シアトルの「お祭り」が終わる日

北米ニュース

酷い事件だったね。

米シアトル警察、「自治区」からデモ隊を強制排除

2020年7月2日 8:11

米ワシントン州シアトル(「AFP」より

アメリカ国内で始まったBlack Lives Matte、BLM運動は瞬く間に世界中に広がった。日本国内ですらデモが行われたと言うのだから、呆れてしまう。

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シアトルで何が行われたか?

切っ掛けは黒人射殺事件

以前もブログで取り上げはしたのだが、この騒ぎの切っ掛けは白人警官が黒人容疑者を射殺してしまった事件であった。

以前にも言及したように射殺されてしまったフロイド氏、「前」が会った事を考えると単純な被害者であったと判断するのも難しいのだが、しかしそうであったとしても丸腰の相手を射殺するという事件はあってはならない話である。

しかし、この手の事件はアメリカではそれほど珍しくはなく、とうとう爆発した、というような理解の仕方をした方が良いのかも知れない。

この事件はネットで瞬く間に拡散されて、アメリカ国内の至る所でデモが行われる事態になった。アメリカ国内では武漢肺炎が猛威を振るっていて、そんな中でデモをやるのだから正気の沙汰とは思えないのだが、むしろ鬱憤がたまっていたからあんなことになったともいえるのだろう。

ミネアポリスやシアトルでは騒ぎが大きくなる

で、ミネアポリスでは「警察解体」を叫ぶ騒ぎになり、シアトルでは自治区(自称)ができあがってしまった。

米ミネアポリス市警察の解体・再建、市議会が全会一致で決議

2020年6月13日 10:47

米ミネソタ州のミネアポリス市議会は12日、同市の警察を解体し、コミュニティー指向の治安部門に置き換えるとする決議を全会一致で採択した。反人種差別の大規模な抗議デモで、変革を求める声が高まっていた。

「AFP」より

米シアトルで抗議デモ隊が「自治区」設立を宣言──軍の治安出動はあるか

2020年06月15日(月)10時51分

人種差別に抗議してきたデモ隊の一部が「自治区」の発足を宣言したことは、警察など公権力そのものを拒絶するという点で、これまでよりギアが一段上がったことを意味する。

「Newsweek」より

何故こんな事になってしまったのか?という話なのだが、責任の一端はその地域の市長にあったと僕は見ている。

ミネアポリス市長のジェイコブ・フレイ氏は、民主党支持者のパリバリサヨクで、流石に市議会が出してきた警察組織の解体案については反対したようだが、抗議者の警察署襲撃に対して、警官を速やかに警察署から退避させるという選択肢を採った。お陰で、警察署は炎上してしまう。

もちろん、衝突すれば死者が出た可能性はあるのだが、警察署を襲撃した時点で犯罪者確定である。警察署を明け渡してトラブル回避というのは、犯罪者に屈したことに他ならない。

シアトルの市長のジェニー・ダーカン市は女性知事で、民主党に所属するバリバリのサヨクである。女性だから良いとかダメとか言う積もりはないし、同性愛者で先進的な考えの持ち主だからどうと言うことも言う積もりは無い。

だが、自治区が出来上がったのを見て「お祭りみたい」はなかろうよ。

シアトルの自治区

さて、アンティファが主導したかどうかはハッキリ分からないのだけれど、彼らの主張通りであれば、自治区などを作るはずも無い。なにしろ、無政府主義者なのだから。

しかし抗議デモの人々がシアトルの一部の地域を占拠したとき、シアトル市長はこれを歓迎してしまった。意味が分からない。

CNNニュースでは、アンカーのクリス・クオモ氏が、何が起きているのか、どう報道してよいのか、戸惑いを感じている様子だった。

取材を受けたダーカン市長は、「たいしたことはない」という感じで、コロナに感染していたクオモ氏を気遣う余裕を見せたあとで、「街をコントロールできていないように見えるのですが」とのクオモ氏の問いに、こう答えた。

「(占拠されたエリアは)ブロックパーティ(ストリートで行われるコミュニティのお祭り)みたいな雰囲気ですよ。ここはよくブロックパーティが開かれる辺りなんです。市民の安全を脅かすようなことは起きていません」

CNNやABCの報道では、無料で食べ物が配られたり、映画を見たり、と穏やかな様子も伝えられている。

「J-CASTニュース」より

なんと、CNNのインタビューに対して、シアトル市長は「お祭りのよう(ブロックパーティ)だ」と答えたというのである。流石にインタビュアーは、ブロックパーティで市庁舎や警察を占拠し、破壊するはずはないとやり返したようだが、どこ吹く風といった状況だったらしい。

いやはや。

米シアトルの「自治区」、デモ隊の多くが退去 指導者明かす

2020.06.25 Thu posted at 14:50 JST

米ワシントン州シアトルに設置された「自治区」の事実上の指導者は24日、デモ隊の多くが既に退去したことを明らかにした。シアトル市長は数日前、退去を求める説得に乗り出す方針を示していた。

~~略~~

ただ、最近は自治区内で少なくとも4件の発砲事件が発生。被害者の1人が死亡する事態となっていた。

ヒップホップの歌手でCHOPの事実上の指導者、ラズ・シモン氏はCNNの取材に対し、デモが批判的な声を招いたことを認め、「CHAZはやり玉に挙げられている。それこそが問題だ」「大勢の平和的なデモ参加者に危害が及んでいる。これが米国の現状とは悲しい」と語った。

「CNN」より

そして唐突にお祭りは終わった。

簡単に流れを追いかけておこう。

  • 2020年6月10日~11日:数百人のデモ隊が市街地の一角を占拠し自治区を宣言
  • 2020年6月20日:自治区内で銃撃事件が発生して黒人男性(19歳)が死亡、他一名も死亡
  • 同日、警察が同地区に駆けつけるも事態を鎮圧するのを阻止される。救急隊員も中に入れず、そもそも自治など行われていなかったことが発覚
  • 2020年6月22日:事態を重くみたシアトル市長が自治区解体に動く
  • 2020年6月24日:リーダーの一人と見られるラズ・シモン氏は「多くの人は去った」と宣言
  • 2020年6月29日:銃撃事件発生により男性1名死亡、少年(14歳)も負傷
  • 2020年7月2日:シアトル警察によるデモ隊の強制排除

結局、不法に占拠されている事態はシアトル市警によって解除されたのだが、市長の判断がおかしかったために3名乃至4名の死者まで出してしまった。逮捕者30人がこれかだどうなるのかは知らないが、民主党の首長が招いた事態であることは間違い無い。

まあ、シアトルの馬鹿騒ぎは多分、これで収束するんじゃないのかな。

アメリカでの無節操な抗議デモの実態

結局、大騒ぎになったアメリカでのBLMデモだが、何か解決したのかと言われると首を傾げざるを得ない。

デモをやったり抗議活動をしたりするのは、アメリカ人の権利なのかも知れない。しかし、そうやって声をあげて人々の意識を変えるという本来の目的は、早い段階であっさり失われて暴動に発展してしまった。

そりゃそうだろう。一部の過激な人々にとっては「暴れることができる機会」でしかなかったのだ。残念な事にその背後に外国勢力が暗躍するという事態になり、更に残念な事に死者まででる事態となった。

こうなってしまうと、トランプ氏としても事態の鎮圧を優先せざるを得ないワケで、その事態鎮圧を阻止したのが無能な首長達だったというわけだ。

そういえば、愛知県の首長もリコールの話が持ち上がっている。実に残念な話だが、自分の活動のために税金を使うようなアホな事をやらかしたのである。ただでさえばば抜きのような愛知県知事選挙ではあったが、その結果がアレではあんまりにも酷い。名古屋の河村市長は責任を取ってくれ、マジで。

コメント

  1. 不満はあるだろうし、抗議活動もいいだろう。
    でも、破壊活動や略奪を正当化することは出来ない、絶対に。
    銅像を取り外すのもいいだろうけれど、落書きするのは正義ではない。
    そのあたりの区別がつかないところが、この手の暴動の哀しいところだと思えます。
    ※香港で、それを狙って当局の手先があえて暴動化しようと画策した事実を思い出します。

    いつ興奮が冷めるか分かりませんが、その時、猛烈な揺り返しが来てしまうと思えます。

    そう考えると、ちょっとタイミングが早かったかな……と感じますね、大統領選的には。

    • ご指摘の様に、デモは権利であり、抗議活動を行って声を挙げていくことは必要なんだと思います。
      ただ……、この手の活動は、沖縄に見られるように純粋な反対ということはなく、利権がついて回る話になってしまいます。
      大人のキタナイ部分を見せられるという事なのかもしれませんが。

      いずれにせよ、アメリカのこの運動は色々な思惑が絡んでの話なんだろうなと。

  2. 木霊さん、今晩は。

    僕は自由主義思想(皮肉にも訳せば絶滅寸前のリベラルが語源)が基盤にあって存在し得る民主主義と考えていますが、それに関するアメリカ民主党の危うく大きな勘違いを象徴する事態ですね。
    「自由」という権利の究極理想の理念の根底には、法治国家の国民として強力な「義務」が一対となっていなければ成り立ち得ない...、シンプルですがこれが結論と考えています。(その当然の義務を無視しているのが日本の極左勢力)
    デモによる自由な主張は尊重するがそれを利用した。いかなる犯罪行為は国家として断じて許さない...、どう考えても当たり前だと思いますけどね。

    外部の組織的犯行かデモ時の勢いがなせるかはともかく、真っ当なデモと犯罪行為すら区別できないボンクラ首長が混乱の火に油を注いでしまった。
    こんなのは民主主義でもなく論外もいいところで、その名に恥を上塗りした民主党の看板を掛けかえるべきじゃないかな。

    大統領選で劣勢と噂されるトランプ大統領が支那の「文化大革命」と比喩し、「左翼文化大革命」と猛烈に非難しているのはアホっぽく感情的過ぎるとはいえ、ある意味シンプルにマトを射ていますね。
    歴史的な経緯はどうあれ一度は国民の支持を得て税金を賭けた建造物を破壊するなんて、例え心情的怨嗟のマトであっても本当に無駄で不毛な行為で、「自由主義」とは一線を画す非道なテロでしかありません。

    民主主義は故チャーチル首相が看破した通り、「民主主義は最悪の政治形態だ。ただし、これまでに試されたすべての形態を別にすればの話であるが。」、つまりその代わりとなる合理的な形態が発明されない以上、今は微調整しながらでも維持していくしかないのが現実と考えます。

    >アンティファが主導したかどうかはハッキリ分からないのだけれど、彼らの主張通りであれば、自治区などを作るはずも無い。なにしろ、無政府主義者なのだから。

    彼らに限らず複数のアナーキスト組織が動いているのでしょう、まだまだ煽りを画策する勢力に油断はなりません。
    特に支那にはね。

    しかし、今年の7月4日の独立記念日はトランプ大統領にとって最悪の状況ですね。

    • 横合いから失礼します。
      >つまりその代わりとなる合理的な形態が発明されない以上
      私は、アシモフが著書の中で述べた「ロボット三原則を柔軟に運用するAIに丸投げする」がそこそこ理想的だと思ってます。AIはやはり完璧ではないんだ、と思わせる程度に人間に関与する余地(小規模紛争や衝突)を残しつつ(≒人間にプライド、優越感を感じる余地を残す)、全体はきちんとコントロールする、と言う意味で。
      勿論、それが行われている事を理解する人間の為政者あっての事ですが。

      どっちにしても、アメリカ映画に出てくる「票が欲しくて愚民におもねる」政治家が、現実世界にこんなに多いってのがびっくりです。

      • 七面鳥さん、レスありがとうございます。

        >私は、アシモフが著書の中で述べた「ロボット三原則を柔軟に運用するAIに丸投げする」がそこそこ理想的だと思ってます。

        S・WフリークでSF映画は大好きなんですが(笑)、小説系はH・G・ウェルズとかG・オーウェル、SFとは違いますが微妙に絡ませた村上春樹氏の作品位しか読んでいません。
        ですから、七面鳥さんのご主張には迂闊に論評できなくて申し訳ありません。

        >勿論、それが行われている事を理解する人間の為政者あっての事ですが。
        >どっちにしても、アメリカ映画に出てくる「票が欲しくて愚民におもねる」政治家が、現実世界にこんなに多いってのがびっくりです。

        僕は崇高な命懸けでの仕事は軍人と政治家以外にないという考えです。
        軍人は命令に従って命を危険にさらしますが家族の安全・生活は保障されるべきですし、その戦闘判断を下す政治家こそ極論ですが己のプライベートを全て犠牲にしてでも、国家の為に全てを捧げる覚悟が必要な仕事と思っていますから。

        そんな覚悟を持った政治家・為政者には、トンとお目に掛かれないのが現代社会なのかなァ~。

  3. >彼らの主張通りであれば、自治区などを作るはずも無い。なにしろ、
    >無政府主義者なのだから。

    逆でしょう。政府(この場合は、連邦政府や州政府)の統治を受けない領域(=自治区)を作るのが第一段階だと考えます。

    「ANTIFA」は、単純な「反ファシズム」ではなく、「アナキスト」や「共産主義者」が入り交じっている感じですね。

    • >政府(この場合は、連邦政府や州政府)の統治を受けない領域(=自治区)を作るのが第一段階

      仰る通りです。
      そしてその中で無政府状態(という名の楽園)を具現化できれば仲間が集められると思ったのでしょう。

      しかし、そんな都合よくいかなかった。コードギアス反逆のルルーシュの第一期ラストでブラックリベリオンが都合よく起きたのとは違う。これが現実。

      結局無政府状態=ホッブズのいう「万人の万人に対する闘争」になってしまった。
      自治区の連中は単純にやりたい放題やりたいだけでしたから、当然の帰結でしょうね。