米国暴動で明らかになる第3のプレイヤー

北米ニュース

さて、メディアは大騒ぎの様相になってきているが、僕自身はこのメディアの論調とは一歩引いたところに真相がある気がしている。

トランプ氏、極左集団を「黒幕」と主張 取り締まりの口実か―米抗議デモ

2020年06月04日07時10分

白人警官による黒人男性暴行死をきっかけに全米へ広がった抗議デモで、トランプ政権幹部が極左集団「アンティファ」の関与に繰り返し言及している。トランプ大統領は同集団が暴力行為を扇動したと決め付け、「テロ組織」に指定する意向も表明。だが、組織化された集団ではなく、実効性のある取り締まりは容易でないとみられる。

「時事通信」より

このブログでもアメリカ暴動の背後にアンティファの存在があり、更にその裏に支那が暗躍しているのでは?という疑念を呈した。

ただ、この話はもうちょっとややこしい事態を迎えている。

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白人至上主義

原理主義者KKKを初めとする白人至上主義者達

さて、最初に白人至上主義とは何ぞやという話に言及しておかねばならないと思う。

アメリカやヨーロッパで深く浸透している人種差別主義の一態様と言って良いと思うが、例えばナチス・ドイツが掲げたアーリア人至上主義は、アーリア人こそが神人であるという主張、即ちアーリア人こそが世界を統治するに相応しいといった思想である。白人至上主義も様々な面があるのだが、代表的なケー・クラックス・クラン(KKK)は、北方系白人のみがアダムの子であり、唯一魂を持つ神により選ばれた民だとする思想を持っていて、他の人種から優先されて隔離されるべきであると主張している。そして、その主張を実現する為に、暴力的な行動に及んだ歴史がある。

過激派組織KKK

KKKはあまりに人種差別的な思想、宗教的な側面を見せるようになって、ついにアメリカ政府からテロリスト集団と認定されるに至る。ただ、この流れは南北戦争後にアメリカでリコンストラクション(1863年~1877年)と呼ばれる動きが活発になるにしたがって、自然に消滅していったといわれている。

ただ、消滅したとはいえその思想は人々の心の中に潜んでいて、第一次世界大戦(1914年~1918年)勃発と共に、再びこの思想が蔓延して「第2のKKK」が誕生する。興味深い事に、第2のKKKは反ドイツ主義を前面に出して活動したとされている。何となくアンティファ(アンチ・ファシズム)に通ずる所があるね。

ただこの第2のKKKも、過激化するにつれて有色人種全体を攻撃する団体となって、暴動を引き起こす団体となって過激行動を展開し、KKK指導者が有罪判決を受けたことで一気に組織が崩壊するに至る(1930年頃)。

さて、昔話をするだけであればKKKの話をする必要は無いわけで、現在は第3のKKKが暗躍していると言われている。近年、過激な発言で有名になったトランプ氏が当選したことを背景に活動を活発化させているようだ。

アメリカ・ナチ党

白人至上主義の思想に通ずるナチズムは、アメリカでも根付いてしまってアメリカ国内でも組織的な活動が見られたとされている。カテゴリー的にはアメリカの極右政治団体に分類されて、何故か1959年3月8日に自由主義経済国家社会主義世界連合(WUFFNS)として結成され、同年12月にアメリカ・ナチ党(NSP)に改称したとされている。

何故、第二次世界大戦で悲惨な事をやらかしたとして糾弾されたナチズムを思想に取り入れた政党がアメリカに誕生したのか理解出来ないのだが、非合法活動をしばらく続けた後、合法路線に切り替えて1967年には党名を国家社会主義白人党(NSWPP)に変更して、活動を活発化させた。

ただ、このNSWPPのカリスマ党首であったジョージ・リンカーン・ロックウェルは複数回銃撃されて殺されている(1967年8月25日)。そしてその結果、力を減じていくわけだが……、NSWPPは第3のKKKと連携してアメリカ社会主義労働者党主催のデモ運動を襲撃する。

それで消滅するかと思いきや、分裂して複数の組織が継承組織として今なお暗躍しているようだ。

例えば、ナショナル・アライアンスと呼ばれる、アメリカ・ナチ党の幹部であった物理学者ウィリアム・ルーサー・ピアースなる人物に指揮された団体。ホワイト・アーリア・レジスタンスなる、アメリカ・ナチ党とKKK双方の流れを汲む団体などなど、様々な組織がある。

が、何れの団体を見ても、思想的に宗教的な色合いが強いようだ。

アメリカの暴動の裏に白人至上主義者が?

保守系メディアFOXも指摘

こうした極右勢力というカテゴリーに分類される白人至上主義者達が、今回の暴動の裏にいるのではないか?という主張がある。

米フェイスブック、白人至上主義団体の関連アカウント停止

6/3(水) 14:01配信

米フェイスブック<FB.O>は2日、白人至上主義団体に関係があるアカウントを停止したと発表した。米国内で広がる人種差別への抗議デモに武器を持ち込むようあおるコンテンツが一部であったことが理由。

また、極左運動「アンティファ(反ファシズム)」に批判が集まるよう仕向ける狙いで、同運動に忠誠心があるかのように偽装したアカウントを削除したことも明らかにした。

トランプ大統領はアンティファがデモ暴徒化を扇動しているとして非難しているが、根拠は示していない。

「yahooニュース」より

トランプ氏が「アンティファが暗躍している」と主張している点も、根拠が示されてはいないが、こういった報道もまた、根拠があるかは少々怪しい。

「白人至上主義団体に関係があるアカウント」が、アンティファに批判が集まるように仕向ける狙いで活動を行っていたと、ロイターソースの報道がなされているのだが……、これまたFacebookが独断でアカウントの停止を行ったということが根拠であり、何が問題の書き込みであるかは明らかにされていない。

更に、Facebook社内部でもおかしな動きが。

フェイスブック社員、CEOに反発 トランプ氏の「扇動」発言放置(字幕・2日)

2020年6月2日

米フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がトランプ米大統領の扇動的な発言を削除しない方針を示したことを受け、フェイスブックの社員らがザッカーバーグ氏に反対する意見をツイッターに相次いで投稿した。

「ロイター」より

問題のある発言を削除したり、アカウントを停止する動きは、twitter社でもある。

ツイッター<TWTR.N>もアンティファに偽装したツイートについて、別の白人至上主義団体と関連付けている。フェイスブックの幹部らは、このようなコンテンツの狙いはフォロワー獲得ではなく、アンティファへの不信感を植え付けることだと説明した。

「yahooニュース”米フェイスブック、白人至上主義団体の関連アカウント停止”」より

実際にトランプ氏の発言が削除されたりする動きもあるのだが……、どういった根拠に基づいてその発言が削除されたのかは、僕自身には少々腑に落ちない。

何しろ、僕自身もtwitter社に発言が問題で、アカウントの一時停止が宣言された事があるのだが……、twitterにこのブログの記事のタイトルを引用してtweetした内容が問題であるとされたのである。

ちょっとどのタイトルが問題だったか覚えてはいないのだが、韓国関連の記事であったことは記憶している。何が言いたいかというと、特定の勢力がSNSに入り込んで言論統制をする動きがあるのではないか?と、その様に考えている。

つまり、Facebook社やtwitter社が動いたからといって、信用に足る根拠とは到底考えられないという話なのだ。

トランプ政権の狙い

アンティファを槍玉に

ただし、個人的にはトランプ政権側にも問題があるとは考えている。

トランプ氏、極左集団を「黒幕」と主張 取り締まりの口実か―米抗議デモ

2020年06月04日07時10分

白人警官による黒人男性暴行死をきっかけに全米へ広がった抗議デモで、トランプ政権幹部が極左集団「アンティファ」の関与に繰り返し言及している。トランプ大統領は同集団が暴力行為を扇動したと決め付け、「テロ組織」に指定する意向も表明。だが、組織化された集団ではなく、実効性のある取り締まりは容易でないとみられる。

「時事通信」より

これは時事通信の記事なので、「角度が付いている」と考えて読むべきなのだろうが、しかし、トランプ氏やその政権が「アンティファ」を旗頭にして政府の対抗組織として攻撃する意図があることは事実であるように思う。

分かり易く敵を作って、そこを攻撃することで暴動の鎮圧をする。それは、アメリカ政府が昔から良くやる手法である。

更に、白人至上主義者達はトランプ氏を支持する傾向にあるということも事実であろうと思う。

ただ、逆に一部黒人層からもトランプ氏は支持されているのも事実なので、殊更、トランプ氏が白人至上主義者達の肩を持っているとは、僕には考えられない。トランプ氏がやり方は極端ではあるが、アメリカ人の利益のために政治を行い、失業率を下げて株価を引き上げた、つまり政治的実績があったのは事実だと思うのだ。

ただ、今回のアメリカの暴動は、単純にアンティファが~とか、KKKが~とか、そういった話でも無さそうだという事で、アメリカ社会に深く根差す闇が浮き上がってきた結果なのだという風に感じた次第。

保守系のFOXビジネスは、一連の暴動にアンティファ支持者が加わっていたのは確かだが、「それよりはるかに多くの人が、略奪を働いた」とみる専門家の話を伝えている。トランプ氏の強硬姿勢には「テロ組織撲滅」を口実に、抗議デモに便乗した政権への反対運動を封じ込める狙いもあるとみられている。

「時事通信」より

FOXビジネスの分析は、そういう意味で非常に興味深く感じた。

ロシア、支那の動きも活発に

ただ、アメリカ国内で大きな問題が起こると、それを引っかき回そうとするロシアや支那の動きが活発化するのは事実である。

ジャーナリスト・門田隆将氏 米国全土の暴動で「“中国の関与”が取沙汰されてきた」

6/2(火) 15:33配信

ジャーナリストの門田隆将氏(61)が2日、自身のツイッターを更新し、米国全土に広がる暴動について言及した。

評論家の石平太郎氏の「アメリカの『抗議者』、どういうわけか中国共産党党旗、中国の国旗を掲げている。暴動の背後に中共の暗影があるのではないかとの疑惑が深まっている」という投稿をリツイート。「やはりというべきか“中国の関与”が取沙汰されてきた。SNS上の映像では中国語が飛び交い、抗議者の掲げる旗に中国国旗も」と指摘した。

「yahooニュース」より

東スポの記事だし、ジャーナリストの門田氏や評論家の石平氏が出ている時点で、「チョット」と思われる人もいるとは思う。ただ、その疑いがあるのは事実で、実際にSNSで支那の国旗がデモで振られている点は以前も指摘した。

だが、武漢肺炎で失業した人々が憂さ晴らしのために暴れた、という側面もあるだろう。多分、そうした人々が大半なのだ、ということかもしれない。だからといって、暴動が許容されるワケでは無いのだけれど。

<米騒乱>暴動を強調する中国メディア 参加者に寄り添う警官の姿に触れず

2020年06月03日 15時37分

米国では反警察運動と人種差別が扇動され、各地で店舗の破壊、略奪、暴力が相次いでいる。中国国営メディアは騒乱だけを取り上げているが、米国の警察官が各地区で、平和的デモの参加者に寄り添い、平和を促す様子を映していない。また、警官に取り押さえられた際に死亡した黒人市民のフロイドさんに、複数の前科があることも報道していない。

「大紀元」より

デモの様子だけを支那国内でクローズアップすることで、「自由主義は大きな欠陥があるんだ」という意識を受け付けようとしているのが支那共産党である。

そのための工作をアメリカ国内でしている疑いも強い。ロシアが暗躍するのは「いつもの事」なのではあるが、ただ、その事だけではないよ、というのが今回の暴動の正体のようだ。

追記

さて、コメントでも頂いたが石平氏のtweetに関して「ちょっとおかしいんじゃないの」という指摘があったようだ。

<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">今日の午前、下記の写真をリツイートして、中国共産党党旗と中国国旗が掲げられていることから暴動の背後に中共の暗影があるのではないかとの疑念を呈したが、今になってこの二枚の写真は合成であったかどうかを素人の私は見抜くノウハウのないことを思えば、慎重のために午前中のツイートを削除した。 <a href="https://t.co/qspXBYnrGE">https://t.co/qspXBYnrGE</a></p>&mdash; 石平太郎 (@liyonyon) <a href="https://twitter.com/liyonyon/status/1267786074970939392?ref_src=twsrc%5Etfw">June 2, 2020</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>

合成の可能性もあるので、石平氏はtweetを削除することにした模様。

この手のtweetが溢れているが、では果たして信頼に足るソースとなるのか?といわれると悩ましい。可能性があるといえばあるのだが、決定的な証拠と言うには足りない。

疑わしきは罰せず、という姿勢が正しいのかも知れない。

コメント

  1. >評論家の石平太郎氏の「アメリカの『抗議者』、どういうわけか中国共産党党旗、中国の
    >国旗を掲げている。暴動の背後に中共の暗影があるのではないかとの疑惑が深まっている」
    >という投稿をリツイート。

    この石平太郎氏のツイートの画像は、過去の騒動(天安門事件のころ)の画像という話を見かけました。なので、ちょっと留意が必要と思います。
    (探してみたが、ソースが見つからない)

    • ご指摘感謝。
      追記しましたが、石平氏もtweetを取り下げた模様。少々怪しい話のようですね。
      「ありそうな話」ではあるのですが、実際そうなのかは現状確認できていないということでしょう。

  2. 木霊さん、おはようございます。

    >ただ、今回のアメリカの暴動は、単純にアンティファが~とか、KKKが~とか、そういった話でも無さそうだという事で、アメリカ社会に深く根差す闇が浮き上がってきた結果なのだという風に感じた次第。

    となると事は複雑で簡単な解決策を打ち出すのすら難しいって話になりますね。
    再選危機にさらされつつあるトランプ大統領には一歩間違えば致命傷となる可能性大です。
    色々とやり方に問題があるとはいえ対支那強硬路線は維持して欲しいので、トランプ大統領を支持しているのですが予断を許さない状況に進んでいるようです。

    >ただ、アメリカ国内で大きな問題が起こると、それを引っかき回そうとするロシアや支那の動きが活発化するのは事実である。
    >デモの様子だけを支那国内でクローズアップすることで、「自由主義は大きな欠陥があるんだ」という意識を受け付けようとしているのが支那共産党である。
    >そのための工作をアメリカ国内でしている疑いも強い。ロシアが暗躍するのは「いつもの事」なのではあるが、ただ、その事だけではないよ、というのが今回の暴動の正体のようだ。

    冷戦後ではアメリカの安全保障に関わる重大な危機になるやも...?
    アメリカ国民の世論は果たして対共産主義でまとまるのでしょうか。

  3. 今回の暴動@アメリカは、コロナ騒ぎによって表面化した各国の特性や問題点の一つなんでしょうね。警察官による黒人死亡事件はあくまで火種であって、長期間炎上する危険のある燃料(白人至上主義や人種的格差、そして経済的格差等々)は歴史的に蓄積されてきた。燃え上がったのを好機として、ロシアや中国が燃料を追加投入してる疑惑もありますが…。
    最終的に鎮圧に軍を投入するのはやむを得ないとは思うけど、政治的に暴動勢力を分断し敵を縮小した上で軍の投入すべきでしょうね。分断方法は、国民皆保険導入や貧困層のセーフティ構築等々。

  4. ジョージソロスの存在もクローズアップされて、ソロスの名が乗った暴徒募集チラシが公表されてますが。
    此処に来て、チャイナ領事館に勤めるチャイナ人が暴動に関わったとして、アメリカ当局に身柄を拘束されたそうですね。
    領事館が絡んでたと成ると習近平から命令が下されてると判断して良いのでしょうか。
    あそこも色々有る国で、単純に見ささらなく成り苦慮してます。

    • さんさん様

      >ジョージソロスの存在もクローズアップされて、ソロスの名が乗った暴徒募集チラシが
      >公表されてますが。
      自分も画像を見かけましたが、ちょっと信憑性に疑問があって、ANTIFAのブログ記事には入れませんでした。

      >此処に来て、チャイナ領事館に勤めるチャイナ人が暴動に関わったとして、
      >アメリカ当局に身柄を拘束されたそうですね。

      この件でしょうか?
      ソース)まとめダネ!「【ANTIFA】アメリカのデモ暴動 中国が裏で糸引きか 扇動していた中国人留学生3人が逮捕される「中国領事館から指示を受けた」」
      ※Javascriptで記事を生成しているようで、本文がコピペできないので、内容はリンク先を見てください

      >領事館が絡んでたと成ると習近平から命令が下されてると判断して良いのでしょうか。
      (直接的具体的ではないとは思いますが)習近平から何らかの指示・命令(「トランプの支持率を引きずり下ろせ」など)が出ていると考えます。

  5. >ただ、今回のアメリカの暴動は、単純にアンティファが~とか、KKKが~とか、そういった
    >話でも無さそうだという事で、アメリカ社会に深く根差す闇が浮き上がってきた結果なのだ
    >という風に感じた次第。

    まず、今回のアメリカの問題は、3つに分けて考えないとダメなのかと思ってます。
    1.白人警官による黒人男性暴行死
    2.黒人男性暴行死を理由とした非暴力デモ
    3.デモを装った暴動・略奪や破壊工作

    まず、白人警官による黒人男性暴行死については、(白人に限らず)警官が理由もなく人を殺すのは、犯罪行為と考えます。キッチリ処罰すべきです(「一罰百戒」的な処罰も致し方ない・・・というか、そうすべきと考えます)

    黒人男性暴行死を理由とした非暴力デモについては、白人警官の処罰などを含む、人種差別の改善要求として、行なわれてもしかるべきだと考えます。

    デモを装った暴動・略奪は、許される話ではないと考えます。これを鎮圧することは重要だと考えます。そして暴動・略奪を煽る連中に関しては、厳罰に処すべきと考えます。