「日韓GSOMIA」の終了手続きを理解していない韓国

防衛政策

条文をしっかり読み直してから出直そうね。

日韓の“GSOMIA終了手続き”に対する「食い違う解釈」=韓国報道

8/22(土) 16:08配信

日本と韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了手続きにおいて、互いに食い違う解釈をしていると、日本経済新聞が今日(22日)報道した。

GSOMIAは毎年11月23日に自動的に更新されることになっていて、終了を望む側は更新期限の90日前までに、相手国に書面で通告するようになっている。

「yahooニュース」より

この話は、そもそも日本側に非があるのだが、その辺りについても言及していこう。

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原則は条文そのもの

先ずは内容を理解しよう

詳しい内容は条文そのものを当たって欲しい。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000205832.pdf

しかしまあ「読んでね」では不親切なので該当条文を引用していく。

第二十一条効力発生、改正、有効期間及び終了

1 この協定は、それぞれの締約国政府がこの協定の効力発生のために必要なそれぞれの国内法上の要件が 満たされたことを確認する書面による通告を外交上の経路を通じて行った日のうち、いずれか遅い方の日に効力を生ずる。

2 この協定は、両締約国政府の書面による同意によりいつでも改正することができる。

3 この協定は、一年間効力を有し、一方の締約国政府が他方の締約国政府に対しこの協定を終了させる意 思を九十日前に外交上の経路を通じて書面により通告しない限り、その効力は、毎年自動的に延長され る。

4 この協定の終了の後においても、この協定に従って提供された全ての秘密軍事情報は、引き続きこの協 定の規定に従って保護される。

「秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定」より

日本と韓国とが結んだこの協定の一番最後の条文がこちら、21条である。

この21条1項によって、基本的には「書面による通告」が効力発生要件である事が明記されている。つまり、口頭で何かを言っても全て無効であり、「書面による通告を外交上の経路を通じて行う」事が必要であるとしている。

そして、21条第3項により、この期日が「自動更新」であり、自動更新を回避する為には終了日の90日前に「外交上の経路を通じて書面により通告」しろと書かれている。

これに例外は規定されておらず、手続きを改定したければ、同条4項に書かれる通り、両国の協議によって定められるとされている。

2019年の事件

さて、この日韓GSOMIAだが、締結に際しても随分と擦った揉んだがあったワケだが、締結後も韓国国内では反対意見が根強くあったようだ。

この辺りの情報を少し整理しておこう。

  • 2000年以降、アメリカにとって、日本と韓国と軍事秘密に関する協定を結び、軍事作戦を遂行する要求が高まった。
  • 2009年 日韓新時代共同研究プロジェクトが日韓首脳の間で合意され、安全保障・防衛分野における日韓の協力関係を高めたいという方向性が打ち出される。
  • 2010年 日韓新時代共同研究プロジェクトの報告書が出され、12月には外相だった前原氏が日韓の安全保障・防衛分野に関する協力関係を高めることが必要と韓国側に伝えた。
  • 2011年 物品役務相互協定(ACSA)の内容についての意見交換と議論、情報保護協定(GSOMIA)の内容について、日韓防衛相会談で意見交換なされ、協力を拡大・深化させることで合意。
  • 2012年 日韓GSOMIAの締結協議がなされたが、締結直前(締結予定時刻の1時間前)に韓国側から延期の申し入れがなされて、延期。
  • 2016年 非公開で日韓GSOMIAの署名式が行われ、即日発効。
  • 2019年 日韓GSOMIAの破棄が韓国側から日本側に行われる。

こんな感じで、散々ごねた挙げ句、こっそり協定を結んだ上で、2019年に韓国側からGSOMIA破棄の通達が行われている。(注:通告は8月23日だったが、文書が通達されたのは24日を過ぎていたという報道もあるので、そもそも破棄が無効であった可能性はある。この点について言及している報道が見当たらないので、ハッキリした事は言えないが)

これまでもGSOMIA破棄の話は散々持ち出されていたのだが、ムン君が韓国の大統領になった2017年からその話は具体化して、2019年には実際に破棄が通達されている。

GSOMIA 韓国が破棄を決定

2019年8月22日

日本と韓国の軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」について、韓国政府は、延長せずに破棄することを決めたと発表しました。これについて外交ルートを通じて日本政府に通告するとしていて、日韓の対立は安全保障分野にも波及することになります。

「NHKニュース」より

この「破棄通達」の際には、随分と日本側に非があるような報道がなされたが、そもそも2018年12月20日に発生した韓国海軍レーダー照射事件が問題の根幹にある。

日本と韓国との間には同盟関係はないものの、アメリカを介した準同盟の状況にあって、敵対するような立ち位置に無い。本来であれば、色々な方針の違いはあるとしても協力していく立ち位置にあるハズなのだ。

だが、その認識はそもそも間違いで、大韓民国建国(1948年8月15日)の時点で反日が国是であった。なお、韓国の公式見解としては、建国は1919年4月11日の臨時政府樹立の時のようなのだが、それはさておこう。どちらであっても反日が根幹にある点は間違いがない。

つまり、日本にとって韓国とはそもそも手を組む相手ではないのである。

全台未聞の破棄撤回

そんな訳で、日韓GSOMIAの破棄は日本にとってはある意味仕方の無いことであった。そもそもが協力関係を築くことの出来る相手ではないのだから。

ところが、この日韓GSOMIAは日本にとって意義が薄くとも、アメリカにとっては重要な意味を持つ協定である。本来、アメリカは東アジアの防衛体制を構築するにあたって、日本と韓国との協力を得る必要があった。

これは、停戦状態にある朝鮮戦争(1950年~)の戦線を維持する上で韓国の存在は重要であり、その朝鮮戦争の事態が再燃したときに必要なのが、日本のバックアップなのである。

補給を考えれば、ハワイやグァムなどから物資を調達するよりも、日本からの調達の方が遙かに容易で短時間での実施が可能なのだ。

日本と韓国との協力体制がきっちりしていれば、防衛ラインを38度線とすることができるという目論見はあったので、アメリカとしては日韓GSOMIAが締結されている状況であれば、共同作戦を実施できると踏んでいた。

そんな訳で、アメリカの要請で日韓GSOMIAを締結する流れになっていたのだが……、韓国はこのアメリカ側の要請を足蹴にする選択をしたのである。それが2019年8月の出来事である。

変化する韓国の立ち位置

しかし……、これはアメリカと北朝鮮とが直接会談出来ないような状態だったからこそ、韓国の価値があったのだが、アメリカが北朝鮮を「国」と認めて交渉できる相手と認定した状況になった今となっては、韓国の戦略的な価値は遙かに下がる。

そういう立ち位置担った韓国と、果たしてアメリカが同盟関係を維持することが、コスト的に見合うのか?という点に関して、トランプ氏もそうだがアメリカ議会が疑問視し始めたのである。これは、アメリカの対支那政策を展開する上でも、韓国が支那の方に擦り寄ってしまい韓国を「味方として信用出来ない」というような状況になった事も大きく関係している。

そうなってくると、アメリカとしても韓国の価値を一層引き下げざるを得ない、というような事になってきてきている。

そういう意味では、アメリカ側としても韓国に対して日韓GSOMIAの破棄について「それ程煩く言わないだろう」という読みが韓国にあったのでは、と考えている。

だが、この方針を決定した後、アメリカは韓国に対して非常に厳しい態度をとる事になる。

そうした圧力を受けて、韓国はおかしな行動に出てしまう。

日韓GSOMIA失効回避 韓国、破棄通告を停止

2019/11/22 17:32 (2019/11/22 22:28更新)

韓国政府は22日、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に関し、23日午前0時の失効を停止する方針を日本側に伝えた。日本が厳格化した輸出管理措置については、世界貿易機関(WTO)への提訴手続きをとめる。日韓間で輸出管理措置の政府間協議を開く。

「日本経済新聞」より

スゴい話だが、「破棄通告を停止」を通達してきたのである。

日本の判断ミス

僕自身はこの方針の通達を日本政府が受け入れてしまったことが最大のミスであったと、そういう風に考えている。だって日韓GSOMIAの条文を最初に説明したのだが、本来は「破棄通告の停止」などという事は、条文上想定されていない事なのである。

だって、90日前という期日が定められている理由は、手続き上の問題があってGSOMIAの停止手続きを色々とやるための時間を採るためである。

GSOMIA締結は11月23日なので、90日前となると計算上は8月24日となる。条約上の期日の扱いについてはハッキリしないのだが、法律上の期日の考え方は初日不算入が原則であるので、11月23日を不算入で計算すれば8月23日を満了する時が期限となるはずだ。

だから、それ以降に何を通達しようが、条文的にはそれを認める必要は無いのだ。

もちろん、日本としてはそれを理解した上での外交上の判断であったであろうから、日韓が納得した状態であれば、日韓GSOMIAの継続はなされる事は不自然ではないのだろうが。

韓国は、昨年8月に協定終了を通告したのち、その通告効力を停止したままであるため、通告期限とは関係なくいつでも協定を終わらせることができるという立場であるが、日本はこれを認めていない。

「yahooニュース”日韓の“GSOMIA終了手続き”に対する「食い違う解釈」=韓国報道”」より

ところがこの「破棄通告の停止」を逆手にとって、韓国側はとんでもない解釈を捻り出す。それが、「停止通告の解除」である。

理屈としては、既に破棄通告をしているのだから、韓国は好きなときにこの停止を解除して、日韓GSOMIAの即時破棄を実行できるという事らしい。

しかしこれは原則を大きく曲げることになる(注:ただし、前述のようにそもそも破棄通達が無効であることを認識し、その事を韓国側に伝え、だからこそ延長が有効であるとの回答をしていれば、この話は成り立たず、去年も今年も自動延長された、という事になる。日本政府はこの事について一切言及していない)

明らかに、韓国側の主張はオカシイのだ。だが、原則を大きく曲げたのは、「破棄通告の停止」を認めてしまった日本政府側に非があるため、「停止」が解除されれば2019年の破棄通告が有効になるという理屈は成り立ってしまう。原則を大きく逸脱したのは、実は日本側だったのである。

日本経済新聞は、日韓両国が昨年11月にGSOMIA終了通告停止に関する口上書を交換したことについて言及した。

日本経済新聞は「口上書は公式外交文書であるが、宣言などと比較する時、法的拘束力が弱い。これを理由に韓国が日本の同意なしに協定終了が可能だと判断した可能性がある」指摘した。

「yahooニュース”日韓の“GSOMIA終了手続き”に対する「食い違う解釈」=韓国報道”」より

報道ではこんな解釈をしているのだが、日本政府側はこの理屈を認める理由はない。

日韓GSOMIAを日本側から破棄することを韓国は、或いは支那は望んでいるのだろうが、日本としてはそれに乗ってやる必要も無い。

習氏訪韓、早期実現で合意 中韓高官会談、コロナ禍で初

8/22(土) 16:57配信

韓国の徐薫国家安保室長は22日、訪韓した中国外交統括役の楊潔※(※竹カンムリに褫のツクリ)共産党政治局員と南部・釜山のホテルで会談した。新型コロナウイルス感染拡大以降、中国高官の訪韓は初めて。習近平国家主席の訪韓に関し、「コロナの状況が安定し、条件が整い次第、早期に実現する」ことで合意した。

「時事通信」より

この日韓GSOMIA破棄に関しては、つい先日、韓国を訪れていた楊氏が何らかの釘を刺した可能性が高そうだが、その辺りの裏付けはとることができない。

対応を注視

そんな訳で、協定上の期限である8月24日を迎えると自動更新が決定するのだが、「文相で通達」という条項がある以上は、「やっぱ破棄するわ」とはやれないとは思う(注:11月23日が更新の日で、その90日前は8月23日である。つまり、8月23日中に文章で外交的ルートを使って通達する必要があるハズだ。条約の場合はこの辺りが緩いのかもしれないが)。

GSOMIA 協定破棄の通告期限 日本政府は対応注視

2020年8月24日 6時09分

日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAは、24日、協定を破棄する場合の通告期限を迎えます。日本政府は、協定が延長される公算が高いとしていますが、韓国側が「いつでも破棄できる」と主張していることも踏まえ、引き続き対応を注視していくことにしています。

「NHKニュース」より

日本側としても常識の通用しない相手と外交をするのだから疲れるのだが、まあ、文句を言っても仕方が無い。韓国はそういう国なのだ。

ただ、韓国政府はこれまで、「現状は破棄の通告を停止している状態であり、いつでも協定を破棄できる。1年ごとに延長するという概念は適用されない」などと、繰り返し主張しています。

「NHKニュース”GSOMIA 協定破棄の通告期限 日本政府は対応注視”」より

寝言は無視しておけば良いのだが、日本の立場はしっかりと表明する必要がある。

韓国の主張は「去年の言い分が通るよ-」という主張なのだが、協定の趣旨に照らせば今年の年次更新期限は8月23日満了をもって終了する。これ以降は「破棄」の手続きは翌年以降の持ち越しとなる。

そもそもこの協定の破棄だが、破棄した後も秘密軍事情報の保護が義務づけられている。韓国式の理解だと、多分、協定破棄によってこの「保護」に関しても「しなくていい」という理解担ってしまう可能性が高い。

つまり、GSOMIAを存続するにせよしないにせよ、「韓国は信用のできない国」というのは国際的な常識として定着しており、もはや日本は韓国と共同軍事作戦を行うなんて事も難しい。

アメリカがどう思うかはまた別なのだが、そういう事を理解していればこの件は放置で良いだろう。そもそも日韓GSOMIAの元に情報共有をしたのは過去数回のみ。それも重要性の低い内容ばかりである。

有事の際に「使えるか」というと、それもまた難しそうである。

大体、多くの国において条約や協定というのは、自国に有利なように解釈して実行するものである。信頼関係の低い国との間であれば、それは尚更だ。ただ、ソレを破った場合に相手の国に大きな打撃を与える手段を持っていれば、「抑止力」として機能する。

日本は韓国に対して「分からせる」だけのカードが少ないのが実情なので、結果的に有効な条約、協定というのは結べない。「反日国」であれば尚更である。

韓国側は結んだ協定の内容すらしっかり把握していない有り様だが……、このまま続けてイイモノだろうか?日韓GSOMIAは。日本の方からも本日を以て破棄を通達する事はできず、今年度は持ち越しということにはなるが、寧ろ日本がアメリカを説得して「もう、アノ国と付き合うのは止めよう」という風に言うべきではないのか。

まあ、そのためには拉致問題を解決しなければならないのだが。

追記

さて、韓国側の報道も出ていたので追記しておきたい。

【現場から】GSOMIA、終了でも延長でもなく…適当にやり過ごした韓国政府

2020.08.25 07:52

日本の輸出規制に終了直前まで達していた韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が24日、事実上延長された。この日、外交部関係者は「GSOMIA終了に関連して日本側に伝えた事項はない」と明らかにした。韓日両国はGSOMIA協定文により毎年8月24日までに別途の終了通知をしなければ協定が1年自動的に延長される方式を採用してきた。しかし、昨年7月、日本がフッ化水素など核心素材3つに輸出規制にかけると、政府は「経済報復を撤回しないならGSOMIAを終了する」という意向を日本に伝えた。

「中央日報」より

報道によって8月24日が満了する時までに、という風に解釈しているところと8月23日満了する時までに、という風に判断しているところがあるようだが、法律的に言えば90日前は8月23日満了という事で考えるべきである。

その点はさておき、韓国のメディアでも事実上、延長されたとの認識を報じている。韓国政府の見解として示しているので、これは韓国としてもやむなく延長を選んだという理解で良いだろう。

政府がそれでもGSOMIAカードを手放せていない理由は、今後日本戦犯企業に対する大法院(最高裁)の財産差し押さえが現実化すれば、予想される日本の追加経済報復に対応する外交的カードとして残しておいたためという見方もある。とはいえ、日本が韓国政府のGSOMIA終了カードを念頭に置いて逆に韓米の間に割り込む場合、韓国が対応できるかも疑問だ。政府が今講じるべきなのは、世論から支持を得ると同時に米国も意識するGSOMIA外交術でなく、日本の経済報復に実効的に対応できる第3のカードを探ることだ。

「中央日報”【現場から】GSOMIA、終了でも延長でもなく…適当にやり過ごした韓国政府”」より

中央日報も随分とトンチンカンなことを書いているが、まあ、韓国の新聞だから仕方がない。

日韓GSOMIA破棄が外交カードになるなどと言う幻想を韓国政府に抱かせる事自体、日本の外交においてマイナスなのである。こうした言説に対しては徹底的に反論すべきだろう。

追記2

そう言えば、GSOMIAのニュースを漁っていたときに、おかしなnewsを発見していたのでこれも序でに紹介しておこう。

韓国 スイスとGSOMIA締結推進=北朝鮮監視強化とは無関係

2020.08.06 15:57

韓国の国防部は6日、スイスとの軍事・防衛産業交流の拡大のため、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結を推進していると明らかにした。

締結に向けた交渉は最終段階に入っており、国内手続きを残しているという。近く、閣議でスイスとのGSOMIA締結を決定するとみられる。

「聯合ニュース」より

ハッキリ言うが、スイスにとって韓国とのGSOMIA締結は何の意味も無い。何しろ、韓国とスイスとが共同作戦を実施する可能性はゼロだし、軍事情報を融通し合う可能性もゼロだ。

では、何のためにこうしたGSOMIAを締結するのか?というと、こんな推測がある。

スイスは1953年の朝鮮戦争の休戦協定締結後、協定の順守を監視するため設立された中立国監視委員会に加わっており、対北朝鮮監視を強化する狙いがあるとの声もある。これに対し、国防部関係者は「対北監視網の強化と無関係」と述べた。

「聯合ニュース”韓国 スイスとGSOMIA締結推進=北朝鮮監視強化とは無関係”」より

朝鮮戦争の中立国監視委員会にスイスが加わっており、ここからの情報を韓国が得る為の工作だと言うことなのである。ただし、韓国軍はこの点を否定しているようだが。

韓国政府は現在、36の国や国際機関と軍事情報を共有する協定を結んでいる。

「聯合ニュース”韓国 スイスとGSOMIA締結推進=北朝鮮監視強化とは無関係”」より

まあ、韓国は無駄なGSOMIAを沢山結んでいるので、そのコレクションの1つに加えようという、ソレだけの話である可能性が高い。寧ろ韓国軍がそうした戦略的な視野を持っているのであれば、韓国政府もGSOMIAを乱発するようなことはないだろう。

尤も日本のようにアメリカと韓国の他、EUの数カ国としかGSOMIAを結んでおらず(合計8カ国:アメリカ、NATO、フランス、オーストラリア、イギリス、インド、イタリア、大韓民国)、連携が必要だと思われる台湾や東アジアの国々との調整ができていないことを考えると、ソレもどうかと思うが。

何れにしても、日本にとってのGSOMIAの位置づけと、韓国にとってのソレは随分と重みが違うんだな。

追記3

韓国のマスコミだけじゃ無くて、議員も「外交カード」だと信じているらしいぞ。

ミンホンチョル「日、資産売却に追加規制するGSOMIA終了することがあり得る 」

記事入力2020.08.25 午前9:47

国会国防委員長の共に民主党ミンホンチョル議員は25日、日本植民地時代に強制徴用戦犯企業の資産売却に対応した、日本の追加規制時、日韓軍事情報保護協定(GSOMIA)終了カードが活用されることができると明らかにした。

「NEVER」より

与党の重鎮がこの認識というのは、なかなかイタイ国だな。

アメリカの激怒ポイントであるGSOMIA破棄に踏み込めるとしたら、いよいよ韓国はレッドチーム入りに鮮明ということなんだろうけれど。え?上で「重視していない」と書いた?そりゃそうなんだけど、重視していないからといって怒らないか?というと、そうでもない。

日韓GSOMIAの締結はアメリカの後押しで行われた事は、間違い無い。これを勝手な判断で破棄することは、アメリカの顔に泥を塗る行為に他ならない。

更に、アメリカと韓国との間では基地負担の話も決着していないんだけれども、ここでGSOMIA破棄なんてやろうものなら更に負担費が上乗せなんていう事だってあるだろう。そもそも韓国で米軍を展開するためには日本の基地のバックアップ無しには考えられない。その運用に支障が出る選択をするわけだから「更なる負担を」という話にもなりかねないのだ。

良いのかねぇ……。

コメント

  1. 「破棄通告の停止を受け入れた日本が悪い」この視点はありませんでした。さすが木霊さんです。
     しかし日本が受け入れないで破棄となったら、米国から激怒されるのは日本だったでしょうし、ここは米国が完全に韓国を捨てるまで付き合っていかざるを得ないでしょう。
     

    • 皆さま、今晩は

      > 「破棄通告の停止を受け入れた日本が悪い」

      この件、アメリカが絡んでいないとは思えないので、アメリカと協議した結果「このあたりで収めるか」になったのではないでしょうか。内輪もめして敵を利するのはまずい、とかの判断があったのではないでしょうか。

    • いや、「日本が悪い」は皮肉に近い指摘ですよ。
      やっぱり、韓国側が問題に決まっているわけですが、その態度を許していてはいけないと言うことですな。
      その点を上手く外交処理出来る力量があれば、まだ安心なんですけどね。

  2. GSOMIAというか韓国に対しては“無視”が一番良さそうですね。
    アメリカも流石に相手にしなくなってきているみたいですし。

    それよりも気になるのが、北朝鮮の各国大使館員が一斉に帰国しているって言うニュースです。
    洪水に伴う原発事故の可能性とか言われていますが、退去が事実であれば何かしらの情報が各国大使館の間で共有されているという事ですよね。
    詳細が分からないだけに気になります…

    • 無視ですかぁ……。
      アメリカも流石に手を焼いているみたいですが、実際に破棄したらそれなりの警告くらいは出すんじゃ無いかなぁと。

      大使館の話に関しては別に言及させて頂きました。

  3. 今回の件は、協定文第20条の「紛争解決」も引っかかると思うのですよね。
    韓国の言い分は、協定の解釈や適用に完全にケンカを売っている状態ですから、本来は協定に基づき両国間での協議によってのみ解決されなければならない。
    現在、韓国は協定の解釈・適用を恣意的に歪めており、協議を行う気もない以上、明確な協定違反と言えるでしょう。残念なことに、GSOMIAに協定違反への罰則規定はないので、日本政府が協定に基づいて粛々と罰則規定を適用させることはできません。今後、協定違反への罰則を日本政府が実行してくれることを、僅かですが期待します。

    • 「紛争解決」ですか。
      確かに引っかかるとは思うのですが、この場合、日本も韓国もそこに「紛争事案がある」と認めねばなりません。
      でも、日本側からしたらそれは明らかな話なんですよね。何しろ解決済みですから。
      そうだとすると20条を持ち出すのは余り得策では無いような気がしますよ。

  4. WikipediaでUKUSA協定(ファイイブアイズ)を調べたら、今年から日本、韓国、フランスが参加した枠組みが発足している。
    韓国がGSOMIAを終了すれば、枠組みから外される。
    そうなれば、支持率が低下するので、文大統領に選択肢はなかったのでは?

    • ファイブアイズに関しては本格的に日本が参加するところまでは未だいっていないのじゃないかな。
      でもUKUSA協定の話は韓国としても蹴るワケにはいかないのでしょうから、さて、どうするんでしょうかね。

  5. 通告してしまったGSOMIA破棄を米政府の圧力で渋々止めることにしたわけですね。
    「破棄通告の撤回」が手続き上の筋なわけですが、韓国政府は面子上それが出来ない。
    それで「破棄通告の停止」という形をとったのでしょう。
    その事情は日米政府も斟酌し、日韓GSOMIA破棄の回避という実を取ったのかと。
    文政権では、外交情報が政府・与党間で共有されているように見えません。
    日韓GSOMIA破棄が対日カードになるなどという誤認は、その辺りから出るのでしょう。
    正直に破棄停止の経緯を説明すれば、文政権は野党・国民のみならず、与党からも批判されることになると思います。