インドネシアが再び日本に高速鉄道建設要請?それとも金蔓扱い?

アジアニュース

まあ、寝言は寝てからいってや。

中国請負の高速鉄道建設が工期遅延に予算超過 インドネシア、入札に敗れた日本の参加要望

2020年5月30日(土)20時46分

中国企業が主体となってインドネシア企業とのコンソーシアムを組んで建設中の首都ジャカルタと西ジャワ州の内陸部にある州都バンドン間約150キロを結ぶ高速鉄道計画。インドネシア政府は今後日本との間で合意しているジャワ島海岸沿いの路線でジャカルタ=スラバヤを結ぶ在来線の高速化計画と一体化する方針をジョコ・ウィドド大統領が示し、形のうえでは日本が中国と同じコンソーシアムを組んでインドネシアの鉄道計画に共同で当たるよう希望していることが明らかになった。

「Newsweek」より

流石インドネシア、面の皮の厚さには定評がある。

ただまあ、この流れは予想できていたので、日本政府としてはまともに相手にする必要はないんじゃ無いかな。

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インドネシアが選んだ支那製の高速鉄道

日本、入札に敗れる

思い出すのも業腹ではあるが、日本の甘さが出た話として教訓にしなければならない。

詳しくはコチラを読んで頂きたい。

で、ザックリ説明すると、日本がインドネシアとある意味ズブズブの関係で鉄道事業を進めるという話があって、高速鉄道に関しても現地調査し、詳細な計画を練って、インドネシアとの合意に基づいて受注する直前という状況で、インドネシアの高速鉄道計画が進行した。

実際、日本はインドネシアの地下鉄を受注して建造しており、その他にも多くの日本製中古車両がインドネシアを走っていたりする。

ところが、インドネシアの大統領が交代し、現大統領のジョコ・ウィドド氏が政権を握ってから話がおかしくなる。具体的にはリニ・スマルノ国営企業相が、日本案を蹴飛ばし途中から入札に参加した支那案を支持して、結果として日本は入札に敗れることになる。

時系列で箇条書きにしておこう。

  • 2008年 日本、インドネシアに対して新幹線の輸出を働きかける
  • 2009年 インドネシアでジャカルタ – スラバヤ間730kmを走る高速鉄道計画が持ち上がり、現地調査開始
  • 2014年1月 詳細な事業化調査の開始
  • 2014年10月20日 ジョコ・ウィドド氏、大統領に
  • 2015年1月 ジョコ政権、高速鉄道計画の中止表明
  • 2015年3月 支那、インドネシア高速鉄道計画の受注競争に参加を表明
  • 2015年3月22日~25日 ジョコ氏、訪日し安倍氏と会談
  • 2015年3月26日 ジョコ氏、支那訪問
  • 2015年4月 支那、インドネシア高速鉄道計画の入札を表明
  • 2015年8月 支那からの技術提案と共に金額の開示あり、ただしその内容は日本案のカーボンコピー劣化版だった
  • 2015年9月3日 インドネシア、高速鉄道計画の凍結を発表し、代わりに低速鉄道計画の提案
  • 2015年9月中旬 支那、インドネシアに対して、政府財政支出や債務保証を必要としない新提案
  • 2015年9月29日 インドネシア政府、支那案を採用することを発表

簡単に言えば、支那がロビー活動を駆使して日本の計画をかっさらった、ということになろう。これは恣意的な見方では無く、客観的に見ての話。

そりゃ、支那に日本の計画の全容が流出しそれより安い金額で入札をする、さらにインドネシアがゴネて見せたらそれに付き合う。そんな流れがあればインドネシアに対して疑いを持って当然なのだ。

つまり、インドネシアと支那が裏で握って茶番劇を演じたのではないか?と勘ぐるだけの材料があったのである。

支那の提案するインドネシア高速鉄道計画は2018年完成の予定だった

で、支那が入札し受注に成功したこの高速鉄道計画なのだが、受注成功の理由の1つとして「2018年完成」という項目があった。

これは、ジョコ・ウイドト氏の任期が2014年10月~2019年10月ということがあり、選挙用に実績が欲しかったという背景があったといわれている。実際に、このジョコ氏の実績はほとんど見当たらない。それでもまあ、再選したのだけれど。

インドネシア総選挙、ウィドド大統領が再選

2019年05月21日

インドネシアの大統領選挙の投票結果が21日に発表され、現職のジョコ・ウィドド大統領(57)が55.5%の得票率で再選した。対立候補の元軍人プラボウォ・スビアント氏(67)は44.5%だった。

「BBC」より

ええ?どうなっているんですかね?インドネシア経済の順調な成長が評価されたという事らしいのだけれど、対抗馬が元軍人だったという事が影響したんじゃ無いかと、僕は見ている。

その肝いりの鉄道計画も順調に遅れている。幸いにして再選を果たすことができたジョコ氏だが、流石に2期やって実績無しでは……。

日本にしてみれば「いわくつき」の鉄道計画だけに「何をいまさら」という感じが拭いきれないが、同計画は着工も遅れ、その後も建設に要する土地収用、建設工事が予定通りに進まず、完工・運用開始時期が何度も先延ばしされている。

さらにそれに伴って、当初の55億ドルの資金のうち75%を中国側が出資するとはいえ、残る25%を負担するインドネシア国営企業連合の予算が膨れ上がったことなどから、インドネシア政府としては「日本との間で進めている在来線の高速化計画と一本化する」という折衷案のような形で両計画の推進を図り、早期の完成、運用開始に漕ぎつけたいとの強い意向があるものとみられている。

「Newsweek”中国請負の高速鉄道建設が工期遅延に予算超過 インドネシア、入札に敗れた日本の参加要望”」より

工期が遅れれば計画にかかる費用が嵩むのも当たり前ではある。

現状の計画では早くても2022年完工という事になっているらしいのだけれど、インドネシア大統領の任期は5年。予定通りならば未だマシだが現状を考えると更に送れる可能性が高い。1年2年遅れるのは避けられないかもしれない。そうなると、ジョコ氏の実績になるかは微妙な感じだ。

インドネシア高速鉄道、開業さらに1年延期へ

2020/5/29 22:17

インドネシアが中国と建設を進める首都ジャカルタと主要都市バンドンを結ぶ高速鉄道の開業が、現在計画している2021年から1年程度、遅れる見通しになった。アイルランガ経済担当調整相が29日、記者団に明らかにした。新型コロナウイルス対策の財源を捻出するため、インフラ開発事業全体の洗い直しを進めた結果、費用が新たな予算を上回った。

高速鉄道の建設は16年1月に起工式を開いた後、土地収用が進まないなどの理由で工事が遅れ、当初予定していた19年の開業は実現しなかった。目標を21年に再設定したものの、工事の進捗率は現在も50%に届かず、新型コロナの影響で工事を一時中断している。

「日本経済新聞」より

現在進捗率50%で、来年完工は流石に無理だろう。

日本に費用負担を求める?

さて、そうなってくると工事を急ぎたいという話が出てくるのは仕方があるまい。

ただ、それを日本に頼むというのは「どの面下げて」という話なんだが。

5月29日に開かれた国家戦略プロジェクトに関する閣僚会議のあとオンライン記者会見したアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は「ジャカルタ=バンドン高速鉄道建設のコンソーシアムにジャカルタ=スラバヤの高速化計画を進める日本を追加することを検討している。これはジョコ・ウィドド大統領からの要請でもある」として政府の方針変更を初めて明らかにしたと地元英字紙「ジャカルタ・ポスト」やネットニュース「ディテック・コム」などが29日一斉に伝えた。

~~略~~

また別に会見したエリック・トヒル国営企業相も「中国主体のコンソーシアムによる高速鉄道計画はジャカルタからバンドンまでだが、政府は日本との間でジャカルタから東ジャワ州の州都スラバヤまでの鉄道高速化計画を進めており、この鉄道2路線の国家戦略プロジェクトを一本化して、ジャカルタからバンドンを経由してスラバヤとを結ぶ一つの鉄道計画として今後進めたいというのがジョコ・ウィドド大統領の思惑だ」と明らかにした。

「Newsweek”中国請負の高速鉄道建設が工期遅延に予算超過 インドネシア、入札に敗れた日本の参加要望”」より

ふざけているねぇ。

現在、日本が別の区間の鉄道高速化計画を進めているのだが、これも支那に持って行かれかねない。その上でプロジェクトを一本化したら、全部支那に持って行かれても不思議は無い。或いは、費用負担だけ日本に求めるなんて言う形になる可能性だってある。

インドネシアにしてみたら、どこに任せても完成すればそれでOKなのだろうが、日本と支那とが手を組んだところで、日本にとっては支那に技術は持って行かれかねないし、そもそもシステム統合にもリスクはある。加えて、現地で働いているのは支那人労働者達であって、共同プロジェクトになったとしても日本企業の技術者は一部しか参加できないだろう。

現実的では無い

更に、そもそもこの話はオカシイのだ。

しかし今回のインドネシア側が目指す1本化案になるとジャカルタからジャワ島の高原都市でもあるバンドンを経由してスラバヤに向かう路線となるため、大幅な路線変更となる可能性がでてくる。

加えて中国とインドネシアの企業体が請け負っているバンドンまでの工区での建設が順調に進んでいないことから、この工区を今後これまで通りの中国主体で進めるのか、日本側も参画することになるのかが現時点では判然としていない。

「Newsweek”中国請負の高速鉄道建設が工期遅延に予算超過 インドネシア、入札に敗れた日本の参加要望”」より

路線変更などは技術的には問題無いだろうが、そもそも元々の計画の趣旨に合わないような変更はインドネシアとして望ましくは無いだろう。

更に、異なるシステム、設計思想の鉄道を乗り合いにするというのは、日本にとってもリスクの高い話。まあ、チョットあり得ない。

インドネシア高速鉄道、新型コロナに負けず「トンネル工事が完成」=中国報道

2020年5月7日 08:12

インドネシアの首都・ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道プロジェクトで4月26日、建設中だった3号トンネルが貫通した。中国メディアの百家号は3日、中国が手掛けるインドネシア高速鉄道計画は、新型コロナウイルスとの戦いに打ち勝ち、工事の建設も順調だと自画自賛する記事を掲載した。

「サーチナ」より

ほら、支那も「順調だぜ」と主張していることだし、インドネシアが不安に思う事もあるかも知れないが、大丈夫だ。

もう一つサーチナの記事を紹介しておこう。

鉄道の高速化を日本に任せる方針のインドネシア、「考えがわからない」=中国メディア

2019年10月7日 14:12

インドネシアの首都ジャカルタと第2の都市スラバヤを結ぶ鉄道の高速化計画について、日本とインドネシアの両政府は建設方式で合意し、9月24日には政府間文書に署名が行われた。しかし、中国メディアの今日頭条は3日、インドネシアは日本と合意したにもかかわらず、中国からの投資に期待しているとする記事を掲載した。

「サーチナ」より

支那にとっては、日本に依頼している高速化計画も「俺のものにしよう」という意識が強い。任せたら良いんじゃ無いかな!

日本にとってインドネシアとの関係はそれなりに重要なものである。しかし、考えようによってはオーストラリアと組むのであれば、下手にインドネシアと仲良くするよりは少し距離をとった方が良いかも知れない。

まあ、何はともあれインドネシアは商売する相手としては信用出来ない。まともに相手にするだけバカらしいよね。

コメント

  1. そもそも日本の鉄道技術者はインド案件に全部持っていかれていて残っていない模様
    全額インドネシア政府保証ならやっても良いかな~程度

    • いやいや、アメリカでやらかした日本車輌などはまだ技術者を抱えているようですから、行けるんじゃ無いですかね。
      ただ、やるかどうかはまた別なんでしょうけれど。

  2. これまでの侮辱的行為で国益を失った上に、さらに金蔓扱いされるとは日本は完全に舐められていますよねェ~。
    正式に持ちかけられたら完全無視って訳にはいかないでしょうけど、上手にスルーし国益優先とクールに徹する外交力を発揮してもらいたいもんです。

    >日本にとってインドネシアとの関係はそれなりに重要なものである。しかし、考えようによってはオーストラリアと組むのであれば、下手にインドネシアと仲良くするよりは少し距離をとった方が良いかも知れない。

    オーストラリアは国境(領海)を接するので歴史的にインドネシアとは仲が悪いようですが、日本がどちらかを選ぶなら貿易打撃覚悟で支那と距離を取る方向に転じたオーストラリア優先がまっとうな戦略でしょう。

    >まあ、何はともあれインドネシアは商売する相手としては信用出来ない。まともに相手にするだけバカらしいよね。

    ASEANの半数以上が支那マネーにズブズブで機能不全なんですが、インドネシアはどうせ西側に取り込める見込みのない国です。
    一勢力に偏ったWHO・WTO・ユニセフ等に代表される国連組織と同様、ASEANなんかも大幅な見直しが必要な時期にきてるんじゃないかな?
    その代わりにインド太平洋構想・TPPさらには日米台同盟を実現して、日本の安保・国益を最優先して欲しい!! もちろん、そこには支那・南朝鮮は含まずです。

    • なんというか、インドネシアのスタンダードという印象なんですよね、この件。
      支那の影響がかなり強い印象ですし、支那にお願いすれば良いのかなーと。

      オーストラリアと組みつつ無理の内範囲でインドネシアと、というスタンスで良いと思います。
      インドネシアはアジアの成長株ではありますが、色々とヤバい土地でもあります。無理して出ていく必要は無いと思うのですよね。