台湾が尖閣諸島の領有権を主張

日本ニュース

さて、先日、こんなニュースがあった。

尖閣諸島の字名に「尖閣」加える議案可決 石垣市議会

2020年6月22日 17時51分

沖縄県 石垣市の市議会は、尖閣諸島の字名について「市内に同じ字名の地域があり事務的なミスを防ぐため」などとして「尖閣」を加える議案を賛成多数で可決しました。尖閣諸島の周辺では中国海警局の船による領海侵入が繰り返されていて、今後、緊張が高まることも懸念されます。

「NHKニュース」より

日本の立場からすれば、こんなことは内政問題なのだけれども、当然のような顔をして文句を言ってくる国はある。

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尖閣諸島に対して領有権を主張する国々

支那はいつものように文句を言う

さて、尖閣と聞いて支那の国名を思い出すくらいには、ちょっかいをかけてきている。近年は特に酷い。

中国「断固反対」

沖縄県の石垣市の市議会が尖閣諸島の字名について、「尖閣」を加える議案を賛成多数で可決したことについて、中国外務省の趙立堅報道官は、22日の記者会見で「日本側が名前を変えるという議案を可決したことは、中国の領土の主権に対する重大な挑発で違法かつ無効であり、島が中国に属している事実は変えられない」と強調しました。

そのうえで「日本の関係する行為に断固として反対し、すでに外交ルートを通じて厳正な申し入れを行った」と述べ、日本側に抗議したことを明らかにしました。

「NHKニュース”尖閣諸島の字名に「尖閣」加える議案可決 石垣市議会”」より

ここまで断固主張してくると何か理由があるのでは?と感じてしまうのが多数であり、少なくとも領土的な争いがあるのではないか?という疑念が出てくる人も多いのでは無いか。

しかし、支那の主張は無理筋である。

一つは、古くから支那は尖閣諸島を日本の領土であるという事を認めていた。

そして、今は無人島となっているけれども、以前は日本人がこの地域に住んでいた。その際には、特に文句を言うことは無かったのである。

支那が尖閣諸島について領有権を主張し始めたのは昭和46年(1971年)になってから。日本が尖閣諸島は日本の領土である事を確認し、閣議決定をしてから76年も何も言ってこなかった。それなのに、唐突に主張し始めたのは、その海底に石油があるのではないか?という可能性が指摘されてから唐突に「俺の土地だ」と喚きだしたのだ。

中国は、長年にわたって、我が国が尖閣諸島を領有する事について一切異議を唱えず、海底資源埋蔵の可能性が指摘された後、突如として領有権について独自の主張を始めました - 尖閣諸島|内閣官房 領土・主権対策企画調整室
1969年に国連の報告書で東シナ海に石油埋蔵の可能性があることが指摘されると、それまで何ら主張を行っていなかった中国は、日本の閣議決定から76年後の1971(昭和46)年になって、初めて尖閣諸島の「領有権」について独自の主張をするようになりました。

支那の領土拡大思考は今に始まったことでは無いが。

ちなみに船舶などによる挑発行為に関しては頻繁に行うようになったのは2012年になってからの話だ。

支那の主張は穴だらけ

ちなみに、支那がどのような主張をしているかを見ていこう。

先ずは、陳侃の著作『使琉球録』という古文書に記載があるという主張だ。

「釣魚嶼を過ぎ、黄毛嶼を過ぎ、赤嶼を過ぎ、目に暇を接せず……古米山が見え、乃ち琉球に属する者なり。夷人は舟におきて鼓舞し、喜びて家に達す。」と書かれていて、この記述ぶりから魚釣嶼(支那は魚釣島と呼称)は琉球国には含まれていないから、その文書の書かれた1534年頃には支那の領土と認識していたという主張をしている。

この記述では、古米山すなわち久米島が琉球に属していることを示している。このために支那はそれ以外の釣魚嶼、黄毛嶼、赤嶼は琉球ではなく、これ即ち支那の国土であるという事を主張している。

また、他の文献(徐葆光『中山伝信録』(1719年))で「赤嶼は琉球地方を界する山なり」という文言があるようで、ここから赤嶼から向こう側が琉球であることを示していると言われている。即ち釣魚嶼、黄毛嶼、赤嶼は支那の領土だというワケだ。

こちらの胡宗憲『籌海図編』(1561年)の「沿海山沙図」には魚釣島の記載があり、これは支那の海上防衛の範囲を示すものだから、即ち魚釣島は支那の領土であると言う主張となっている。

なお、ハッキリは分からなかったのだが、「黄毛嶼」或いは「黄尾山」は、「久場島」を指し、「赤嶼」或いは「赤尾嶼」は「大正島」を指すようだ。

尖閣諸島02

こんな感じの並びになって、1番が魚釣島、2番が久場島、3番が大正島となる。位置関係を見るとよほど台湾に近い与那国島を領土と主張しそうなものだが、そうはしないようだ。

尖閣諸島03

支那としては大陸棚の端にある島までを「俺の領土だ」という風に主張する気のようだね。

ただまあ、これらの主張には大きな穴がある。何故ならば、古文書では「界する」という表現を用いてはいたけれども、支那の領土である主張は明確に何一つ記されていないからだ。

文脈的に支那から出発して、「久米島から琉球だよー」となれば、それ以前は支那の土地であると言えるという理屈は成立するが、残念な事に当時の支那にとって、台湾が化外の地(中華文明において文明の外側の地方を示す)であった。そして、まず台湾を目指して、そこから魚釣島、大正島、久場島という順に目印にして航海をすべし、というのが当時の「万里長歌」に言及されている。そうだとすると、残念な事に台湾との国境が久米島だよ、という理解になってしまう。

現在、支那は台湾も支那の領土だと主張している点までで考えれば、辻褄は合うかも知れないが……。

主張できる可能性は台湾に

とまあ、そんな訳で、少なくとも支那が主張の論拠とする文献はかなり残念な結果になっているのだが、日清戦争(1894年~1895年)の経緯まで考えていくと、主張が可能なのは寧ろ台湾という事になる。

下関条約(1895年)によって、遼東半島は日本に割譲されるのだが、三国干渉(1895年)によって清に返還した。この際に清から日本に支払われた償金は3,000万両だとされるため、3,000万両で領土を売ったとも言えるのだが……。

支那曰く、この際に尖閣諸島を日本が掠め取ったとかいう話をしている。ただ、この話にも無理があって、この時結ばれた条約の文書中に、尖閣諸島を臭わせるような記述は一箇所もない。

また、1920年5月に発生した福建省の漁民遭難事件の際に、救助を行ったことで中華民国から感謝状が出されている。

この感謝状には、「強風のため遭難し,日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島内和洋島に漂着した」という記述があり、中華民国(現在の台湾で、当時は支那を支配していた)が、尖閣諸島を日本の領土である事を認識していたことを示す資料となっている。

更に言うと、支那も1953年1月8日付け人民日報において、尖閣諸島が日本の領土である認識を示している。

そんな訳で、色々な資料を総合的に考えると、日本が古来から尖閣諸島の領有権を保有していて、支那も台湾もその事を認識していたことは疑いようがなく、敢えていえば台湾がいうのであれば未だ納得はできるのだけれど、今の支那は領有権の主張をするというのはそもそも無理な話。

尖閣諸島

距離的に考えても支那が一番遠いのだよ。

台湾との間に領土問題はあるのか?

蔡英文氏は領有権を主張

そんな訳で、台湾の主張を見ていこう。

台湾「領有権は台湾にある」

台湾の総統府の報道官は22日コメントを発表し、領有権は台湾にあるとしたうえで、「いかなる一方的な行為もこのことを変えることはできない」としています。

コメントは同時に、尖閣諸島周辺で航行を続ける中国海警局の船についても触れ「中国の公船が長期にわたって、この海域で仕事をする漁業者を困らせている」とも指摘し「争いを棚上げして、共同で開発することを原則にして、平和的な方法で解決し、地域の平和と安定を共に維持することこそが最適な方法だ」としています。

また台湾の外交部は22日、「遺憾の意と厳正な抗議」を日本側に伝えたことを明らかにしています。

「NHKニュース”尖閣諸島の字名に「尖閣」加える議案可決 石垣市議会”」より

台湾も又、尖閣諸島の領有権を主張しており、その根拠はほぼ支那と同一である。

ただ、上に示した感謝状のこともあって、なかなか台湾が強く出られる根拠ありとは言い難い状況だ。台湾総統が李登輝氏であった時代には、明確に尖閣諸島は日本固有の領土である旨を主張していたが、台湾では少数派の立場であり、その後の総統、馬英九氏は日本との交戦を躊躇しないという立場を示していた。

現在の総統、蔡英文氏も総統に就任した時点で、尖閣諸島は台湾の領土だという主張をしていた様なんだけれども、「経済的利益は双方が共同で享受するべき」という主張をしている。要は、「漁業はさせてくれ」ということのようだね。

台湾と折り合える部分、折り合えない部分

結局、隣国で領有権についての主張がぶつかることは、世界中見ても珍しい事ではない。

しかし、折り合えるかどうかは重要だ。少なくとも蔡英文氏が主張する「台湾の領土である」という点に関しては争いはあるものの、「主権上の争いを関係発展に影響させることは希望しない」という態度を明確にしている。つまり、その点で争うつもりはないので、そちらが無理を押さなければ現状で問題無い、ということなのだろう。

問題の先送りといえばそうなのだろうが、支那や韓国の立場よりは付き合いやすい事も事実である。棚上げ論は後に禍根を残す可能性があるとはいえ、今揉める利益がないという意見で一致できるという点はありがたいところ。

台湾とは、そういう部分も含めて国交を考えいていきたい「国」である。日本政府も是非ともそういう立場では話を進めて欲しいのだけれど。国交樹立でワンチャンあるし。

コメント

  1. 個人的に台湾は大好きだけど、
    本当に親日なのか、用日なのか
    私には判断つかない。

    大陸と問題解決したら、韓国の
    ようにならなければいいけど。
    米は、韓国の代わりに日本の番犬
    として台湾は都合良さそう。

    国家に真の友はいない。 か・・

    • 台湾にも色々な方がいますから、「親日」とはいっても外省人の影響もあって色々な事を言う人はいるでしょう。
      用日であったにせよ、きちんと付き合える相手ならば問題ありません。

      ただご指摘の様に支那の脅威あってこそ、という部分はあるでしょう。
      まさに国家に真の友はいないのですよ、そういうものと割り切るべきかと思います。

  2. 馬英九政権だった国民党時代は尖閣のみならず沖ノ鳥島にまでケチ付けて来ましたから随分とマシにはなりましたよ

    • 馬英九氏はバリバリの媚中派でしたからねぇ。
      政権が変われば又、日本としても対応を考える必要があるのでは無いでしょうか。

  3. 木霊さん、おはようございます。

    漁船が追い掛け回されても一向に国も県も動かないから、地方自治体自ら反旗を翻し断固たる姿勢を決議したんでしょうかね。
    菅官房長官は「地方自主の決定なので論評は控える」と、現時点では外交上マトモで冷静なコメントを出しましたが、一番に支持表明すべき沖縄の首長は県内の重要事案なのにまるで他人事って冷たい対応。
    まるで、「反県勢力の小島なんか知るか」って態度ですから、「オール沖縄」が聞いて呆れます。

    >そんな訳で、色々な資料を総合的に考えると、日本が古来から尖閣諸島の領有権を保有していて、支那も台湾もその事を認識していたことは疑いようがなく、敢えていえば台湾がいうのであれば未だ納得はできるのだけれど、今の支那は領有権の主張をするというのはそもそも無理な話。

    台湾はこれまでの国是の立場上反論していますが、石垣島議会は「台湾との民間交流を大切にしたい」と融和路線も言及してますね。(支那とははっきり区別)
    支那はもちろん台湾に対しても「尖閣諸島について領土問題は存在しない」という、日本の立場は一歩たりとも譲れませんが、台湾とは漁業権・資源開発をディールの目玉にし、「領土問題に発展させない」という前提で交渉の余地はあるんじゃないかな。

    台湾はそこに迫っている真の主敵にどう対処するかが最優先で、「首(台湾)が飛ぶかもなのに、髭(尖閣諸島)の心配をしている場合じゃない」のですから、そこを間違わない様に蔡総統が管理・制御してくれるといいのですが。

    • 尖閣に漁船を出した話はニュースになっていましたが、予定通り追いかけられたらしいですね2時間ほど。
      漁に出た船がチャンネル桜の船だったとか。

      これからどうしてもそうした動きが激しくなっていくのでしょう。
      どうなることやら。

  4. ゴミアフィブログうざい

    • そうでしたか、それは残念です。