最近、支那絡みの記事のアクセスが伸びない傾向が続いている。単に興味を持たれないのか、或いは別の理由があるのか。
ともあれ、簡単に触れる程度ではあるけれど言及しておきたい。
吉林省で院内感染が多発か、北華大学付属医院で95人隔離
2020年05月26日 17時19分
中国東北部の吉林省で、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染が拡大している。同省吉林市の病院では、看護師1人の感染が確認された後、同僚や家族など95人が隔離措置の対象となった。
「大紀元」より
そう言えば、虎ノ門ニュースで大紀元の記事の信頼性について疑いのある発言をしたら、大紀元から突っ込みを入れられていたな。
ただし、大紀元が支那共産党に対して対立するような立場で記事を書くことが多いのは事実であり、そこを注意して読まねばならないというのは事実であろうと思う。「8割引で読む必要がある」というのは確かに表現がどうかと思うが。
さておき、この吉林省に関する記事に関してもウラをとりながら吟味する必要はあるだろう。
感染者数はゼロ
そもそも感染者数という指標はあてにならない
先日、支那での武漢肺炎の感染者数は「ゼロだった」と報道されていた。
中国 コロナ感染者初のゼロも統計外の「無症状」感染者は28人
2020年5月23日 12時46分
中国の保健当局は23日、新型コロナウイルスについて、「きのうは新たな感染者は確認されなかった」と発表しました。一方で、中国政府が統計に加えていない「無症状」の感染者については、新たに28人確認されたとしています。
「NHKニュース」より
か、「感染者」とは一体……??
一方で、保健当局は感染しながらも症状がないことを理由に、統計に加えていない「無症状」の感染者について、22日に新たに28人確認されたと発表しています。
中国では22日、重要政策を決める全人代=全国人民代表大会が始まり、李克強首相が新型コロナウイルスについて、「対策は大きな戦略的成果を収めている」と述べ、成果を強調しました。
ただ、中国では今月になって、湖北省武漢で同じ団地に住む6人の感染が確認され、市内全域で大規模なウイルス検査が行われるなど、当局は感染が再び広がることに警戒を強めています。
「NHKニュース」より
この無症状の感染者が支那の統計には乗ってこないという事実は、一体いつから適用されたのだろうか?別の研究で無症状の感染者が、他人に感染させるリスクはほぼ無いという話は出ていた。この話も支那の研究者から出されたものだったはずだ。いや、しかし感染拡大の最中には、無症状の感染者が感染を広げるリスクが確認されたという報道が、やっぱり支那から出ていたハズなんだが……。
新たに7人という報道
そして、26日にはこんな報道も。
中国、コロナ新規感染7人
2020年05月26日10時53分
中国政府は26日、新型コロナウイルスで発症した感染者の累計が同日午前0時(日本時間同1時)時点で前日より7人増え8万2992人になったと発表した。新規感染者はすべて入国者で、うち5人はロシアから内モンゴル自治区に到着。他の2人は英国から上海市に、米国から福建省にそれぞれ入った後、感染が分かった。
「時事通信」より
あれ?外国から??
これとは別に無症状の感染者は29人増え、403人が隔離されている。
「時事通信」より
そして無症状の感染者も増えている模様。
ところで冒頭の記事は吉林省での感染者の話だったハズなのだが、この時事通信の記事では福建省と内モンゴル自治区だという話になっている。それも「外国から入って来ちゃった」という。

福建省はともかくとして、内モンゴル自治区と吉林省はお隣という事にはなっている。なので、関連した記事である可能性もあるんだけど、言及されていないのはオカシイよね。
北華大学付属医院の担当者は5月17日、大紀元の取材に対して、同病院は15日以降、入院患者を受け入れていないと明かした。「入院治療を受けたい場合、まずNAT検査を受けなければならない」という。
一方、吉林省疾病予防管理センターの5月10日付の通知によれば、同省舒蘭市人民医院の職員1人が9日に感染を確認された。職員は40代の女性だという。濃厚接触者15人が隔離された。
同省舒蘭市公安局の女性従業員が5月7日、中共ウイルスの感染を確認されたが、感染源はわかっていない。その後、この女性を起点に、感染が市内から市外へと拡大し、隣の遼寧省瀋陽市まで広まった。当局は濃密接触者の追跡がこれ以上困難だとし、接触者情報の公開をやめた。
「大紀元」より
大紀元によれば、この情報は支那メディアは無視しているとのこと。
日本企業が強制労働に荷担?
11企業は名の知れた大企業
さて、方向性が全く違う話なのだが、大紀元のニュースでこんなものがあった。
日本企業11社 中国強制労働に関与か 米政権は供給網の中国排除を加速
2020年05月26日 20時50分
世界的に拡大した中共ウイルス(新型コロナウイルス)により、中国依存のサプライチェーン(部品供給網)が停滞する問題が明るみになった。中国生産に依存することは、思わぬ人権侵害加担のリスクを呼ぶ。最近、オーストラリアのシンクタンクは、日本企業を含む数十社の強制労働加担の疑いを指摘した。
~~略~~
オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は3月、ナイキ、アディダス、アップル、サムスンなど多国籍企業83社が、中国共産党政権が系統的に弾圧するウイグル人を労働力に加えるために、中国各地の工場に移送していると指摘した。そのうち11社は日本企業で、日立製作所、ジャパンディスプレイ、三菱電機、ミツミ電機、任天堂、パナソニック、ソニー、TDK、東芝、ユニクロ、シャープをリストに載せた。
研究報告では、2017~19年にかけて8万人以上のウイグル人が、多国籍企業の下請け工場で労働を強いられていると推計した。国際的な人権団体や専門家は、新疆では150万人以上の少数民族が収容所に抑留されているとしている。
「大紀元」より
支那が強制労働に類する事を、ウイグル人達にやらせている疑いがあるという話なのだが、ウイグル人達は隔離洗脳施設で何十万人、何百万人が拘束されているという話もある。
ウイグル人達の収容施設の存在は、このブログでも言及しているのだが、100万人もの人々を強制収容できるという事実がスゴい。
中国政府、ウイグル族収容施設の存在認める 「幸福度高まった」と主張
2018.10.17 Wed posted at 10:50 JST
(CNN) 中国政府が治安対策を理由に西部の新疆ウイグル自治区の弾圧を強める中で、「再教育施設」の存在を認め、入所者は幸福度が高まっていると主張した。
中国政府は100万人もを再教育施設に強制収容していると伝えられ、元入所者は、集中的な「洗脳」を受けて中国共産党の思想などを教え込まれたと証言していた。
「CNN」より
この事はアメリカ議会でも問題視されていて、先日こんなニュースが。
米上院でウイグル人権法案可決 中国の反発必至
2020.5.15 10:14
米上院本会議は14日、中国新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の少数民族ウイグル族を弾圧する中国当局者に制裁を科すようトランプ政権に求めるウイグル人権法案を全会一致で可決した。中国の反発は必至だ。トランプ大統領は、新型コロナウイルス感染症対応を巡り対中批判を強めており、米中対立がさらに激化しそうだ。
「SankeiBiz」より
ウイグル人の人権を守ろうという法案が出てしまったわけだが、どうやらコレが可決される流れになっている。そうなってくると、先に言及したような「強制労働」が疑われる話に関与している企業にも大きな影響があるだろうと予想される。
アメリカが本気でこの問題に手を出してくるとなると、洒落にならない話に繋がってくる。日本企業は覚悟しておかねばならない。早期撤退しないと。
経団連は支那擁護
さて、日本の経団連は支那汚染が進んでいるという話、ここで指摘するまでもないのだが。
中国新型肺炎、習氏来日への影響懸念 経団連会長
2020/1/27 16:22
経団連の中西宏明会長は27日、記者団に対し、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を巡り「(春に予定する)習近平(シー・ジンピン)国家主席の国賓来日に影響しかねない」と懸念を示した。
「日本経済新聞」より
中西経団連会長、全面回帰は困難 部品供給網見直しで―新型コロナ
2020年05月24日14時28分
経団連の中西宏明会長は24日のNHK番組に出演し、サプライチェーン(部品供給網)の見直しについて、海外に依存している生産を全ての分野で国内移管するのは困難だとの認識を示した。
~~略~~
中西氏は「ある国に依存すると、ロックダウン(都市封鎖)時の影響が甚大だ」としてサプライチェーン見直しに理解を示しつつも、「全部を国内に持ってくるのは現実的ではない」と述べた。
「時事通信」より
現在の中西会長、PCメールでちょっと騒ぎになるなど、「老害」の名を欲しいままにしているという噂もある人物なのだが、割りと支那寄りの発言が多い様で。彼には大きな決断をすることは難しいだろう。
個々の発言は、完全に間違っているとは言い難いのだが、大局の判断は遅い上に支那擁護の方針は変わらないようだ。病気よりも習近平氏来日のことを心配する程度の肌感覚だったことが、その事をよく示していると思う。
もっと先を見通せる人材をトップに据えないと、とんでもない事に。
大紀元の報道は支那メディアとは逆方向に
さて、途中で「感染ゼロ」の報道を紹介したのだけれど、同じ日の大紀元の記事を紹介しておこう。
中国東北部で感染拡大 吉林省、市民の北京入りを禁止
2020年05月23日 22時40分
黒龍江省に続き、吉林省、遼寧省にも再び中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染者が現れ、東北部で感染が拡大している。吉林省衛生当局は22日、市民の北京への移動を禁止する通知を出した。
「大紀元」より
あれ?5月23日の記事だよね?
黒竜江省に続き、吉林省、遼寧省にも「再び武漢肺炎の患者が現れ」と、あるんだけど。感染者ゼロは何処に行ってしまったのだろうか。
その一つは吉林省舒蘭市。舒蘭市20日の発表によると、同市内9つの住宅区の警戒レベルを「ハイリスク」に引き上げた。住民の移動が制限されたほか、日用品の購入はネットスーパーなどの宅配のみとなっている。住宅地の入り口での受け取りは各家庭から1人に制限されている。
感染は遼寧省瀋陽市にも拡大し、現地の軍病院が封鎖された。吉林省、遼寧省では8000人以上が隔離された。
「大紀元」より
この記事の内容は、全く別次元の話のように思える。ちなみに別ソースも引用しておこう。吉林省での感染拡大の事実は、どうやらある様だ。
吉林省舒蘭市の感染リスクレベルを「高リスク」に引き上げ、感染者増で警戒続く
2020年05月20日
吉林省衛生健康委員会は5月10日、吉林省舒蘭(じょらん)市の感染リスクレベルを「中リスク」から「高リスク」へと引き上げた。同市では、5月7日に新型コロナウイルスの感染者が1名発生し、5月9日より「低リスク」から「中リスク」へと感染リスクレベルを引き上げていたところ、同日新たに11人の新型コロナウイルス感染者が確認されたため、今回の措置となった。
「JETRO」より
ジェトロのビジネス短信の内容は5月9日~14日頃の状況に言及していて、ちょっと情報の日付が違う様だが、傾向として10日頃にこんな話があったのに、23日には完全に収束していたというのは少々整合性がとれない。
中国 吉林省 地元政府幹部6人解任 感染拡大の責任問われたか
2020年5月17日 15時38分
中国東北部の吉林省で、今月に入り新型コロナウイルスの感染者が相次いで確認されるなか、地元政府の幹部など6人が解任され、感染拡大の責任を問われたものとみられます。
「NHKニュース」より
吉林市から北京への移動禁止、感染拡大警戒
2020/05/25(月)
吉林省吉林市衛生健康委員会は22日、同日から新型コロナウイルスの感染リスクによるレベル分け指定が解除されるまで、市民の北京市への移動を禁止すると発表した。今月に入り同市で感染者が相次いで確認される中、「首都北京の安全、安定を維持する」と説明している。
「NNA ASIA」より
16日に責任者が解任され、22日には、吉林省の市民は北京市への移動が禁止されている。どうにも整合性がとれないね。
いやー、不思議な話だ(棒)
全人代スケジュールが、武漢肺炎感染に影響
ここからは想像の話。
先日、全人代の話をお伝えした。
このスケジュールは、5月21日からという事になっていたことは指摘したのだけれど、吉林省のケースは非常に支那共産党にとって都合が悪かった。
つまり、「感染は発生しなかった」ことにしたのである。
まあ、そういう事かな。
追記
新たに記事を書く方が良いかも知れないが、取り敢えず追記で記事を紹介。
武漢の大規模検査、新型コロナ根絶に成功した可能性-無症状感染ゼロ
2020年6月1日 18:02 JST
新型コロナウイルス感染拡大の最初の震源となった中国湖北省武漢市では、無症状感染例が約2カ月ぶりにゼロとなった。全住民を対象とした大規模な検査が無症状の感染者のあぶり出しに成功した。
「Bloomberg」より
「大本営発表」と日本では揶揄されるレベルの話だが、支那にとって、いや、指導者である習近平氏にとっては都合の良いシナリオだな。
一方で、気になるニュースも。
コロナ対策、現地日本人が「中国は安全」と思えるこれだけの根拠
2020年05月29日 07時00分 公開
新型コロナウイルスによる日本の緊急事態宣言が5月26日に全面解除された。世界で最初に感染が爆発した中国でもほぼ収束し、国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が予定から2カ月半遅れの5月22日に開幕、翌23日には統計開始以来、1日の感染者が初めてゼロになったと発表された(無症状感染者を除く)。
「IT メディア」より
すげー、提灯記事だな。
内容について読む価値はあまりない。
中国本土のコロナ新規感染者は16人、過去3週間近くで最多
6/1(月) 12:04配信
中国国家衛生健康委員会は1日、5月31日の新型コロナウイルス新規感染者が16人だったと発表した。過去3週間近くで最多となった。 全員が国外からの入国者。うち11人は四川省で報告された。
「yahooニュース」より
この記事もベクトルは違えど似たような内容の記事だ。安全性をアピールしている。
北朝鮮が感染源か 中国東北部でコロナ拡大、数万人が隔離中
2020.05.31 07:00
中国では新型コロナウイルスの感染者も減り、年に1度の重要会議である全国人民代表大会(全人代=国会に相当)が2カ月半遅れで開催されるなど、ようやく感染も下火になってきたと思われていた。ところが、遼寧省や吉林省、黒竜江省などの東北部で、劇的に感染者が増えて、いまや東北3省で数万人以上の市民が隔離観察中だ。
その感染源は、吉林、遼寧の両省と国境を接していながら、「感染者ゼロ」と発表している北朝鮮である可能性が高いことが明らかになった。習近平指導部は北京で全人代を開催していたこともあり、クラスターを警戒し、東北3省の市民約1億人以上の移動禁止措置を決めていた。
「NEWSポストセブン」より
ところが、この記事の本文にも記載したように、実際には吉林省で感染報告があがっていて、引用したNEWSポストセブンの記事でも遼寧省や黒竜江省でも感染者が増えたとの報道がある。
支那共産党はコレを認めてはいないが、第二波はどこの国にも確実に訪れる。程度の差こそあれ、感染を完全に防ぐことができるというのは妄想の類であり、切っ掛けがあれば感染拡大は避けられない。
そもそも世界は既に支那の報告する数字を信用はしていないが、この内容の乖離は余りに酷い。都合の悪いことは包み隠すのが支那のやり方とはいえ、これ、再び押さえ込みに失敗してロックダウンなんて事になりかねない。
支那が現在強気でいられる理由は、「感染を押さえ込む手法を手に入れた」という妄想の上に成り立っている話で、どんなに頑張っても小規模の感染の波は発生するのが感染症の常識である。そうだとすると、どちらの記事が信用に足る話かは明らかなんだが。
コメント
木霊様、みなさま、今晩は
最近「気づいた」というか「思いついた」というか
中国の指導者って、古代の王、皇帝みたいですね。せいぜい中世、戦国時代の武将かな。
中華思想によると、中国が唯一の文明国で、それ以外は野蛮人。中国が教え導き、文明化すべきなんですね。実際には侵略、支配するんですけどね。
その観点で見ると「なるほど」なんですが、東夷(中国の東にある野蛮人の国)である我国としてはそうは言っていられない。
戦国武将「わしが天下に号令せねばこの国は治まらん。邪魔な○は攻め滅ぼせ」みたいな感じですね。いまだに、ン千年の歴史の中華思想が政治の原理、原則になっているみたいです。
軍事的には備えながら、中国の力を削ぐ政策をとるべきですね。中国への
・技術移転禁止
中国のロケットは実質ソユーズだと聞いた事があります。技術移転禁止にロシアを巻き込む、うまい手はないですかね??
・ハイエンド製品、特に製造装置などは禁輸(戦略物資である程度カバーされているようですが)
他にいい方法、ありますかね。
今までのようなやり方の方が、短期的には儲かると思いますが・・・
習近平氏も中華皇帝を目指しているので、国家観も幼稚なのかもしれません。
そして、支那の皇帝は必要なものは奪ってくるが基本ですから、地道に育てるという発想は殆ど無いようです。
ただ、彼らは商売が巧みですので、色々な手法で儲けることを考えます。兵は詭道なりを地でいく人が多い印象ですね。
支那人達と付き合うというのは、距離を置く、深い付き合いを市内、というのが基本だと思います。
木霊様、みなさま、今晩は
> 習近平氏も中華皇帝を目指しているので
「中華」が「中国」ならばいいんですけど、アジアの東半分と太平洋の西半分 —> アジア全部と太平洋の大部分 —> ユーラシア、オセアニアも —> アメリカ以外全部 —> アメリカを含む全世界。なんでしょうね。「見えるものは全部天子のもの」ならば、そうなってしまいます。
侵略したい相手にいやがらせしをて、先に引き金を引いてもらえればよし。戦争の大義名分できる、とでも思っているのでしょうか。なんとも野蛮な。
中華思想のトップに君臨するのが中華皇帝です。
当然、世界の中心に支那があるべきだという思想の元に、政策を進めているのだと考えてイイと、僕はその様に考えています。
音楽大好き様
>中国の指導者って、古代の王、皇帝みたいですね。せいぜい中世、戦国時代の武将かな。
確かに、中国共産党のトップの多くが「古代の王、皇帝みたい」だと思います。
ただ、(日本の)戦国大名は、違うと思います。
(日本の)戦国大名は「上洛」(京都に入ること)を目指しましたが。天皇に取って代わること(≒自身が皇帝になること)を目指した例は確認されてないと思ってます。
連投失礼します。
面白いことに、現在の中国の政治体制は、明治~戦前の日本の政治体制に似たところがあります。拾いものですが、図を貼ります。
・中国の政治体制
https://seijikeizai7.com/wp-content/uploads/2019/08/china.jpg
・戦前日本の政治体制
http://historyjapan.org/wp-content/uploads/2016/09/50605ea3b1567078c8ff95d7e373ba58.png
ポイントは、「軍事」が「行政」に含まれない(≒内閣・議会がコントロールできない)点ですね。
中国の「人民解放軍」は「中国共産党の軍」ですし、戦前日本の陸海軍は「天皇の軍」でした。
拾ってきた先のブログにも、それぞれ以下の記述があります。
>中国における権力集中制は、共産党が権力をすべて掌握している一党独裁体制です。
>神聖不可侵とされた天皇は統治権のすべてを握っていました。
ということで、「中国共産党のトップ≒皇帝」なんでしょうね・・・
興味深い資料をありがとうございます。
ただ、この大日本帝国憲法下における「軍事」と「行政」に関してですが、確かに軍部の大元帥の地位にあったことは事実です。
しかし、陸軍は陸軍参謀本部が、海軍は軍令部が管轄し、天皇陛下の権限が実質的に及ぶ構造になっていません。
天皇の軍であったとしても、人民解放軍のように支那共産党の指示で動くという構造とは全く異なります。
ご紹介頂いたブログの内容は、誤認が含まれると思います。
具体的に、例えば、「神聖不可侵」とあるのは大日本帝国憲法第3条に記載されていますが、その権源は第4条に「天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ」とあるように、統治権を行使することは出来ません。「総攬」とは「統合して一手に掌握すること」と説明されますが、5条にある様に天皇陛下が直接立法することは出来ません。帝国議会が立法権を持ち、作られた法律を施行する権限しか有していませんでした。
また、第55条に「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス」とある様に、任命は出来ましたが国務各大臣が「輔弼(ほひつ)」するとあります。つまり、国務各大臣は施行に過誤がないよう意見を進言することを任務としていますから、自室的に天皇陛下に行政的な決定権はなく、任命権を有しているに過ぎません。
また、11条に「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」とありますが、実際には参謀本部や軍令部が帷幄上奏(或いは輔弼、正確には輔翼(ほよく)という)する構造になっていて、天皇陛下が軍部に命令を出すことができませんでした。権力集中は形の上での話であり、構造的に権力はトップにあるものの、実権は各部が持っていたという構造になります。
今風に言うと、シビリアンコントロールが無いと言う事になるのかも知れませんが、しかし、帝国議会や大臣、或いは参謀本部や軍令部が天皇陛下の下に並列的に配置されていた構造になっていますので、実質的に軍部の力が強くなってしまったという失敗はあるにせよ、構造的には全く支那のそれとは異なります。
権限分散は、大日本帝国憲法下でも担保されていたわけですね。ただ、東条英機は首相になった上で三職の兼任をして権力の集中を招いてしまいました。兼任を禁止する規定が置かれていなかったのが失敗だったのでしょう。
長くなってしまいましたが、政治体制は違うと思いますよ。支那と大日本帝国憲法下の体制とは。