イージス・アショアは不要か?

防衛政策

このブログの読者の方からコメントと、考察記事へのリンクを頂いた。

相変わらず検証が丁寧で感心する。

そんな訳で、当ブログでもイージス・アショアについてちょっと考えてみたいと思う。

イージス・アショア配備計画 断念を明らかに 河野防衛相

2020年6月25日 11時13分

新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画の停止をめぐり、河野防衛大臣は25日午前、自民党の安全保障に関する会議に出席し、政府が24日開いたNSC=国家安全保障会議で山口県と秋田県への配備を断念したことを明らかにしました。

「NHKニュース」より

河野太郎氏は、山口県と秋田県へのイージス・アショア配備を断念したと発表した。が、建前としては「配備計画の停止」ということになっている。

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イージス・アショアは何のために配備するのか

イージス艦では迎撃能力に限界がある

さて、そもそもイージス・アショアは何のために導入したのだろう?

イメージ図02

防衛省は、SM-3ブロックII Aを搭載し、高高度でミサイル迎撃を行う事のできるシステムを導入することを目指していた。

現在、日本がミサイルディフェンス計画に則って迎撃システムを配備しているが、その要はイージスシステムを搭載した護衛艦とPAC-3形態を搭載した高射部隊によって迎撃することにしている。

迎撃イメージ

ちょっと用いた図が適切では無い気もするが、こんな感じの迎撃イメージとなっている。ここにイージス・アショアを加えることで、ミサイル防衛能力を高めようという狙いがあった。

実際の所、イージス艦でもPAC3でも迎撃できないミサイルというのは開発されていて、イージス・アショアを導入出来ても撃ち漏らしはできてしまう。

あくまでも、迎撃確率を増やそうという、そういう狙いがあった。そして、その事を素直に国民に説明すべきだったのである。

前提条件が違う

さて、防衛省などのような説明をしながらこのミサイル防衛システムの導入を目指したのだろう。

https://www.mod.go.jp/j/approach/defense/bmd/pdf/20180613.pdf

https://www.mod.go.jp/j/approach/defense/bmd/pdf/20190527_a.pdf

読んで頂くと分かるが、かなりろくでもない感じの説明をしていることが分かる。

この手のレーダー施設を運用すると、「健康被害」という話が真っ先に出てきて、大騒ぎする人がいる。この懸念は尤もだが、最近のトレンドなのか、環境アセスメントやら何やら、細かいところまでグダグダと言及してある。

もちろんこの手のことを気をつけるべきなのは百も承知だが、一方で国防のために何故必要なのかという点には言及されていないのである。意味がよく分からない……。

環境に影響があることは事実だろうし、色々な環境配慮も必要だろう。レーダーは平時運用のシステムなので、平時の国民生活に影響があるかどうかを考慮すべきなのは分かる。

……わかるが、有事になったらそんな事を言っていられないのも事実なのだ。電波が来るのか怖いのか、ミサイルが振ってくるのが怖いのか、というレベルの話だ。

多少なりとも被害は出る前提でシステム構築をして、ソレに関する被害を補償するのだという立場で良いのでは無いか?国防とはそうしたものだろうに。いい加減、日本政府も腹を括って正直な説明をすべきなのである。

ブースター落下が本当に問題の本質か?

さてここで、NHKの政治マガジンの記事を紹介しておこう。

twitterでもちょっと突っ込みを入れたが、それなりに纏まった記事ではある。

イージス・アショア配備停止 極秘決定はなぜ? | 特集記事 | NHK政治マガジン
それは、極秘の決定だった。建造に約4500億円の巨費が見込まれた「イージス・アショア」。“日本全域を24時間365日、切れ目なく防護する”という触れ込みの「陸の盾」だ。しかし政府はその配備を事実上、撤回。ミサイル防衛政策は、大きく変更を迫られることになった。なぜ、計画は突...

内容は目を通して貰うとして、議論の中心になっているのは一段目ブースターの落下の話である。これは、今回日本政府も中止の説明に使ったロジックである。

この、迎撃ミサイルの「ブースター」とは、「イージス・アショア」で運用される迎撃ミサイル「SM3ブロックⅡA」を、発射直後、垂直に推進させる部品だ。

ミサイルは3段式の構造で、全長約6.7mある。 このうち発射して、最初に切り離される1段目は、長さ約170cm、直径約53cmと、人間の大人くらいの大きさだ。重さは200kg強もある。

~~略~~

防衛省は5月下旬になって、安全に落下させるという「約束」を守るためには、事実上、新しいものを作るのと同じレベルで、ミサイルそのものの改修が必要だと判断した。

日米共同で開発が行われた「SM3ブロックⅡA」。すでに12年の歳月と2000億円余りが費やされている。改修のためには、これに匹敵する歳月がかかり、ほぼ同額の負担を日本単独で負うことになる上、ミサイル自体の能力が向上することはない。

「NHKニュース”イージス・アショア配備停止 極秘決定はなせ?”」より

この部分に嘘はないのだろうが、こんなバカバカしい話も無いだろう。何しろ、ブースターの落下は当初から分かっていた話だし、ブースター落下被害は、既に配備しているPAC-3部隊でもイージス艦でもついて回る話だ。まさかそんなことで止めたとはとても思えない。

「被害が発生すれば、保障する」これで問題無かろうに。

イージス・アショアはいざという時の盾であるので、こんな程度の話で国防を投げ捨てるというのは、狂気の沙汰である。

ミサイル・ディフェンスは必要か

そもそもミサイルディフェンス(MD)計画は、向かってくるミサイルを全数撃ち落とせるというシロモノでは無い。昨今の情勢を考えると、その迎撃能力は疑問視されるに至っている。

外国のミサイルへの対処は、つまるところ発射後の迎撃か、敵地のミサイル発射システムを事前に排除するかの二択です。

発射後にミサイルを撃ち落とす場合は迎撃失敗や破片落下のリスクがあります。当然、領土内に着弾すれば大きな被害が出ます。どんな素晴らしい迎撃システムでも限界があります。さらに、北朝鮮のミサイルは進化しており、その弾道ミサイルの中には特殊な軌跡を辿るものもあります。

着々とその能力を更新するミサイルに我が国の迎撃システムが対抗できるのかという疑問もあります。すべてを完全に撃ち落とせる保証などどこにもないのです。

「yahooニュース”イージス・アショア配備中止で突き付けられた「敵基地攻撃能力」を保有すべきか?という議論”」より

コチラの記事はSPAからの引用らしく、議論としては敵基地攻撃能力こそを獲得すべきだという流れになっている。

このブログでも似たような指摘はさせては頂いた。

ただ、敵基地攻撃能力の獲得にあたっては、膨大な時間と能力の獲得を必要としているため、「早急に対応」の必要のあるこの課題には適さない回答だ。

盾を増強している最中に「盾よりも矛を容易しなきゃ!」というのは、オカシイ。盾も矛も必要というのが現実なのだ。故に、MD計画の充実にストップをかけるのであれば、ソレの代替手段を早急に用意すべきであり、「断念しました」とかいっている場合ではないのである。

政治的裏舞台の犠牲に

レイセオン社かロッキード・マーティン社か

今回、イージス・アショアを導入するにあたって、レーダー部分に対応する部分にSPY-6を採用するか、SPY-7を採用するかで結構揉めたようだ。

海上自衛隊の護衛艦やアメリカの初期のイージス艦は、ロッキード・マーチン社の「SPY-1」というレーダーを基にした「イージス・システム」を搭載している。

2013年になってアメリカ海軍は、レイセオン社と「SPY-6」というレーダーの導入契約を結んだ。次期イージス艦や空母への搭載が決まっている。

日本での「イージス・アショア」の配備に向け、ロッキード・マーチン社は「LMSSR」(後にアメリカ軍から型式を取得し「SPY-7」と名前を変えた)を、レイセオン社は、「SPY-6」を基にしたシステムを売り込んでいた。

「NHKニュース”イージス・アショア配備停止 極秘決定はなせ?”」より

ところが、最終的に日本がSPY-7を選んだ事がどうやら徒になったようなのだ。

Lockheed Martin Demonstrates Next Generation Aegis Ashore Solution

MOORESTOWN, N.J., Jan. 11, 2018 /PRNewswire/ — In a landmark demonstration, Lockheed Martin (NYSE: LMT) connected key components of its Aegis Ashore and Long Range Discrimination Radar (LRDR) technologies, validating the ability to greatly increase operational performance, efficiency and reliability of Aegis Ashore.

~~略~~

The research and development demonstration proved that current and future versions of Aegis can simultaneously command tasking of the Lockheed Martin SSR and receive target tracks from the radar. The next phase of activity is to demonstrate simulated missile engagements with live tracking, scheduled for the first half of 2018. These tests build on multiple previous demonstrations in 2015 and 2016, in which Aegis software variant Baseline 9 already tracked live targets using a prototype version of Lockheed Martin SSR hardware powered by multi-purpose Fujitsu GaN from Japan.

「ロッキード・マーティン社のサイト」より

アナウンスには素晴らしいシステムになっていて、富士通の多目的GaNデバイスを採用しているぜ、と説明しているのだが、どうやらこの話は無しになったようだ。

つまり、日本に配備される予定のSPY-7には富士通製の製品は搭載されない見込みとなった模様。

防衛省としては、将来性まで含めて検討してSPY-7を導入するにあたり、富士通あたりからロビー活動が有ったのでは無いかと思われる。そして、その目論見が外れてしまったばかりか、現段階においてSPY-7の運用実績がないことも(アラスカ中部のクリア空軍位置で建設が開始されたとはされている)問題となった。

僕自身の憶測になるが、このSPY-7の開発、実はかなり遅れているのではないかと。

イージス・アショア整備の矛盾
文谷数重「整備主旨と整備計画の矛盾により問題を生じた結果、計画は頓挫。」

実際にコチラの記事では、元海自幹部の文谷数重氏が今回の内幕らしき話を書いている。「急ぎすぎたからダメだった」という話らしく、それなりの説得力はある。が、個人的にはこの人の情報を信用する気にはなれない。貶すことしかしない清谷信一氏よりはマシだと思っているが……。

さておき、ここでもSPY-7開発遅延の話に軽く触れられてはいる。

使い物にならないレーダー?!

さて、更にヒドイ話がニュースとして報じられるのだが、これが冒頭に紹介したあるけむ氏の記事で解説されている。

「防衛省報告書」入手 イージス・アショアのレーダーは使い物にならない | 文春オンライン
6月15日に突如、河野太郎防衛相が配備計画中止を発表した地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」。河野防衛相は、中止の理由を「ミサイルのブースター(推進装置)の落下問題」と説明している。し…

コチラの記事にを論評されているわけだが、週刊文春の記事では、「LRDR自体には射撃管制能力は無い」という点をとりあげて、「イージス・アショアは役立たずである」と表したのである。

しかしこれはオカシイし、あるけむ氏もその事について突っ込みを入れられている。

もともとLRDRは、アラスカ州でミッドk-ス防衛帯弾道ミサイルシステムの一部として運用が計画されているレーダーシステムで、ここから派生してAN/SPY-7として日本も導入する事を決定している。

LRDR自身に射撃管制能力があるかないか、という話と役立たずであるという点はイコールでは無い。何故ならば、外部に射撃管制能力を持っていればソレで足りるからだ。

佐藤正久氏がtwitterでこんな突っ込みを入れていたが、あるけむ氏の分析と同じ話を端的に指摘されている。これに対して別のところから突っ込みが入ったので、ソレも紹介しておこう。

……ん?

コメントを貰ってお礼をしたのだが、よく読むと別に佐藤氏の話と矛盾していない気がするんだが。まあいいや、解釈の違いだということにしておこう。twitterでの意見のすれ違いは珍しくない。なお、この頂いたtwitterの内容に関係するあたりがあるけむ氏の追記に言及されているようだ。

ともあれ、SPY-7が使い物にならないのは、現時点で、なのか将来的にも、なのかで随分と話は違うし、現時点で使えないシステムであった場合に、どの程度の遅れが許容できるか?という点も含めて、色々問題になりそうではある。

そういう意味で、この時点での河野太郎氏の判断がかならずしも拙かったとは言い切れない。が、どうやら表に出ている情報だけで考えるのも、色々と辻褄が合わない。

戦略転換の必要性

さて、そんな訳で、現時点でハッキリしていることは2点。

  • 秋田県と山口県へのイージス・アショア配備は断念
  • 安全保障戦略の見直し段階に入った

言及されている中止、断念の理由はしっくりこないし、ミサイルディフェンス構想が日本に不要だという事ことではないはずだが、戦略の転換が必要になっているのは、事実だと思う。

それは、迎撃の難しいミサイルが増えてきたことにも関連している(特に超音速ミサイルの迎撃、巡航型ミサイルの迎撃が困難)し、もともとのミサイル防衛構想にも欠陥があったことにも、憲法9条が足を引っ張っていることにも関連していると思う。

配備計画の停止が表明されてから3日後。安倍は、弾道ミサイル防衛を含め、日本の安全保障戦略そのものを見直す考えを打ち出した。

NSC=国家安全保障会議で、9月末をめどに集中的に議論した上で、外交・防衛の基本方針となる「国家安全保障戦略」の改定や、防衛力整備の指針となる「防衛計画の大綱」などの見直しも進める方針だ。

「NHKニュース”イージス・アショア配備停止 極秘決定はなせ?”」より

ここでNHKの政治マガジンの記事からの引用をしておくが、戦略の見直しに言及したことに対して、当該記事ではこんな結びを用意していた。

一方で、「敵基地攻撃能力」という「矛」に手を伸ばそうとすれば、安全保障政策の大きな転換となり、国民の理解を得るのは容易でない。

そもそも北朝鮮は、日本全土を射程に収めるミサイルを数百発、保有しているといわれている。 偵察衛星での補足が難しい移動式発射台からの発射を繰り返している上、基地をたたくだけで、日本を守りきるのは困難だ。

「NHKニュース”イージス・アショア配備停止 極秘決定はなせ?”」より

日本の安全保障政策は大きな岐路を迎えたと結びながら、北朝鮮のミサイル飽和攻撃を前に無力な敵基地攻撃能力は止めるべきだという方向に議論を誘導している。

……ばっかじゃないの?

この論理で行くと、ミサイル防衛構想も意味がない事になる。全数撃ち落としは無理だから、ミサイル防衛も役立たずだというロジックである。

しかし……、考えて見て欲しいのだ。

ミサイルを撃ってくるのは北朝鮮だけではなく、支那やロシア、韓国など、近隣諸国からの攻撃リスクはかなり高い。

支那は日本を破壊し尽くすだけのミサイルを保有し、その攻撃意思もある。ロシアは核兵器を保有していていうに及ばず、韓国もミサイル開発を加速させていて、反日政策に邁進している。何れの国も信頼できない事は、言及するまでもない。

その様な状況で、量的飽和攻撃に対処出来ないからミサイル防衛も敵基地攻撃もやらないというのは、あまりにも無責任である。日本の安全保障を考える上では、撃たれたミサイルの迎撃にしろ、撃つ前のミサイル基地破壊にしろ、何れの能力も被害を減らす意味では重要である。多少なりとも相手側の攻撃を減殺できれば意味があるし、重要拠点の防衛だけでも意義がある。

NSCが検討すべきは、どこに重点を置くかという話であって、何れももたないという結論は論外なのだ。

支那からの助言

何より、支那が助言してくれているではないか!

日本は「専守防衛履行を」 敵基地攻撃論をけん制―中国

2020年06月24日19時49分

中国外務省の趙立堅副報道局長は24日の記者会見で、日本政府が同日着手した安全保障戦略論議で敵基地攻撃能力保有の是非が焦点となっていることについて、「日本が歴史の教訓を真剣にくみ取り、専守防衛の約束を誠実に履行し、実際の行動で平和発展の道を歩むよう促す」とけん制した。

「時事通信」より

いつ、支那と日本が「専守防衛の約束」をしたのかは知らないが、支那が嫌がることであれば是非とも日本政府はやるべきなのである。

日本の歴史と教訓を真剣に汲み取った場合、外国からの武力攻撃には断固として立ち向かう必要がある。それも、搦め手に弱い日本であるから、対抗手段は1つでも多い方が良いのだ。

その事は、大東亜戦争で十分に思い知らされているのからだ、イマココで立ち止まる必要はない。

イージス・アショアにSPY-7を載せるかどうか?という点は難しいところがあるかも知れないが、少なくとも地上の拠点にミサイル防衛システムを組み込む必要はあるし、その用地選定のやり直しは必須である。

何より、公然と敵基地攻撃能力を獲得できてこそ、日本の防衛に資するのだから、さっさと検討をして、ソレを手にすべきである。必要なときには毅然とした態度でソレを行使出来る体制にすべきだ。かつてやらかした失敗を繰り返してはならないのである。

コメント

  1. 記事を取り上げていただき、ありがとうございます。
    あまりにも文春の記事がひどすぎました。嘘に嘘を重ねても騙せはしないのですが。

    少しだけ、コメントします。

    >ちょっと用いた図が適切では無い気もするが、こんな感じの迎撃イメージとなっている。
    >ここにイージス・アショアを加えることで、ミサイル防衛能力を高めようという狙いが
    >あった。

    というか、「イージス・アショア」は「イージス艦」の代わりだと考えています。
    (このブログのコメント欄に書いたとおりです)
    無論、イージス・アショアの導入は必要と考えます。

    >この手のレーダー施設を運用すると、「健康被害」という話が真っ先に出てきて、
    >大騒ぎする人がいる。

    文字通りの「電波」の人たちですね。「高圧電線による健康被害」の世界ですね。
    注)護衛艦あたごだったと記憶してるが、SPY-1の動作時に艦橋脇の艦外に立つと危険らしいので、まったく無視はできない模様です。

    >ところが、最終的に日本がSPY-7を選んだ事がどうやら徒になったようなのだ。

    SPY-7 が選ばれたのには、以下の複数の問題があったと考えます。
    1.SM3 のみ運用するなら、SPY-7 を使用する構成のほうが安価
    2.FMS(対外有償軍事援助)契約による米国側のごり押し
    3. 富士通の多目的GaNデバイス絡み

    >コメントを貰ってお礼をしたのだが、よく読むと別に佐藤氏の話と矛盾していない気が
    >するんだが。

    このあたり、自分のブログ記事に追記した部分ですね。
    多分、SPY-7 の要求仕様に「イルミネータ機能」が含まれない(≒SPY-1と同じ機能で可→SPY-1のGaN素子化)のだと考えます。
    で、SM3の運用には問題ないので、米国ミサイル防衛局が押しつけた感じですね。

    • 他の方も書いていますが、流れ的にSPY-7が決定した背景に政治力が影響していたのでしょう。
      ですが、SPY-7に遅れが出てしまうような問題が発生し、これが影響してしまったような話があるのかもしれないと、勝手に想像しております。

      FMS契約でアメリカがごり押ししたけれど、予定している期間にはとても間に合わない話になっちゃった、それが富士通も足を引っ張っているとか、何れにしても「このまま進めるわけにはいかなかった」という話があったのかも知れません。
      まあそのうち分かるのでしょう。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    まず、よく出てくる「防護範囲のイメージ図=その名の通り防護」ですが、防衛省は支那・ロシアを刺激しない様に楕円を使っているのは判りますが、同時にイージスアショアのレーダー索敵範囲は円なんですから、これが支那・ロシアが嫌がる一番理由で抑止力となる肝って事もアピールして欲しいですね。

    >もちろんこの手のことを気をつけるべきなのは百も承知だが、一方で国防のために何故必要なのかという点には言及されていないのである。意味がよく分からない……。
    >……わかるが、有事になったらそんな事を言っていられないのも事実なのだ。電波が来るのか怖いのか、ミサイルが振ってくるのが怖いのか、というレベルの話だ。

    使い手の恣意が入る可能性がる数字で語るのは危険ですが、如何に平和ボケのど素人でも単純に被害率(=死傷者率)の甚大な差くらいは理解できると思います。

    >「被害が発生すれば、保障する」これで問題無かろうに。

    予測される危機の現実をもうちゃんと腹を括って説明すべきで、河野防衛相のPAC3の迎撃による破片被害への言及が今後どう進むのか注目しています。

    >イージス・アショアはいざという時の盾であるので、こんな程度の話で国防を投げ捨てるというのは、狂気の沙汰である。

    国の存亡に関わる重要かつ火急の問題です、こんなので絶対に及び腰になってならないし、自民党内の売国奴議員・公明党・極左野党と全面対決も辞さない覚悟で取り組んで欲しいですね。

    >その様な状況で、量的飽和攻撃に対処出来ないからミサイル防衛も敵基地攻撃もやらないというのは、あまりにも無責任である。日本の安全保障を考える上では、撃たれたミサイルの迎撃にしろ、撃つ前のミサイル基地破壊にしろ、何れの能力も被害を減らす意味では重要である。多少なりとも相手側の攻撃を減殺できれば意味があるし、重要拠点の防衛だけでも意義がある。
    >NSCが検討すべきは、どこに重点を置くかという話であって、何れももたないという結論は論外なのだ。

    矛と盾を揃える事はその完璧度云々を議論するより、何よりも支那・ロシア・北朝鮮&南朝鮮に対して、抑止力獲得という強いメッセージになります。
    もし侵略された場合、緒戦では自力防御に徹しながらも、ちゃんとやり返す能力を使いアメリカの後詰を促す→日米安保を基軸に国際世論を味方に付け侵略国包囲網で野望を断念させる→その後が大事で、正々堂々と侵略行為の損害賠償と謝罪そして再発防止を約束させ、相応の制裁措置を実施する。

    そして、日本の防衛方針が大きく変われば、敵国もこれまでの侵略計画を見直さざる得なくなります。
    ここから敵の軍拡をどう止めるか? 経済を軸にした外交による軍縮へと舵を切らせる知恵と実行力が不可欠です。(弱腰外務省の最大弱点ですけど)

    P.S.
    このオッサン坊や一体どんな信念を持って国会議員をやっているんでしょうかねェ~。

    >敵基地攻撃能力の保有に関する政府の検討について、陸上に配備する迎撃ミサイルの要否や米国の「核の傘」の信頼度の検討がなお不十分だとの認識を示した上で、「そういう議論を詰めずいきなり敵基地攻撃能力というのは、論理的にはかなり飛んでいる」と批判した。

    二階老害ジジイへの忖度なのか判りませんが、これが仮にも元防衛相の発言なんですから開いた口が塞がりません。

    そして、2003年ですか国会で敵地攻撃能力をめぐる議論した際、自らこんな見解を開陳しちゃった事は都合よくケロッと忘れている様子。
      ↓
    >「いろいろな方面から検討してみることは必要だ。少なくとも、思考停止に陥るということがあるとするならば、それは国と平和と独立に責任を持つことにはならない。一切それについて思考しないということは、あるべき姿だとは私は思いません。」

    低レベルなお笑い芸人のコメントの方が遥かにマシに思えます。

    • SPY-7の探知範囲は明かされていませんが、護衛艦に搭載しているSPY-6の3倍あるとか何とか。
      ソレで円を描くと、支那内部まで届いちゃうというシロモノなので、色々問題があるのでしょう。

      メディアの政治オンチっぷりというか、侵食されっぷりにはウンザリですね。
      スパイ防止法を作ったら、収監される政治家が沢山いそうですから、嫌になる。メディアにも色々潜んでいる気がしますよ。ここのところ、支那推し韓国推しが鼻に付くようになりましたし。

  3.  なるほどねぇ~、言われてみれば変ですね。
     秋田の迎撃ミサイルが南北へは東京越えまで守れるのに東西があんなに短いのは変。
     迎撃範囲は円、楕円じゃない。じゃあ、北朝鮮や北京まで護ってあげられる?
     そりゃあ北京もロシアも潰しにかかるわけだ、これで迎撃ミサイルだけ、支那ロシアを正確に攻撃するミサイルを配備しない馬鹿はいないと。

    • 追加です。

      是非とも支那ロシアが怖れるイージスアショアを導入して欲しいですね。
       イージスアシュア基地を作れば
      そのうちアメリカが、
      『輸入超過だ、兵器買え、イージスアシュア基地用にトマホーク買え』

      言ってくる?。。妄想おわりです

    • まあ、「守る範囲だよ」という意味で描いてある絵だとは思うのですが、なんとも歪ですよね。
      しかしそれよりも、今回中止にした流れはやっぱりオカシイ気がしていて、随分と杜撰な調査があったものですが、その辺りだけが問題だと考えるのはちょっと無理があるような。
      SPY-7からSPY-6に切り替えたらOKというワケにもいかないのでしょうから、色々ご破算にしてもう一度やり直そうという体をとる必要があったのでしょう。想像になりますが。

  4. あるけむ様の6/26ブログ記事を拝見しましたが、私の認識とは異なっている箇所があるな、と思いつつ、匿名でコメントしにくいし、こちらに書くわけにいきませんので、イージスアシュアの導入停止に至った自分なりの考えでも。

     それで文春の記事ですが、ずいぶん内容を省略してしまい誤解を生んでいる気がします。個人的にはSPY-7とイージスシステムの統合がうまくいかなかったのだろうと思います。イージスシステムといえばソフトウェアの化け物で、ズムウォルト級駆逐艦ではSPY-3との統合失敗で、就役から4年経ってやっとSM-6運用のメドがったところです。

     日本としてはアーレイバーク級のフライト3に搭載が決まっているSPY-6を欲したようですが、米国はまだ竣工もしていない最新型を日本に渡すのを躊躇したようで、長距離レーダとして就役済みのLRDRを艦載用のSPY-7に仕立てることにしたようです。
     ここで、SPY-1、7はロッキードマーチン社製ですが、SPY-3、6とレイセオン社製です。ロッキードマーチン社としてはSPY-7+イージスアシュアで実績を作り、今後はSPY-7をSPY-1のアップグレード品として提案したかったようです。
     しかし結局システム統合が難航し、そうこうするうちにSPY-6は仕上がってしまい、さらにはこちらをSPY-1のアップグレード品に推す声の方が強くなってきて、米国としてもSPY-6、7の2種類のレーダを運用するより1種類にしたい、で、結局SPY-7+イージスシステムは日本のイージスアシュアだけになりそうで、そうなると完成はいつになるか、完成したとしてもいつまで運用できるのか怪しくなってきたので、適当な理由を付けて停止としたのではないでしょうか。
     日本としてはシステム統合の見通しの甘さを指摘されなくない、米国も提案した手前、統合失敗を口にしたくない、という両者の思惑から「ブースター落下による被害云々」という理由をでっち上げたのでは、と思うのですが、いかがでしょうか

    • いやー、コチラに書いて頂いても全く問題はありませんよ。あるけむさんが良ければ、という条件付きではありますが。
      そして、ご指摘の様にイージスシステムの落とし込みが上手いこと行っていない可能性は結構ありそうです。
      アメリカの都合もあってSPY-6になるよー、なら、それはそれで良いのですが、しかしそうだとすると、場所選定からやり直すのは不経済ですよね。

      • ではちょっとだけ。

         イージス艦におけるSM-2の誘導方式ですが、指令波誘導+セミアクティブホーミングです。SPY-1が捉えた目標の未来位置にSM-2が向かうように、WCSが計算、SPY-1より指令波を出します。この時点では目標からの反射波を手繰るセミアクティブホーミングではありません。セミアクティブホーミングでは「犬追い」になるのに対し、未来位置へ向けてまっすぐに飛ばしますので、SM-1より射程距離を長く取れます。
         目標に近づくとセミアクティブホーミングに切り換えます。これは遠くから指令を出すより、目標に当てた電波の反射波を手繰らせた方が精度が上がるからです。

         ここでちょっとややこしいのがイージスシステムにおける「FCS」とされるMK99で、セミアクティブホーミングを担当するのですが、これは電波を出すだけです。通常のFCSは反射してきた電波を受信し、それから目標位置を算定、目標方向に電波照射を続けるのですが、MK99はSPY-1経由WCSより目標の位置情報を受け、電波を出すだけです。AN/SPG-62はMK99におけるアンテナ部分の名称です。

         イージス艦が画期的だったのは、これまで対空、対水上レーダで捕捉した目標から脅威度の高い目標を選定、FCSに移管、交戦していたのに対し、SPY-1で捜索からミサイル誘導までできるようにしたことです。ですので話をずいぶん省略しているのですが、文春の「イージスシステムでは一体化している」というのは完全に誤りというわけではありません。

         LRDRは長距離捜索レーダとしては完成していますが、ミサイル誘導まで行わせるのは困難だった、ということなのかもしれません。モノは全く違いますが、日本でもレーダサイト向けのFPS-3を艦載用のOPS-24にしようとして相当な苦労をしています。これと同じようなことが起こったのではないでしょうか?

         これからSPY-6を付けたイージスアショア、というのはSPY-6の販売を米国が許可しても国内向けの理由が通りにくいですね。先ずは曖昧になっている地対空ミサイルの所管をきっちりすべきと思いますが。

      • ありがとうございます。
        ちょっと文献を漁ってみましたが、ご指摘の様な話は、なるほど確からしいといえそうですね。僕の理解が足りないため、違いを指摘できないだけかも知れませんが。

        しかし、そうだとするとイージスシステムを陸上に設置するのは、SPY-6は難しいしSPY-7では実現に時間がかかりそうだということになり、対費用効果が、という事になるのでしょうねぇ。河野太郎氏の判断も納得という話になっちゃいます。
        地対空ミサイルの所管すら曖昧というのは、本当にダメですよね。何なんでしょうねぇ……。

      • 暇人様 木霊様

        >いやー、コチラに書いて頂いても全く問題はありませんよ。
        >あるけむさんが良ければ、という条件付きではありますが。

        自分は(難癖とかではないなら)全く問題はないです。
        というか、木霊様のブログなんで、自分は口出しする立場にないです。

        >イージス艦におけるSM-2の誘導方式ですが、

        SM-2の誘導方式は、暇人様のコメント通りです。
        ただ、SM-3は最終誘導方式が違うみたいです。その内容は、自分のブログに追記しました。
        「最終誘導は『アクティブホーミング』なので『イルミネータ』(AN/SPG-62)は不要」ということです。

      • 木霊様、あるけむ様、結局こちらに書いてしまいました。

         SM-3の誘導方式、ウィキを見るとGPS/INS/セミアクティブホーミング/パッシブ赤外線シーカと書いてあるんですね。英語版にも書いてあります。しかし本文を読む限りではどこにもセミアクティブホーミングについて書いていない。一方、既に稼働中のイージスアシュアを見ると、こちらにはアンテナのSPG-62らしき物が設置されています。これはイージスアシュアの自己防衛のためのSM-2、ESSM用なのか、と想像を膨らませています。
         
         ついでにSPY-6はセミアクティブホーミングの電波照射も行うとあるのですが、SPY-6を搭載するバーク級のフライト3、完成予想図ではSPG-62が描かれています。これも従来のSM-2用で、SPY-6で終末誘導ができるのは別の新型ミサイル用なのか、とこちらも想像するしかないですね。