何というか、最近こんな報道ばっかだな。
東京都で新たに224人感染 新型コロナ、過去最多
2020年7月9日 14:07 (2020年7月9日 15:12 更新)
東京都で9日、新型コロナウイルスの感染者が新たに224人確認されたことが関係者への取材で分かった。1日当たりの感染者数としては4月17日の206人を上回り、これまでで最多となった。都内の感染者は累計で7272人になった。
「日本経済新聞」より
感染者数を見るとちょっと「ギョッ」とするが、これを平気で報道するメディアや、東京都の姿勢を考えてもどうかと思う。せめて分析はしてほしいものだ。
感染者数は報告する意味が無い
アメリカの感染者数
世界最大の感染国となってしまったアメリカだが、あまりメディアでは取り上げなくなったね。
アメリカの新型コロナウイルス感染者、300万人超す=米大学集計
2020/7/9
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると(日本時間9日午前現在)、アメリカで新型コロナウイルスの感染が確認された人数は300万人を超えた。アメリカの死者数は13万2000人を超えた。6月にトランプ氏が支持者集会を開いたオクラホマ州タルサでも、感染者が急増している。
「BBC」より
アメリカで新たに6万人の感染者が確認され、日別記録が更新されたと報じられている。しかし、この数字はどういう風に考えればイイのだろうか?

上側が感染者数で、第2波が来ているんじゃないかという風に考えてイイのかな。一方で、下が死者数だが、一時期に比べて落ち着いてきている。
ただ、ここ最近、再び死者数が増加傾向を見せているのが気になるね。
ともあれ、アメリカの感染者数や死者数を見ていると、感覚が麻痺してしまうな。ちなみにドイツはどうかというと、PCR検査の件数を週に110万件体制にするという状況だが、現在の感染者数は1日に数百人の水準で推移しているのだとか。ただ、検査数が増えたという意味ではなく検査態勢を増やしたという意味で理解しなければならないところは注意かな。
ドイツでは第2波が来て大変なことになっていたが再び収束傾向にあるようだ。7月7日は随分減って279人/日の感染者だったようだ。対称的にブラジルはぶっちぎりで増えていて大統領も感染しちゃったのだが、どうなるんだろうね、あそこの国は。
国際的にはまだまだ増加傾向にある様だよ、ということをまず押さえておきたい。
東京都の発表
さて、東京都の感染者数は、毎日のように更新されている。
- 新型コロナウイルスに関連した患者の発生について(第547報)
こちらが第547報で、7月8日分ということになる。
ところが、これとは別に感染者数はこちらのサイトで報告している。
いずれも7月8日時点での数字である。では、感染者数はどこで報じられるかというと、都庁から口頭で報道機関に伝達されるのである。
東京都 新たに224人の感染確認 過去最多 新型コロナ
2020年7月9日 15時39分
東京都の関係者によりますと、9日、都内で新たに224人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。都内で1日に確認される数としては、ことし4月17日の206人を上回り、これまでで最も多くなります。
「NHKニュース」より
そんな訳でメディアが一斉に報じる事になるのだが、このデータをどうやって見るべきなのだろうか?その辺りはメディアは分析してくれれば良いんだけど、あまりそういう記事は見ないな。どうしてかなぁ。
7月8日の数字を見る(東京都)
残念ながら9日のデータはまだ追加されていないので、8日のデータを元にして考えていきたいと思う。

これは東京都の7月8日のデータで、総感染者数は75人で、その内訳で特に20代の感染者の割合が多い事が分かる。高齢者は殆ど感染していないね。ただ、この若者の感染が感染者数増加に拍車をかけている可能性は否定できない。
東京・歌舞伎町ホスト感染「共同生活が原因」 新宿区長は「10万円目当て」を否定
2020.7.9
東京都新宿区歌舞伎町のホストクラブなどを中心に新型コロナウイルスの感染が広がっていることについて、新宿区の吉住健一区長が8日、TBS系「ひるおび!」にリモート出演し、「(感染が広がったのは)ホストが共同生活をしていることが大きい」との見方を示した。店を訪れた客に広がるよりも、ホストの間で感染が広がっている例が多いという。
~~略~~
また、番組出演者の八代英輝弁護士が「ホストがPCR検査を受けて陽性になると協力金10万円をもらえる、お互い移しあって10万円もらった方がいいんじゃないかみたいな話が蔓延(まんえん)していると聞いたことがある」と述べ、「見舞金目当てにホストが集団検査に協力している」とするネット上の噂の真偽を直撃。
「ZakZak」より
記事では、協力金10万円の噂は否定されているが、そもそも噂が存在している、一人歩きしていることこそが問題なのである。「だったら感染してもイイや」とはもうだろう。

そして、累計感染者数を見ると7048人となっているが、確認しておきたいのは入院中の444人のうち重症者が6人という点だ。重症者病棟には比較的未だ余裕があることを意味する。
その他だが、宿泊療養者163人と自宅療養者96人、入院・療養等調整中が144人。死亡者数は累計値で325人となっている。死者数は脇に置いておくとして、東京都のキャパは1000人(3000人まで拡張可能)なので、入院中及び調整中の人数を加味しても未だ余裕があることが分かる。
7月8日の数字を見る(全国)
では、その感染者の大半が東京都の数字だと言われている全国の傾向を見ていこう。

ちょっと比較しにくいのだが、PCR検査陽性者数というのがいわゆる感染者数であり、7月8日の数字は208人という数字になっている。
東京都が75人なので1/3は東京都の数字と言うことになる。

ここのところ増えている事はよく分かると思う。そして、報道もこれに基づいて行われているので、第2波が!という事になるのだ。

ところが全国のPCR検査実施数などを見てみると、この感染者数増加の傾向とは別に明らかに増やしてきていることが分かる。自分のことを調べたいというニーズがあることは分かるので、増加傾向にある事自体は理解できる。が、これは無闇矢鱈に増やす必要があるのかどうかは悩ましいな。
ハッキリ言うが、PCR検査をやれば感染者は出てくるのだ。恐らく、報告されているものの10倍はいるとと思われるので、調べれば出てくるのも無理は無い。
更に、その確率の高いところを調べているが故に、感染者数も増える。これは避けられない。

では、入院治療などを要する者の数を見ると、増えてきてはいるものの未だ余裕があるように思えるよね。このグラフは東京都の入院治療などを要する者の数444人の事を考えても、「未だ余裕あり」の理解出良さそうだという事でイイと思う。
後は気になる数字がこちら。

コチラは、PCR検査実施件数の割合で、民間検査が医者の検査数が随分と増えていることが分かる。全体的な検査数を見るとロックダウン時と比べてもそれほど増えてはいない模様。
陽性率の上昇の意味
さて、記事に戻っていこう。
PCR検査受けた人数 増加傾向 「陽性率」も上昇
東京都内でPCR検査を受けた人の数は日によってばらつきがありますが、増加傾向が続いています。
東京都によりますと、緊急事態宣言が解除された5月25日に都内でPCR検査を受けた人は920人でしたが、先月12日には2118人と、初めて2000人を超えました。
今月3日には過去最多の2715人にのぼりました。9日午前の時点でまとまっている最新のものは7日の人数で、1857人となっています。
また、検査を受けた人のうち感染が確認された人の割合「陽性率」も上昇しています。5月中旬以降は1%前後で推移してきましたが、先月に入ると2%前後となり、先月25日に3.1%、今月1日に4%、5日には5%と上昇が続いています。
現時点でまとまっている最新の7日の陽性率は5.8%に達しています。
「NHKニュース”東京都 新たに224人の感染確認 過去最多 新型コロナ”」より
陽性率の上昇に関しては、怪しいところを徹底的に検査する方針を採れば陽性率が上がる。特に東京都は接客業を中心に検査しているといい、ホストクラブなどはこれに積極的に協力していると言われている。その動機は10万円では無いか?というのが上に紹介した「噂」なのだが、その「噂」こそが問題ではある。
ともあれ、積極的に検査した結果、感染者数の拡大に繋がっていることは疑いはあると思う。
高橋克実、PCR検査数3000人超えに「比率が全然わからない」
2020.7.9 15:31
俳優、高橋克実(58)が9日、メインキャスターを務めるフジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」(月~金曜後1・45)に生出演。東京都が新型コロナウイルスの感染者を調べるため行っているPCR検査について苦言を呈した。
番組では、東京都の新型コロナウイルスの新たな感染者が220人以上報告され、PCR検査を行った数が過去最高の3000件を超えたことを速報で報じた。
「サンスポ」より
今日の数字が大規模な検査の結果であるという事を示唆しているのだが、記事にあるように前日の数字が分からないとどう判断して良いか分からない。ただ、東京都は数字を出してはいるんだよね。


東京都の発表しているPCR検査数の推移だが、順調に増えて行っていることが分かる。3000人となるとこれまでと比べて多い方ではあるが、前々日(7月7日)と比べて特別多いと言うわけでは無いね。
そうやって考えていくと、陽性率の上昇というのは数値的にあまり見るところの無い数値ではないか?という気がする。怪しいところを徹底的に検査しているのだから、陽性率が上がっても不思議はない。
総合的に考えてそれほど慌てる必要はない
そんな訳で、小池氏のコメントを紹介しておこう。
新型コロナ 過去最多の224人「年代別では20代、30代が75%」、小池都知事が説明
2020.7.9 17:21
東京都の小池百合子知事は9日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、同日に報告された224人の新規感染者について「年代別では20代、30代が75%を占めている」と説明した。
感染経路については「いわゆる夜の街関連が一定数を占めている」と指摘する一方、「最近は接待を伴う飲食店だけではなく、若年層の友人同士のパーティー、会食による感染もみられる」と述べた。
「産経新聞」より
傾向としては、「若者が多い」「接待」「会食」が原因で感染者数が増加したと把握している。そして、検査数は3400件のPCR検査をやったと。
東京都で過去最多224人、コロナ感染 菅氏「緊急事態の状況にない」
2020年7月9日 / 14:15
東京都は9日、都内で新たに224人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。
~~略~~
菅義偉官房長官は同日午後の定例会見で、都内での感染者数増加について、「直ちに緊急事態宣言を再び発出する状況に該当すると考えていない」との認識を示し、東京都の医療体制は逼迫していないと述べた。明日10日からのイベント観戦制限の緩和も、予定通り行う考え方に変わりないとした。
「ロイター」より
小池氏の発言ではあまり安心できないが、菅氏のコメントはまだ理解し易い印象だな。感染者数よりも患者数と病院の状況についてもうちょっと詳しく説明して貰えた方が、危機感が理解し易いと思うのだ。

そうそう、首都圏周辺(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)の4つの領域での感染者が(どうやら首都圏との表記は首都+3県という意味のようだ)が集中しているのも現状の特徴らしい。
「のどの違和感などある人は県をまたぐ移動控えて」経済再生相
2020年7月5日 16時04分
新型コロナウイルスの新たな感染者が、東京都で連日100人を超えていることを踏まえ、西村経済再生担当大臣は記者会見で、のどの違和感や味覚・嗅覚の異常を感じるなど、体調がすぐれない人は県をまたいだ移動を控えるよう呼びかけました。
「NHKニュース」より
しかし、一律に県を跨ぐ移動を禁止するのではなく、症状のある方だけ控えろという方針のようだ。尤も、この記事は7月5日のものであるため、本日の状況を踏まえての発言でないことには注意願いたい。
今のところは政府から発表が無く、そうであれば今のところの政府見解はこの発言を踏襲していると考えて良かろう。
この判断に関しては、若干、危機感が薄いのではないか?という気はするが、しかし一方で、若者だけに感染者が多い傾向を見れば、一律に禁止するというのはこの段階においても少々やり過ぎだろう。経済とのバランスを採るという意味では、この段階でも移動を絞るのは判断は難しいのだろうね。
こうしたことを踏まえてではあるが、個人的には、現時点で60歳以上の方は外出自粛してくれ、というようなアナウンスをすべき事態なのだと考えている。一律に何かを規制する必要はないものの、何らかの手当をすべき事態ではないか?と。危機感を国民と共有するためには、何らかの規制をかけた方が効果があるのでは?注意深く見ていくというのでは、効果は薄いと言わざるを得ない。
僕の案は議論の余地はあるだろうが、「何もせずに手を拱く」というのは対策ではないのだ。
追記
今日は更に増えたか。
東京都 新たに243人の感染確認 きのう上回り最多 新型コロナ
2020年7月10日 14時02分
東京都によりますと、10日、都内で新たに243人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。
「NHKニュース」より
まあ、NHKニュースなど見ていても実情は分からないので、厚生労働省の情報を確認しておこう。

昨日(7月9日)の情報なのだが、入院患者は55人増えて、重症者は3人増えている。死亡者は1人だ。

感染経路不明者の割合は5割程度。心配な状況に近づいている感じはするね。
コメント
新型コロナ(武漢肺炎)に関する記事なのですが、日本国内ではなく、中国に関する記事なので迷いましたが、記事を紹介します。
ソース)zakzak「中国、8年前の“コロナ死”隠蔽か 英メディアが「武漢研究所の闇」に迫る報道連発 香港「国安法」に報復準備も」
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/200710/for2007100007-n1.html
>英紙サンデー・タイムズが5日付で、独自の調査報道「発覚=コロナウイルスの
>7年間の軌跡、鉱山での死から武漢研究所まで」を発表したのだ。
(中略)
>武漢ウイルス研究所は、12年8月から13年7月まで、「コウモリ女(バット・
>ウーマン)」の異名を持つ石正麗氏らのチーム6人を雲南省に派遣し、現地調査を
>行った。分析と貯蔵を目的に、数千以上のコウモリのふんのサンプルを採取し、
>武漢に送った。
>石氏は16年2月に発表した報告書に、「SARS(重症急性呼吸器症候群)に似た
>コロナウイルスの新種を『RaBtCoV/4991』と命名した」と記した。
>ただ、「鉱夫3人の死」には触れなかった。
キーワード「RaBtCoV/4991」で、Google検索したら、英文ですが論文が見つかりました。
ざっくり翻訳してみましたが、上に引用した部分は事実のようです。
(長いので、自分のブログ記事にしました https://rkm.hatenablog.com/entry/2020/07/11/010310 )
なんか、また新型コロナ(武漢肺炎)が、武漢の研究所が発端となった可能性が高くなった気がします。
武漢研究所流出説は僕も支持しています。
ただ、これがヨーロッパに渡った事によって凶暴化したという話もありまして、武漢ありきではありますが、あそこまでアメリカやヨーロッパで死者が出てしまったのは、寧ろ変質してしまった後の影響だからという風に考えています。
そのうち明らかになる話ではあると思いますが、何にせよ支那共産党が隠蔽したことは批難されるべき話ですよね。
木霊さん、おはようございます。
PCR検査が民間まで拡大されて陽性感染者が増加するのは自明の理でしょうね。
問題は感染経路不明が50%という事じゃないかな。
PCR検査を受ける人は症状があるかクラスタ場所へ行ったと自覚している人が大半のはず、プライベート保護もあるのでしょうが感染経路が全く不明が半数ってのは納得できませんね。
恐らく、未だ自覚症状もなくただ街に繰り出して感染してしまった、隠れ陽性患者は10倍じゃ済まないはずですから、首都圏からの一時的な移動規制も大きな効果は期待できないと思います。
対策案は木霊さんのご指摘通り、今は一旦感染すると重篤化しやすい60代以上の外出を控えるようにするくらいしかないと思います。-つまり死亡者を極限まで抑えるって事-
その上で、病床は十分確保されているので無闇に慌てないで冷静に行動して欲しい、というアナウンスを政府や都はもっと強調して欲しいですね。
そして、感染が爆発している20・30代の人達、もういい大人なんだから少しは自覚した行動をとれよな!!
危険な未知の武漢ウィルスを相手にしてるんだから「自分が移らない・他人に移さない」...、単純にそれさえ意識すれば自分の行動に責任を持てるはずなんですけどね。
PCR検査することそのものが悪いことでは無いと思います。
ただ、スクリーニングには使えない検査なので、クラスターが発生した時に積極的にPCR検査をするのはちょっとどうかなと言う気がします。コストパフォーマンスも悪いですしね。とはいえ、他の検査方法が乏しいことと、PCR検査の精度が上がっている(遺伝子情報の国内サンプルが増えた)ことを考えると、ダメなどということを言う積もりはありません。
積極的な運用が正しいかという点には疑問がありますが。
その上で、やっぱり実効的に効果のある部分的な封鎖というのは検討すべきで、そうなる前段階として、個人的な手洗いマスクの他にも設備的な面、例えばコンビニの透明シートのようなもの。入口での検温や履歴が追えるような方法(大阪でやっているQRコードを読み込む方法が良さそうですね)で、最低限の注意喚起を促す方向でやって欲しいと思います。
そういう点でいうと、劇場でクラスター発生などというのは最悪の展開でしたね。アレは禍根を残すと想います。