。そして、積極的に馬毛鹿の保護を訴えるのは日本共産党だということを考えると、どういう構図かは透けて見える。

陸上離着陸訓練(FCLP)の移転

さて、馬毛島の取得を目指すことの意味は、記事にも出てきているが陸上訓練離着陸(FCLP)獲得である。

実のところ現在この訓練が出来る所は硫黄島しかなく、米軍が中心に訓練している状況になっている。もちろん、この馬毛島獲得の背景にアメリカがある事は否定しないが、自衛隊にとっても意味がある話となる。

鹿児島・馬毛島に自衛隊基地 硫黄島の米訓練移転へ

2020/8/7 14:00

防衛省は7日、鹿児島県の馬毛(まげ)島に整備する自衛隊基地の計画を発表した。現在硫黄島で実施する米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)を移転する。空母艦載機の拠点の米軍岩国基地(山口県岩国市)の近くで訓練環境を整え、日米の抑止力を高める。

「日本経済新聞」より

硫黄島と比べると馬毛島は距離的にも本土から近い。訓練を行う上ではこの事は大きな意味を持つ。とはいえ、FCLPで使うわけではなく、例えば航空機の中継基地として整備されればの話だが。

単純には鹿児島にこの施設ができる事で、周辺海域に支那の船が近接しにくくなる効果は期待できる。

現在硫黄島で実施するFCLPを移転する。FCLPは滑走路を空母の甲板に見立てて、艦載機が発着艦の訓練をする。「タッチ・アンド・ゴー」とも呼ばれる。洋上の空母に着艦する艦載機のパイロットの技術を維持する狙いがある。

空母が出港する前に艦載機のパイロットが着艦資格を得るために訓練が必要となる。年に1~2回、1回で10日間ほど実施する。事前の準備なども含め、米軍関係者は1回の訓練で馬毛島に約1カ月滞在する想定だ。

FCLPは厚木基地(神奈川県綾瀬市など)で実施していたが、人口密集地で騒音問題が発生し、1991年から硫黄島に移転した。約60機の艦載機部隊は2018年までに岩国基地に移った。岩国から硫黄島は約1400キロ離れる。馬毛島は岩国から約400キロと比較的近く、パイロットの安全確保などで米軍には使いやすい。

「日本経済新聞”鹿児島・馬毛島に自衛隊基地 硫黄島の米訓練移転へ ”」より

そりゃ、米国戦闘機がブンブン飛び回るのだから、騒音の話も出てくるとは思うが、支那からのちょっかいを受けにくくなるメリットがあるのはいうまでもない。

そして、自衛隊としても護衛艦にF-35Bが着艦できるように改修中であることを考えると、利用しない手はない。

防衛省・自衛隊:馬毛島における施設整備について

少なくとも自衛隊の活動拠点を作る予定になっていてそれだけでも意味があるのだが、ここで訓練ができる事は大きな意味がある。概ね米軍との合同訓練的な話になるのだろうが。

そして、市長はこの基地建設に反対をしているものの、地域経済の活性化に繋がる大きな目玉が作られることになれば、強硬に反対するよりもメリットは大きい。

憲法改正と自衛隊

年内に条文を?

さて、こうした自衛隊の現状を大きく変える話がもう1つ。

幾つか問題点が指摘されるニュースもあるが、大きなニュースとしてはやはり憲法改正だろう。

「自衛隊の明記」など憲法4項目改正案 “年内に条文を” 自民

2020年10月13日 18時45分

憲法改正に向けた自民党の起草委員会が開かれ、「自衛隊の明記」など党の4項目の改正案について、年内に具体的な条文にまとめたいとして議論を進めていくことを確認しました。

「NHKニュース」より

「年内に条文を」とあるが、なるほど温いことを言っているけれども、自民党としても先に進もうとはしているようだ。

個人的には、憲法9条2項の削除を行うか、それが難しいのであれば3項に「前項の規定にかかわらず、自衛のための戦力を備えた組織を保有する事ができる。」と、記載すれば良いのである。2項の例外として自衛力を保有すると、それだけを記載すれば済む話だ。

とはいえ、この考え方だと2項に関する芦田修正の考え方に反するという理解もできる。「前項の規定にかかわらず」の記載が必要か、という点に関しては議論の余地はあるかもしれない。

しかし、そもそも芦田修正に関しても解釈の域を出ない話なのだから、気にせずやってしまえば済む話なんだけどね。

公明党や野党の反対など押し切れ

この件で、野党は激しく反発しているし、公明党も支持母体の創価学会が強力に反対している事を考えると、考えを改めるとは思えない。

「自衛隊の明記」など憲法4項目改正案 “年内に条文を” 自民 | NHKニュース
【NHK】憲法改正に向けた自民党の起草委員会が開かれ、「自衛隊の明記」など党の4項目の改正案について、年内に具体的な条文にまとめた…

そもそも、憲法議論を蔑ろにしてきたのは野党で、与党が及び腰だった理由は公明党の存在ありきであった。しかし国難の時期において、推し通る必要がある事だって覚悟すべきなのである。

そのための解散、という選択肢もあるわけで、是非とも決めて欲しいところ。

こうした憲法改正によって、自衛隊の内部にも様々な意見はあるだろう。ただ、国際的に見れば自衛隊は確かに軍隊なのである。そして、軍隊としての扱いを受ける方が有利であるケースも存在する。国際紛争は臨まなくとも起こる場合があり、そうしたケースで自衛隊員が身を守る為には、軍隊であった方が有利なのだ。

国を守る為に兵力を持つ、それは「普通なこと」なのだから、この際、大きな決断をして欲しい。

追記

さて、馬毛島の利用方法についてだが、こんなニュースがあった。

空自も訓練 政府、F35発着検討

2019年3月28日

政府は、米空母艦載機の陸上発着訓練(FCLP)の移転候補地として買収交渉を進める馬毛島(まげしま)(鹿児島県西之表市)で、航空自衛隊に導入予定の短距離離陸・垂直着陸(STOVL)型ステルス戦闘機F35Bの離着陸訓練も実施する検討に入った。米軍のみならず自衛隊が利用することで、当初想定より膨らむことが確実な買収額への批判をかわしたい考えだ。

「毎日新聞」より

F-35Bの訓練に使うー、という話を書きつつ、しかしFCLPが必要かどうかはよく分からなかったのだが、この記事を読む限りは、使う積もりであるという事が伺える。

政府は昨年末に策定した中期防衛力整備計画(中期防)で、海自の「いずも」型護衛艦の「空母化」と、同艦に搭載するF35Bの導入を決めた。太平洋側の防衛強化が目的だ。F35Bの離着艦は、通常の離着陸より高度な操縦技術が必要になるため、FCLPが不可欠と判断した。

「毎日新聞”空自も訓練 政府、F35発着検討”」より

垂直離着陸ならば、タッチアンドゴーの離発着のやり方は、通常の艦載機とは異なるだろう。

現在想定されているFCLPとはまた異なるタイプの離発着訓練と言う事になるんだろうね。ただ、F-35Bだから離発着訓練が不要ということにはならないだろうから、どこでやるの?といえば、確かに馬毛島でできるのはメリットがあるのだろう。

陸上模擬着艦訓練

硫黄島で米軍機 あすから /神奈川

2019年5月8日

在日米海軍司令部は7日、原子力空母ロナルド・レーガン艦載機部隊所属の戦闘攻撃機FA18など固定翼機が、9~19日に硫黄島で陸上模擬着艦訓練(FCLP)を行うと発表した。悪天候などにより硫黄島で実施できない場合、厚木、三沢(青森県)、岩国(山口県)各基地のいずれかで行うとしている。

「毎日新聞」より

現状、硫黄島でやれなければ厚木や三沢、岩国での離発着訓練を想定され、こうした基地での訓練というのは余り宜しく無い。回りには住宅があるしね。そういう意味でも馬毛島での訓練が可能と言うのはかなり大きな意味があると思われる。

オスプレイ、F35B…馬毛島への最新装備配置で「自衛隊」を押し出す国の狙いは?

2020/08/12 15:59

防衛省が公表した馬毛島(まげしま=鹿児島県西之表市)の自衛隊基地配置案。硫黄島(東京都)で行われている米軍の陸上空母離着陸訓練(FCLP)の移転候補地だが、自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35や垂直離着陸輸送機オスプレイの利用まで盛り込まれた。最新装備で「自衛隊」を前面に押し出す国の狙いは何か。地元では、米軍基地化への反発をやわらげる隠れみのではと疑う声が上がっている。

「特報Web」より

オスプレイの訓練も計画しているらしいね。

コメント

  1. 木霊様、皆さま、今晩は

    > そんな訳で、テーマを複数紹介するというのもちょっと試してみたい。

    ・・・まぁ、いいんだけど・・・
    勝手なコメントを書いて遊んでいる私としては、どのトピックについてのコメントかを書かなくてはならないと思うし・・・そうでなと、記事とコメントを読む人を混乱させる、というほどではないとしても、あまり良くないのでは???

    それに、読者にとってはトピック1には興味があるけどトピックにはど~でもいい、という事もあるのではないでしょうか。

    トピック1について記事1つがいいと思います。記事が短いのはかまわない。
    以上、私の【好み】でした。

    • なるほど、参考になりました。
      複数の記事を書いて関連付けた感じの内容というのは、案外今までと変わらない気もしますね。
      それでなくとも、以前、何度か2つに分けられては?という意見も戴いていたわけで。
      書き手の技量が伴わないと、余り良い形式とは言えないのかも知れません。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    3000t級新型潜水艦(たいげい型)1番艦の進水めでたい事です。
    総排水量は微々たる増加で大きさ外観もそうりゅう型と変わりませんが、2006年以降の「次世代潜水艦AIPシステムの研究」の成果の内、継続研究となった燃料電池システムを除き、かなり野心的なほとんどのスペックが盛り込まれているようです。

    >それでも8隻も12隻もの命名となるとなかなか大変そうだな。

    ネームシップは複数隻に渡るためマニアとしては目が離せないポイントですね。(微笑)
    でも、敵地攻撃能力容認次第ですが、次はVLS搭載型で3500~4000tクラスが後継艦となれば、たいげい型はMAX8隻くらいの建造となるんじゃないでしょうか。

    >18式魚雷は令和4年2月までに納入予定となっている。

    この艦に合わせて開発されたのでしょう18式魚雷の性能にも注目ですね。(といってもホントに知りたい性能は極秘で開示されないでしょうけど)
    肝は敵デコイ・魚雷防御を突破する性能に加え、沿海・浅海域においても目標を探知・攻撃できることでしょうか。
    浅瀬が多いとされる支那とせめぎ合う東シナ海EEZで、是非とも圧倒的な優位を示し支那の肝を潰して欲しいもんです。
    そして、現行の89式魚雷の最大射程が50kmですから、追加された性能には大きな期待がかかります。

    隣国の妄想潜水艦計画とは「将来何が必要か?」を考えると、比較するのも滑稽で完全な違いがありますし、領海防衛の主である潜水艦進化計画は日本防衛の要の一つです。
    益々の精進をお願いしたいですね。

    • 3000t級の話は結構色々知りたいことが多いのですが、日本の場合、積極的には情報が出てこないのですよね。
      残念ではありますが、国防の観点から云えば当然のことなのかも知れません。

      それと、VLS搭載型はどうなのかなー、という風に考えていますが、日本海運用メインではなくて、太平洋まで展開させるというのであれば、某国ではありませんが、原子力潜水艦+VLSという構成も一考の余地はあるのかも知れませんね。
      必要性があるかと言われると微妙な感じですが。何しろ、ピンポイント攻撃問いのに向かない手法ですから。

  3. 完全無人島で西之表市も長年放置してきた無責任極まりないのに、馬毛島基地計画はなかなかすんなり行きませんね。

    極左メディアはアメリカのFCLPの弊害に偏向したニュースばかりなんですが、ご指摘の様にいずも型に艦載するF-35Bの訓練拠点基地となるでしょうし、むしろ国の安全保障を議論するならこちらの方が重要です。
    空自管制施設を含め整備部隊はもちろん防空用PAC-2/3部隊の配備とかなりの規模になるでしょうし、島全体を防御する陸自の12式地対艦部隊と警備隊も必要です。
    補給路としての港湾整備では海自も補給施設部隊を駐留させるべきですしね。

    最終的に派遣人数は陸空海トータルで1個連隊規模になるんじゃないかな。
    人口3万人弱の種子島に自衛官1000人+家族で約1500人、つまり5%UPの人口増に加え地域経済活性化でビジネスチャンスと捉え、島に留まる若者も増えると思います。
    さらに特別予算投入により諦めていた過疎地対策・インフラ整備も進むんじゃないかな。
    反対する理由が理解できませんね。

    とはいえイージスアショアの大失敗を教訓にして、一地方自治体の傲慢に振り回されず慎重かつ大胆に粛々と早期の実現を希望します。

    • あー、申し訳ありません。
      F-35Bの話を持ち出しておいてなんですが、F-35BにはFCLPの必要は無さそうなので、ここで訓練するかは実際の所よく分からないのですよね。
      確か検討しているような事だったハズですが。

      果たして、馬毛島への自衛隊基地誘致が地域活性化に繋がるのか?という点についてはハッキリ分かりません。
      ですが、米軍が来るとなれば、それなりににぎわいが呼び込めるかも知れませんね。

  4. >この漁師の反対運動や左派の反対運動……

    政府側は、遅々としてはいますが、成田空港以降は少しは学んだ感じがあります。
    ですが、反対派は全く学んだ感じがなく、ましてや反対派に取り込まれる地元においておや。
    成田抗争からこっち、反対運動して幸せになった地元民の話は寡聞にして聞いたことがありません。
    使い捨てられて不幸になった話なら、(探せば)掃いて捨てるほど有りますけどね……

    この手の、地元を隠れ蓑にし、反対派左翼をも隠れ蓑にする二重のカバーの下にあるのが国外勢力であったりとか、そのあたりの事は、真っ先に抱き込まれたマスコミは報道しませんからねぇ……いつまでも国民が啓蒙されないどころか、どんどんモラルブレイクした愚民に成り下がるのも宜なるかな。哀しいことです。

    • この馬毛島の話も随分と時間がかかりましたね。
      そして、反対運動に関しては不毛な話なのだと思います。
      ただ、自治体の長としては反対しないというのもあり得ないと考えているのでしょう。ある程度反対して、利益確定をしないと地域への利益が減ってしまうかも知れませんしね。
      成田闘争にしても、未だに続けている方が居るとも聞きますが、現実を見ると果たして反対することに意味があったかと、首を傾げざるを得ません。
      話し合いは必要でしょうけれど、円満に解決して欲しいですね。

  5. 空母「龍鳳」は不遇な感じではありますが、同型艦の中では唯一大戦を生き延びた艦ですので、その運の強さを買われたのかもしれません。

     「たいげい」もVLSは搭載していませんが、対艦ミサイルのハープーンが、その前の「そうりゅう」から「ハープーン級」と記載されているのがミソです。2015年にハープーンBlock2の日本への輸出が承認されていますが、このBlock2は対地攻撃能力を持っています。射程、弾頭威力などはトマホークには劣りますし、対地攻撃を最重要要素であるターゲッティングも不足していると思いますが、それでも「対地攻撃能力を持っている」ということは相手に対抗策を取らせる、リソースを割かさせる意味からも重要かと思います。

    • そうなんですよね、確かに不遇ではありますが、戦いを生き延びた艦ではあるのですよね。
      ……まあ、解体されちゃいましたけど。

      そして、潜水艦へのVSL搭載ではありますが、賛否両論はあるようですな。
      そうりゅう型もハープーン級を搭載していることは承知していますが、あれ、どの程度の能力があるんでしょうねぇ。対地戦闘能力を、という話はそのうち出てくるかもしれませんが、その時に「既に持っています」と言えるレベルだと嬉しいのですけどね。