ちょっと雑なタイトルなのだけれども、記事の書き方を少し変えてみようかと。
いつも1つのテーマを思いつくまま解説というスタイルを採っているのだけれど、最近だらだらと長くなる傾向がある気がする。そんな訳で、テーマを複数紹介するというのもちょっと試してみたい。お見苦しい記事になる可能性はあるが……、ご了承願いたい。
海自の新型潜水艦が進水式 対中念頭、22隻体制に
2020.10.14 12:19
海上自衛隊に令和4年3月就役予定の新型潜水艦の命名・進水式が14日、神戸市の三菱重工業神戸造船所で開かれ、艦名は大きな鯨を意味する「たいげい」と明らかになった。
「産経新聞」より
先ずはコチラの記事から。
新型潜水艦建造
名前は「たいげい(大鯨)」
これまで、おやしお型潜水艦で「潮」、そうりゅう型潜水艦で「竜」と続いていたのだが、新型潜水艦は「鯨」なんだそうで。海上自衛隊の命名ルールに従うと、潜水艦は「海象」「水中動物の名」からとることになっているので、今回は水中動物の「鯨」を選択したということのようだ。
今後予想される名前としては、「長鯨(ちょうげい)」「迅鯨(じんげい)」辺りで、大鯨(たいげい)を含めて利用実績があるのでほぼ確定だろう。以降3隻はたいげい型潜水艦が予定されているしね。ただ、それ以降はちょっと不明で、「白鯨(はくげい)」とか「蒼鯨(そうげい)」「赤鯨(せきげい)」「黒鯨(こくげい)」とか色を使った命名は可能性としてはあるけれども、それでも8隻も12隻もの命名となるとなかなか大変そうだな。
さておき、「たいげい」の話である。
海自によると、たいげいは基準排水量3000トンで全長84メートル、全幅9・1メートル。乗員は約70人。船体は従来型より相手に探知されにくい形状に設計され、リチウムイオン電池の搭載で潜航時間を長くした。建造費は約760億円。
「産経新聞”海自の新型潜水艦が進水式 対中念頭、22隻体制に”」より

新型3000t級潜水艦を導入するという話は聞いていたのだけれど、そうりゅう型潜水艦12番艦の「とうりゅう」が就役する前に進水するとは思っていなかった。とはいえ、予定は今年度中にということだったので、概ね予定通りだったのだろう。

なお、名前は昭和13年(1938年)に建造された潜水母艦「大鯨」より由来している。「大鯨」は後に航空母艦「龍鳳」として改装されている。

経緯をWikipedhiaなどで読んでみると、割と不遇な感じの経緯を辿っているようだが、潜水艦「たいげい」としては活躍して欲しいね。
機関方式など
さておき、たいげい型潜水艦はそうりゅう型潜水艦とスペック的には大きく変わらないという印象である。
当初は燃料電池システムを導入するという噂もあったのだけれど、水素吸蔵合金の開発は進んでおらず、性能的な安定性と導入コストを考えると、リチウムイオン蓄電池採用の方が妥当ということになったようだ。
そうりゅう型潜水艦の11番艦「おうりゅう」に搭載された実績を見て、行けると判断したのかも知れない。12番艦「とうりゅう」も同様のリチウムイオン蓄電池となる予定である。
そんな訳で、ディーゼル・エレクトリック方式を機関方式に採用している。リチウムイオン蓄電池を採用したディーゼル・エレクトリック方式は世界でもそうりゅう型潜水艦以外に例が無い。
また、大きさに関してもそうりゅう型潜水艦が基準排水量2900t(5番艦以降は+50t)であるのに対し、たいげい型潜水艦は基準排水量3000tとなっている。たかだか100t程度増えただけだね。
ただ、装備に関してはそうりゅう型潜水艦と比較してもかなり進んでおり、センサーやソナー、戦闘指揮システム等の刷新が図られている。また、装備する魚雷は18式魚雷と呼ばれる最新式の魚雷が採用される予定だ。18式魚雷は令和4年2月までに納入予定となっている。
某国のようにやたらと大きくしたり、VLSを搭載したり、原子力推進機関を搭載しようとしたり、という事は今のところは無いのだが、敵基地攻撃能力が議論されれば、将来的には可能性はありそうだな。
コメント
木霊様、皆さま、今晩は
> そんな訳で、テーマを複数紹介するというのもちょっと試してみたい。
・・・まぁ、いいんだけど・・・
勝手なコメントを書いて遊んでいる私としては、どのトピックについてのコメントかを書かなくてはならないと思うし・・・そうでなと、記事とコメントを読む人を混乱させる、というほどではないとしても、あまり良くないのでは???
それに、読者にとってはトピック1には興味があるけどトピックにはど~でもいい、という事もあるのではないでしょうか。
トピック1について記事1つがいいと思います。記事が短いのはかまわない。
以上、私の【好み】でした。
なるほど、参考になりました。
複数の記事を書いて関連付けた感じの内容というのは、案外今までと変わらない気もしますね。
それでなくとも、以前、何度か2つに分けられては?という意見も戴いていたわけで。
書き手の技量が伴わないと、余り良い形式とは言えないのかも知れません。
木霊さん、おはようございます。
3000t級新型潜水艦(たいげい型)1番艦の進水めでたい事です。
総排水量は微々たる増加で大きさ外観もそうりゅう型と変わりませんが、2006年以降の「次世代潜水艦AIPシステムの研究」の成果の内、継続研究となった燃料電池システムを除き、かなり野心的なほとんどのスペックが盛り込まれているようです。
>それでも8隻も12隻もの命名となるとなかなか大変そうだな。
ネームシップは複数隻に渡るためマニアとしては目が離せないポイントですね。(微笑)
でも、敵地攻撃能力容認次第ですが、次はVLS搭載型で3500~4000tクラスが後継艦となれば、たいげい型はMAX8隻くらいの建造となるんじゃないでしょうか。
>18式魚雷は令和4年2月までに納入予定となっている。
この艦に合わせて開発されたのでしょう18式魚雷の性能にも注目ですね。(といってもホントに知りたい性能は極秘で開示されないでしょうけど)
肝は敵デコイ・魚雷防御を突破する性能に加え、沿海・浅海域においても目標を探知・攻撃できることでしょうか。
浅瀬が多いとされる支那とせめぎ合う東シナ海EEZで、是非とも圧倒的な優位を示し支那の肝を潰して欲しいもんです。
そして、現行の89式魚雷の最大射程が50kmですから、追加された性能には大きな期待がかかります。
隣国の妄想潜水艦計画とは「将来何が必要か?」を考えると、比較するのも滑稽で完全な違いがありますし、領海防衛の主である潜水艦進化計画は日本防衛の要の一つです。
益々の精進をお願いしたいですね。
3000t級の話は結構色々知りたいことが多いのですが、日本の場合、積極的には情報が出てこないのですよね。
残念ではありますが、国防の観点から云えば当然のことなのかも知れません。
それと、VLS搭載型はどうなのかなー、という風に考えていますが、日本海運用メインではなくて、太平洋まで展開させるというのであれば、某国ではありませんが、原子力潜水艦+VLSという構成も一考の余地はあるのかも知れませんね。
必要性があるかと言われると微妙な感じですが。何しろ、ピンポイント攻撃問いのに向かない手法ですから。
完全無人島で西之表市も長年放置してきた無責任極まりないのに、馬毛島基地計画はなかなかすんなり行きませんね。
極左メディアはアメリカのFCLPの弊害に偏向したニュースばかりなんですが、ご指摘の様にいずも型に艦載するF-35Bの訓練拠点基地となるでしょうし、むしろ国の安全保障を議論するならこちらの方が重要です。
空自管制施設を含め整備部隊はもちろん防空用PAC-2/3部隊の配備とかなりの規模になるでしょうし、島全体を防御する陸自の12式地対艦部隊と警備隊も必要です。
補給路としての港湾整備では海自も補給施設部隊を駐留させるべきですしね。
最終的に派遣人数は陸空海トータルで1個連隊規模になるんじゃないかな。
人口3万人弱の種子島に自衛官1000人+家族で約1500人、つまり5%UPの人口増に加え地域経済活性化でビジネスチャンスと捉え、島に留まる若者も増えると思います。
さらに特別予算投入により諦めていた過疎地対策・インフラ整備も進むんじゃないかな。
反対する理由が理解できませんね。
とはいえイージスアショアの大失敗を教訓にして、一地方自治体の傲慢に振り回されず慎重かつ大胆に粛々と早期の実現を希望します。
あー、申し訳ありません。
F-35Bの話を持ち出しておいてなんですが、F-35BにはFCLPの必要は無さそうなので、ここで訓練するかは実際の所よく分からないのですよね。
確か検討しているような事だったハズですが。
果たして、馬毛島への自衛隊基地誘致が地域活性化に繋がるのか?という点についてはハッキリ分かりません。
ですが、米軍が来るとなれば、それなりににぎわいが呼び込めるかも知れませんね。
>この漁師の反対運動や左派の反対運動……
政府側は、遅々としてはいますが、成田空港以降は少しは学んだ感じがあります。
ですが、反対派は全く学んだ感じがなく、ましてや反対派に取り込まれる地元においておや。
成田抗争からこっち、反対運動して幸せになった地元民の話は寡聞にして聞いたことがありません。
使い捨てられて不幸になった話なら、(探せば)掃いて捨てるほど有りますけどね……
この手の、地元を隠れ蓑にし、反対派左翼をも隠れ蓑にする二重のカバーの下にあるのが国外勢力であったりとか、そのあたりの事は、真っ先に抱き込まれたマスコミは報道しませんからねぇ……いつまでも国民が啓蒙されないどころか、どんどんモラルブレイクした愚民に成り下がるのも宜なるかな。哀しいことです。
この馬毛島の話も随分と時間がかかりましたね。
そして、反対運動に関しては不毛な話なのだと思います。
ただ、自治体の長としては反対しないというのもあり得ないと考えているのでしょう。ある程度反対して、利益確定をしないと地域への利益が減ってしまうかも知れませんしね。
成田闘争にしても、未だに続けている方が居るとも聞きますが、現実を見ると果たして反対することに意味があったかと、首を傾げざるを得ません。
話し合いは必要でしょうけれど、円満に解決して欲しいですね。
空母「龍鳳」は不遇な感じではありますが、同型艦の中では唯一大戦を生き延びた艦ですので、その運の強さを買われたのかもしれません。
「たいげい」もVLSは搭載していませんが、対艦ミサイルのハープーンが、その前の「そうりゅう」から「ハープーン級」と記載されているのがミソです。2015年にハープーンBlock2の日本への輸出が承認されていますが、このBlock2は対地攻撃能力を持っています。射程、弾頭威力などはトマホークには劣りますし、対地攻撃を最重要要素であるターゲッティングも不足していると思いますが、それでも「対地攻撃能力を持っている」ということは相手に対抗策を取らせる、リソースを割かさせる意味からも重要かと思います。
そうなんですよね、確かに不遇ではありますが、戦いを生き延びた艦ではあるのですよね。
……まあ、解体されちゃいましたけど。
そして、潜水艦へのVSL搭載ではありますが、賛否両論はあるようですな。
そうりゅう型もハープーン級を搭載していることは承知していますが、あれ、どの程度の能力があるんでしょうねぇ。対地戦闘能力を、という話はそのうち出てくるかもしれませんが、その時に「既に持っています」と言えるレベルだと嬉しいのですけどね。